原子力学会春の年会オンライン参加-発表内容の説明等(その1)

 2021年原子力学会・春の年会もオンライン開催となった。

 この大会の参加登録案内メールは1月13日(水)には来ていた。
 今年は3月17日(水)~19日(金)の3日であった。
 すぐに参加登録した。
 仮登録のメールが来て、近くのコンビニで参加費1万円を払い込み、正式な参加登録完了のメールが来た。
 その後春の年会の予稿集のお知らせがなかなか来なかった。
 3月14日(日)になっても来ない。
 さすがにおかしいと思い、学会のHPにアクセスしてみた。
 するとすでに3月4日(水)には予稿集がこのHPにアップロードされていた。
 私のメール見落としかと思って調べてみたが、どこにも予稿集発行のメールはなかった。
 慌てて、HPから予稿集をダウンロードした。
 プログラムも合せて全部で892ページであるから、例年1,000ページを超えているので、今回は発表数が少ないと思った。
 15日と16日で聴講スケジュールを作成した。
 最初の38ページがプログラム、38ページ以降が予稿集の原稿なので、見やすいようにするため、38ページ分を切り離しコピーして印刷し、それを基に聴講計画を立てた。

 プログラムから学会で興味があった内容についての内容等の説明をしてみる。

 再度記しておくと、期間は2021年3/17(水)~3/19(金)の3日間であった。
 今回も福島事故関連を主として聴講にしようと思ったが、意外に少ない。
 もうかなり福島事故関連は発表し尽くしたのかもしれない。
 まだ森林がほとんど手つかずのままの気がしている。
 聴講スケジュールは以下の通りとした。

  3/17(水) AM1  AM2    PM1    PM2      PM3      
   
      I廃棄物管理    G倫理規程 D検出器   学生ポスターセッション 
  3/18((木)
     G原子力政策 Fベント A事故後10年 G核セキュリティ D環境測定
  3/19(金)
     M環境修復 D医療応用   -

 AM1は10:30-11:00くらいにある発表、AM2は11:00-12:00くらいにある発表、PM1は13:00-14:30にある特別セッション、PM2は14:45-16:00くらいにある発表、PM3は16:00-17:30 くらいにある発表時間帯である。

 各テーマについて整理してみる。

 第一には、福島事故関連の情報収集である。
 第二には、私が研究している核変換技術の情報収集と共同研究グループとの連携の検討であるが、今回はそれに該当するものはなかった。
 第三には、教育、といっても私の研究の後継者探しという面が強い。
 これはオンラインでは難しいものがあるが、今回は学生のポスターセッションがあったので覗いてみた。
 第四に興味があるものの聴講、今回の場合は原子炉ニュートリノモニタである。
 その他として、トピックス的なものもミーハー的に仮想聴講するつもりであったが、それらしいものはなかった。

 逆にこの学会春の年会期間中に、柏崎刈羽原発での核セキュリティ機器の放置によるレベル4(最悪)の原子力規制委員会評価が発表されたり、東海第二原発の運転差し止めの判決が水戸地裁であったこと、広島高裁で伊方原発差し止め停止の無効決定など、場外で様々な事件が起こっていた。
 そちらの方が気になって仕方なかった。

 今回の春の年会は原子力学会の流行というか動向の検討と第1日目の午後の一部までを(その1)、
 第1日目の残りと第2日目の午前までを(その2)として書き、
 第2日午後と第3日目の午前を(その3)として書いていく。
 第3日目の午後は先週に書いた鼠径ヘルニア手術の術後経過観察の予約をしていたので、午後の学会発表は聴いていない。

  以下に(その1)についてメモ程度に書き留めていく。

 長々と見たくない人は末尾にまとめを書いておくので、それだけみればいいかもしれない。
 今回も3月14日に予稿集ダウンロード、3月17日に開催、と検討のための期間が短くプログラム自体もエイヤーと決めたこともあって、あまり考えもせずに、会場が結構バラバラに聴講した。

 とりあえず、今の原子力学会の動向を午後1時からのセッションで、私が最初にピックアップしたものから見てみる。
<3/17(水)>(〇が実際に筆者が参加したもの)
 D会場「廃炉作業10年」(福島第一<1F>の廃炉の課題)
 G会場「社会に役立つ原子力」(原子力学会の倫理規程)〇
 I会場「汚染土壌の県外処分」
 L会場「Society5.0下での大学発イノベーション」

<3/18(木)>
 A会場「1F事故後10年シンポ」〇
 F会場「ステークホルダーの原発安全性向上の意義」
 G会場「原発のサイバーセキュリティ」
 I会場「分離・変換技術の廃棄物処理処分への適用」
 K会場「量子ビーム技術」

<3/19(金)>
 A会場「水素安全高度化」
 C会場「レジリエンス・エンジニアリング」
 F会場「自然災害への原子力防災」
 G会場「1F廃炉の水化学」
 H会場「原子力規制庁の検査制度対応」
 M会場「トリチウムの保健物理」

 このピックアップのテーマから、原子力界の動きについて私なりの解説をしてみる。
 若干の思い違い等はあるかもしれないが、おおよその動きと思って容赦願いたい。
 廃炉作業は1Fの最優先課題であろう。
 社会に役立つ原子力は関西電力の贈収賄スキャンダルに対して、倫理で対応、とのことである。
 汚染土壌は1千万トンと言われており、これを30年程度中間貯蔵して、後は県外に運び出して処分というシナリオである。
 Society5.0は内閣府主導のAIやロボット等の活用を大学でもその流れに乗ろうとしている。
 1F事故後10年シンポが3/11&3/12の2日間にわたって行われた。
 その結果報告である。
 原発に求められるものは一にも二にも安全性である。
 それをどのように向上していくかを、事業者、規制側、立地自治体、社会の観点で問い直している。
 今日本のITはセキュリティ対策が弱いと指摘されている。
 しかし原発でのサイバーセキュリティは厳重に管理しないといけない。
 分離変換は重要な技術であるが、どうもアメリシウムAmやキュリウムCmという超ウラン元素に偏った方向にいっている気がしている。
 本来であれば、半減期30年のセシウムを何とかしたいが、最初からあきらめているように感じている。
 量子ビームは電子線や陽子線等の総称である。
 中性子も多分含まれるし、そうなると、核鑑識に使われる小型中性子装置等もあるのだが、今回はそういうものはなさそうで、放射線治療の内部治療薬のアクチニウムAc-225等の製造にかかるものらしい。
 1F事故でも衝撃的だったのは、1号機と3号機の建屋の水素爆発であっただろう。
 マスコミが何かあるたびにこの画像を放送するので、原発に対して悪いイメージを植え付けてしまう。
 この水素を何とかしようとする研究らしい。
 私は高温ガス炉での水素発生の安全対策と思っていたが違った。
 今レジリエンスという言葉がブームである。
 防災でも使われており、本来の意味は柔軟性のようなニュアンスである。
 しかし、何か万能の技術のように用いられているが、どうも表面をなぞっただけの気がしている。
 1F事故の根本原因は津波である。
 こういう自然災害への原子力防災はどうあるべきか、とのことである。
 私は一般防災の中に原子力が組み入れられるべきと思っているが、どうも原子力ムラの人は原子力防災のみの範囲でそれ以上外へ出たがらないのである。
 福島の汚染水処理はトリチウムの問題、海水注入による腐食の問題等がある。
 技術的な問題はクリアできても、社会的な問題がなかなかクリアできないようである。
 2020年4月から原子力規制庁の新検査制度が始まっている。
 抜き打ち検査等を使い、柏崎刈羽原発のセキュリティもこの結果と理解している。
 でも本来は米国の規制庁NRCと事業者が話合いをしながらより良いシステムを作っていく、という趣旨のはずである。
 トリチウム水は海洋放出等で議論となっているが、その生態影響を見ていこうとしている。
 でも規制基準以下で放出すれば、原発の排水と同じで、生体濃縮などは起きないのは自明なのだが、世間一般には知られていないところが問題である。

 第1日目の学会の始まる10時半には、トイレに行き、マイボトルを用意してPCの前に座った。
 今回は開催案内メールみたいなものがなかったので、原子力学会のHPにアクセスし、春の年会の項目を見て、その中に学会専用の欄があり、そこに1月にもらったIDとパスワードで入った。
 各会場のテーマ表が表示されており、その項目をクリックすると、各会場のZoomのボタンが表示される。
 それをクリックして入室する。

R3-3-28R1 学会会場案内例.jpg
         図1 原子力学会春の年会の会場テーマの表示例

 さて実際の視聴について、最初はI会場の「廃棄物管理」をオンライン視聴した。(10:30には54名が視聴していた。)

 1I01では「廃ゼオライトの長期保管方策の検討(15)実規模乾燥試験後の塩分析出結果」というタイトルで、原子力エンジニアリングの佐川氏が発表した。
 福島第一原子力発電所(以下1F)事故の水処理で発生する廃ゼオライト吸着塔の長期保管方策検討の一環の研究である。
 吸着塔の腐食評価に影響する内部環境を推定するため、実寸大のSARRY吸着塔内部試験体を用いたヒーター加熱試験が行われた。

R3-3-28R1 1I01 廃ゼオライト塩分.jpg
         図2 廃ゼオライトの試験状況

 要するに、原子炉に海水注入したために、吸着塔のゼオライトに塩分が溜まった。
 この塩分の水は放射線分解で水素発生の原因となるし、塩分は容器の腐食に影響する。
 できるだけ廃ゼオライトから塩分を減らしたいため、コールド試験でゼオライトに塩分を流し、塩分をゼオライトに吸着させ、そのゼオライトを加熱した時の塩分濃度を測定した結果を報告する。
 吸着等の廃ゼオライトは51日間乾燥させ、その後残水を抜いて、その後純水を注入してこれを加熱した。
 塩分は中心部分に集まり、周辺の塩分濃度は低いことがわかった、と説明した。

 1I02では「廃ゼオライトの長期保管方策の検討 (16)残水浸透挙動を考慮したモデルによる使用済ゼオライト吸着塔内の数値解析」というタイトルで、電中研の宇留賀氏が発表した。
 これは1I01との連続発表である。
 1Fの汚染水処理に使用されたゼオライト吸着塔の保管時の塔内挙動について試験結果に基づくモデルを構築し,数値解析を行い、残水に含まれる塩分は吸着塔の中心部に濃縮され、残水中塩分濃度は減少することがわかった、と説明した。

 1I03では「コンクリート構造材へのストロンチウム浸透挙動評価」というタイトルで、東京都市大学の木本女史が発表した。
 1F廃炉においては、それに伴う解体廃棄物を安全かつ合理的に管理することが必要である。
そのためには、原子炉建屋等において大量に存在するコンクリート構造材への放射性物質の付着・浸透メカニズムを把握しその性状に応じた処理・処分を施す必要がある。
 本研究では、コンクリート構造材へのストロンチウムSr の浸透メカニズムを把握することを目的に、浸透試験を実施した。
 その結果、SrはpHによって浸透速度が変化することが明らかとなった。
 コンクリート廃棄物は70万トンと見積られ、Sr-90等のFPがコンクリートに浸透しているとみられるが、Srに関するデータは少ない。
 Sr-Cl2とSr(OH)2での試験を行った結果、Srがコンクリート中の酸素Oと結びついていることがわかった、と説明した。
 (筆者注:SrはカルシウムCaと同族で、Sr-90は骨に沈着しやすく、そこでベータ線を出して骨を痛める厄介なFPである。)

 1I04では「中性子放射化分析によるコンクリートへのCs浸透挙動の検討」というタイトルで、東京都市大学の米山氏が発表した。
 これもコンクリート中へのFPの浸透なので、1I03と同類の発表である。
 コンクリートへのCs浸透メカニズムの解明のため、代表的なモルタル、粗骨材及びそれらを混合したコンクリートへのCs 浸透実験を行った。
 分析には中性子放射化分析を用い、より詳細な評価を行える見込みを得た。

R3-3-28R1 1I04 中性子放射化 .jpg
         図3 モルタルの放射化分析でのスペクトル

 CsOH溶液にコンクリートやモルタルの粉末を浸漬し、これらを中性子で放射化し、Cs-134のガンマ放射能をGe検出器で測定し、評価を行えることがわかった、と説明した。

 1I05では「無機水和物・水酸化物の放射線分解水素分子生成収率 物理吸着水と遷移金属イオンの影響」というタイトルで、名大の熊谷氏が発表した。
 低レベル放射性廃棄物の処分ではセメント系材料を使用するため、水の放射線分解に伴う水素分子生成の抑制が課題となっている。
 本研究では水和水数に加えて、水酸化物の吸着水・遷移金属の影響についても検討したので報告する。
 γ線照射した硫酸塩無機水和物からの水素分子生成収率G(H2)は、Fe(II)以外では水和水の数が少ないほど高くなるが、Fe(II)では逆となった。

R3-3-28R1 1I05 硫酸塩水和物のGH2.jpg
         図4 硫酸塩水和物のG(H2)

 水酸化物の水吸着試料のG(H2)は乾燥試料のほぼ2倍となり、吸着水は水素生成の主因であることが示唆された、と説明した。

 今までにない着眼点であり、ちょっと意表を突かれた感じである。
 私は鉄が触媒の役目をしているか聞いたが、はっきりとはしていないようであった。
 他の人で酸素の発生についてはどうか、と質問した人がいた。
 水の放射線分解であるから、当然酸素も発生するはずだが、調べていないようであった。
 この質問にも私はやはり意表を突かれた気がした。

 ここで昼休みの休憩になった。

 午後にはG会場の委員会セッションで「社会に役立つ原子力であるために~原子力学会の倫理規程と実際の行動~」というテーマで発表が行われた。
 1G_PL01では「(1)本企画セッションの意義~倫理規程改定における論点~」というタイトルで、JAEAの大場女史が発表した。
 昨日東電柏崎刈羽原発の核セキュリティ不備の問題が取り上げられていた。
 原子力学会の倫理規程が実際の行動につながっているのか、いないのか。
 2013年に学会の定款は大きく変わった。
 (筆者注:福島原発事故の問題を最優先にする、との文言が入った。)
 倫理規程2001年、行動指針は2007年にできた。

R3-3-28R1 1G_PL01 倫理規程構造.jpg
         図5 原子力学会倫理規程の構造

 2011年の改訂作業中に1F事故は起こった。
 言葉として妥当なものと思っている。
 でも会員の実際の行動に結びついていない。
 2014年にも改訂を行い、今も改訂作業中である。
 論点は5つある。
  ①品質不正問題(2017年秋以降に数多く発覚した素材メーカ、自動車メーカ等による製品品質、完成検査の不正問題)
  ② 関西電力金品授受問題(2019年9月に発覚) ※1
  ③ 東京電力福島第一原子力発電所事故(2011年3月発生)
  ④ 上記問題等の背景要因として共通している組織文化
  ⑤ 倫理規程をより浸透させるための表現の適正化、記載の充実化
   ※1:金品授受問題への倫理委員会の見解を2020年8月24日に公表

 文言を検討するより別の活動をした方がいいのではないか、という意見もあった。
 1年前に福島大学での春の年会に合せてやろうとしたが、コロナ禍で中止になった。
 おかしい文言は書いてない。
 なぜできないのか。
 どうすれば実現できるか。
 モヤモヤしていることが2つあった。
 1つは関電関係②である。
 もう一つは学会員に関することである。
 関電関係は関電独自のもので、ウチには関係ないと思う人もいる。
 でも他の多くの事例に共通していることが多くある。
 外部からの力にどう対処するか。
 問題発覚後の情報開示はどうだったか。
 柏崎刈羽原発の核セキュリティのID不正はどうなのか。
 本当にこれでいいのか。
 昨日のID不正に関連して、原子力規制委員会の更田委員長は安全文化の欠如が背後要因にあると言っていた。
 一部しかみていないのではないか、ということらしい。
 1Fでも地震計が2台壊れていた。
 東電は何もしていなかったのか。
 でも1F事故後は安全文化をよく見直していたように思う。
 今日のゲストの大橋氏は安全工学が専門で、宮城県大川小(津波で多くの児童・職員が亡くなった)の事故検証委員会のメンバーでもあった方で、心理学にも詳しいので話を伺いたい、と説明した。

 1G_PL02では『(2)「社会に役立つ原子力技術の追求(行動指針第2 条)とは」~1F 事故を踏まえて~』というタイトルで、宮城学院女子大学の大橋氏が発表した。
 1F事故に遭遇した。
 心理学が専門である。
 原子力に関わるようになったが、原子力のど真ん中でない人間から見た原子力の課題について述べる。
 福井県のINSS(原子力の安全文化等の研究を行っている民間研究所、関電と縁が深い)に勤めていたことがある。
 原子力の現場を学んだ。
 大飯2号のトリップ騒動も遭遇した。
 その後大学に移った。
 3.11の時には15時頃に1F原発付近の富岡にいた。
 学びの森で被災した。
 チラチラ雪が降っていた。
 町役場の人と一緒だった。
 仙台に帰ろうとしてヒッチハイクした。
 すぐに仙台行きの車が見つかり、乗せてもらった。
 しかし、6号線は津波による寸断と大渋滞で行きつ戻りつしながら、2時間半の行程なのに、真夜中の3時頃に着いた。
 講演は中止になったが、秋にはストレスマネジメントの講演をして欲しい、と言われた。
 2011年12月には1Fに入った。
 原発の水素爆発があったが、SPEEDIで大丈夫と思っていた。
 20~30年は原発が必要であろう。
 妻は福島出身である。
 原子力災害は起こしてはならない。
 JANSI(原子力安全推進協会:民間)と関わった。
 大川小の事故検証委員会の委員もしていた。
 飯舘の避難直前に入った。
 伊達市には親戚もたくさんいた。
 賠償問題での地域ごとのまばらな補償で、ギクシャクしていた。
 弁護士が来て裁判しようという。
 1Fには年1、2回は入った。
 3号機の前辺りで、0.46mSv/hくらいになった。
 わが事意識を持とう。
 東電関係者も一生懸命やっているが、わが事意識がないのではないか。
 想定外は起きる。
 想定外を想定内にする努力が必要である。
 日本の原発は地震くらいでは何ともないんだ、と言われてきたが、でも今はそうでもない。
 原発とは何だろう。
 完全な安全性が求められた。
 飛行機はよく落ちた。
 金属疲労が原因であった。
 でも誰も乗らないとは言わない。

 原発はヘビに例えられる。
 毒がなくても好きになってもらえない。
 事故が起きると時間軸が桁違いに影響をもたらす。
 ヘビ使いはヘビを怖がらない。
 ボーイングがだめならエアバスがある。
 変えればいい。
 でも原発はそうはいかない。
 原子力は結果によって左右される。
 大飯の冷却水問題ではECCSが働いた。
 でも一般の人は冷却が必要な事態になったことが問題、と捉える。
 柏崎刈羽原発の核セキュリティのID不正は運よくバレた。
 志賀原発の制御棒制御失敗も秘密だった。
 防災無線が流れた。
 無線が鳴ったのは故障していない確認になる。
 主張する専門家を目指して欲しい。
 誠実にやっていれば、いつかわかってもらえるというのは幻想である。
 JALの1000本ノック(政府の規制)への反論がある。
 この反論によって政府の規制を変えさせた。
 専門家はコミュニケーション力を持とう。
 本学会が、問題として報じられた企業に「主張する場」を設けてはどうか。
 人は起こったことに目を奪われがちである。
 それを防ぐために対策を立てる。
 もぐらたたきと同じである。
 その背後にあるものに向き合う必要がある。
 1Fでも全電源喪失訓練はやっていた。
 全号機全電源喪失訓練はやっていなかった。
 判決の背後にあるものが大事である、と説明した。

 この後、ディスカッションになった。
 原発はヘビだ、というのが印象的だった。
 わが事意識の薄れが問題になる。
 人間は慣れる。
 1Fのインパクトから10年経った。
 1F事故報告書が多く出たが、人間の心理がスッポリ抜けている。
 インセンティブ、という言葉が質疑応答のチャットの中で出てきた。
 しくみビデオよりひとビデオの方がいい。
 人の安心感は情報ではなく、人である、と説明した。

 以上で(その1)は終わる。

 最初に原子力や学会の動向に注目した。
 原子力関係者の倫理が問われる事態が続いている。
 原子力安全問題では原子力規制庁の新検査制度がある。
 福島原発事故の廃炉に関連して、汚染土壌、トリチウム水、デブリの問題がある。
 イノベーションの観点からSociety5.0という政府の出した構想に原子力も乗りたい意図が見られる。
 放射線利用では量子ビーム等で、テロ対策、放射線治療等もある。
 また水素社会を見据えて、それに呼応した動きも若干ありそうである。

 1I01では原子炉に注入した海水の処理を行った廃ゼオライトの腐食に関する研究であり、中心部分に塩素が集まるので腐食しにくいとしていた。
 1I02は1I01との連続発表で、このモデルの数値解析に関するものであった。
 1I03と1I04はコンクリートに入るストロンチウムSrとセシウムCsの浸透に関するものであった。
 Srはコンクリート中の酸素と結びついて安定化することがわかった。
 Csについては中性子放射化分析ができることがわかった。
 1I05は水酸化物の放射線による水素発生の研究であり、鉄の水酸化物等は水素発生に関連することが示された。

 午後からの委員会セッションでは原子力学会の倫理規程に関する議論であった。
 1年前の福島大学での企画中止を受けたものであり、柏崎刈羽原発のID不正、監視カメラ故障、1Fでの地震計故障等が起きてどうなるか、と思った。
 原発はヘビ、毒はなくても嫌われる、という言葉が印象に残った。

-以上-

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