防災ニュースの下半期のまとめ(その1)

 防災ニュースの下半期のまとめ(その1)を示す。

 今年はオンラインのものを除いて、上期はシンポ関係があまりないので、ネタ切れ模様ということで防災ニュースの上半期のものを6月末にまとめた。

 それに続いて、今年下半期にあった防災関係のニュースを取り上げて書いてみる。
 今回はまとめる時間が少なかったため、(その1)と(その2)に分けて書く。

 昨年作った分類では、
  (1)防災ドローン・防災AI・防災ロボット関係
  (2)首都直下地震関係
  (3)南海トラフ地震関係
  (4)豪雨災害関係
  (5)その他
の5つに分類してまとめていた。
 今年もこの分類で分けて、コロナ関係のことは(5)に分類する。
 ((その1)では(1)から(3)まで、(その2)を(4)と(5)として来週に書く。)

 ここで、再度検索における問題について述べておく。
 私は防災のニュース関連を〇〇新聞(❍月〇日)の見出しで、EXCELに記録している。
 今回この見出しで再度引いてみると、はっきり再表示されるものもあるが、中にはそのような記事はない、とのメッセージも出ることがある。
 これはどういうことかというと、その新聞の過去ログ(記事)が消去されているのである。
 確かに情報量が膨大にある。
 それを全部記録として残すのはメモリを多く取り、管理コストがかかるので、消去したい気持ちはわかるが、検索する方はあれっと思うのである。
 これと同じ現象は原子力学会誌でも起きている。
 論文を読んで、参考文献を探すと、既にない、ということがある。
 これはまずいというので、原子力機構(JAEA)はできるだけ文献類は残すように、との要請をしている。

 だから今回の防災ニュースの見出し検索でも、一部再表示されないものがあることを予めお断りしておく。
 また、見出しは出てくるものの、内容は有料会員限定とあるものは詳しい内容は確認できない。
 毎日新聞、読売新聞、日経新聞等は有料会員限定というものが多くある。
 私も毎日新聞の有料会員で将棋の名人戦等はこの有料会員限定でしか見られないので、ちょっと優越感に浸るところもあるので、あまり文句も言えない。
 これから、新聞も有料会員限定を増やさないといけない。
 若い人で新聞を取る人が少ないようなので、収入源としては有料会員限定を増やすのが一番手っ取り早いのかもしれない。

(1)防災に関連したドローン、AI、ロボット関係
 ドローン等については防災と関係ない記事もあるが、防災への応用が利くという観点から多少違っていても取り上げている。

 まず下期最初にドローンの記事があったのは、ドローンによる火力煙突点検である。
 電気新聞での見出しは「関電、自律飛行型ドローンで火力煙突点検を効率化/コスト半減以上見込む(8/7)」である。
 電気新聞には再度の検索で出てこなかったが、日経新聞等で出てきた。
 ただこれは会員登録が必要だったためあきらめた。

 次は毎日新聞で「AIで揺れ予測、新手法で精度向上 防災科研(8/13)」である。
 防災科研が約2,000の地震データをAIに学ばせて、新たな手法を開発した、とのことである。
 類似現象を解析するのはAIにとって格好の対象なので、よいモデルであれば地震の揺れ予測に役立つ気もするが、これでいつそういうことがわかるか、という時間との競争のように思う。
 地震の後にこうだった、と言っても後の祭りで、地震が起きそうだ、という時にすぐに解析出来て対象となる地域にデータを送れるかどうかで有用性が決まると思う。

 3番目は電気新聞の「樹木の無線通信支障防止へ、ドローンで作業効率化/北海道電力(8/20)」である。
 この記事も電気新聞の再検索で出てこなかったが、北海道電力のニュースが出てきた。
 情報量が多く送れるマイクロ波通信は直線性が強く、その妨害となる樹木の分布をドローンの空撮画像を基に分析できるようである。

 4番目は読売新聞の『ドローンを「携帯」基地局の代わりに…ソフトバンクが実演(9/1)』である。
 これは検索してみたら、実証ビデオまでついて出てきた。
 地震が起きると基地局も倒壊することが考えられ、スマホから情報を得られにくくなる。
 そのための臨時基地局の実験である。

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         図1 ドローンを「携帯」基地局に 

 5番目には読売新聞の「橋点検にドローン活用…福岡市が実証実験(9/29)」である。
 これは見出しとしてはあったが、有料会員限定の記事であったので、内容はわからない。
 しかし福岡県の方で、報道発表していたのでそれを示す。

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         図2 橋点検にドローン活用

 6番目は日経新聞の「首都圏自治体、避難・情報収集にAI・SNS活用(10/13)」である。
 江東区の豊洲スマートシティ推進協議会(清水建設等13社)がオンライン防災訓練を行い、台風による避難の是非をAIが指示する。
 また、区民の状況把握にSNSのアプリ「LINE」でチャット機能を利用する訓練が行われたらしいが、これ以上は会員限定でわからなかった。

 7番目は電気新聞の「ドローン自律飛行し送電線巡視、中国NWが実証成功/目視外に補助者なしで(10/13)」である。
 鉄塔3基に張られた送電線約1キロメートルに沿ってドローンを自律飛行させ、飛行の安定性など機体性能を検証した。
 搭載したカメラで送電線や送電線下の状況を撮影し、異常がないかを確認した。

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         図3 ドローンで送電線巡視

 撮影した映像には送電線下の状況が鮮明に映し出されている、とのことである。

 8番目は朝日新聞の「3言語操りユーモアでおもてなし 都営地下鉄にAIロボ(10/15)」である。
 三つの言語(日本語、英語、中国語)で駅利用者を案内する人工知能(AI)を搭載したロボットが14日から、東京都営地下鉄の大江戸線新宿西口駅と浅草線新橋駅に設置された。

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         図4 都営地下鉄にAIロボ

 東京五輪・パラリンピックを見据えた動きだが、コロナ禍で非接触・非対面での接客を進める狙いもある、とのことである。

 9番目は日経新聞の「固定翼でも垂直離着陸、北海道で新型ドローン実演飛行(10/27)」
である。
 ドローンの製造・販売を手がけるエアロセンス社は27日、北海道北広島市で新型ドローンの実演飛行を実施した。
 垂直離着陸と固定翼による飛行を併用したのが特徴で、広範囲の飛行が可能、とのことである。

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         図5 新型ドローンの実演飛行

 10番目は日経新聞の「人手不足救え 大和ハウス、工場にアシストスーツ(11/15)」である。
 大和ハウス工業は建築部材の生産現場で、作業員の身体負担を軽減するアシスト機器の導入を加速する、とのことである。
 ここで導入する機器のロボットスーツはサイバーダイン社製のものらしく、そのHPより機器の例を示す。

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         図6 ロボットスーツの様子

 11番目は電気新聞の「東電HD研究所、ドローン向け無線電力伝送の開発へ(12/7)」である。
 東京電力ホールディングス(HD)(TRI)などは、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムの取組として、ドローン用WPT(無線電力伝送)システムの開発を進める。 
 効率的なインフラ点検や災害対応の迅速化などには、駐機中のドローンへの急速充電が重要となるため、複数の方式で開発を推進している、とのことである。

 12番目は毎日新聞の「潜水ロボ、水産高生が継承 災害支援へ 海洋研究者から依頼(12/17)」である。
 「水中ドローン」と呼ばれる潜水ロボットで災害からの復旧を支援しようと、海洋研究者と水産高校がタッグを組み、港に沈むがれきを見つけて船の接岸を手助けするため、水産高生が潜水ロボットを作って操作する、とのことである。

R2-12-20R1 AI11 潜水ドローン.jpg
         図7 潜水ドローンの概要

 以上のドローン関係を上半期でまとめてみると、ドローンの応用が空から海へと広がり、港湾内ガレキ捜索、スマホ基地局、橋や送電線の点検等に活用の幅が広がっている。
 ただアメリカで中国製ドローンを規制する動きがあるようなので、日本もその影響を受ける恐れがある。

 AIについては、地震分析、台風での避難の分析や都営地下鉄で英語等案内するロボットが出てきている。
 ロボットについては、工場にアシストスーツを導入して腰痛予防、というのは介護施設への適用の応用であろう。

 私はこのAIとロボットについての同時活用法を思いついた。
 防災運動会と同じで誰かがすでに考えているかもしれない。

 毎日新聞に投稿してボツになったものを下記に示しておく。
 『時々万能川柳に高齢者が何もすることがない、との句が載る。
  高齢者は社会の役に立ちたいが、体力も知力も弱り、定年後に暇を持て余すことが多い。
  私は1億総サラリーマン化の社会を提案する。
  今ロボットとAIが驚異的な進歩を遂げているが、社会となじみがなく社会への受容性が薄い。
  これを解決するには、人間のサポートを基本にしたシステムを構築して社会が納得できるようにする。
  このために高齢者の体力と知力をロボットとAIでサポートする。
  そうすれば高齢者が社会参加できる可能性が広がる。
  社会参加できれば、ロコモ、フレイル、認知症等高齢者に多い疾病の予防になる。
  また高齢者に多額の医療費がかかっている現状の改善が可能になり、国の負担も減る。
  また少子高齢化社会での人手不足で外国人の手を借りようとしても、コロナ禍で容易に外国人受入が進まない状況で、高齢者が人手不足解消の切り札になる。
  こうした方針を是非第6期科学技術基本計画でも検討して欲しい。』

 (2)は首都直下地震に関するニュースである。
 しかし、今年下半期でも上半期と同じく、私が見た範囲内ではニュースは少なかったように思う。
 1番目は毎日新聞の『「噂は数限りない」デマの記述も 関東大震災時の手記発見 専門家「現代につながる」 (9/1)』である。
 私もかつて関東大震災の証言記録「手記・関東大震災」(清水幾太郎監修、1975)を買って読んだ覚えがある。
 避難場所の江東区の被服廠で約4万人が自分たちが運んできた家財道具等に飛んできた火の粉が原因での大火災で亡くなったが、そこでの生き残り体験等26人の証言を収めたもので、読み終わった後に何とも言えない感慨があった。
 「関東大震災 清水幾太郎」で検索すると、この手記の記録は出てくる。

 首都直下地震が起きると大変だ、と言いながら、だんだん狼少年のような感じになってきたのか、と思う。
 私自身でいえば、今年1月に地区防災計画案を作成して、所属する町内会には出しておいた。
 この地区防災計画案は主に地震が起きた時の対応を、町内会で全般、救護、防犯、情報、食料、資材等の担当に班分けしたものを提出しておいた。
 下期には住んでいるマンションにも町内会提出したものの変形版として出しておいた。

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         図8 マンションの防災体制の一例

 こちらは新型コロナウイルスに関する対策も含めているが、町内会のものはまだ改定していない。

 (3)の南海トラフ地震に関しても、報道は少なかった。

 1番目は時事ドットコムの「地滑り津波、すぐに避難を 地震津波より早く到達も―南海トラフ地震・静岡大など(8/31)」である。
 駿河湾から日向灘に至る南海トラフで巨大地震が起きた場合、海底地滑りによる津波(地滑り津波)の方が、地震に伴う津波(地震津波)よりも早く、静岡県の駿河湾沿岸地域に到達する可能性があるとする予測を、静岡大や東京大の研究チームが発表した。
 逃げるタイミングをどうすればいいかは書いていない。

 南海トラフ地震では高知県黒潮町で34mの津波、というショッキングなデータも出ている。
 避難タワー等が建設されているところもあるようだが、いざという時にどれだけの避難時間があるか、避難タワーまで辿り付けるか、要援護者等の弱者の支援をどうするか。
 私は最低限、救命胴衣とゴムボートを備えておくことが必要と思う。
 (救命胴衣4千円くらい、救命ボートは4万円くらい)
 また、ノアの方舟のような救命艇か人間魚雷回天のような船を、と思ったら、大阪の業者が津波救命艇(25人乗り)を開発したとNHKニュース(11/4)で紹介していた。

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         図9 津波救命艇の様子(信貴造船所の資料より抜粋)

 また、南海トラフ地震対象地域と、日本海側の自治体の相互救援協定のようなものを結んでおいて、どちらかが被災した場合にもう一方が救援する体制もあるとよい。
 お互いの土地勘を養うために、毎年どちらかで防災訓練を共同で行うのもよい。
 相手方の弱点も見えてくるし、自分たちの弱点も指摘してもらい、弱点を補強する上でもよい。
 地方創生の観点でも、相互に交流していく上でよい方に住むことも可能になる。

 2番目には読売新聞の『南海トラフで「車と電車が衝突」想定、防災訓練に140人(9/2)』である。
 「防災の日」の1日、岐阜県中津川市のJR中央線中津川駅で、南海トラフ巨大地震の発生を想定した防災訓練が行われた、という報道があった。
 何となく緩やかな想定という気がする。
 9月1日の防災の日に何か防災訓練をしないといけないけど何も浮かばない、とすると、こういう緩やかな想定で行うことになるのであろう。
 ネタがないなら、防災運動会でも開催してみてはどうか。
 私の独創かと思っていたら、岐阜アソシアという社会福祉法人が地域と障がい者を結ぶ運動会として開催例があるようである。

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         図10 防災運動会の一例(岐阜アソシアのHPより抜粋)

 以前に毎日新聞に投書してボツになった原稿を載せておく。
『私は防災訓練として防災運動会を提案する。
 参加者は町内会役員、行政、学校の先生等、地元企業、消防、警察、医者等である。
 運動会種目例を挙げる。
 普通の100m競争等は行う。
 障害物競走は跳び箱越え、網くぐり等を行う。
 担架競争は4人でダミーを運ぶ。
 車椅子の人を押す競争をし、目隠し競争は地下街で煙にまかれたという想定である。
 AED競争はAEDを遠くから持ってきて所定の場所でダミーへの胸骨圧迫とAEDの実施を行う。
 消防隊員が見本を見せてから、参加者が行う。
 非常用持ち出し袋を想定して、リュック競争を行う。
 おんぶ競争は子ども、老人をおぶって避難所まで逃げる想定である。
 消火器を使って的を倒す。
 昼食には備蓄の防災食を食べ、起震車体験をしてもらう。
 参加者全員で防災○×クイズを行い、勝ち残った人を防災名人とする。
 ダンスと違うストレッチ運動を参加者全員で行う。エコノミークラス症候群防止のためである。
 こうした取組を行うことで、住民に楽しみながら防災の知識を得てもらいたい。』

 3番目は電気新聞の「大津波襲来、対応を確認/九州電と九州送配電の約800人が訓練(12/7)」である。
 九州電力と九州電力送配電は4日、南海トラフ巨大地震を想定した対応訓練を行い、福岡市の本店、被災エリアの配電事業所・営業所などから約800人が参加した。
 地震直後の大津波で大分・宮崎エリアの一部事業所が浸水被害に見舞われる想定の下、社員の安否確認や避難ルールの確認、代替拠点の立ち上げといった初動対応を検証した、とのことである。

 南海トラフ地震については、規模が大きすぎて、しかも3つの地域の地震の連動という最悪のシナリオを採用しているから、危機感を持て、と言われても、ピンと来ない人が多いのかもしれない。
 ただ東日本大震災の時のようなことが起きうるのが日本列島である。
 備えあれば患いなしの気持ちを持ちたい。

 (4)の豪雨災害と(5)その他(コロナ関係も含む)に関するニュースは多いので、まとめきれない。

 次週に続く、ということにする。
 -以上-

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