ユニバーサルデザインワークショップ第8回及び編集会議に参加
ユニバーサルデザインまちづくりワークショップ(UD・WS)第8回と編集会議に参加した。
開催日は11月24日(日)と12月17日(火)であった。
UD・WS第8回の開催場所は江東区文化センターであった。
途中で500mlのペットボトルのお茶を買って行った。
会場に着くと、受付で名札を受け取った。
班は指定されて3班の席に行ってください、と言われた。
今回も外国人のゲストは一人もいなかった。
何かこのワークショップでトラブルが発生したかもしれないが、それはうかがい知れなかった。
私の3班は最初5人くらいいたが、どうも欠席者が多いらしく、第2班が解体されて3班に一部の人が編入された。
最初5つの班の予定であったが、1つの班が解体されて4つの班になった。
席には進行資料と「UD TRY!」(今年度の報告書)が置いてあった。
簡単なプログラムを末尾に添付する。
まず、最初に区役所の担当者のあいさつがあり、それからサポートのNPOの司会で始まった。
今回は今までの7回のワークショップ(WS)の経過を振り返りながら、今年度の報告書「UD TRY!」をまとめるために、そのたたき台を配布した。
今年度の大きなテーマとしては「コミュニケーション」ということで、コミュニケーション事例集を作成することを課題としてきた。
第1回WSではUDは「すべての人の平等」を基本にした考え方であるが、その対極にある「差別」について、アドバイザーのK氏が講演した。
いちご町とバナナ町という仮想の町の住民が名札をつけることによる差別の開始等が話された。
ここで少し難しい用語として「合理的な配慮」というのが出てきた。
「合理的な配慮」とは、施設等が障害を持った人等の多様な人が使えるように環境を整備するという考え方である。
一例を挙げればトイレが車いすの人が使えるように入口を広げる、等の設計となっていることである。
この「合理的配慮」はそういうハード面だけでなく、ソフト面もありそうである。
障害者等困っているような人が近くにいたら、関わりたくないと逃げてしまうのでなく、「何かお手伝いしましょうか」というような声かけをして助ける意識を持つことも含まれるようである。
しかし、私もあまり威張れたものではない。
このWSに参加するまではすぐ近くに車いすの人がいたり、視覚障害者がいたら、そそくさと逃げていたタイプだからである。
また、このWSに参加したから、すぐに声かけできるか、というと、まだやはり少し抵抗感がある。
その原因を考えてみると、やはり小さい頃からこうした視覚障害者や車いすの人等と接触する機会がなかったからだと思う。
小学校、中学校は障害者がいなかった。
普通の学校自体が障害者を受け入れしていないようだったからである。
このWSに参加して、視聴覚障害者、車いすの人、外国人とおしゃべりして、やっと彼らも同じ人間なんだ、と安心したようなところがある。
だから、すぐに声かけ、というのはできなくても、声かけをする努力をしてみよう、という一歩進んだ考え方ができるようになったと思う。
第2回・第3回は深川江戸資料館と清澄庭園で声かけ、コミュニケーションについて考えた。
きっかけを作るには何が必要か。
まちに出てみよう。
いい公園ですね。
誰かと会った時に、一番最初のコミュニケーションはどんな言葉や投げかけがよいか。
地域のこと、天気や周りの環境、一緒の行動、相手に質問すること、等きっかけにできることはたくさんあることがわかった。
私についていえば、深川江戸資料館等のことを何も知らなかった。
知らない人間が例えば外国人に説明できるか。
資料館には外国人に対応できる案内者もいるようだったが、展示資料は英語の説明が少なかったように思う。
そもそも江東区に住んでいて、江東区の歴史、神社・仏閣をほとんど知らない。
思い出してみると、東京の大学で学ぶために上京して、出身が岡山だから大原美術館や倉敷の白壁の町のことを聞かれて全然答えられず、夏休みに帰省した時に慌てて大原美術館に行ったような記憶がある。
江東区に住んでいても、サラリーマン時代に行ったのは富岡八幡宮ぐらいで、初詣や子どもの七五三のお祝い、厄年のお祓い等だけであった。
このWSに3年間参加し、門前仲町、亀戸、清澄、豊洲、有明といろんな地域を見学して、自分がいかに江東区を知らなかったかを痛感した。
外国人と話すためにはまずそういうところから、というのもある。
しかし、それをしているとまたきっかけを逃すように思うので、片言でもいいから話す努力、また相手からの質問にも答えられなかったら、俄か勉強でもいいからやることが必要かもしれない。
第4回・第5回WSでは、横十間川公園、仙台堀川公園の散策を行った。
身近な自然や緑の特徴ある公園で作品づくりや地域のことを調べることを通して、初めての人とのコミュニケーションを豊かにする体験をした。
ここではサブテーマとして、ファーストコンタクトや今までと違うまとめ方等を学んだ。
私の例でいえば、ボート乗り場と少女像を絵で描いた。
インターンシップで来ていた大学生Y氏が私の絵の色塗りをしていた。
他の班では俳句を詠んだグループもあった。
なぜ気まずい思いをするか。
ファースト会話の後が続かない。
セカンド会話の必要性が指摘された。
私はインターンシップのY氏と話をした。
私も学生時代にインターンシップを経験していたから、その経験を話せた。
第6回・第7回のWSでは、「トレックトレック」という江東区の外国人ツアーを企画しているNPOグループの話を受けて、門前仲町の店や深川不動尊の護摩焚き等を見学した。
深川不動尊の護摩炊きの魅力などを外国人にどう伝えるか。
声かけカードを事務局が作った。
そのカードを基に、声かけ実践を行った。
ちょうど七五三の時期であり、また市がたった日でもあったので、声かけはしやすかったはずであるが、割と低調であった。
そもそも見学した人のほとんどの人が護摩焚きのことを知らなかった。
私も知らなかった。
自分が知らないことを人に教えられるわけがない。
今回の第8回は、以上の第7回WSまでの振り返りとたたき台の修正案などを議論した。
さてその後は誰が発表するか、である。
今回は私の班で誰も発表しそうにないので、私が発表した。
でも緊張していたのか、発表内容を覚えていない。
私たちの班には車いすのY氏がいたので、車いすの不便さ等を言ったような気がする。
以上の発表で今年度のワークショップは終了した。
この後、12月17日(火)に、第8回WSの議論を基に「UD TRY! コミュニケーション」冊子の素案作成を行った。
この日は議論の前に、視覚障害者のK女史とちょっと話をした。
K女史がヘルプマークを付けていたからである。

図1 ヘルプマーク
そのヘルプマークはどこでもらったのか、と聞いた。
K女史は覚えていなかったみたいであった。
でも実はその前日にヘルプマークをどこでもらえるのか気になって調べていた。
区役所の福祉の窓口や都営地下鉄、都営バスの営業所等である。
この会話を聞いていた区役所の担当者Yo氏も気になったらしく、その場でスマホで調べてくれ、同様の回答をもらった。
K女史は今小学校等でこういう障害者用のマークのリストがあるらしい、と言った。
私が今知っているのは、このヘルプマークとマタニティマークくらいである。

図2 マタニティマーク
このことを後で調べてみたら、東京都福祉保健局のHPに障害者用のマークがいっぱい載っていた。
一例として身体障害者の運転マーク、聴覚障害者の運転マークを載せておく。
聴覚障害者の運転マークは表示していないと法令違反になるようである。

図3 身体障害者の運転マーク

図4 聴覚障害者の運転マーク
編集会議は「UD TRY」(ドラフト版)の資料のみで、最初にこの資料の説明を行い、その後に意見やコメントを出すという進行であった。
この席にドイツから来た母子(母親と息子、50代と20代くらい、福祉関係の仕事に従事しているらしい)もゲストとして参加した。
通訳はNPOの人が行っていた。(通訳の人は英語で、後の感想では母子も英語で話していた。)
私は最初にK女史と話したヘルプマーク等のリストをつけてはどうか、という意見を言った。
了解されたかどうかは不明である。
気軽な声かけということで、観光地で、公園で、お店で、まちの中で、という簡単なイラストが書いてあり、写真撮りましょうか、たくさんの鳥がいるんですね、席空いてますよ、信号は青ですよ、等の声かけの例が載っていた。
視覚障害者には何かお手伝いしましょうか、というのが多いようであった。
視覚障害者の場合は白杖があるので比較的わかりやすいが、聴覚障害者は普通の人とみかけが変わらないので難しいのでは、と言った。
後で調べてみると、聴覚障害者のマークもあるようであった。

図5 聴覚障害者のマーク
でも私の災害時支援ボランティアの仲間が一人聴覚障害者であるが、彼はそういうマークはつけていなかった。
またヘルプマークは車いすの人はつけるのを嫌う人が多いようであった。
障害者だけでなく、高齢者や子どもへの配慮も不足しているという意見もあった。
昔は江東区もコミュニケーションが盛んだった。
今はおせっかいがなくなりつつある。
ドイツの母子にドイツの状況を聞いてみたが、難しい問題であり、ミスはおかしたくない、白杖が来たらよける、とのことだった。
自然な会話を生み出す「扇の要アイテム」と「気楽なトライアングル」というのが提案されていた。
マンツーマンで話すと言葉に詰まりやすい。
AさんとBさんの間に何かCを挟むとよい。(A-C-Bのトライアングル、扇の要C)
共通の話題Cとして、例えば花を見る、公園の景色を見る、焼き鳥を見ておいしそう、等が例としてあった。
私は今年ラグビーの話題で盛り上がったように、来年の東京オリンピックも扇の要にできるのでは、と言った。
アドバイザーのK氏も今日駅であったエピソードを話した。
K氏は車いす障害者であり、雨が降っていたので、駅で雨合羽を脱ごうとして人が手助けに近づいてくれたが、いらないという意思表示をしてしまった。
なぜありがとう、というお礼が言えなかったのか、と悔やんでいた。
私はドイツの母子ゲストのように、外国人でも米国人だけではない、ドイツの人もフランスの人も来る、どういう国の人かわからないのではないか、と言った。
でも反応はなかった。
アドバイザーのK氏はこの冊子の意味について事務局に尋ねた。
どういう意味があるのか、どういう人が読むのか、ということである。
区役所の窓口や区の施設などに置くので、区民などが読むことになると説明した。
また表紙について、「自然な声かけからはじめよう」というのでなく、「おせっかいしよう」みたいな感じがよいのではないか、という意見があった。
助け合えるまちづくりということで、困っている人がいたらまず言おう、困っている自分がいたらまず言おう、ということも必要だ、という意見もあった。
私は両方を融合して、表紙は「おせっかいしよう、させよう」がいいのではないか、と言った。
これが採用されるかどうかはわからない。
以上で第1回編集会議は終了した。
次回の第2回編集会議は来年の2月3日(月)に開催予定、とのことであった。
私は義父宅にいる予定なので、この会議には出られない可能性が高い。
帰りに家の近くの横断歩道で、視覚障害者用音響装置が目に入った。

図6 視覚障害者用の横断歩道付近の音響装置
実は会議前に視覚障害者のK女史に、横断歩道付近に設置している音響装置のある場所をどのようにして認識するのか聞いていた。
すると横で聞いていた事務局のM女史がその音響装置には小さな音が発信されていて、それを聞き取る、とのことだった。
そこで、音響装置の傍に行って、耳を近づけてみた。
すると、「プッ、プッ」という小さな音が聞こえた。
そこは十字路だったので、もう一つの音響装置のところに行って別の音かどうか確認したら、こちらも「プッ、プッ」という同じタイプの小さな音であった。
要するに、そこに横断歩道用の音響装置がある、というのを認識させるだけで、それが東西用の横断歩道のものか、南北の横断歩道のものかはわからない。
確か、南北と東西の横断歩道の横断時の視覚障害者用のメロディは違っていたと思うので、そのメロディを聞かないと、東西の横断歩道のものか、南北の横断歩道のものかわからない、ということである。
ここ数年、このユニバーサルデザインワークショップに参加して、車いすの人、視聴覚障害者、外国人と交流して、彼らの困っていることなどがかなりよくわかってきた。
来年もこのワークショップがあるかどうかわからないが、もしあるようであればまた参加してみたいと思う。
<江東区ユニバーサルデザインまちづくりワークショップ第8回>
1.日時:2019年(令和元年)11月24日(日)13:30~16:30
2.場所:江東区文化センター 3階 第1,2研修室
3.主催:江東区役所まちづくり推進課
4.参加者:区民、相談員、区職員、サポートのNPO
5.プログラム
13:30 開会、あいさつ
13:35 本日の進め方、ふり返りと資料の説明
14:00 グループワーク(途中10分 休憩)
・たたき台についての意見
・まとめ方についての意見
14:30 発表と意見交換
16:10 今年度のまとめ、アドバイザーからのまとめ
16:25 事務連絡、アンケート記入
16:30 終了
6.ワークショップの目的
今年度のワークショップも最終回となりました。
今年度は「コミュニケーション」をテーマに、ユニバーサルデザインまちづくりを検討してきました。
最後のまち歩きでは少し頑張って、出会った人に声かけをしてみて、どこでどんな声かけができるか、その事例を集めました。
今後、今年度のワークショップの結果をまとめて、A4、12ページの冊子を作成します。
本日はその内容とまとめ方について意見交換をします。
-以上―
開催日は11月24日(日)と12月17日(火)であった。
UD・WS第8回の開催場所は江東区文化センターであった。
途中で500mlのペットボトルのお茶を買って行った。
会場に着くと、受付で名札を受け取った。
班は指定されて3班の席に行ってください、と言われた。
今回も外国人のゲストは一人もいなかった。
何かこのワークショップでトラブルが発生したかもしれないが、それはうかがい知れなかった。
私の3班は最初5人くらいいたが、どうも欠席者が多いらしく、第2班が解体されて3班に一部の人が編入された。
最初5つの班の予定であったが、1つの班が解体されて4つの班になった。
席には進行資料と「UD TRY!」(今年度の報告書)が置いてあった。
簡単なプログラムを末尾に添付する。
まず、最初に区役所の担当者のあいさつがあり、それからサポートのNPOの司会で始まった。
今回は今までの7回のワークショップ(WS)の経過を振り返りながら、今年度の報告書「UD TRY!」をまとめるために、そのたたき台を配布した。
今年度の大きなテーマとしては「コミュニケーション」ということで、コミュニケーション事例集を作成することを課題としてきた。
第1回WSではUDは「すべての人の平等」を基本にした考え方であるが、その対極にある「差別」について、アドバイザーのK氏が講演した。
いちご町とバナナ町という仮想の町の住民が名札をつけることによる差別の開始等が話された。
ここで少し難しい用語として「合理的な配慮」というのが出てきた。
「合理的な配慮」とは、施設等が障害を持った人等の多様な人が使えるように環境を整備するという考え方である。
一例を挙げればトイレが車いすの人が使えるように入口を広げる、等の設計となっていることである。
この「合理的配慮」はそういうハード面だけでなく、ソフト面もありそうである。
障害者等困っているような人が近くにいたら、関わりたくないと逃げてしまうのでなく、「何かお手伝いしましょうか」というような声かけをして助ける意識を持つことも含まれるようである。
しかし、私もあまり威張れたものではない。
このWSに参加するまではすぐ近くに車いすの人がいたり、視覚障害者がいたら、そそくさと逃げていたタイプだからである。
また、このWSに参加したから、すぐに声かけできるか、というと、まだやはり少し抵抗感がある。
その原因を考えてみると、やはり小さい頃からこうした視覚障害者や車いすの人等と接触する機会がなかったからだと思う。
小学校、中学校は障害者がいなかった。
普通の学校自体が障害者を受け入れしていないようだったからである。
このWSに参加して、視聴覚障害者、車いすの人、外国人とおしゃべりして、やっと彼らも同じ人間なんだ、と安心したようなところがある。
だから、すぐに声かけ、というのはできなくても、声かけをする努力をしてみよう、という一歩進んだ考え方ができるようになったと思う。
第2回・第3回は深川江戸資料館と清澄庭園で声かけ、コミュニケーションについて考えた。
きっかけを作るには何が必要か。
まちに出てみよう。
いい公園ですね。
誰かと会った時に、一番最初のコミュニケーションはどんな言葉や投げかけがよいか。
地域のこと、天気や周りの環境、一緒の行動、相手に質問すること、等きっかけにできることはたくさんあることがわかった。
私についていえば、深川江戸資料館等のことを何も知らなかった。
知らない人間が例えば外国人に説明できるか。
資料館には外国人に対応できる案内者もいるようだったが、展示資料は英語の説明が少なかったように思う。
そもそも江東区に住んでいて、江東区の歴史、神社・仏閣をほとんど知らない。
思い出してみると、東京の大学で学ぶために上京して、出身が岡山だから大原美術館や倉敷の白壁の町のことを聞かれて全然答えられず、夏休みに帰省した時に慌てて大原美術館に行ったような記憶がある。
江東区に住んでいても、サラリーマン時代に行ったのは富岡八幡宮ぐらいで、初詣や子どもの七五三のお祝い、厄年のお祓い等だけであった。
このWSに3年間参加し、門前仲町、亀戸、清澄、豊洲、有明といろんな地域を見学して、自分がいかに江東区を知らなかったかを痛感した。
外国人と話すためにはまずそういうところから、というのもある。
しかし、それをしているとまたきっかけを逃すように思うので、片言でもいいから話す努力、また相手からの質問にも答えられなかったら、俄か勉強でもいいからやることが必要かもしれない。
第4回・第5回WSでは、横十間川公園、仙台堀川公園の散策を行った。
身近な自然や緑の特徴ある公園で作品づくりや地域のことを調べることを通して、初めての人とのコミュニケーションを豊かにする体験をした。
ここではサブテーマとして、ファーストコンタクトや今までと違うまとめ方等を学んだ。
私の例でいえば、ボート乗り場と少女像を絵で描いた。
インターンシップで来ていた大学生Y氏が私の絵の色塗りをしていた。
他の班では俳句を詠んだグループもあった。
なぜ気まずい思いをするか。
ファースト会話の後が続かない。
セカンド会話の必要性が指摘された。
私はインターンシップのY氏と話をした。
私も学生時代にインターンシップを経験していたから、その経験を話せた。
第6回・第7回のWSでは、「トレックトレック」という江東区の外国人ツアーを企画しているNPOグループの話を受けて、門前仲町の店や深川不動尊の護摩焚き等を見学した。
深川不動尊の護摩炊きの魅力などを外国人にどう伝えるか。
声かけカードを事務局が作った。
そのカードを基に、声かけ実践を行った。
ちょうど七五三の時期であり、また市がたった日でもあったので、声かけはしやすかったはずであるが、割と低調であった。
そもそも見学した人のほとんどの人が護摩焚きのことを知らなかった。
私も知らなかった。
自分が知らないことを人に教えられるわけがない。
今回の第8回は、以上の第7回WSまでの振り返りとたたき台の修正案などを議論した。
さてその後は誰が発表するか、である。
今回は私の班で誰も発表しそうにないので、私が発表した。
でも緊張していたのか、発表内容を覚えていない。
私たちの班には車いすのY氏がいたので、車いすの不便さ等を言ったような気がする。
以上の発表で今年度のワークショップは終了した。
この後、12月17日(火)に、第8回WSの議論を基に「UD TRY! コミュニケーション」冊子の素案作成を行った。
この日は議論の前に、視覚障害者のK女史とちょっと話をした。
K女史がヘルプマークを付けていたからである。

図1 ヘルプマーク
そのヘルプマークはどこでもらったのか、と聞いた。
K女史は覚えていなかったみたいであった。
でも実はその前日にヘルプマークをどこでもらえるのか気になって調べていた。
区役所の福祉の窓口や都営地下鉄、都営バスの営業所等である。
この会話を聞いていた区役所の担当者Yo氏も気になったらしく、その場でスマホで調べてくれ、同様の回答をもらった。
K女史は今小学校等でこういう障害者用のマークのリストがあるらしい、と言った。
私が今知っているのは、このヘルプマークとマタニティマークくらいである。

図2 マタニティマーク
このことを後で調べてみたら、東京都福祉保健局のHPに障害者用のマークがいっぱい載っていた。
一例として身体障害者の運転マーク、聴覚障害者の運転マークを載せておく。
聴覚障害者の運転マークは表示していないと法令違反になるようである。

図3 身体障害者の運転マーク

図4 聴覚障害者の運転マーク
編集会議は「UD TRY」(ドラフト版)の資料のみで、最初にこの資料の説明を行い、その後に意見やコメントを出すという進行であった。
この席にドイツから来た母子(母親と息子、50代と20代くらい、福祉関係の仕事に従事しているらしい)もゲストとして参加した。
通訳はNPOの人が行っていた。(通訳の人は英語で、後の感想では母子も英語で話していた。)
私は最初にK女史と話したヘルプマーク等のリストをつけてはどうか、という意見を言った。
了解されたかどうかは不明である。
気軽な声かけということで、観光地で、公園で、お店で、まちの中で、という簡単なイラストが書いてあり、写真撮りましょうか、たくさんの鳥がいるんですね、席空いてますよ、信号は青ですよ、等の声かけの例が載っていた。
視覚障害者には何かお手伝いしましょうか、というのが多いようであった。
視覚障害者の場合は白杖があるので比較的わかりやすいが、聴覚障害者は普通の人とみかけが変わらないので難しいのでは、と言った。
後で調べてみると、聴覚障害者のマークもあるようであった。

図5 聴覚障害者のマーク
でも私の災害時支援ボランティアの仲間が一人聴覚障害者であるが、彼はそういうマークはつけていなかった。
またヘルプマークは車いすの人はつけるのを嫌う人が多いようであった。
障害者だけでなく、高齢者や子どもへの配慮も不足しているという意見もあった。
昔は江東区もコミュニケーションが盛んだった。
今はおせっかいがなくなりつつある。
ドイツの母子にドイツの状況を聞いてみたが、難しい問題であり、ミスはおかしたくない、白杖が来たらよける、とのことだった。
自然な会話を生み出す「扇の要アイテム」と「気楽なトライアングル」というのが提案されていた。
マンツーマンで話すと言葉に詰まりやすい。
AさんとBさんの間に何かCを挟むとよい。(A-C-Bのトライアングル、扇の要C)
共通の話題Cとして、例えば花を見る、公園の景色を見る、焼き鳥を見ておいしそう、等が例としてあった。
私は今年ラグビーの話題で盛り上がったように、来年の東京オリンピックも扇の要にできるのでは、と言った。
アドバイザーのK氏も今日駅であったエピソードを話した。
K氏は車いす障害者であり、雨が降っていたので、駅で雨合羽を脱ごうとして人が手助けに近づいてくれたが、いらないという意思表示をしてしまった。
なぜありがとう、というお礼が言えなかったのか、と悔やんでいた。
私はドイツの母子ゲストのように、外国人でも米国人だけではない、ドイツの人もフランスの人も来る、どういう国の人かわからないのではないか、と言った。
でも反応はなかった。
アドバイザーのK氏はこの冊子の意味について事務局に尋ねた。
どういう意味があるのか、どういう人が読むのか、ということである。
区役所の窓口や区の施設などに置くので、区民などが読むことになると説明した。
また表紙について、「自然な声かけからはじめよう」というのでなく、「おせっかいしよう」みたいな感じがよいのではないか、という意見があった。
助け合えるまちづくりということで、困っている人がいたらまず言おう、困っている自分がいたらまず言おう、ということも必要だ、という意見もあった。
私は両方を融合して、表紙は「おせっかいしよう、させよう」がいいのではないか、と言った。
これが採用されるかどうかはわからない。
以上で第1回編集会議は終了した。
次回の第2回編集会議は来年の2月3日(月)に開催予定、とのことであった。
私は義父宅にいる予定なので、この会議には出られない可能性が高い。
帰りに家の近くの横断歩道で、視覚障害者用音響装置が目に入った。

図6 視覚障害者用の横断歩道付近の音響装置
実は会議前に視覚障害者のK女史に、横断歩道付近に設置している音響装置のある場所をどのようにして認識するのか聞いていた。
すると横で聞いていた事務局のM女史がその音響装置には小さな音が発信されていて、それを聞き取る、とのことだった。
そこで、音響装置の傍に行って、耳を近づけてみた。
すると、「プッ、プッ」という小さな音が聞こえた。
そこは十字路だったので、もう一つの音響装置のところに行って別の音かどうか確認したら、こちらも「プッ、プッ」という同じタイプの小さな音であった。
要するに、そこに横断歩道用の音響装置がある、というのを認識させるだけで、それが東西用の横断歩道のものか、南北の横断歩道のものかはわからない。
確か、南北と東西の横断歩道の横断時の視覚障害者用のメロディは違っていたと思うので、そのメロディを聞かないと、東西の横断歩道のものか、南北の横断歩道のものかわからない、ということである。
ここ数年、このユニバーサルデザインワークショップに参加して、車いすの人、視聴覚障害者、外国人と交流して、彼らの困っていることなどがかなりよくわかってきた。
来年もこのワークショップがあるかどうかわからないが、もしあるようであればまた参加してみたいと思う。
<江東区ユニバーサルデザインまちづくりワークショップ第8回>
1.日時:2019年(令和元年)11月24日(日)13:30~16:30
2.場所:江東区文化センター 3階 第1,2研修室
3.主催:江東区役所まちづくり推進課
4.参加者:区民、相談員、区職員、サポートのNPO
5.プログラム
13:30 開会、あいさつ
13:35 本日の進め方、ふり返りと資料の説明
14:00 グループワーク(途中10分 休憩)
・たたき台についての意見
・まとめ方についての意見
14:30 発表と意見交換
16:10 今年度のまとめ、アドバイザーからのまとめ
16:25 事務連絡、アンケート記入
16:30 終了
6.ワークショップの目的
今年度のワークショップも最終回となりました。
今年度は「コミュニケーション」をテーマに、ユニバーサルデザインまちづくりを検討してきました。
最後のまち歩きでは少し頑張って、出会った人に声かけをしてみて、どこでどんな声かけができるか、その事例を集めました。
今後、今年度のワークショップの結果をまとめて、A4、12ページの冊子を作成します。
本日はその内容とまとめ方について意見交換をします。
-以上―
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