昨年下半期の科学トピックのまとめ(その1)

 昨年の下半期の科学トピックをまとめていた。
 防災について、と同様に、科学についても書いてみる。

 ただし、私の個人的な興味・偏見に基づくものであるから、網羅しているわけでもなく、多少の偏りがあるかもしれない。

 どういう項目がいいかを思いつかないので、とりあえず昨年上半期の科学トピックと同じ分類である。
 (1)AI、ロボット、ドローン等の最近の流行の機器関係
 (2)エネルギー、電池関係
 (3)iPS、がん治療、医療関係
 (4)宇宙、プラゴミ関係
 (5)その他(新型コロナも含む)

 これらについて順番に書いてみる。
 これも多くのニュースがあり、今週は(その1)として(1)~(4)までを書く。
 来週に(その2)として(5)その他(新型コロナも含む)について書く。

 まずは(その1)からである。

 (1)AI、ロボット、ドローン等の最近の流行の機器関係
 ドローン等はひょっとしたら、防災とダブっているかもしれないが、その辺はご容赦。

 1番目は朝日新聞の「コロナ禍でロボット新時代 消毒やPCR検査に大活躍(7/2)」である。
 コロナ禍で人間ができない仕事をロボットにやらせるので、ルーティン作業ならばいいかもしれない。

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         図1 ロボットによるPCR検査の例

 2番目は日経新聞で『「ロボット接客」最前線 コンタクトレス居酒屋誕生へ(7/10)』である。
 新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、飲食店や小売店は、できる限り人と人との接触を避ける「コンタクトレス化」を実現するための方策が、業界全体のテーマの一つになっている。
 そのコンタクトレスな接客をロボットによって実現しようと試みているベンチャー企業がQBIT Robotics、という。
 ただ居酒屋は不規則な動きが必要なので、本当に実現できるのか多少疑問がある。

 3番目は日経新聞の「AIへの攻撃、日立が明かす3つの手法(7/17)」である。
 攻撃手法は大きく分けて3つある。
 1つめが教師データの一部を汚染する手法である。
 2つめは評価する対象データの一部を汚染する手法である。
 3つめは逆予測による攻撃手法である。
 攻撃者はAIに一定量の評価データを入力して、出力された予測傾向から教師データを不正に推測するものである。

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         図2 AIへの攻撃方法の例

 いずれもAIの現在の弱点を狙っているところが何ともいやらしい。

 4番目は日経新聞で「大林組、工事現場はロボにお任せ ダムで実証試験 (7/23)」である。
 大林組は建設現場でロボットを最大限に活用する実証試験として、三重県伊賀市で建設中のダムの全工程に自動化技術を取り入れた。
 ダム工事は野外で面積が広く、周囲に関係者以外ほとんどいないため、自動化技術の実証がしやすい。
 人手不足に対応し、幅広い工事現場の自動化に向けた足がかりにする、とのことだ。
 これ以上は会員限定で無理であった。

 またこれに関連するニュースとして、4-2番目は日経新聞で『鹿島、建設現場に「ロボ職人」派遣 競合からも工事受注(11/18)』である。
 鹿島が建設現場にロボットを相次ぎ投入している。
 オフィスビルでは人工知能(AI)が溶接作業を制御し、鉄骨に耐火材を吹き付ける専用機の開発も進める。
 職人不足を解消するため、ロボット運用の専門部隊を立ち上げ他社の工事も受注する。

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         図3 ロボットによる溶接の例

 デジタルを軸に提携の要になりつつある、とのことである。

 5番目は読売新聞で「アンドロイドが指揮するオーケストラ(7/25)」である。
 これは再検索で出てこなかったが、類似のニュースとして、日本科学未来館でのニュースが出てきた。
 2018年に「アンドロイド・オペラ『Scary Beauty』」が、世界の人工生命研究者が集うALIFE 2018(人工生命国際学会)のパブリックプログラムとして日本科学未来館で発表された。

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         図4 ロボットによるオーケストラ指揮の例

 本プロジェクトは、2017年にオーストラリアでプロトタイプを公開し、それ以降に完成した新曲を加えたバージョンとして世界初演となる。
 AI(人工知能)を搭載したアンドロイド オルタ2(Alter2)が30名に及ぶ人間のオーケストラを指揮し、それを伴奏に自ら歌う。
 演奏に際した音楽全体のテンポや強弱はアンドロイドが自律的に決定し、人間はそれについていくことしかできない、とのことである。

 6番目は朝日新聞で「ドローンがボール 障害者もできるサッカー、日本に進出(7/25)」である。
 球状のフレームで囲ったドローンを敵ゴールにくぐらせ、その数を競う韓国発祥のスポーツ、ドローンサッカーの常設競技場が大分県別府市のアリーナに完成し、24日、オープンした。

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         図5 ドローンサッカーの例

 日本ドローンサッカー連盟によると、国際基準を満たす専用施設は国内初で、今後競技人口を増やし、全国の拠点化をめざす、とのことである。

 7番目は日経新聞で「宇宙飛行士の任務、ロボが代替 GITAI 21年に実験(9/11)」である。
 ロボットベンチャー企業の米GITAIは2021年半ばに、国際宇宙ステーション(ISS)の船内で自律ロボットが作業する実験を実施する。
 23年をめどに宇宙飛行士の任務の一部を代替するロボットの実用化を目指す。
 宇宙飛行士の人件費を減らし、宇宙での作業コスト削減につなげる、とのことである。
 これ以上は会員限定で無理であった。

 8番目は日経新聞で『ホンダ、自動運転「レベル3」発売へ 世界初の認可(11/11)』である。
 ホンダは11日、高度な自動運転の機能を搭載した「レベル3」の乗用車を2020年度中に国内で発売すると発表した。
 高速道路での走行時に視線を前方から離しても運転が可能な機能を、高級車「レジェンド」に搭載する。
 同日、国土交通省からの認可を得た。
 レベル3の車の実用化を国が承認したのは世界で初めて、とのことである。
 私は防災の観点から、この自動運転には反対である。
 防災の際に地震警報等と連携できればいいかもしれないが、海岸を走っている時は地震と津波の両方への備えが必要になる。
 また、乗っている人の具合が悪くなった時の対処が自動運転でできるか、等の問題点を抱えている。
 外国以上に、日本での自動運転はいろんなケースをクリアしないといけない。

 9番目は朝日新聞の「遠隔操作でバス自動運転の実験 大分市、29日まで(11/25)」である。
 大分市は、大分川河川敷で低速電動バスの自動運転の実証実験をしている。

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         図6 自動運転の実証試験の例

 遠隔監視・操作システムを初めて導入し、運転席を無人にした状態で走らせている。
 実験は29日までで、市民向けの乗車体験も受け付けている、とのことである。 

 これに関連して、9-2番目は日経新聞で「自動運転バス 地域の足に 各地で自治体が実験(12/28)」である。
 地方自治体の間でバスの自動運転を目指す動きが活発化している。
 11月に茨城県境町で国内初の自動運転バスの定常運行が始まったほか、各地で自治体主導の実証実験が相次ぐ。
 人口減で地方の公共交通が縮小する中、人手がかからない新たな「地域の足」として期待が高まる、ということである。

 10番目は朝日新聞の『国産手術支援ロボ「ヒノトリ」初手術に成功 神戸大 (12/15)』である。
 神戸大学は、国産手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」による初めての手術に成功したと発表した。

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         図7 手術支援ロボットによる手術の様子

 ヒノトリは川崎重工業などが出資する会社が開発した。
 医師免許を持っていた漫画家の手塚治虫さんが「生」の意味を問うた代表作「火の鳥」にちなんで命名された国産ロボットだ。
 これまで手術支援ロボットは米国製の「ダビンチ」の独壇場で、今後国産品が普及していくか注目される。
 手術は、おなかに小さな穴を開けて内視鏡や手術器具を入れて行う腹腔鏡手術、とのことである。

 以上が上半期のAIやロボット等の科学的情報である。

 上半期と同じく、新型コロナウィルス騒動を機にAIやロボットの導入が進んでいる印象を受ける。

 (2)エネルギー、電池関係
 1番目は日経新聞の「走行中EVに光無線給電 数キロ先にキロワット級電力(7/15)」である。
 東工大の宮本氏は、出力がキロワット級と大きいレーザー光線で、走行中の電気自動車(EV)に電力を送る光無線給電技術を提案した。
 数十メートル~数キロメートル先の遠方に給電できる、とのことである。
 これ以上は会員限定で無理であった。
 しかしgoo blogにこの関連の記事があった。
 光無線というのは何かと思ったら、赤外から可視光までを使った通信を総称するものという。
 このプロジェクト、キロワット級のレーザー光で数十メートルから数キロメートル先の走行中のEV車充電が狙いという。
 それだけ大出力のレーザー光が人に当たると障害が出る。

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         図8 光無線による給電のイメージ

 むしろ宇宙空間の太陽光発電所からの電力送電や、会場の波浪発電所からの電力送電などの方が大きな意味があるように思う。
 現在の無線給電の主流は、電磁誘導方式である。
 2つのコイルを向き合わせ、一方に電流を流して発生した磁束を介して、もう一方のコイルに電力を送る。
 給電効率は高いもののキロワット級ともなればコイルは直径数十センチメートルと大きく、重たくなりがちである。
 給電距離はせいぜい数十センチと短く、停車中のEVに給電するのが基本となる。
 道路に多くのコイルを埋め込んで走行中に給電する構想はあるものの、1キロ当たり約1億円の敷設コストがかかるとされる。
 実現性に乏しかった。
 光無線給電は効率で電磁誘導方式に及ばないが、給電距離は数十メートル~数キロメートルと圧倒的に長い。
 出力によるが、レーザー光は遠方まで真っすぐに進むためだ。
 また、ミラーを使えば、レーザー光の向きは簡単に変えられる。
 例えば街灯にレーザー光源を設置して、カメラなどで車両の動きを検知すれば、走行中の車両にレーザー光を照射して給電できる、という。

 2番目は朝日新聞で「サビと太陽光で水を分解 次世代エネの水素コスト安く?(7/17)」である。
 神戸大学の立川准教授らの研究チームは、安くて入手が簡単な酸化鉄(赤サビ)の結晶を使い、水を水素と酸素に分解する世界最高性能の「光触媒」を作ることに成功した。

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         図9 赤サビによる水の電気分解の様子

 従来のものに比べ、性能を10倍以上に引き上げた。太陽光をあてれば効率的に水が分解でき、将来的に水素を低コストで作れる可能性がある、という。
 赤サビで水の電気分解がもし実用化できれば、コストが安く水素が作れることになるが、酸化鉄(ヘマタイト)のメソ結晶というところがちょっと曲者めいている。
 どうやら結晶は700℃で反応して作る等の難点がありそうである。

 3番目に日経新聞の「室温超電導実現に突破口 リニアなどコスト低く(ランタン水素化物)(8/18)」がある。
 この記事を再検索すると、見出しそのままではないが、日経新聞で同様の記事が出てきた。
 電気抵抗がゼロになる超電導で、水素化物と呼ばれる新たな物質グループが注目を集めている。
 その1つランタン水素化物は超電導になる温度(転移温度)が従来知られている物質グループより約100度も高い絶対温度260度(セ氏零下13度)である。
 地球中心並みの超高圧が必要だが、超電導の産業利用が爆発的に進むと期待される室温超電導を実現する突破口になる可能性がある、という。
 これ以上は会員限定で無理であった。
 これに関連した記事として、4番目に日経新聞の『夢の「室温超電導」ついに実現 セ氏15度で新時代拓く (11/1)』である。
 電気が抵抗ゼロで流れる超電導の研究で、夢といわれていた物質が誕生した。
 これまでは物質を極低温にしなければならなかったが、初めて冷却不要の「室温超電導」が実現した。
 代わりに超高圧という条件が必要で、すぐに実用化するのは無理だ、という。
 これ以上は会員限定で無理であった。

 いずれにせよ、室温超伝導(超電導?)に関する報道が多く、リニア新幹線の話題と相まって関心を集めそうである。

 5番目は朝日新聞で「ワイヤレス電力伝送、実用化へ技術開発 天野教授が発表(9/23)」である。
 マイクロ波を使ったワイヤレス(無線)の電力伝送で、金沢工業大が世界最高の電力変換効率を達成したと、天野浩・名古屋大教授が代表の研究チームが23日発表した、という。
 天野教授は青色LED開発でノーベル賞をもらっている人であるが、活躍の場を無線伝送の分野に移したらしい。

 これに関連して6番目は日経新聞で「ワイヤレス給電、日本で実用化へ 東芝・オムロン参入(11/29)」である。
 通信電波を使ってデジタル機器を遠隔から給電できる技術が日本で実用化段階に入る。
 総務省は2020年度内にも3帯域で専用の電波を割り当てる方針で、パナソニック、オムロン、東芝、米オシアが無線の使用を届け出る。
 無線給電を巡っては日米中が激しく競っており、日本は官民挙げて新技術のビジネスへの応用を急ぐ、という。
 こちらは通信電波であるから、マイクロ波より長波長で人体にもあまり影響がないので、実用化するとなるとメリットは大きい。
 ただし、電力としてはスマホ等小型機器の充電が対象であろうから、マイクロ波による大型機器充電とは異なる。

 7番目は日経新聞で『再エネ急増で脚光、北海道の「揚水発電所」稼働2倍に (10/30)』である。
 電力を需給に合わせて調整する「揚水発電所」が北海道で脚光を浴びている。
 北海道電力の京極揚水発電所では、2019年度の揚水運転時間が3年で2倍に伸びた。
 発電量が安定しない再生可能エネルギーがさらに普及するのに不可欠な重要インフラ、とのことである。
 私は太陽光発電と海水揚水発電をセットにした再エネ複合発電システムを提案したい。
 昼間に太陽光で発電し、海水揚水発電システムで山の上に海水を揚げる。
 それを使って夜間に発電するシステムで、現在の発電量不安定の太陽光発電システムを補うものになると考えている。

 今年下半期はエネルギー、電池に関係したニュースが少なかった。
 やはりエネルギーの安全保障を考えていかないといけないし、これからはエネルギーを制する者は世界を制する、といってもいい時代になるだろう。

 (3)iPS、がん治療、医療関係
 1番目は朝日新聞で「膵臓がんになりやすい遺伝子変異を発見 日本人の1割に(7/2)」である。
 膵臓(すいぞう)がんのなりやすさに関連する遺伝子変異を見つけたと、愛知県がんセンターが発表した。
 この遺伝子には、西洋人ではほとんど変異がないが、東アジア人にはあり、日本人では約1割で変異していると推定される、という。
 すい臓がんは沈黙の臓器といってもよく、おかしいと感じた時は手遅れ、ということも多い。
 私も時々人間ドックですい臓の軽い症状が出ることがあるので怖いところもある。

 2番目は朝日新聞で「iPS細胞使い筋ジスを治療 京大など、筋肉再生に成功(7/4)」である。
 京都大iPS細胞研究所などのチームは、筋肉の力が衰える難病「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」を再現したマウスに、ヒトのiPS細胞からつくった筋肉のもととなる細胞を移植し、筋肉を再生した。

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         図10 iPS細胞を使った筋ジストロフィー治療の例

 今後、実用化をめざす、という。

 iPS関連で5件のニュースがあった。
 2-2番目は時事ドットコムで「腎臓の基を大量作製 iPS細胞から誘導―京大(7/29)」である。
 ヒトのiPS細胞から、腎臓の一部の基になる胎児期の組織「尿管芽」を大量に作製する方法を開発したと、京都大iPS細胞研究所の研究チームが発表した。
 2-3番目は朝日新聞で「がん患者のiPS細胞で大量の免疫細胞 治療法を研究へ (10/2)」である。
 京都大iPS細胞研究所は1日、がん患者のiPS細胞から大量の免疫細胞をつくり、がんを治療する研究を、大阪大発ベンチャー企業「KOTAI(コウタイ)バイオテクノロジーズ」と始めると発表した、とのことである。

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        図11 iPS細胞から大量の免疫細胞作製例

 2-4番目は産経ニュースで「iPS視細胞、世界初の移植実施 神戸の病院(10/15)」である。
 iPS細胞を使って光を感じる「視細胞」のもとになる細胞を作り、「網膜色素変性症」という目の難病の患者に移植して治療する臨床研究の世界初となる手術を神戸市立神戸アイセンター病院が実施したことが15日、分かった。
 視力回復を目指す再生医療の核心となる治療法の確立が目標、とのことである。

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         図12 iPS細胞での視神経作製例

 2-5番目は時事ドットコムで「iPSから免疫細胞、がん患者に 1人目の移植実施―千葉大・理研(10/22)」である。
 iPS細胞から、免疫を担い病原体を攻撃する「ナチュラルキラーT(NKT)細胞」をつくり、頭頸部がんの患者に投与する臨床試験(治験)を進めている千葉大と理化学研究所のチームが、1人目の患者への移植を実施した、とのことである。
 2-3番目の京大とベンチャー企業の研究との関連がどうなのか、である。

 3番目は毎日新聞で「切らずに光でがん診断 最新顕微鏡を活用 患者負担減、診断時間も短縮 阪大など(7/24)」である。
 ヒトの組織を切り取らずに光を使って立体的に観察し、がんの診断ができる技術を開発したと、大阪大などの研究グループが発表した。
 患者の負担が少ない上、診断までの時間が短縮でき、治療をより早く開始できるメリットがあり、新たながん診断装置の開発に役立つ成果として期待される、とのことである。

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         図13 光でがん診断の様子

 私の前立腺がんの診断については、まずエコー検査での前立腺肥大が人間ドックで見つかり、それを基に血液検査PSAを測りだした。
 PSA値が危険域の数値4を超えた時点で、MRIだったかCTで検査して、これは精密検査をした方がいいとなって、前立腺の細胞サンプリングする生検を行い、前立腺がん発見となった。
 これが光のみで発見できれば大きな進展といえるだろう。
 今回の診断は子宮頸がんの画像診断なので、前立腺がんにも適用できそうな気がする。

 これに関連して、3-2番目は日経新聞で「光で脳の神経細胞を操作する うつ病新治療へ模索(8/14)」である。
 光を使って神経を操る「光遺伝学」の技術をつかった研究が加速している。
 岡山大学などは、神経細胞のスイッチ役となるたんぱく質を新たに開発した。
 違う色の光を当てることで、神経活動を促したり抑えたりできる。
 睡眠障害や不安の仕組みを調べる道具となるほか、2030年ごろには治療薬開発にもつながるかもしれない、という。

 4番目は日経新聞の「悪性脳腫瘍、ピンポイント攻撃 ナノカプセルを活用(8/14)」である。
 川崎市産業振興財団のナノ医療イノベーションセンターと東京大学は、悪性脳腫瘍の患部に薬剤を集めて治療する技術を開発した。
 極めて微小なカプセルががん細胞に入り込む。
 マウスを使った実験で効果を確かめた。
 数年後の臨床試験(治験)開始を目指す、という。

 5番目は日経新聞の『「善玉」ウイルス、人類の脅威に挑む 薬剤耐性菌を駆逐(1/28)』である。
 「善玉」ウイルスで人類の脅威となる病原菌をたたく。
 細菌に感染するウイルスを使った新しい治療法が注目されている。
 抗生物質が効かない薬剤耐性菌に効果が期待され、日米欧の製薬企業などが実用化を進める。
 新型コロナウイルスの感染症が広がるなか、人間に感染しない安全なウイルスで病原菌を制する治療として花開く可能性がある、という。
 薬剤耐性菌の問題はかなり深刻な問題となる可能性がある。
 医者が無闇に抗生物質(薬剤)を使うと、その抗生物質に対する薬剤耐性菌が出てきて、それでまた薬剤開発、といういたちごっこで薬剤開発のペースより、薬剤耐性菌出現のペースが速くなると、今のコロナ禍以上の騒ぎにもなりかねない。
 そういう点で、善玉ウィルスを利用するのはいいかもしれないが、逆に手に負えない怪物ウィルスを作り出さないように、予め利用基準を作っておく必要があると思う。

 6番目は朝日新聞の「幹細胞から腎臓組織作製、動物に移植したら腎機能が回復(8/24)」である。
 京都大学のチームが、さまざまな組織になれるヒトの幹細胞から腎臓の組織を作り、腎不全のラットに移植したところ、腎機能が回復したと、米科学誌「BBRC」に発表した。

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         図14 幹細胞から腎臓組織作製例

 生体内で機能する腎臓組織の作製に成功したのは世界でも例がないという。
 チームは今後、腎臓の再生医療として実用化をめざす、という。
 iPS細胞とは違う種類で、健全なマウスの腎臓の幹細胞を腎不全のマウスに移植したのであるから、生体腎移植の幹細胞版である。
 これならば、ドナー(腎臓供給者)の身体的な負担の軽減につながりそうである。

 7番目は日経新聞で「脳でデバイスを操作 戦国時代突入のデジタルヘルス(9/8)」である。
 この記事は会員限定でほとんど情報は得られなかった。
 脳でデバイス操作、がちょっと気になったので少し追求したら、7-2番目にYahooニュースで『脳に電極を埋め込み機械を「念」で操作……イーロン・マスクが参入した「BMI」とは何か(12/21)』があった。
 脳とコンピューターをつなげ、脳の情報を基にロボットアームなどの機械を動かす技術「ブレーン・マシン・インターフェース(BMI)」の開発に、米国の巨大テック企業が相次いで参入し、実用化に向けた動きが加速している。
 米テスラのイーロン・マスクCEOは2016年にニューラリンクを設立し、豊富な資金力をもとにBMIの開発をスタートした。
 19年夏には、ヒトに装着可能な小型脳活動記録デバイスと、それを脳内に埋め込む手術に使う脳外科ロボットを発表した、とのことである。
 身体障がい者にとってはいいことなのかもしれないが、使い方を誤ると、ひどい人体実験になりかねないもので、やはり倫理基準が必要になる気がする。

 8番目は毎日新聞の『認知機能改善に効果「音楽療法」 歌うことで反応引き出し(10/1)』である。
 音楽を演奏することで高齢者施設の入所者らの障害や機能の改善を図る「音楽療法」がある。
 国立病院機構京都医療センターの認知症外来では、認知症患者が明るくなって家族が介護しやすくなったり、無反応だった患者に表情が出たりする効果が得られている。
 記憶の奥底にある懐かしい感情に働きかけて身体反応を引き出す試み、という。

 9番目はNHKニュースの「“臓器保存装置”でひらけるか 日本の移植医療(10/9)」である。
 臓器移植法が施行されて20年余り、国内のドナー不足は今も深刻である。
 こうした中、提供された貴重な臓器を1人でも多くの患者に届けたいという思いから開発されたのが“臓器保存装置”である。
 傷みが早い臓器の機能を維持できる時間を大幅に延ばすことができるこの装置に、移植を待ち続けている患者からも期待が寄せられている、とのことである。

 10番目は朝日新聞で「体内で分解されるシートで神経障害の治療 阪大など治験(10/25)」である。
 大阪大などのグループが、手指にしびれや痛みが出る末梢神経障害に、神経再生を促す薬をしみこませたシートを使う臨床試験(治験)を始めると発表した。

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         図15 体内で分解されるシートの様子

 体内で分解される素材でシートをつくり、手術時に神経にかぶせ、薬を放出させる。
 神経の保護と再生促進作用がある新たな治療法になる可能性がある、とのことである。

 11番目は朝日新聞の『脳、目、肝臓…本物に近づく「ミニ臓器」 体内に移植も(10/27)』である。
 細胞を培養して、ミリ単位の「ミニ臓器」をつくる技術が広がっている。
 本物の臓器に近い立体構造や機能の一部を再現できるようになり、「オルガノイド」とも呼ばれて注目を集める。
 医療への実用化の道も見えてきた。

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         図16 ミニ臓器「オルガノイド」の概要

 京都大iPS細胞研究所の高山和雄講師が、ヒトの体内にある幹細胞を培養してつくった立体的な「ミニ気管支」だ。
 気管支は鼻や口から入るウイルスにさらされ、感染経路とされる。
 コロナに対しても適用可能、のようである。

 12番目は時事ドットコムで「がん10年生存率58.3% 改善傾向続く―04~07年診断・国立がん研(11/20)」である。
 国立がん研究センターなどの研究班は、2004~07年にがんと診断された患者の10年後の生存率が58.3%だったと発表した。
 10年生存率は改善傾向が続いており、前回調査(03~06年に診断)に比べて1.1ポイント上昇した、とのことである。
 うれしいが、何か複雑な思いもある。

 13番目は毎日新聞で「前立腺肥大症の新治療 レーザー照射で“蒸発”(12/17)」である。
 多くの中高年男性を悩ませるのが「前立腺肥大症」だ。
 ぼうこうの下にある前立腺が年齢とともに大きくなり、尿道を圧迫してさまざまな排尿障害を引き起こす。
 以前は前立腺を電気メスで切除する手術が主流だったが、薬物療法など治療の選択肢が広がった。
 中でも進化が目覚ましいのが強力なレーザーで肥大した前立腺の組織を“蒸発”させる手法だ。
 体を切らないため高齢者にも負担が少なく、入院期間が短い。
 治療の新たな切り札として期待されている、という。
 もう少し早めにできていれば、私の前立腺がん治療は不要だったかもしれない。

 14番目は朝日新聞の「飲んで大腸がん検査、カプセル内視鏡利用しやすく 保険適用が拡大(12/28)」である。
 飲み込んで消化管の中を検査するカプセル内視鏡が、患者数が多い大腸の病気や検査で使えるようになってきた。
 保険適用できる患者の対象が広がり、従来の内視鏡検査が難しい人の新たな選択肢になっている。
 ただ、まだ性能や実施体制に改善の余地があり、診療所などでの普及をどう進めるかなどの課題も浮かぶ、ということである。

 親戚のY氏によると、現在の大腸検査は大変なようで、便を全部排出してから肛門から内視鏡を入れるように聞いたが、記憶は定かでない。
 この全部排出、というのがなかなか難しいようで、水をたくさん飲むのが苦痛と聞いた。
 これがカプセルを飲むだけというのは簡単そうに見える。
 でも実際には便があると見えないだろうから、苦しさは同じかもしれない。
 これは会員限定で、これ以上は無理であった。

 医療関係ではどうしてもがん治療の方に関心が集中してしまう傾向がある。
 がんの10年生存率が6割、前立腺がんをレーザーで消失等が新しいニュースである。
 iPS関係では腎臓作製、心筋作製、がんの免疫細胞作製、視細胞作製と徐々に適用分野が拡大していることが窺えた。
 早く歯の治療の研究のニュースも聞きたいものである。

 (4)宇宙、プラゴミ関係
 1番目は日経新聞の『琵琶湖が「呼吸不全」 酸欠の危機、生態系に影響も(7/4)』である。
 日本最大の湖である琵琶湖が「呼吸不全」に陥っている。
 湖面近くの水が湖底に酸素を届ける深呼吸のような現象が2年続けて止まってしまったからだ。
 地球温暖化に伴う水温の上昇で、水の循環が滞ったのが一因と専門家は気をもむ。
 このまま続くと、酸欠で魚やエビなどの暮らしに深刻な影響を与えかねない。
 琵琶湖はどうなってしまったのか、という。
 これ以上は会員限定で無理であった。

 2番目は産経ニュースで「燃料不要の電磁波ロケット 宇宙開拓の切り札になるか(7/4)」である。
 電子レンジなどで使われる電磁波を利用してロケットを打ち上げる研究が進んでいる。
 燃料が不要なため現在のロケットに比べて打ち上げ費が劇的に安く、膨大な資機材が必要な月や火星での基地建設に好都合だ。
 技術開発や地上施設の建設など課題は山積しているが、長期的には人類の宇宙進出に革命をもたらす可能性を秘めている、という。
 これ以上は会員限定で無理であった。

 3番目は日経新聞の「洗車水向け浄化装置、魚介養殖に応用 島根の制電工業(8/3)」である。
 配電盤製造の制電工業は車の洗車水のリサイクルに使う水浄化装置を魚介類の養殖向けに応用する研究を始めた。
 自社で開発した同装置はプラズマとオゾンを利用して水をきれいにする仕組みである。
 処理の過程で水中の酸素を増やすことが可能で、まずは県特産のシジミで飼育実験を開始した。
 2~3年後の実用化を目指す、という。
 これ以上は有料会員限定である。

 4番目は日経新聞の「金星大気に生命の可能性か 特徴的な成分検出(9/15)」である。
 金星の大気中に、生命が起源の可能性がある特徴的な成分を検出したと、京都産業大や米国、英国などのチームが英科学誌に14日、発表した。
 ホスフィンという成分で、地球では酸素がなくても生きられる沼や湿地の微生物などによって作られる。
 チームは金星に生命が存在する確実な証拠ではないものの、考えられる他の化学反応では説明がつかず、未知の反応か、生命による可能性がある、という。
 (筆者注:百科事典マイペディアによると、ホスフィンとは(1)リン化水素PH3またはH3 Pをいう。悪臭のある無色の気体。融点−133℃,沸点−87℃。有毒。(2)リン化水素の水素原子を炭化水素基で置換した化合物の総称。メチルホスフィンCH3PH2,ジメチルホスフィン(CH3)2PHなど。アミンと類似の性質をもつが塩基性はアミンより弱く,酸化されやすい。)

 5番目は東京新聞の「JAXAが月面に燃料工場建設を構想 広範囲の探査を目指す(9/28)」である。
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2030年代半ばにも月面に燃料工場を建設し、広範囲の探査を目指す構想が28日、明らかになった。
 日本主導で月面に眠る水から燃料の水素を製造する。
 上空を飛ぶ基地との行き来や月面移動に必要な動力を得る。
 地球から燃料を輸送する手間や費用を減らす狙いがある、という。

 これに関連して、5-2番目は日経新聞の「月探査ビジネスが始動、日米英など国際ルールで合意(10/18)」である。
 日米など8カ国が10月14日、月や火星など宇宙の開発や資源利用の基本的な原則を示す「アルテミス合意」に署名した。
 米国を中心に宇宙の商業利用に積極的な国が先行して方向性を示し、将来の国際ルール作りを有利に進めたい狙いがある。
 日本は成長産業に位置づける宇宙産業の競争力向上のために、米国とともに先陣を切って国際ルール作りで存在感を示すことが重要になる、という。

 6番目は産経ニュースの「巨大な3Dプリンターでロケットをつくるスタートアップは、“宇宙での製造”を目指している(10/25)」である。
 これは再検索で産経ニュースでは出てこなかったが、wiredというHPに出てきた。
 世界最大級の巨大な金属3Dプリンターでロケットをつくる。
 そんなプロジェクトが、いま米国で進められている。

R3-1-10R1 宇宙1 3D プリンタでロケットを作る.jpg
         図17 3Dプリンター製作の例

 スタートアップであるRelativity Spaceが目指している計画は、単にロケットを3Dプリンターでつくるだけにとどまらない。
 目指すゴールは、火星でのロケットの製造だ、という。

 2020年下半期はプラスチックごみに関連するものはなかったように思う。
 宇宙では金星の生物か、月の基地関係とちょっとおもしろいニュースかと思う。

 以上で(その1)は終了する。
 -以上-

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