放射線安全管理講習会を受講・オンライン

 放射線安全管理講習会をオンライン受講した。

 昨年12月はいろんな行事に参加していた。
 ・12/ 5(土) ユニバーサルデザインまちづくりワークショップ
 ・12/ 7(月) 技術倫理シンポ
 ・12/ 8(火) ICRPシンポ
 ・12/ 9(水) 核セキュリティシンポ
 ・12/11(金) 放影協シンポ
 ・12/15(火) 東大コロナシンポ
 ・12/18(金) 大規模施設防災シンポ
 ・12/21(月) 放射線講習会
 ・12/22(火) 核融合シンポ
 ・12/27(日) 放射線教材コンテスト

 この合間に12/23(水)に地元有志との例会もあった。
 12月のブログは防災と科学のトピックスのまとめで終わったので、今年最初のシンポ関係報告は上記のシンポのうち、12/21の講習会と12/27のコンテストについて報告する。
  (ユニバーサルデザインまちづくりワークショップ以外は全部オンライン聴講)
 今週は講習会、来週はコンテストとする。

 11月10日(火)に原子力学会より放射線安全管理講習会(2020/12/21(月)開催)の案内メールが届いた。
 いつ参加申し込みをしたか記録がないが、参加費8千円を義父宅で12月1日に振込したのは記録があった。
 当日会場に行く人は1万円、オンライン参加は8千円とのことだったが、結局会場参加はなくなり、全部オンラインになったようだ。
 今回の注目点は何といっても講演Ⅲの中西女史である。
 中西女史は原子力委員会委員でもあるが、その研究が植物内の水や栄養の移動をRIを使って調べるミクロラジオオートグラフィという分野の研究をしている。
 この研究は原子力、特に放射線という悪いイメージを払拭するよい研究と思う。
 12月15日(火)にはオンライン配信用にURLが送られてきた。
 10時開始であるが、9時半から開始する、とのことであった。
 12月18日(金)にはオンライン配信用のよくある疑問点(FAQ)が圧縮ファイルで送られてきて、その後に圧縮ファイルのパスワードが送られてきた。
 私は会社員時代の最後の方で、この圧縮ファイル、解凍作業、圧縮ファイル解凍の際のパスワードを別メールで送ることは知っていたが、普通には面食らうのではないかと思う。
 また圧縮ファイルで送ることは解凍ソフトを持っていることが必要で、私は以前に購入していたものを使ったが、どれくらいの人が持っているのか、と思った。
 講演資料のダウンロードも厳重で、でも結局当日にしかダウンロードできなかったから事前に読むことはできなかった。
 ダウンロードの際には、所属、氏名とメールアドレスを入力しないとアクセスできないように管理されていた。

 12月21日(月)当日朝9時40分くらいに、マイボトルにお茶を用意し、トイレに行ってから席に着いた。
 この講習会は10時から16時半までの長丁場である。
 プログラムの概要は末尾に添付する。

 最初は講演Ⅰとして「最近の放射線安全規制の動向」というタイトルで、原子力規制庁の小髙氏が講演した。
 法改正が行われ、R1年9月1日に施工された。
 セキュリティ対策を法の目的に追加することに伴い、施行規則の手続き様式もすべて変更となった。
 講演内容は測定の信頼性確保、目の水晶体の等価線量限度の取り入れ、立入検査等について話す。

 外部被ばく線量、内部被ばく線量について、測定帳簿の記載・保存を求める。
 測定に用いる放射線測定器の点検・法制は1年毎に行う。
 法律の施行日は測定の記録等はR2年、その他の測定についてはR5年になる。
 目の水晶体の等価線量限度の取り入れについては、ICRP勧告に従って国内法制への取り入れとなる。

R3-1-24R1 原子力規制委員会 眼の水晶体構造.jpg
         図1 眼の水晶体の構造

 主な改正点は5年平均で20mSv/年で、どの1年においても50mSvを超えないこと、となっている。
 (筆者注:今までは150mSv/年だったから、一気に3分の1の規制値になったことになる。)
 また、3mm線量当量または70マイクロメートル線量当量での計算のどちらか適切なものとする。

 立入検査も方向性を変えた。
 検査員は身分証を持っている。
 検査員は立入を行い、関係者に質問する。
 立入検査の年間計画を年初に立て、事業者に通知する。
 今までは放射線主任技術者宛であったが、マネジメント層を含めるべき、とのことで、代表者に送るように変更した。
 違反があった場合は厳しく対処する。
 報告義務をしっかり行って欲しい。
 結果については四半期毎にHPに掲載する。
 防護と障害防止はそれぞれ別のチームが行く。
 許可後3年以上の施設、立ち入り後5年以上の施設、廃止措置の実態確認等について、複数名で立ち入る。
 粗探しをするわけではないから、固くならなくていい。
 防護区分1、2に該当する事業所を重点的に予防規程に基づく活動状況を見る。
 教育訓練であれば、時間数等を確認する。
 リニアック1台、密封RI等は2時間程度である。
 防護措置についてはカギをかけること、防護規程に基づく活動状況を確認する。
 R2年4月より活動を開始している。
 記帳や書類の確認である。
 5年分の中からピックアップしてみる。
 指導・指摘は両方とも書面交付する。
 指摘は報告が必要である。
 指導は報告は不要である。
 予防規程は下部規程も見る。
 マネジメント層へのインタビューもある。
 これからは上層部の人も同席のこととして、事業所長宛に通知を出す。
 RI防護については措置の確認を行い、下部規程も見る。
 帳簿の確認、改善の記録をとっておく。
 防護管理者は何名いるか、等を問う。
 立入検査結果をHPに載せる。
 主任者の選任届は出す。
 解任した時も届け出が必要である。

 測定に関する指摘、教育訓練では訓練時期、管理区域立ち入り前の教育、記帳・保管、その他の管理不備等が見られた。
 機器使用時間の逸脱、健康診断結果は永久保存であるから廃棄しないことである。
 定期検査では法令にない指導を受けた例がある。
 おかしいと思う時は根拠法令を示してもらうことである。

 手続きについても人事異動、退職等で引継ぎがスムーズにいかない例がある。
 H30年度で3200事業所のうち、90事業所が期日までに未提出となっている。
 記載内容に不備もよく見られる。
 帳簿作成が目的ではない。
 雛形を基に作られた例が多い。
 自分の施設にあった帳簿にして欲しい。
 空欄のないように、該当がないところは斜線を引く。
 受入・払い出し、使用、保管、運搬についてみていく。
 事業所境界も測定することである。
 汚染があった時は管理区域の境界も測定する。

 最近のトラブル事例では管理下にないRIの所在不明や表示付認証機器の紛失が多発している。
 密封RIの所在不明もあった。
 緊急時連絡先をHPに示してあるので、いざという時は連絡する。
 震度5強以上は報告する。(今までは震度4だった。)
 要点としてはマネジメント層を体制の中に組み込むことである、と説明した。

 講演Ⅱでは「電離放射線障害防止規則改正のポイント」というタイトルで、厚生労働省の髙山氏が講演した。
 放射線関係で厚労省が関係している法律は3つあって、労働安全衛生法、医療法、薬機法で、後の2つは放射性医薬品に関するものである。

R3-1-24R1 厚労省 放射線法令.jpg
         図2 厚労省での放射線関連法令(講習会での資料は転載禁止のため、厚労省のHPより抜粋、以降同じ)

 明治44年に工場法が出来て、それが現在の労働安全衛生法になっている。

R3-1-24R1 厚労省 労働安全衛生法.jpg
         図3 労働安全衛生法の経緯

 この中の電離放射線障害防止規則が今回話す内容に関係する。
 この法律は事業者の義務で違反すると罰則がある。
 線量当量は1㎝、3㎜、70μのどれかが該当する。
 保健衛生業務は全体の9%だが、電離健診対象者は約半分になる。
 目の水晶体被ばく限度の見直しを行っている。
 職業被ばくに関する水晶体の等価線量限度は5年間平均で20mSv/年、かつ各年度で50mSvを超えないこととされた。
 労働者の被ばく量分布はR1(令和元)年で、5~20mSvが2200人で、各産業別被ばくでは一般医療従事者が高い。

R3-1-24R1 厚労省 眼の水晶体被ばく状況.jpg
         図4 放射線業務従事者の被ばく状況

 20~50mSvでは循環器内科、脳神経外科が多く、一部は看護師も高い。
 胃カメラやカテーテルなどを使うところである。
 労働安全衛生3管理(作業環境管理、作業管理、健康)に基づく放射線管理としては、放射線防護の観点で、防護メガネ、防護エプロン、防護板等がある。
 今回の目の水晶体被ばく管理の変更で、作業に影響はないのか調べた。
ベッドから40~50㎝の高さが被ばく最大となる。
 防護メガネの遮へい率は70%くらいである。

R3-1-24R1 厚労省 眼の水晶体被ばく状況 看護師.jpg
        図5 看護師の被ばく状況

 看護師はCT検査、呼吸アシスト、カテーテル等作業する位置で最大となるところがある。
 防護板の遮へい率は40%程度である。
 現場の医療に影響しないのか。
 天吊り型防護板の例では、2017年で21.4mSv、2018年に75.3mSvであったが、この板の介入で17名を20mSv以下に保てた。
 少し前にテレビドラマで「ラジエーションハウス」というのがあった。
 放射線を扱うドラマであった。
 1年間で目の水晶体被ばくを150から50mSvに下げないといけない。
 専門の技術を持った医師がいるところはいいが、へき地医療等は難しいところもあるので、猶予期間が必要である。
 また医療被ばく低減のための改修補助金等も必要である。
 労働安全衛生法マネージメントシステムを導入して、これをPDCAサイクルで回して、効率的な被ばく管理ができればいい、と説明した。

 この後、昼の休憩になった。

 午後からは講演Ⅲとして「特別講演 放射線が拓く植物の謎」というタイトルで、原子力委員会委員の中西女史が講演した。
 RIと植物の話をする。
 ツールとして、放射線がある。
 中性子線で植物の水を写す。
 植物のDNAは動物の10倍である。
 室温で化学反応する。
 エコな存在である。
 太陽からエネルギーを得ているが、10分の1しか使っていない。
 水と元素を吸収する。
 どうやって水を吸収するか。
 17の元素を吸収する。
 植物は何十世代の住宅である。
 一つの中に全部揃っている。
 水と元素の植物内での挙動を今まで考えてこなかった。
 水は中性子線の利用で分布がわかる。
 水の動きについてはRIのポジトロンを利用する。
 その放射化分析で分布がわかる。
 水の動きについてはRIを利用する。
 植物と水の研究はブラジルの半乾燥地帯でのエンブ―という木が最初で、根に貯水組織がある。
 中には毒が存在しているが、水の確保戦略であろう。
 中性子ラジオグラフィというものがある。
 中性子の元素での減衰を利用する。
 X線と中性子線の透過を比較してみる。
 東海村のJRR-3(JAEA施設)の研究用取り出し口を利用する。

R3-1-22R1 中性子ラジグラフィ例 東京都市大学HP.jpg
         図6 中性子を使った透過像の例(東京都市大学のHPより抜粋)

 ここでの冷中性子を取り出す。
 中性子線をオリヅルランに照射して、水の分布がわかる。
 白黒の度合いから水分量がわかるので、水の定量ができる。
 植物の根に興味がある。
 普通は地上部しか見えないが、根が素晴らしい。
 同じ根はない。
 大豆の立体像を示す。(無断転載禁止、とのことで映像は省略)
 側根が見える。
 どこから水を吸っているか。
 根の表面近くの水の動きのデータはない。
 大豆の立体像のサンプルを回しながら像を撮る。
 大豆と小麦の立体像を撮った。
 木材はどういうふうに水を吸うか。
 植物は動くのである。
 HARPカメラ(NHKの人が開発した)を使ってその像を撮った。
 これを使えば、真夜中の犯罪も撮れる。
 新月の夜にイグアスの滝を撮った。
 稲の根は回りながら伸びる。
 50分に1回ずつ回る。
 アルミがあると回るのが止まる。
 大豆の根の断面を撮る。
 植物は自分の根をどこに育てようとするか。
 植物は水蒸気を吸っている。
 ササゲ(マメ科)は茎の一部が太い。
 乾燥に強い。
 茎の一部に水を貯蔵している。
 ポジトロンF-18でササゲの水の動きを見る。(半減期110分)
 ササゲとインゲンの水を吸う能力を見る。
 ササゲ同士で乾燥に強いものと弱いものを見る。
 普段乾燥に強いものは水をあまり吸わない。
 乾燥に弱いものはよく吸う。
 乾燥した時には逆転する。
 O-15を使う。(半減期2分)
 放医研で作っている。
 根にF-18を含んだ水を与える。
 大豆の水の吸収を見た。
 水がどんどん吸われる。
 導管の中の水の挙動がわかる。
 トリチウム水を使ってみた。
 茎の中の水が一旦上に上がり、また戻る。
 導管の周りをリグニンが巻いている。
 若い種子は導管の周りに水を多く与える。
 元素にも興味がある。
 放射化分析を多くやってきた。
 CO2ガスが見える。
 マンガンMnやナトリウムNaの試料を原子炉に入れる。
 中で放射化する。
 何分照射したらどんなものができるか。
 植物の中の金を探すプロジェクトに参加した。
 アサガオの放射化分析をしたことがある。
 夜を1回長くするとどうなるか。
 ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等金属はほとんど根に溜まる。
 クロム、マンガンのみ葉に行く。
 価数が多いせいだろうか。
 アルミニウムは植物内をよく動く。
 稲のP-32をリン酸吸収で見る。(半減期14日)
 水耕栽培と土栽培で比べる。
 福島の植物はセシウムを吸わない。
 リアルタイムRIイメージング装置を開発した。
 マグネシウムMg-28を使った。(半減期21時間)
 ホメオスタシスにMgは役立っている。
 光合成の行方を見る。
 ゴクラクチョウカの中性子分析による水分像を見る。
 同定された炭素Cはどれを作るか。
 C-14を用いたCO2をロゼットに吸収させた。

R3-1-23R1 ロゼット.jpg
         図7 ロゼットの状況

 放射線・アイソトープの利用により、植物の謎が見えてきた、と説明した。
 講演には多くの魅力的な画像が出てきたが、転載禁止のため、ここには載せられないのが残念である。

 講演Ⅳでは「放射線施設における安全文化の醸成 ―放射線施設へのアンケート結果から―」というタイトルで日本アイソトープ協会の二ツ川氏が講演した。
 安全文化について保健物理学会のアンケートを主に説明する。
 放射線安全文化とは何か。

R3-1-23R1 原子力規制委員会 安全文化.jpg
         図8 放射線安全文化の例

 労働災害の減少を目指す取組である。
 建築の作業現場で進んでいる。
 発端はIAEAがチェルノブイリ原発事故で取り上げた概念である。
 安全文化醸成のために5つのポイントを挙げた。
 安全に対する認識、リーダーシップ、継続努力、教育、公開である。
 H17年に原子力白書に記述された。
 原子力規制委員会はH27に原子力安全文化の宣言で8つの行動指針を示した。
 常に問いかける姿勢等である。
 RI法も改正した。
 安全文化を取り込んだもので、事業者の責務を取り入れた。
 安全リソース不足による事故を防ぐ。
 予防規程、業務改善、責任体制を明確にする、マネージメント層の関与等である。

 保物学会のアンケートの内容を紹介する。
 放射線施設の利用者や管理者に聞いた。
 H31年の保物学会で報告した。
 約200件の回答が得られた。
 常勤で40~50代が30%、(放射線)主任者が3割、管理者が8割、利用者が2割である。
 密封線源、非密封線源が半々である。
 民間28%、医療19%、教育機関23%である。
 主任者とそれ以外、大規模と小規模、安全対策の優先度等を尋ねた。
 その結果、トップの意識が低い、病院は達成度が低い、等がわかった。
 安全文化醸成の障害としては、ヒト、モノ、カネが多く、改善の可能性は低い。
 主任者とユーザーの安全意識が異なる。

 東大の安全文化アンケートの調査も行った。
 主任者対象の20名についてである。
 アンケートは自由記述式とした。
 対話について強く意識していない。
 大学や病院は新しくシステムを作ることを求めている傾向があった。
 放射線利用と放射線安全文化は車の両輪である、と説明した。

 講演Ⅴでは「眼の水晶体に係る法令改正への事業者の取り組みについて」というタイトルで、国際医療福祉大学の赤羽氏が講演した。
 R3年4月1日付で障防法が改正になる。
 これは2011年のICRPのソウル声明の内容の国内反映にあたる。
 眼の水晶体の被ばく限度を下げるように、との勧告である。
 個人線量計は着用の義務があり、医療関係では均等被ばくについては1個、不均等被ばくには2個装着する。
 個数についてはICRPのPub85/139に規定があり、1つはエプロン外に、1つはエプロン内に装着となっている。
 米NCRP(放射線防護審議会)は防護衣内に1個、防護具外に1個となっている。
 病院では頸部につけることもある。

R3-1-24R1 厚労省 眼の水晶体被ばく 線量計着装.jpg
         図9 線量計の装着例

 個人線量計で算定される実効線量は確率的な影響に関係する。(筆者注:がんや白血病等)
 実効線量を放射線業務従事者に説明するのが難しい。
 等価線量や組織加重係数等が入るためである。
 そこで、放射線被ばくの早見表を作った。
 実効線量mSv=頭頚部線量×0.11+胸腹部線量×0.89
 IVR(CT等で内臓の画像を見ながらカテーテルや針で治療する治療法)の専門医が着用する防護エプロンは10%の遮へい効果である。

R3-1-23R1 IVR治療 国立がん研究センターの様子.jpg
         図10 IVRの例(国立がん研究センターHPより抜粋)

 2個目の線量計をつけない理由は胸部の線量が低いためや手間がかかる、病院も認めてくれない、等がある。
 現行の水晶体の線量150mSv/年が100mSv/5年かつ50mSv/年に引き下げられると、過小評価した場合が問題となる。
 眼と水晶体の構造を示す。

R3-1-24R1 原子力規制委員会 眼の水晶体構造.jpg
         図1 眼の水晶体の構造(再掲)

 白内障は老化によっても起きる。
 水晶体の白内障発症は5~8Gyである。
 18歳から65歳まで一様に連続被ばくしたとして
 8000mSv÷47年=170mSv
 予想外に低い線量でも起きる。
 20~50mSvの人は医療従事者にはいる。
 防護メガネの着用で5~70%の被ばく低減になる。
 2次線、3次線の散乱もある。
 密着性の問題でメガネが曇ることもある。
 頭頚部バッジの非着用者を減らす、鉛エプロンの着用等も必要である。
 今関連学会で、水晶体被ばくのガイドラインを策定している、と説明した。

 以上でこの講習会は終了した。

 振り返ってみると、午前中2つの講演は共に役人の立場から、眼の水晶体被ばくの線量規制値を原子力規制庁の放射線本体の規制変更という本質的な改訂の立場と厚労省の労働者としての被ばく防止に向けた立場、主に医療従事者の被ばくの低減ということを説明していた。
 午後の最後の赤羽氏は医療従事者の立場からの眼の水晶体被ばくの防護面について説明した。

 この3つの講演の他に、原子力安全文化のアンケートと植物におけるRI利用というちょっと毛色の変わった講演2つであった。
 私はやはり中西女史の講演が面白かった。
 著作権の関係か、転載禁止の表示があったので、臨場感は不足していたと思うが、RIを使った研究として、私はジャガイモの発芽抑制くらいしか知識がなかった。
 だから、今回の講演は放射線利用の新たな展開を示しており、若い人がこれを聞いたら、この学問に魅了されるのではないかと思う。
 これらにより、原子力分野に進む人が増えることを期待している。
 安全文化については、何度も説明されてきたことであり、その認識をアンケートで確認しただけである。

 今後もこの講習会は年2回くらいあり、今年2月にも開催予定なので、楽しみにしている。

<令和2年度 放射線安全管理講習会プログラム>

 1.開催日等:2020年(令和2年)12月21日(月)
 2.会場:すみだ産業会館 8Fホール(120名限定・申込順)インターネットでライブ配信をいたします。
 3.主催:公益財団法人原子力安全技術センター、放射線障害防止中央協議会
 4.協賛:東北放射線科学センター、公益社団法人日本アイソトープ協会、一般財団法人電子科学研究所、中部原子力懇談会、公益社団法人日本診療放射線技師会
 5.参加費:東京開催 10,000円(税込、印刷テキストは当日配布)
      ライブ配信 8,000円(税込、印刷テキストなし)
 6.プログラム:
  9:30 受付開始
  10:00 ご案内(当日のプログラム、会場での注意事項等)
  10:05~11:05 講演Ⅰ最近の放射線安全規制の動向
         講師:小髙喜久雄 氏 原子力規制庁長官官房放射線防護グループ放射線規制部門技術参与
 11:15~12:15 講演Ⅱ 電離放射線障害防止規則改正のポイント
         講師:髙山 啓 氏 厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課 電離放射線労働者健康対策室長
  12:15~ 13:00 お昼休憩
  13:00~14:00 講演Ⅲ 特別講演 放射線が拓く植物の謎
         講師:中西 友子 先生 原子力委員会委員/星薬科大学学長/東京大学名誉教授・特任教授
 14:15~15:15 講演Ⅳ 放射線施設における安全文化の醸成 ―放射線施設へのアンケート結果から―
         講師:二ツ川 章二 氏 前公益社団法人日本アイソトープ協会常務理事
  15:30~16:30 講演Ⅴ 眼の水晶体に係る法令改正への事業者の取り組みについて
         講師:赤羽 正章 先生 国際医療福祉大学医学部放射線医学 教授

 7.講習の概要
  (1)目 的:
    放射性物質を取り扱う事業者が、法を遵守し適切な管理の下で放射線源を取り扱うに当たり、必要な知識及び情報の提供、放射線取扱に従事する者への教育等

  (2)対象者:
    放射線取扱主任者、放射線管理の実施者、管理責任者及び取扱業務従事者等、医療機関の放射線取扱者及び管理者等

  (3)特 徴:
    本講習会は、安全管理の知識普及及び情報の提供を目的としています。
    本講習会は、事業所における教育訓練の一環としてお役立ていただけるよう、受講者には受講証を発行し、放射線業務従事者の教育訓練の証明に使えるようにしています。

  (4)注意点
    今年度は、以下の点が変更となっておりますので、留意願います。
    ・今年度は「医療機関向け放射線安全管理講習会」を別途実施しないため、医療機関向けの内容も含んだ開催としております。
     (公益社団法人日本診療放射線技師会生涯教育カウントが付与されます。)
    ・コロナ禍を踏まえ地方開催に代えて、東京開催に併せてインターネットによるライブ配信での参加ができます。
    ・例年実施しております個別相談については、コロナ禍での対応の事もあり会場内の質疑応答を含め今年度は行いません。
    ・コロナ禍での受講であることを踏まえ会場での受講に際して遵守していただききたい事項や、ライブ配信に関する確認事項など、受講前にご確認頂きたい事項があります。

  (5)あいさつ
    拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
    皆様に於かれましては、コロナ禍においても放射線安全管理に精進されていることと存じます。
    令和2年度標記講習会につきましては、医療機関向け放射線安全管理講習会と併せて東京のみの開催を予定しております。
    開催につきましては、関係省庁及び関係機関の多大なるご協力を頂き、実施する運びとなりましたことに深く感謝を申し上げます。
    さて、令和元年9月1日に「放射性同位元素等の規制に関する法律」が施行されました。
    これにより放射性同位元素等取扱事業所としては、さらなる安全管理対策が求められています。
    また、医療機関においても、平成31 年3 月に医療法が改正され「医療放射線に係る安全管理」の強化が求められております。
    このため、原子力安全技術センターでは、放射線障害防止中央協議会との共催により、今年度も標記の講習会を開催することとしております。
    東京での開催については、インターネットでライブ配信することにより、各地での参加が可能となる様にしておりますので、是非ご参加頂ければ幸いです。
    プログラムとして、午前の部は、原子力規制庁から「最近の放射線安全規制の動向」及び厚生労働省から「電離放射線障害防止規則改正のポイント」の講演を予定しております。
    午後の部は、特別公演として原子力委員会委員の中西友子先生から「放射線が拓く植物の謎」、前公益社団法人日本アイソトープ協会の二ツ川章二氏から「放射線施設における安全文化の醸成」及び、国際医療福祉大学医学部 放射線医学の赤羽正章先生から「眼の水晶体に係る法令改正への事業者の取り組みについて」のご講演を予定しております。
    詳細につきましてはプログラムをご確認ください。
    本講習会は、放射線発生装置・放射性同位元素等を取扱う事業所長、放射線施設責任者、施設管理責任者、安全管理責任者等の事業所幹部の方々を始め、放射線取扱主任者、放射線業務従事者の方々にとりましても安全管理上必須と考えております。
    また、本講習会は放射性同位元素等の規制に関する法律で義務づけられている教育及び訓練の一助となるよう企画しておりますので、受講いただいた方には受講証を発行しております。
 つきましては、上記主旨をご理解いただき、貴事業所の関係各位のご参加方につき特段のご配慮をお願い申し上げます。
  -以上-

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント