将棋名人戦について

 第70期将棋名人戦がこの間(6/13)決着がついた。

 それに関して少し振り返ってみた。
 対戦したのは森内俊之名人と羽生善治王位である。いうまでもなく二人は幼い頃からのライバルである。
世に出てきたのは羽生王位の方が早く、NHK杯戦での歴代名人を破ったのは鮮烈な印象で残っているし、何といっても将棋界初の7冠を達成したのはおそらく今後もこのような偉業は達成できないのではないかと思う。
 対する森内名人はおそらく大器晩成型であり、あまり印象に残っていないが、永世名人の称号は森内名人が第18世名人で、羽生王位は第19世名人と森内名人の方が早いのである。

 でも今期名人戦前までの二人の戦績でみると、羽生王位が名人戦挑戦者リーグを9戦全勝で勝ち上がってきたのに対し、森内名人は直前まで5割そこそこの成績でぱっとしなかったらしい。
 だから今回の名人戦では羽生王位優位という予想のようであった。

 第1局は振り駒の結果から森内名人先手で相矢倉。森内名人38飛、羽生王位73角型の最新の戦型で、森内名人が穴熊に組み替えようとしたのに端を発して戦端が開かれ、139手で森内名人が先勝した。
 しかし、私はこの投了図後の詰みがわからず、将棋ゲーム「激指」でも詰まない、との表示が出て、本当かしら、と思ってしまった。

 第2局は羽生王位先手で相腰掛銀。どうもこの腰掛銀というのは指したことがないし、将棋の雑誌での解説の記憶がないのでよくわからない。羽生王位の28角が有効で、森内名人が飛車切りの最新定石で攻撃したが、最後の方はよくわからない泥沼のような攻防戦を133手で羽生王位が制した。

 第3局は森内名人先手でまたも相矢倉。46角と73角と角のにらみ合いから角交換となって、飛車の取り合い、相手陣内への角打ちと激しい攻防があり、森内名人の入玉が確定して157手で森内名人が勝った。

 第4局は羽生王位先手で相矢倉。第3局と同じ展開のようであり、羽生王位の攻勢が有効だったようで、143手で羽生王位が勝ち、すべて先手が勝ち、2勝2敗のタイスコアとなった。

 第5局は森内名人の先手で、横歩取り84飛型の戦法であった。一時期横歩取り85飛型が流行していたようだが、先手の工夫等で少し85飛型は鎮静化した、との話を聞いたような気がする。
 最近は8筋での飛車交換強要型が多いようで、先手の強要を後手が拒否して、歩を打つという進展のようである。先手の56飛車というのは以前はあまり見なかったようだが、最近は多いのかもしれない。終盤飛車金両取りの手を放置して、森内名人が攻めて、115手で森内名人が勝った。
 しかし、最終の局面の105手目の41飛車の王手に対して羽生王位の35玉が1手ばったりの悪手だったようで、私は6/28発売の週刊文春の先崎九段の解説を読んで改めて見返してみた。
 確かにこの応手を今日の毎日新聞の名人戦の解説43桂としてしておけば羽生王位の勝ちだったようである。羽生王位にしてこんな手を指してしまうのである。いかにタイトル戦が精神的に厳しいものであるかを想像させるに十分であろう。

 第6局は羽生王位先手で、角換わり腰掛銀であった。第2局と同じような展開であったが、今度は森内名人の攻めが功を奏して106手で森内名人が勝ち、今シリーズ初めて後手が勝ち、森内名人の防衛となった。
 先崎九段の解説では第6局は羽生王位が精彩を欠いていた、とのことだったか、指し手を見る限り素人的にはわからないようである。

 昨年の羽生名人と森内九段の対戦で羽生名人3連敗後の羽生名人3連勝で二度目の3連敗後4連勝(一度目は第21期竜王戦の渡辺明竜王対羽生名人での渡辺竜王が達成)かと思われたが、森内九段が第7局を制して名人位を奪取した。
 今年は逆かと思ったが、森内名人が防衛した。
 今後も二人の戦いは続くのであろうが、すばらしい棋譜を残して欲しいものである。

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