防災EXPOと「大規模災害への備え」研修会に参加

 防災EXPOと「大規模災害への備え」研修会に参加した。

 5月5日(日)に防災士会からメールが来ていた。
 これは以前「防災における”住民の主体性”」シンポに参加した時にも言っていた。(5/19ブログ:下記URL)
  https://hitotsunoishi.at.webry.info/201905/article_3.html

 この時に上記の「住民の主体性」シンポのことも書いてあったが、他に、オフィス防災EXPO(5/29-5/31東京青海の東京ビッグサイトで開催)と「大規模災害への備え」研修会のことも紹介があった。

 オフィス防災EXPOの正式な名称は「第14回総務・人事・経理ワールド」というもので、その中に以下の8つのテーマを合同で同一会場にて行うもので、約800社の参加、とのことである。

 ・働き方改革 EXPO ・HR EXPO(人事労務・教育・採用)
 ・福利厚生 EXPO  ・会計・財務 EXPO
 ・オフィスサービス EXPO   ・オフィス防災 EXPO
 ・オフィスセキュリティ EXPO ・省エネ・節電 EXPO

 オフィス防災EXPOは3日間の間に参加すればいいのであったが、事前に参加申込をしないといけないとのことだった。
 オフィス防災EXPOでは防災士会も参加するということなので、様子見に行ってみようと思った。
 ついでに他の会社もみておけばいい、くらいのつもりであった。
 当日参加では5,000円の入場料が必要、事前申込であれば無料ということが書いてあった。

 5月13日(月)に防災EXPOに申込したら、5月16日に返信が来て、抽選でセミナー無料参加可能と共に、防災EXPOの招待券を後日送付する、とのことだった。
 手帳に受取日時は書いてなかったが、3,4日後に届いていた。
 招待券が5枚あったということは誰かを誘って来て欲しい、ということのようである。
 会社勤めしていれば、同僚たちに配ることも可能であるが、今は無理である。

 「大規模災害への備え」研修会もやはり事前申し込みが必要だったので、防災EXPO申し込みと並行して5月13日に申し込んでおいた。
 こちらも何日かは不明だが、5月20日頃には参加証は届いていたと思う。

 防災EXPOには5月28日(水)午前に行った。
 前日にオフィス防災EXPOの会場の地図をプリントアウトしておいた。
 だいたいの位置と防災士会のブースの場所を確認した。
 家からでは一旦豊洲に出て、それから「ゆりかもめ」で青海駅まで行くのが通常ルートである。
考えてみれば「ゆりかもめ」も無人運転の電車である。
 最近横浜のシーサイドラインで無人電車の逆走が問題視されていたが、「ゆりかもめ」の制御系はどうだったのかな、と思った。
 メーカーに勤めていたから、何か一つの事件・事故が起きると、水平展開ということで、類似の機器・システムに問題はないか点検する習性が身についている。
 だから、今回の無人運転の電車の逆走について、「ゆりかもめ」についても水平展開したか気になった。
 今調べてみると、「ゆりかもめ」のHPで、「ゆりかもめ」のシステムをチェックして、システムに問題はないと表明していた。
 でもマスコミがそれを報道したかどうかは不明である。
 少なくとも私の記憶にはない。

 青海駅に着くと、防災EXPO用の案内人が2人いて、向こうと方向を示してくれたが、構造がわかりにくく迷った。
 すると案内人の一人が追いかけて来て、改めて方向を教えてくれた。

 会場(東京ビッグサイト・青海展示棟)に着くと、受付に行った。
 招待券の裏に来場者登録欄があって、そこに書き込みをして、名刺2枚を出した。
 1枚は受付で回収され、もう一枚は名札ケースに入れて、首から吊るした。
 この名札ケースが入門証のようである。
 会場に入ると、どこがオフィス防災EXPO会場かわからない。

 前日プリントアウトしておいた地図はA4で見にくく、会場でA3の地図をもらった。
 しばらくウロウロしていると、オフィス防災EXPOのコーナーに着いたようであった。

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         図1 オフィス防災EXPOの会場の概要

 とりあえず防災士会のブースに行ってみた。
 そこで防災士の研修資料を渡された。
 私は防災士というと、いろいろ話をしてくれた。
 江東区で防災士会東京都支部江東ブロックを作ろうとして失敗したことや江東区の作った地区防災計画を検討して、自助・共助と公助を分けて考えると多少すっきりすること等を話した。

 他のところも回ってみた。
 ダブルエーホールディングスという会社は空気発電池(エイターナス)を展示していた。
 藤倉コンポジット㈱は水だけで充電できるアクアチャージという充電器を展示していた。

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         図2 空気発電池の概要

 まいにち㈱はマイレットという超小型トイレセットを展示していた。
 ㈱徳重もお尻シャワシャワという洗浄器を展示していた。
 ティーエフサービス㈱は固定金具を展示していた。
 ㈱ユニーク総合防災は6年長期保存の非常食を展示していた。
 サイボウズスタートアップスは災害時の安否確認システムを企業向けに提案していた。
 他にもいっぱい展示があったが、会場が広く、どこに何が、というのもわからなくて、歩き回るだけでくたびれるので、早々に引き上げてきた。

 家に帰ると13時頃になっていた。

 家具はほとんどストッパーで固定してあるが、数年前に買った冷蔵庫だけは固定していないので、固定金具を上記のティーエフサービス㈱に注文して、5,000円くらいで購入しておいた。
 でもまだ取り付けていない。

 5月30日(木)午前から「大規模災害への備え」研修会に行った。
 予め会場の場所・消防会館をインターネットで確認しておいた。
 また、参加証は予めメールで送られてきたのを数日前にプリントアウトしておいた。
 参加証にはQRコードがついていた。
 途中でペットボトルのお茶500mlを買って行った。
 虎ノ門病院のすぐ横だったからわかるだろうと思っていたが、銀座線の虎ノ門駅を出てどの方向に行ったらいいかわからない。
 すぐ近くに地図もないので、スマホを取り出し、位置を確認した。

 会場に着くと、参加証を出したら、QRコード読み取りを行い、30日のみ参加、ということを確認された。
 分厚い資料一式を渡された。
 プログラムは末尾に添付する。
 本当は31日(金)も割と面白そうなテーマではあったのだが、ボーリングクラブと両天秤にかけて、こちらを欠席とした。
 席について、資料をパラパラめくってみた。

 最初は「平成28年熊本地震の教訓~被災自治体が直面すること」というタイトルで、熊本市長の大西氏が講演した。
 熊本地震は2016年4月14日21:26(前震)と同年4月16日1:25(本震)に起きた。
 28時間以内にM7クラスの地震が2回起きたのは観測史上初ということであった。
 余震が4,500回あった。
 行政はそのシステムがフルに動くという前提で行われている。
 この地震で参集できた人が何人いたか。
 地震被害の顕著な例は熊本城である。
 前震では多少の崩れがあったが、本震で城壁等がほとんど崩壊した。

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         図3 熊本城の倒壊の例(日経新聞より抜粋)

 避難者は最大11万人で避難所の数は267箇所になった。
 死者が87名、重傷者764名、家屋被害約14万戸、被害総額1兆6千億円以上となっている。
 ライフラインの被害として、水道は32万6千戸(全戸)、電気6万戸、ガス10万5千戸となった。
 日常生活の影響では1階部分が潰れたマンション、ブルーシートに覆われた民家多数、隆起により段差が生じた道路、応急給水に並ぶ長蛇の列、小学校のグラウンドに並ぶ車中泊の車群、体育館で授業する先生と生徒、等が説明された。
 マンションの多いエリアでは500人の生徒の学校に2,000人くらいの避難者が来た。
 土地利用の高度化でタワーマンションがあったが、エレベータが動かない、水が出ない、という生活を強いられた。
 東京で地震が起きると間違いなくこうした状況になるだろう。

 アンケートでどこに避難したか聞くと、指定避難所34%で後は皆それ以外の宿泊であり、避難所または別の場所での車中泊は約40%と多かった。
 (筆者注:マスコミ報道では、車中泊の人のエコノミークラス症候群を心配して医療関係の人が体操等を指導して回った、と聞いている。)

 障害を持っている人は大変で、また自閉症の人は体育館に行けない等もあったようである。

 役所もほぼ職員全員が初めて経験する事態で動揺していた。
 職員の安否不明、参集状況もわからない。
 次から次へと殺到する電話対応でパンク状態であった。
 役に立たない対応マニュアルであった。
 災害対策本部を前震後にすぐ特別応接室に設置したが、天井にシャンデリアがついていて、まずこれを取り外すというようなドタバタであった。
 仮設住宅入居者数はピーク時に約1万戸であったが、今は約3千400世帯と約3割に減ってきた。
 全国からの支援を多くいただいた。
 自治体の人的支援のべ約6万人、民間・NPO約2万人、ボランティア約4万人で、支援金は約60億円になった。

 熊本地震の教訓として、情報の混乱(デマや誤った情報) 、車中泊の人数把握の困難、市職員の運営体制の限界、特別な配慮を必要とする避難者への対応、底をついた備蓄と届かない支援物資、の問題がある。

 4日間を自助でしのがないと公助が動き出せないようである。

 支援物資がないわけではないけれど、分配の体制ができていないので、うまく配分できないのである。

 自助・共助の強化、避難所運営体制の強化、民間企業・団体と連携した災害対応(LINE社と協定締結、民間の防災井戸活用等)、避難所機能を考慮した施設整備(マンホールトイレ、貯水機能付き給水管)、市民・地域・行政協働での防災訓練約1万4千人等が行われた。

 日頃からの備え強化ということで、スーパー等の備蓄食糧増強、物資輸送体制強化(レンタカー確保等)、混乱した市役所業務の改善、避難所運営の改善(校区防災連絡会設立で顔の見える関係づくり)も構築した。
これから未来に向けて、地域コミュニティの維持、自主自立のまちづくりにより地域力を高めること等が必要になる。
 目に見えるということでは熊本城の復旧が一番わかりやすい。
 復旧過程を見える化している。

 震災の記憶を次代に伝える、という取組では熊本明治震災という明治22年にM6.3の地震があり、その事例が今回の事例と似ていることから、これを整備して発刊している。

 この後に質問があるかと思っていたが、何もなかった。
 仕方ないので、アンケートに防災運動会、外国人が避難所から追い出されたこと等を書いておいた。

 次は「世界一の地震・火山大国に暮らす覚悟」というタイトルで、神戸大学の巽氏が講演した。
 この巽氏は昨年のこの講習会の講師として予定されていたが、西日本豪雨のために来られなかったといういわくつきの人である。
 日本列島は世界一の変動帯である。
 その変動帯で恩恵も受けているが、焦眉の急は巨大カルデラの噴火である。
 今から7,300年前に九州南部の島の鬼界カルデラで南九州の縄文人が絶滅した、とのことである。
 天の岩戸に天照大神が隠れたとする神話はひょっとしたら、この鬼界カルデラの噴火であったかもしれない。

 もしこの鬼界カルデラのような噴火が阿蘇・姶良カルデラで起こるとすると、最悪のシナリオで、2時間以内で700万人が死亡、1日以内に4,000万人が生き埋め、2日で本州のライフライン停止、1億2千万人が生活不能になる、とのことである。

 過去の統計を解析すると、今後100年間で約1%の確率で発生する、とのことである。 

 話が大きすぎてちょっとついていけないところがあった。

 最後は「近年の災害に学ぶ災害リスク・コミュニケーション」というタイトルで、京都大学の矢守氏が講演した。
 避難について考える時、たった2つのことを考えればよい。
 (1)いつ、逃げるのか。
  何を「避難スイッチ」にして逃げるのか。
  去年の西日本豪雨の時に九州北部の朝倉市は「5年前も最初に浸かった家」としている。
 (2)「どこへ」逃げるのか。
  西日本豪雨の時の京都丹波町の「お堂」(集落内のセカンドベスト:100点満点でなくとも60点とれる場所)に逃げて無事だった。
 隣町のベストの避難所までは遠い、間に合わないので、「お堂」に逃げ込んだ。
 ここは2017年にも同様な事態があって、その時はたいしたことはなくて、結果として逃げないでもよかったのではないか、と若い婦人は考えたが、消防団に諭された。

 避難情報の「空振り」という言い方はよくない。
 避難情報の「素振り」とすべきではないか。

 関東大震災で火災で9割、阪神淡路大震災で倒壊で9割、東日本大震災で津波で9割の人が亡くなっている。
 それぞれの地域で防災スイッチ(避難スイッチ)を探しておくべきである。

 地域の危険箇所と気象情報・避難情報が防災スイッチとして利用できる。
 100点満点の防災はできないけど、何もしなければ0点だし、家具固定等できることからした方がよい。
 「逃げトレ」(避難訓練)を高知県須崎氏で行っている。
 高校生が「逃げトレ」を使って、高齢者の避難訓練をサポートする。
 100点満点でなくていいから、身近なところから始めるとよい、とのことだった。

 6月4日(火)に義父宅で、NHKのニュースを見ていた時に、「避難スイッチ」という言葉が出てきて、画面を見ると、この矢守氏が出ていた。

 結局3氏ともに質疑応答はなく、仕方ないので、アンケートにカルデラの噴火があった時には爆弾で火山灰を吹き飛ばすことはできないか、等を書いておいた。

 今東京に住んでいる以上は首都直下型地震による火災、南海トラフ地震による東京の津波ということが私にとって一番の課題と考えている。

 この課題を解決し、合わせて他の課題もクリアしていくために、これからもこうした防災シンポジウム等には参加していきたいと思う。

<2019年度 防災啓発中央研修会>
  「大規模災害への備え」
 1.日時:2019年(令和元年) 5月30日(木) 10:00-15:40
 2.場所:日本消防会館(ニッショーホール)(虎ノ門駅付近)
 3.主催:一般財団法人 消防防災科学センター
 4.後援:総務省消防庁
 5.プログラム
  10:10~11:30
   「平成28年熊本地震の教訓~被災自治体が直面すること」熊本市長 大西一史
  12:30~14:00
   「世界一の地震・火山大国に暮らす覚悟」神戸大学海洋底探査センター教授 巽好幸
  14:10~15:40
   「近年の災害に学ぶ災害リスク・コミュニケーション」京都大学防災研究所巨大災害研究センター教授 矢守克也

(本当は5/31もこの研修会で別の講演者による講習会はあったが、これは欠席した。一応プログラムだけ書いておく。)

  10:10~11:30
   「楽しく防災~防災の概念をぶっ潰せ~」加古川グリーンシティ防災会会長 大西賞典
  12:30~14:00
   「大規模災害に備えた消防防災体制の拡充・強化」総務省消防庁国民保護防災部長 小宮大一郎
  14:10~15:40
   「荒ぶる自然災害に向かいあうこれからの地域防災を考える」東京大学大学院情報学環教授 片田敏孝
  -以上-

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