2021年下期の科学トピックまとめ(その2/2・end)

 新年は始まったばかりで、まだシンポジウム関係はない。

 そのために2021年下半期の科学トピックをまとめた。
 先週は(その1)として、下記の(3)までの項目とした。
 今週は(その2)として、下記の(4)(5)についての項目を書く。
 ただし、私の個人的な興味・偏見に基づくものであるから、網羅しているわけでもなく、多少の偏りがあるかもしれない。

 どういう項目がいいかは去年のブログを参考に分類した。
 (1)AI、ロボット、ドローン等の最近の流行の機器関係
 (2)エネルギー、電池、水関係
 (3)iPS、がん治療、医療関係
 (4)宇宙、プラゴミ関係
 (5)その他(新型コロナも含む)

 これらについて順番に書いてみる。

(4)宇宙、プラゴミ関係
 1番目は毎日新聞の『「推進力に衝撃波」新エンジン成功 JAXA、宇宙探査基幹技術(7/27)』である。
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所で、メタンと酸素の混合ガスの燃焼時に生まれる衝撃波を利用した新型エンジンを搭載した、観測ロケット「S―520」31号機を打ち上げた。
 宇宙空間でのエンジン性能実証が目的で、JAXAによると実験は成功した、という。

 2番目は日経新聞の「宇宙滞在、人工重力で筋力維持 月・火星進出見据える(8/9)」である。
 人間は重力の影響をほとんど受けない宇宙空間に長い間滞在すると、骨や筋肉が衰えて身体機能が低下してしまう。
 月や火星などの宇宙進出に向けて注目が集まるのが、地球と同程度(1G)の力を宇宙で生み出す「人工重力」だ。
 マウスの実験環境が整い、人間の宇宙居住への応用を探る動きも出てきた。
 2050年には新技術が、宇宙での人類の健康を支えているかもしれない、という。
 これ以上は有料会員限定で見られなかった。

 ちょっと気になるので、JAXAのHPを見ると、この研究に関係ありそうな記事があった。
 それが以下の記事である。
『世界で初めて1g 以下の長期可変人工重力環境での小動物(マウス)個別飼育に成功し、μg ~1g のほ乳類への重力影響を「きぼう」で評価することが可能となった。』
 この研究には筑波大学等も参加しているようで、こちらでも同様の記事があった。

 3番目は読売新聞の「マウス受精卵は宇宙で育つのか…ISSで9月に実験へ(8/21)」である。
 山梨大などの研究チームは9月にも、国際宇宙ステーション(ISS)でマウスの受精卵が正常に育つかどうか確かめる実験を実施する。
 無重力環境の宇宙で、人間を含めた哺乳類は生まれ育つことができるのかなどを探るのが目的だ、という。

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         図1 受精卵は宇宙で育つかの実験状況

 4番目は日経新聞の「月の裏側に電波望遠鏡 宇宙の暗黒時代解明に各国が構想(8/24)」である。
 星の素材となる水素ガスは特定波長の電波を放つので、天文学者は、暗黒時代から到来するこの電波をキャッチしようとしているが、地上の電波望遠鏡では地球大気や様々な人工的な電波が障害となって観測することが難しい。
 そこで白羽の矢が立ったのが月の裏側だ。
 月の裏側は地球からは見えない。
 裏返していえば、月の裏側から上空を見ると、地球が視野に入らない。
 観測の邪魔になる大気もなく、地球からの人工電波も来ない理想の場所だ。
 複数の研究グループが構想を温めている、という。

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         図2 月の裏側の電波望遠鏡の概念図

 5番目は読売新聞の『宇宙ごみ回収、模擬実験に成功…実証衛星が磁石で「捕獲」(8/27)』である。
 宇宙新興企業「アストロスケール」(東京都)は26日、今年3月にカザフスタンの宇宙基地から打ち上げられた宇宙ごみ回収の実証衛星が、模擬宇宙ごみを捕獲する実験に成功したと発表した。
 実証衛星は26日未明、高度550キロ・メートルの軌道上で、機体に連結されていた模擬ごみをいったん切り離した。その後、エンジンを噴射して再び模擬ごみに近づき、磁石でくっつけて捕獲に成功した。

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         図3 宇宙ごみ回収のイメージ

 6番目は読売新聞の「水道管の漏水、人工衛星から発見…期間も費用も大幅減(9/17)」である。
 宇宙から、地中の水道管の水漏れを発見する。
 愛知県豊田市が昨年から今年にかけ、人工衛星のデータを活用した水道管の漏水調査を全国で初めて行った。
 従来の手作業では5年程度かかった調査が7か月間に短縮でき、費用も大幅に削減できる。
 画期的な手法だとして、市には全国の自治体や民間業者からの問い合わせや視察が相次いでいる、という。

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         図4 水道管の漏水を人工衛星で発見

 7番目は日経新聞の「大林組、「宇宙エレベーター」実現へ材料検証進める(10/4)」である。
 大林組が地上から宇宙へ人や物を運ぶ「宇宙エレベーター」の実現に向け、ケーブルの材料の検証を進めている。
 カーボンナノチューブ(CNT)を大気圏に長期間置くと損傷することが明らかになったため、金属やケイ素で表面を保護したCNTを検証中だ。
 2021年中にも結果が分かる見通しで、損傷がなければCNTの利用にメドが立つ。
 現在掲げる「50年の運用開始」との目標に一歩近づくことになる、という。
 これ以上は有料会員限定で見られなかった。

(筆者注:宇宙エレベーターとは空想物語と考える人は多いと思う。私もかつてそう考えていた。でもここで重要な概念があることで空想ではないと理解できる。それは静止衛星のことである。大林組のHPから抜粋する。
 『地球を周る人工衛星は、地球の重力に引っぱられても落ちない速度で周っているため、高さを維持し続けている。
 赤道の上空約36,000kmにある人工衛星は、地球の自転と同じ速度で周っていて、地球からは同じ位置に静止しているように見えることから、「静止衛星」と呼ばれている。
 この静止衛星から、バランスをとりながら地球側と宇宙側にケーブルを延ばし、人や物資を輸送できるようにしたものが、宇宙エレベーターだ。』)

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         図5 宇宙エレベーターのイメージ

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         図6 宇宙エレベーターの概念図

 8番目は朝日新聞の「プラ添加剤汚染広がる 世界の半数の海鳥から成分検出 国際チーム(10/12)」である。
 日米などの国際研究チームが世界16カ所で海鳥145羽を調べたところ、半数以上の76羽の体内から、プラスチックの耐久性を高めるために加えられた添加剤の成分が見つかった。
 一部の添加剤は生物の免疫などに影響することが指摘されており、研究チームはプラスチックごみの削減や無害な添加剤への転換を訴えている、という。

 9番目は日経新聞の「米ブルーオリジンが宇宙ステーション 2020年代後半稼働(10/20)」である。
 米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏が率いる宇宙開発スタートアップの米ブルーオリジンは25日、宇宙ステーションの開発構想を発表した。
 商業的に開発・所有し、2020年代後半の運用開始を目指す。
 米国の宇宙開発における「官から民」への流れが加速することになりそうだ、という。

 10番目は毎日新聞の「小惑星の地球衝突、体当たりで防げ NASAなどが軌道変更実験(11/20)」である。
 地球に近づく小惑星に体当たりして衝突を防ぐ。
 米航空宇宙局(NASA)とジョンズ・ホプキンズ大は今月、小惑星を狙って探査機を実験的に発射する。
 直前にカメラを分離し、体当たりによる軌道変更の瞬間を撮影する計画だ。
 地球を危機にさらす心配はない、という。

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         図7 軌道変更実験のイメージ

 11番目は毎日新聞の『海中を縦横無尽 「獲物」は逃さぬ 長崎大が海洋ゴミ調査船ロボット(12/1)』である。
 海洋ごみの生態系への影響が深刻化する中、長崎大副学長の山本郁夫教授(ロボット工学)が、水中カメラなどを搭載した自動の「海洋ゴミ調査船ロボット」を開発した。
 目視などで実施していた海洋ごみの実態調査を効率化し、ごみの回収につなげる狙いである。
 来秋の実用化を目指している、という。

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         図8 ゴミ調査船ロボット

 12番目は読売新聞の「宇宙ごみ回収 政府が指針…世界初 事業化後押し 衝突防止策など求める(12/10)」である。
 これは最初から有料会員限定で見られなかった。

 このキーワードで他のデータを見ていると、JAXAの資料があったので、それから抜粋する。

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         図9 スペースデブリの内訳

 ISO-24113スペースデブリ低減要求(2010年)がIADC(宇宙関連国の委員会)ガイドラインの工業的な実施方法を定めた国際標準としてあり、各国はこの標準に合せた基準作りを行っており、日本政府もこれに従っていると思う。

 13番目は日経新聞の「地球に届く電磁波、経路可視化 宇宙天気予報を高精度に(12/22)」である。
 金沢大学や名古屋大学などの研究チームは宇宙から地球に届く電磁波の経路を3次元で立体的に可視化することに成功した。
 2つの人工衛星と地上の2拠点による観測を組み合わせ、地球へとストローのように細長く伸びていると突き止めた。
 人工衛星の故障や宇宙飛行士、宇宙旅行者らの放射線被曝(ひばく)などを防ぐ「宇宙天気予報」の高精度化につながる。
 これ以上は有料会員限定で見られなかった。

 しかし、このキーワードで情報通信研究機構NICTのHPで該当する記事があった。

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         図10 宇宙天気予報の可視化の様子

 14番目は読売新聞の「宇宙でもビールが造りたい!…重力なく高難易度、自動醸造機も試作(12/27)」である。
 名古屋市の精密機器メーカー「高砂電気工業」が、宇宙空間でビールを醸造する技術の開発に取り組んでいる。
 将来的な宇宙空間での長期滞在を見据え、国際宇宙ステーション(ISS)などで発酵食品を製造できるようにするのが狙いだという。
 ビールは、麦芽からつくった麦汁を酵母の力で発酵させて醸造する。
 ほぼ重力のないISSなどで発酵させる場合、人工的に対流させる必要があり、難易度が高い、という。

 以上で、(4)宇宙、プラゴミ関係について終了とする。

 簡単なまとめとして、宇宙に関しては、やはり気になることとして、宇宙ゴミの問題があり、回収等も考えられている。
 そうかと思えば、宇宙でビール、宇宙でマウスの受精卵育つか、等の興味があるテーマもチラリとある。
 小惑星の衝突防止実験も少し気になるし、水道管の漏水調査で衛星利用もスケールの大きな話である。
 海洋のプラスチックゴミでは、調査船ロボというのが面白い研究と思う。

(5)その他(新型コロナも含む)

 その他の項目としては、AI・ロボット、エネルギー・電池・水、iPS・医療関係、宇宙・プラゴミの分類に入らなかったものを取り上げる。
 新型コロナの問題は医療の中に入れるべきであろうが、ちょっと従来からの医療と性質が違うと思い、その他、として取り上げることとした。

 1番目は毎日新聞の「ゲノム編集監視、小委設置を提言 WHOに専門家委(7/15)」である。
 世界保健機関(WHO)の専門家委員会は12日、人間のゲノム編集について、臨床試験を監視する小委員会をWHOが設置することを求める勧告を提出した、という。

 2番目は日経新聞の「空気中のCO2回収、10倍速く 都立大が吸収物質発見(8/2)」である。
 世界が脱炭素社会をめざす中で期待を集める技術の一つが、空気中から二酸化炭素(CO2)を捕集・分離する直接空気回収(DAC)だ。
 東京都立大学は空気中のCO2を回収でき、現在使われているCO2捕集物質の最大10倍の吸収効率を達成可能な手法を開発した。
 実用化して広く普及すれば、2050年には人が排出するCO2の大部分は回収できるようになる可能性がある。
 これ以上は有料会員限定で見られなかった。

 3番目は朝日新聞の「常圧CO2からプラ合成、世界初 大阪市大などが成功(8/2)」である。
 大阪市立大学や東北大学などの研究チームが、圧力をかけない常圧の二酸化炭素(CO2)からプラスチックの合成に世界で初めて成功したと発表した。
 地球温暖化につながるCO2を、必要な化学品に変換していくことで削減できるかもしれない。
 チームが合成したのは、プラスチックの一種ウレタンの原料ポリカーボネートジオール(PCD)だ。
 PCDを使ったウレタンは耐久性、耐水性に優れ、スーツケース、スポンジなどに利用される、という。

 4番目は日経新聞の「買い物で認知症予防 島根の会社が全国展開を加速(8/4)」である。
 買い物を通して高齢者の認知症予防などにつなげる事業を展開するショッピングリハビリカンパニー(島根県雲南市)は全国展開を加速させる。
 新型コロナウイルス感染症の影響で中断していたが、今夏に関西などで新たに3店を開店させ、計11店となった、という。

 5番目は日経新聞の「セルロースナノファイバーを電子部品に 環境負荷軽く(8/5)」である。
 木材から作る新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」を電子部品や蓄電装置などに応用しようという研究が盛んだ。
 軽くて丈夫という特徴から、これまで自動車の軽量化やプラスチックの代替などに注目が集まっていた。
 電気をためる作用などがあると分かり、用途を広げる試みが活発化している、という。

 6番目は朝日新聞の『植物は「聞き耳」を立てている 虫に食われる危険を察知(8/9)』である。
 弘前大学や龍谷大学のチームは、植物が傷つくと出る化学物質を感知した別の植物が、害虫への防御力を高める物質を増やすことを確かめた。
 植物には目も鼻もないが、周りの別の植物が虫に食われたことを知る能力があるようだ。
「植物間コミュニケーション」と呼ばれる現象だ。
 チームは、温室で大豆の苗を育てる際、外来種の雑草セイタカアワダチソウの葉に虫に食われたような切り込みを入れて近くにつるし、化学物質を出させた、という。

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        図11 聞き耳を立てるセイタカアワダチソウ

 7番目は日経新聞の「3Dプリンター、10日で住宅建築 臓器も代替肉も製造(8/12)」である。
 戸建て住宅がわずか10日で完成する。
 米スタートアップが昨年から住宅の建築に活用しているのは3Dプリンターだ。
 従来は樹脂や金属加工に使われてきた3Dプリンターは技術開発が進み、移植用臓器や代替肉にも活用分野が拡大した。
 短期間で人手がかからないものづくりを実現し、イノベーションも生み出すとの期待が膨らむ、という。
 これ以上は有料会員限定で見られなかった。

 8番目は朝日新聞の『数学者も恐れる「ハマると病む難問」 解けたら1億円、企業が懸賞金(9/4)』である。
 一見単純そうなのに80年以上も数学者を悩ませている未解決問題「コラッツ予想」の証明に、日本のベンチャー企業が1億2千万円の懸賞金をかけた。
 数学の問題にかけられた懸賞金としては世界最高レベルである。
 問題は小学生でもわかるほど簡単だが、数学者の間では「はまると病む難問」「宇宙人が仕向けた罠(わな)」などと恐れられる。
 一体どんなものなのか。

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         図12 コラッセ予想の例

 9番目は日経新聞の「リコー、裸眼・全方向の立体映像 未公開技術を予想(9/7)」である。
 リコーが立体映像装置の開発に力を注いでいる。
 裸眼で360度全方向から見られることが特徴だ。
 平面ディスプレーに映す一般的なものではなく、独自開発のスクリーンとプロジェクターを組み合わせて実現したとする。
 ただ、リコーはこの内容を公表していないらしい。

 10番目は日経新聞の「球状歯車、SNSで沸騰 ハードウエア開発に新風の予感(9/14)」である。
 「球状歯車」という言葉を目にしたのは、2021年6月だった。
 ツイッターを何気なく眺めていると、とげのついた玉のような物体がうねうねと動く様子が飛び込んできたのだ。
 ヒト型ロボットの肩関節を彷彿(ほうふつ)とさせることから、関連投稿が1万リツイートを超えるほどに反響を呼んでいた。
 これ以上は有料会員限定で見られなかった。

 ただ気になったので、上記のキーワード付近にあったQuaraの記事に球状歯車の構造図が載せてあった。

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         図13 球状歯車の構造

 これを見てもまだよくわからないが、解説には「xyzの3軸回転を同時に無段階制御が出来て、歯車機構により高精度な作動を実現していることが画期的」とあった。

 11番目は毎日新聞の「日本人の祖先、3集団 縄文・弥生・古墳時代 金沢大などが研究、人骨ゲノムを解析(9/21)」である。
 縄文、弥生、古墳時代の遺跡から出土した人骨のゲノム(全遺伝情報)を解析した結果、現代日本人は大陸から渡ってきた三つの集団を祖先に持つことが分かったと、金沢大などの研究チームが17日付の米科学誌電子版に発表した。
 大陸の集団から分かれた縄文人が暮らす日本に、古墳時代までに2段階にわたって大陸から遺伝的に異なる集団が流入したとみられる。
 日本人の祖先を巡っては、縄文人と弥生時代に大陸から移住した渡来人が混血したとする「二重構造モデル」が有力とされていたが、新たに「三重構造モデル」を提唱した、という。

 12番目は日経新聞の「魚肉エキスの有機肥料で攻勢 大成農材、SDGs追い風(9/24)」である。
 肥料メーカーの大成農材(広島市)は魚肉のエキスを使った固形の有機肥料を製造する。
 化学肥料に比べて市場規模は小さいが、農林水産省が5月に有機農業面積の大幅拡大を盛り込んだロードマップを策定したことを受けて問い合わせが増えている。
 同社は自社肥料のみを使った農場も運営しており、有機肥料のPRを強化する考えだ。
 これ以上は有料会員限定で見られなかった。

 13番目は日経新聞の『日本発新素材「MOF」に世界が注目 脱炭素のカギに(9/27)』である。
 日本人研究者らが生み出した新素材が脱炭素のカギを握ろうとしている。
 微細な穴が無数に開いた金属有機構造体(MOF)は1グラムにサッカーコート1面分の表面積があり、狙った物質をとじ込められる。
 果物の鮮度の維持や半導体の製造などで実用化されているが、応用の本命は環境分野だ。
 二酸化炭素(CO2)の回収や脱炭素燃料の水素の貯蔵に利用しようと世界中で研究が進む、という。
 これ以上は有料会員限定で見られなかった。

 14番目は時事ドットコムの『オーロラ、鎌倉時代に最接近 藤原定家の「赤気」裏付け―地磁気データ基に再現(10/4)』である。
 オーロラが見えやすい地域「オーロラ帯」の過去3000年間の変化を再現した結果、日本からの距離は鎌倉時代の1200年ごろに最も近かったと、国立極地研究所などが発表した。
 当時の歌人藤原定家は日記で「赤気」(せっき、赤い光の意味)を京都で目撃したと記しており、研究成果は定家の記述を裏付ける形となった、という。

 15番目は日経新聞の「水をくむだけの環境DNA分析 寄生虫病対策に応用も(10/5)」である。
 水をくむだけで、そこにすむ生物を特定できる「環境DNA分析」が注目を集めている。
 水中を漂うDNAを分析するため、人の目で生物を探す作業が不要だ。
 採集が難しい希少生物のすみかが分かれば保全に役立つ。
 環境DNA分析の先駆者である神戸大学の源利文教授に、現状と今後の展望を聞いた、という。
 これ以上は有料会員限定で見られなかった。

 16番目は日経新聞の「スイス発スタートアップ、CO2を岩石に変え地下貯留(10/11)」である。
 スイスの環境技術開発スタートアップ、クライムワークスが北欧アイスランドで大気中の二酸化炭素(CO2)を回収する大型プラントを稼働させた。
 「脱炭素」の機運を背景にCO2処理による収益機会が広がっているためで、同社は特殊なフィルターを使って集めたCO2を岩石に変え、地中に永久に埋められる技術を確立した。
 普及に向けて課題とされるコスト削減へさらなる改良を加えていく、という。
 これ以上は有料会員限定で見られなかった。

 17番目は毎日新聞の「CO2を常温で合成し材料開発 高密度で閉じ込め可能に 京大など(10/12)」である。
 二酸化炭素(CO2)を原料に常温・常圧で多数の小さな穴を持つ材料(多孔性材料)を合成することに成功したと、京都大などの研究チームが米化学会誌に発表した。
 CO2を原料とした立体構造の入れ物に、高密度のCO2を閉じ込めることが可能となり、地球温暖化につながる大気中のCO2の効率的な貯留などに活用が期待される、という。

 18番目は日経新聞の「原子まで見える顕微鏡、中外製薬が導入 創薬しやすく(10/14)」である。
 創薬の標的となるたんぱく質を探る「目」や「頭脳」が進化している。
 2017年のノーベル化学賞受賞テーマで、分子を撮影する「クライオ電子顕微鏡」は原子レベルの解像度に達した。
 中外製薬などの製薬会社が導入する。
 英スタートアップは体内のほぼ全てのたんぱく質の構造を人工知能(AI)で予測する技術を開発した。
 創薬の効率が高まると期待を集める、という。
 これ以上は有料会員限定で見られなかった。


 19番目は朝日新聞の「人工関節の材料、サンゴが骨格と認識して成長? 関大、再生にいかす(10/20)」である。
 ひざの関節や股関節の痛みが進んだときに、手術で置き換える人工関節がある。
 その材料の技術をサンゴ礁の再生にいかす研究を、関西大学(大阪府吹田市)の上田正人教授が進めている。
 特殊な装置や接着剤は必要ない。
 人工関節にも使われる金属の基盤の上にサンゴの断片を固定して成長させるという、移植方法だ、という。

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         図14 サンゴの成長の様子

 20番目は毎日新聞の『野菜が地球を救う? 東大が科学的に探る食品ロス削減の「切り札」(10/24)』である。
 まだ食べられる状態の食品を捨てる「食品ロス」など食品廃棄物を減らしたい。
 そんな問題意識を持って、野菜や果物などから建材を作ろうとしている研究チームが東京大にあるという。

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         図15 野菜から作った建材の例

 21番目は読売新聞の『ゲノム編集で成長1・9倍「22世紀ふぐ」、試験販売へ…トマト、マダイに続き3例目の認可(10/29)』である。
 厚生労働省は29日、遺伝子を効率よく改変するゲノム編集技術を使って成長を速めたトラフグについて、新興企業リージョナルフィッシュ(京都市)が申請したゲノム編集食品の届け出を受理した。

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         図16 ゲノム編集ふぐ

 約2歳の時点で比較した「22世紀ふぐ」(上)と、従来のトラフグ(リージョナルフィッシュ提供)
 同日開かれた厚労省の専門家調査会が、同社が流通を計画しているトラフグの安全性に問題がないことを確認した。
 ゲノム編集食品の国内での届け出は、トマト、マダイに続き3例目で、同社の届け出はマダイに続き2例目となる、という。

 22番目は毎日新聞の『海洋学者が警鐘 「炭鉱のカナリア的存在」日本海の異変とは(11/9)』である。
 日本海で異変が起きている。
 海洋学者らがそう指摘する。
 「地球温暖化の影響でないと説明ができない。
 異変により、長期的には生態系に影響が出るかもしれない」という。
 そんな日本海には、太平洋など大洋のように海水が循環する特性があることから、異変はいずれ大洋でも生じる可能性がある。
 「炭鉱のカナリア的な存在」と言われている日本海で、何が起きているのか。
 「日本海の循環が、南部を中心に急速に変わっている可能性がある。温暖化が原因でないと説明がつかない」ということらしい。

 23番目は毎日新聞の「コロナウイルス無力化 光触媒のコーティング剤 前橋の会社が販売(11/17)」である。
 環境整備事業などを手掛ける前橋市の「大栄産業」(戸塚和昭社長)が販売する、光触媒でウイルスや菌を不活化させるコーティング剤「チタニア1・0」に注目が集まっている。
 群馬大発のベンチャー企業「グッドアイ」が4月、新型コロナウイルスの不活化にも効果があることを確認したためで、戸塚社長は「新型コロナやインフルエンザの予防にぜひ役立ててほしい」と呼び掛けている、という。

 24番目は日経新聞の「ラーメン廃棄豚骨で汚染水浄化 開発者も驚く吸着性能(11/19)」である。
 ラーメン店の廃棄豚骨で、放射性物質に汚染された水が浄化される。
 安価かつ大量生産が可能な金属吸着剤を、日本原子力研究開発機構と東京大学大学院理学系研究科の研究チームが開発した。
 「重金属を含む土壌の浄化や、発展途上国などでの飲料水の浄化に使うといった用途も考えられる」という。
 これ以上は有料会員限定で見られなかった。

 25番目は日経新聞の「半導体材料を細菌が回収 広島大、素子作製にも挑む(11/22)」である。
 使用済みの電子機器や家電などから有用な金属を取り出して再利用する「都市鉱山」は東京五輪・パラリンピックのメダルで有名になった。
 回収を微生物が担ってくれれば、より円滑に再利用ができるかもしれない。
 広島大学などは海中や工場の廃液中に多く混じる半導体の材料を細菌に集めさせ、素子の合成も目指した研究を進める、という。
 これ以上は有料会員限定で見られなかった。

 26番目は朝日新聞の「下水を分析→コロナ感染者数を予測 東北大などが仙台で実験を開始(11/23)」である。
 下水で新型コロナウイルスの感染者を予測する。
 東北大や山形大の研究グループなどは、下水に含まれるウイルスの分析結果をもとに今後1週間の新規感染者数を予測する実験を始めた。
 感染拡大の兆候を早めに把握することで、医療体制の強化への活用も期待される、という。

 27番目は日経新聞の「デイブレイク、風味・鮮度閉じ込める冷凍機 細胞傷めず(11/23)」である。
 特殊冷凍事業を展開するスタートアップのデイブレイク(東京・品川)は食品の風味や鮮度を損なわずに閉じ込める特殊な冷凍機を開発した。
 解凍した際、冷凍前に近い状態になるという。
 冷気の送風方法を工夫し、食品内部に生じる氷の結晶を小さく均一にし、食品の細胞を傷めず冷凍できるようにした。
 食品の長期保存により、廃棄削減などにも役立つという。
 これ以上は有料会員限定で見られなかった。

 28番目は日経新聞の「代替肉、フードテックで納得の味 投資妙味も三ツ星級(11/29)」である。
 食とテクノロジーを組み合わせた「フードテック」の裾野が広がっている。
 植物由来のたんぱく質で作る代替肉は、物珍しさから味わいを追求する本格的な商業段階に入った。
 先端IT(情報技術)を活用して農作物の生産性や販売効率を上げる取り組みも増えている、という。
 これ以上は有料会員限定で見られなかった。

 29番目は読売新聞の「使い道なさそうな「排せつ物」実は可能性の宝庫…バランスよい栄養分、野菜栽培に活用(11/30)」である。
 神奈川県の「カワスイ 川崎水族館」(川崎市川崎区)が、飼育しているカピバラの排せつ物を使い、餌となる野菜を栽培する展示を始めた。
 化学肥料を必要としない環境に優しい取り組みで、世界初の試みだという。
 同水族館では「生き物を通じて環境に関心を持ってもらえたら」としている。

 30番目は毎日新聞の『ゼロエミッション船「ウインズ丸」 大村湾で実験開始 商船三井(12/2)』である。
 商船三井(東京都)は1日、風力と、風力でできた水素発電エネルギーだけで航行するゼロエミッション(CO2排出ゼロ)のヨットの実証実験を長崎県の大村湾で始めた。
 自然エネルギーのみで航行する船舶を目指す実験で、国内最先端の取り組みに注目が集まる。

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         図17 ゼロエミッション船

 31番目は日経新聞の「テレビ不正視聴横行、被害でも規制に難 犯罪組織の標的(12/6)」である。
 不正なアプリを使い、有料番組を無料で見ることができる機器の販売がインターネット上で横行している。
 被害が相次いだ海外では取り締まり強化などで阻止が進むが、日本では現行法で機器の販売を規制することが難しく、犯罪組織のターゲットになりつつある。
 放置すれば放送各社の損害が広がりかねず、対策が欠かせない、という。

 32番目は日経新聞の『「ファクターX」は日本人6割にある白血球の型か…防御力の解明につながる可能性も(12/10)』である。
 理化学研究所は日本人の約6割にある白血球の型を持つ人では、風邪の原因となる季節性のコロナウイルスに対する免疫細胞が新型コロナウイルスに対しても反応することをみつけた。
 細胞実験レベルだが、コロナウイルスへの交差免疫があり、日本人で新型コロナの重症者などが少ない要因「ファクターX」の一つである可能性があるという。

 33番目は時事ドットコムの『漂着軽石、活用アイデア続々 釉薬や土壌改良、水質浄化も―専門家「資源循環の好例」(12/13)』である。
 小笠原諸島の海底火山噴火により各地に漂着した大量の軽石は、漁業や観光業に影響を及ぼす一方、活用への模索が始まっている。
 釉薬(ゆうやく)の材料や畑の土壌改良に使うなど、さまざまな取り組みが行われており、災害廃棄物の再利用に詳しい専門家は「資源循環の好事例だ」と評価している、という。
 神奈川県立産業技術総合研究所などの研究チームが、軽石の表面を吸着材に使われる「ゼオライト」の結晶に変える実験に成功した。
 小野洋介主任研究員は、海面に浮かべて水質浄化などに活用できる可能性があると説明する。
「実用化には企業の参入が必要だが、放射能汚染水の処理にも使えるかもしれない」という。

 34番目はNHKニュースの「水素濃度を瞬時に測定 新技術開発 安全対策につながるか注目(12/19)」である。
 地球上で最も軽い気体「水素」の濃度を瞬時に測定する装置を日本原子力研究開発機構の研究グループが開発した。
 新たなエネルギーの期待が高まる水素の安全対策につながるか注目される、という。

 35番目は日経新聞の『トヨタが挑むソフト発の製造業 新産業革命「SDX」(12/13)』である。
 ソフトウエア・デファインド(SD)による変革の波が押し寄せている。
 ソフトがモノやサービスを定義するという発想で、伝統的な製造業では従来の常識が一変する可能性を秘める。
 日本の産業界は、あらゆるものをソフト発で再定義する「SDX」に対応できるか。
 純白に映える富士山頂を間近に見据える土地で、未来都市の建設が進んでいる。
 トヨタ自動車がつくる「Woven City(ウーブン・シティ)」だ。
 これ以上は有料会員限定で見られなかった。

 36番目は日経新聞の「東京メトロがMaaS推進 アプリから誘客、まず奥浅草(12/21)」である。
東京地下鉄(東京メトロ)が次世代移動サービス「MaaS(マース)」を需要喚起に活用している。
収益の8割近くを依存する鉄道運輸収入は新型コロナウイルス禍での落ち込みから回復に向かうが、客足は鈍く時間がかかる。
そこでMaaSを通じて他の移動手段のほか沿線エリアの企業や自治体などと連携し、周遊につなげる、という。
 これ以上は有料会員限定で見られなかった。

 37番目は日経新聞の「手軽に組み立て風船バイク バッグに収納可能(12/22)」である。
 東京大学とメルカリは風船のような電動バイクを開発している。
 リュックサックなどのバッグに収納できるのが特徴である。
 1回の充電で90分の走行(時速約15km)が可能という。

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         図18 風船バイクの様子

 以上で「(5)その他(コロナ含む)の科学」の項目は終了である。

 この項目でまとめると、ゲノム編集ふぐ、3Dプリンター住宅、コロナウィルス殺菌、食品ロスゼロ、カーボンニュートラルに向けた船開発、岩石にCO2閉じ込め等があった。
 面白いのはiPS細胞の山中伸弥教授がコロナで日本人感染者が少ないファクターXと称した原因の一つが風邪の免疫、という発表があった。
 何となく欧米諸国のコロナ感染に比較して日本が少ないのは何故か、と議論になってきた。
 ツベルクリンとBCGではないか、という説もあった。
 これが本当かどうかはわからない。
 今オミクロン株によるコロナ感染第6波がきたと言われている。

 わたしたちにできることは、手洗い、うがい、マスク、3密回避、ソーシャルディスタンスを根気よく続けるくらいしかないかもしれない。

 今回(その2・end)を持って、2021年下半期の科学トピックのまとめは終わりとする。

 -以上-

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