羽生四冠の将棋の考え方の一端を知る本

 将棋の羽生善治四冠(ちょっと前に棋王を失冠したので正確には三冠)の「決断力」(角川書店)を読んだ。少し感想を書く。

 羽生善治四冠はいうまでもなく、将棋界の第一人者といっていいだろう。この羽生四冠の著書であるから(多分インタビュー形式なのを誰かゴーストライター的な人がまとめたと思うのだけれど)、面白いだろうと思ったわけである。将棋の対局における心理、真理及び状況判断等の経過がよくわかって勝負のコツみたいなものが書いてある。
 私は「羽生マジック」と呼ばれる勝負勘の基礎を知りたくて買ったのである。私は今パソコンの「東大将棋8」をたしなむ程度であるが、この中にも勝負に関する様々な局面が出てくる。この局面に関して羽生四冠のこの「決断力」に書いてあることを当てはめるとなかなか面白いことがわかった。羽生四冠は決して他の棋士が不思議に思っている「羽生マジック」の正体が実は冷徹な勝負勘に基づくものであることを知ることになった。

 ただ将棋界における将棋以外のドタバタに関してはほとんど語っていない。そういう点では少し物足りない部分はあるが、これはある程度仕方ない、ともいえるかもしれない。

 オビに書いてあるのは「意表をつかれる」「いい結果、悪い結果」「仲間の格付け」「相手にアイデアを」「整理整頓」である。情報は「選ぶ」より「いかに捨てるか」だそうである。まあ、次の一手を読むのに10通りあると、その次の手は100通り、その次まで読むと1000通りと無限に広がっていくわけだから、どこかで手を絞らないといけない。その手を絞る方法が速ければ速いほど棋士にとって有利なわけである。棋士は各棋戦で持ち時間が最大6時間として3時間くらいで決まっており、それを使い切ると30秒または1分の秒読みになるから、時間に関する使い方はプロの初歩であろう。それはわかっているが、それをどのようにうまく使うかで一流とそうでない棋士の差が出る。
 私も大学以降に将棋のプロの世界の将棋を雑誌等で見るたびに、すばらしい棋譜に感嘆したりしてきた。でもその背後にあるプロ棋士の思考法についてはほとんどわからなかったのでこの本はおもしろかった。一読をおすすめしたい。息子は身近な将棋のライバル(最近はやっていないが、一番最近では3連敗している)にも読ませたいものである。

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  • 将棋が3度の飯より好きだぜい!

    Excerpt: 将棋のうまい方もそうでないかもしれない方も・・・将棋をこよなく愛する方お立ち寄りくださいませ。 Weblog: 将棋ゲーム倶楽部 racked: 2006-03-20 16:28