科学トピックの上半期まとめ

 新型コロナウィルスの影響で、シンポジウムは激減している。

 そのために、シンポに関するブログはほとんど書けない。
 仕方なく、防災関連ニュースに続いて、科学の上半期のトピックをまとめた。
 ただし、私の個人的な興味・偏見に基づくものであるから、網羅しているわけでもなく、多少の偏りがあるかもしれない。

 どういう項目がいいかを考えたが、思いつかないので、とりあえず上半期の科学トピックを見て、適当に分類してみた。
 (1)AI、ロボット、ドローン等の最近の流行の機器関係
 (2)エネルギー、電池関係
 (3)iPS、がん治療、医療関係
 (4)宇宙、プラゴミ関係
 (5)その他(新型コロナも含む)

 これらについて順番に書いてみる。

 (1)AI、ロボット、ドローン等の最近の流行の機器関係
 ドローン等はひょっとしたら、防災とダブっているかもしれないが、その辺はご容赦。

 1番目は朝日新聞の「自動運転やAI…トヨタが最先端技術を集めた街づくりへ(1/7)」である。
 これも有料会員用の記事であるが、写真等は見られる。
 あらゆるモノやサービスがつながるコネクティッドシティ(つながるまち)として、静岡県裾野市に作るようである。

R2-7-1R1 トヨタ自動運転のまちイメージ.jpg
         図1 トヨタ自動車のまちづくり構想

R2-7-1R1 トヨタ自動運転車イメージ.jpg
         図2 トヨタの自動運転車の例

 2番目は朝日新聞の「3Dプリンターから筋電義手、より安価に 技術者の挑戦(1/12)」である。
 フリーエンジニアの人が作成したようで、筋電義手をプラスチックで安価に製造できるらしい。
 3Dプリンターの応用の一つとして開発された。
 原子力学会でも検出器の固定治具製作に3Dプリンターを使っていたように思う。

 3番目は日経新聞の『養老乃瀧が「ロボ酒場」 省力化の課題は年齢認証(2/26)』である。
 池袋にオープンしたようだが、有料会員限定でこれ以上の情報は見られなかった。

 4番目は毎日新聞の「青森県が議事録にAI試験導入 手打ち負担大きく、職員に好評(3/10)」である。
 すでに庁内での会議等で実証実験を進めているとのことである。
 これも有料会員限定であるが、毎日新聞は有料会員なので(新聞を定期購入している)、この記事も読めるが、内容は差し控える。

 5番目は朝日新聞の「人工呼吸器を3Dプリンターで 製図情報、無料提供開始(3/30)」である。
 新型コロナウィルス対策として、人工呼吸器は有用な機器である。
 クオモNY州知事が人工呼吸器が不足しているという訴えのニュースを見たように思う。
 広島大学などが開発し、電源がなくても空気圧で駆動できるようである。

R2-7-1R1 人工呼吸器の図 広島大学.jpg
         図3 人工呼吸器の概要

 6番目は日経新聞の「秋田の鳥海高原花立牧場、新牛舎に搾乳ロボ(3/31)」である。
 生乳の生産を現在の3.5倍に増やすことを目指している。
 これ以上は有料会員限定で情報は見られない。

 7番目は時事ドットコムの「東京都、軽症者ホテルにロボット導入 職員の負担軽減、小池知事も視察(5/1)」である。
 小池知事がソフトバンクのロボットペッパーくんと会話している動画があった。
 確かにコロナ感染者とホテル担当者が接触すると、担当者の感染リスクが高くなる。
 ロボットであればそのリスクが低くなるが、ちょっと味気ない感じはある。

R2-7-1R1 ホテルにロボット導入東京都.jpg
         図4 東京都のホテルにロボ導入その1(ペッパー君と)

R2-7-1R1 ホテルにロボット導入東京都sono2 ペッパーでないロボット.jpg
         図5 東京都のホテルにロボ導入その2(ペッパー君ではないロボ)

 8番目は朝日新聞の「走るロボット、紫外線で殺菌 コロナ診療の病院で実験中(6/25)」である。
 上記のホテルでのロボットと同じ発想を病院で実施するものである。
 ここで殺菌に使用するのは深紫外線なので、人間に直接照射するのは危険であるが、新型コロナウィルスに照射すると2.46秒で99.99%殺菌できるという。
 コロナ第2波に備えるものだという。

R2-7-1R1 紫外線ロボットで病院殺菌.jpg
         図6 病院での殺菌ロボットの例

 以上が上半期のAIやロボット等の科学的情報である。

 新型コロナウィルス騒動を機にAIやロボットの導入が進んでいる印象を受ける。
 テレワークでネット会議やネット飲み会が流行しているのと同様であろう。
 私はキャッシュレスがもっと進むかと思ったが、そうでもない。
 私はスマホではauを使っているが、キャッシュレスのau Payは使っていない。
 キャッシュレスにした方が感染リスクは下がると思うのだが、ハッキング等される恐怖がなかなかぬぐえない。
 私がキャッシュレスを使っているのは、SuicaとPasmoの交通機関用プリペイドカードくらいである。
 前者はJR用、後者は地下鉄とバスというように使い分けている。
 中国辺りではキャッシュレスが進んでいる印象がある。
 ロボットを使ったホテルの無人化等もあったように思う。
 日本人はやはり現金に執着する国民性があるかもしれない。

 (2)エネルギー、電池関係
 1番目は日経新聞の「ミドリムシのバイオ燃料、国際規格を取得 ユーグレナ(1/31)」である。
 ミドリムシは注目されている生物で、確か食用にも応用がすすんでいるはずである。
 前にテレビで、ミドリムシのクッキーを見たような気がする。
 この記事も有料会員限定なので、これ以上の情報は得られない。

 2番目はこれも日経新聞で「リチウム超えるアルミ2次電池 格安材料で高性能(2/5)」である。
 蓄電池としてはノーベル賞を取った吉野さん他のリチウムイオン電池が現在の主流である。
 しかしリチウムは希少金属なので、エネルギー戦略の面から危険な物質である。
 これに代わる材料を今世界で探求している。
 今回の情報はその材料にアルミ等の汎用性のある物質を使っているので、コストが安くできる。
 でもこれも有料会員限定なので、これ以上の情報は得られない。
 これに関連して、3番目に日経新聞の「カリウムイオン電池台頭 45秒で満充電(3/6)」がある。
 また、4番目に日経新聞の「鉛蓄電池でリチウム超え 『夢の電池』古河電工が実現(6/23」
である。
 上記2つはアルミ、カリウムと比較的安価で安全な材料であるが、鉛蓄電池は有毒な鉛を使うので廃棄の際に問題が出る可能性がある。

 5番目は日付が戻って、日経新聞の『「エネルギーハーベスティング」携帯電波で発電(2/14)』である。
 これは携帯電話の基地局から出る電波を使って発電するもので、電池に頼らずにセンサーに電力供給するタイプである。
 これも有料会員限定である。

 6番目はやはり日経新聞の「スマホ充電、年1回でOK NTTが光トランジスタ(2/17)」である。
 NTTが信号処理に光を使うので、充電が年1回でOKなタイプの光トランジスタを開発している。
 これも有料会員限定である。

 7番目はやはり日経新聞で「迫る太陽電池パネルの廃棄問題 再利用の技術確立を(2/14)」である。
 今、太陽光パネルを設置している人は多いであろう。
 私も義父宅では万が一の停電に備えて、太陽光パネルと蓄電池のシステムを設置している。
 これらは寿命が来る2030年後半に大きな問題となる、との指摘である。
 表面のカバーガラスと一体化した材料が有毒性なので、処理がやっかいになるらしい。
 これも有料会員限定である。

 8番目は朝日新聞の「水から水素を取り出す 活性高い光触媒を信大などが開発(6/2)」である。
 光を100%近い効率で使い、水を水素と酸素に分解する触媒を開発したらしい。
 従来の触媒だと10%以下であったのを飛躍的に増大したもので、チタン酸ストロンチウムにアルミを加えたものである。
 チタンに関しては、光触媒によく用いられるものであり、その応用研究と言える。

 やはり電池に関係したニュースが多い。
 やはりエネルギーの世界戦略を考える時は、再エネの蓄電が一番大きな問題なのであろう。

 (3)iPS、がん治療、医療関係
 1番目はNHKニュースの「AIが前立腺がんの画像からがんにまたなるかどうか予測(1/7)」である。
 ただこのニュースを今検索しても出てこなかった。
 これに類似した情報として、共同通信の「前立腺がんの再発、AIが予測 医師より精度高く、理研が発表(2019/12/18)」があった。
 上記と同じ情報かはわからないが、こちらは理研等がAIを使って診断、というものであった。
 私は前立腺がん治療中であるから、こうした情報にはすぐ飛びついてしまう。

 2番目は毎日新聞の「iPS細胞分化時に異常 がん化関連も 容器、機関で差(1/8)」である。
 iPS細胞の分化に関する情報で、もし事実であるとすると、品質管理上で重要な情報である。

R2-7-3R1  iPS細胞の分化異常.jpg
         図7 iPS細胞の分化時の異常の例

 3番目は朝日新聞の『「液体のり」放射線治療でも期待の星 がん細胞ほぼ消失(1/23)』である。
 ちょっとびっくりの情報である。
 読んでみると、放射線治療の1つの方法のホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に関する東京工大のチームの研究である。
 以前私が放射線治療のシンポに参加した時に、ホウ素B以外に窒素Nや水素等のホウ素より中性子との反応割合は多くはないが、量が圧倒的に多い元素との反応が問題、と指摘した療法である。
 今回のニュースではがん患部にホウ素入り薬剤がとどまらずに出ていく時に、液体のりの主原料のポリビニルアルコールを薬剤に混ぜると患部に留まりやすいというものであった。
 ちょっと嘘っぽい情報ではある。
 ただこの情報をたどっていくと、同じ朝日新聞で『「液体のり」を白血病研究に…仰天アイデアなぜ生まれた(2019/6/18)』というのがあった。
 このニュースでは、東大等が液体のりを使って、白血病の骨髄移植で重要な細胞を大量に培養できた、というのが先行研究であったらしい。

 4番目は日経新聞の「脳の指令 人工神経で筋肉へ 脳梗塞の治療に(1/24)」である。
 事故等で傷ついた神経を機械でバイパスして自分の手足を再び動かせるようにする治療技術の研究である。
 脳梗塞のサルを使って成功したらしい。
 これは会員限定なので、これ以上の情報は見えなかった。

 5番目は日経新聞の「在宅がん患者遠隔看護 東北大などシステム開発(1/28)」である。
 今はテレワーク等で自宅勤務が多くなったこともあったし、初診をネット診療で行うようなことも始まったようなので、それと同じ流れかもしれない。

 6番目は朝日新聞の「イヌやネコに再生医療 難病の治療に向け、研究つづく(2/11)」である。
 日大や慶応大のグループが治療に使えるイヌiPS細胞を作ったらしい。
 このニュースも有料会員限定でこれ以上の情報は得られなかった。

 7番目は毎日新聞の「がん細胞だけを破壊する超音波(3/2)」である。
 米カリフォルニア工科大学等が健康な細胞に悪影響を与えることなく、がん細胞を死滅させることができる低強度超音波の技術を開発した、とのことである。
 今までは高強度の超音波を使って治療した例はあるが、低強度では難しかったようである。
 ただこの低強度の超音波もやはり周波数が大きな決め手で、特定の周波数であればがん細胞のみ破壊し、周りの正常細胞は傷つけないらしい。

 8番目は日経新聞の「iPS細胞自動作製、1人分を3カ月で(3/2)」である。
 米アイ・ピースという会社はファナックと共同で、患者ごとに自分専用のiPS細胞を自動で作製する装置を開発した、とのことである。
 しかしこれも会員限定でこれ以上の情報は得られなかった。

 9番目は産経ニュースの『京セラが拓く「腸活」の未来 腸内フローラの状態をにおいで推定 サッカー元日本代表と共同研究(3/9)』である。
 検便でしかわからない腸内の情報を、便の臭いで評価しようとするものらしい。
 トイレ設置型のデバイスを使って、プロサッカーチームの京都サンガを対象にデータ分析を行っている、とのことである。
 このニュースに関連して、毎日新聞の「『茶色いダイヤ』人間の便がビジネスや治療で注目 腸内細菌が健康と関係(3/27)」がある。
 上記の産経ニュースと同じ流れであり、京都のオーブという会社のニュースである。
 腸の病気を抱える人に、健康な人の便を移植する便移植や便バンクもあるらしい。
 ただ便移植して不適合で死亡した人もいたらしいので、まだ十分な研究ではないようであるが、新たな市場としては魅力あるものなのであろう。

 10番目は日経新聞の「さらば造影剤 0.2ミリの血管見える光超音波(3/10)」である。
 これまで見えなかった微小な血管が造影剤なしで見えるようになるらしい。
 ルクソナスという川崎の企業がキャノン、日立、京大等と共同で研究しているらしい。
 これも会員限定であり、これ以上の情報は得られなかった。

 11番目は朝日新聞の「iPSからつくった血小板、難病患者に輸血 京大が初(3/25)」である。
 京大でiPS細胞から作った血液を止める働きをする血小板を作り、難病患者に輸血した、とのことである。

 12番目は朝日新聞の「がん細胞つながるしくみ解明 邪魔すれば治療できるかも(4/3)」である。
 がんはがん細胞同士がつながって増えながら大きくなると考えられ、このしくみを邪魔する新たな抗がん剤の開発につながる可能性がある。
 大阪大学等が研究している。
 このニュースも有料会員限定である。

 13番目は朝日新聞の「膵がん、1センチ未満も発見 放医研が新たな画像診断法(4/15)」である。
 マウスの研究で従来のCTやMRIでは検出できない大きさの膵がんを見つけて治療することができ、生存期間も延びたという。
 膵がんは難治性のがんで早期発見して治療することが必要である。
 そのための手法として放医研で開発されたが、まだ人に対するものではない。

 14番目は朝日新聞の「がん治療遺伝子「運び役」を新開発 3年後の治験めざす(5/29)」である。
 東芝と信州大学は、がんを治すための「治療遺伝子」を極小の人工カプセルに入れて、がん細胞内に効率よく送り込む技術を開発したらしい。

 医療関係ではどうしてもがん治療の方に関心が集中してしまう傾向がある。
 iPS関係では血小板作成と犬・猫治療という長所や分化異常という短所の両方が出ていた。

 (4)宇宙、プラゴミ関係
 1番目は日経新聞の「海中で生分解、最短2カ月で ダイセルが新素材(1/23)」である。
 ストローやレジ袋の用途を見込んでいる。
 新素材は木材パルプと酢酸を原料とする酢酸セルロースを主体としたものらしい。
 これ以上は有料会員限定である。

 これに似たニュースが2番目も日経新聞の「海中で分解するレジ袋 愛媛の福助工業が製品化(1/24)」である。
 レジ袋大手の福助工業が海中で分解するレジ袋(植物由来)を開発した。
 土中で分解するレジ袋はあるが、海中は初めてという。

R2-7-4 福助工業レジ袋  https___imgix-proxy.n8s.jp_DSXMZO5476779023012020962M01-PN1-5.jpg
         図8 福助工業のポリ袋の例

 ダイセルよりこちらの方がより早く市場に出せそうな気はする。
 とにかく今は海のプラゴミが世界の課題で、動物の胃の中からプラスチックゴミが出てくる等の報道があるように海洋プラゴミ汚染がすごい状況なのである。
 この課題解決に取り組まないと、これからの企業は生き残っていけないのかもしれない。
 環境に配慮した投資のESG投資(環境、社会、ガバナンスのデータを基に企業の将来性を評価)がこれからの時代の潮流になりそうだし、また国連の持続可能な開発目標SDGsにも合致するものである。

 3番目は日経新聞の「海洋プラ汚染地図作成へ、10カ国と3年かけ研究(2/14)」である。
 日本政府は中国や英国、インドネシアなど10カ国と連携し、微細なプラスチックごみによる海洋汚染の状況を世界の海域で調べるらしい。
 陸から海に流れ込むプラゴミは少なくとも800万トン/年と言われる。
 これを何とかしないといけない。
 そのための現状把握ということだが、ちょっと泥縄式と見えなくもない。
 ただ正確に把握すること自体は大切なことなので、実行するのはよいことである。
 これ以上は有料会員限定である。

 4番目は読売新聞の「廃プラから航空機燃料、日航と丸紅など開発へ…CO2大幅減も期待(2/25)」である。
 これは読売新聞独自のニュースで、見出し以外はすべて有料会員限定となっている。

 5番目は朝日新聞の「宇宙空間でラップに抗菌作用 酸素が衝突、ギザギザに(2/27)」である。
 食品包装にも使われるラップフィルムに酸素原子を衝突させると、抗菌作用が現れる。
 そんな研究結果を、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と「クレラップ」で知られるクレハが発表した。
 酸素原子はもともと、宇宙で微小にあって猛スピードで衝突して人工衛星に傷をつける「邪魔者」だったが、発想の転換で思わぬ結果がもたらされたようである。

R2-7-4R1 ラップで抗菌作用 宇宙で.jpg
         図9 ラップで抗菌作用の例(宇宙で)

 6番目は毎日新聞の「新種の深海生物からマイクロプラスチック 太平洋マリアナ海溝 英大『汚染広がり示す』(4/2)」である。
 これが3番目の調査と関係があるのかは不明である。

 7番目は読売新聞の「宇宙ごみ 掃除ビジネス…JAXA、民間と開拓 22年度に調査衛星(4/3)」である。
 しかしこのニュースを検索しても出てこなかった。
 その代わりにnewswitchというHPで「宇宙のゴミ掃除はビジネスになる、官民一体で狙え(3/6)」があった。
 またこれに関連して8番目は産経ニュースの「レーザーで宇宙ごみを除去 世界初の衛星開発へ(6/11)」があった。
 この技術は純粋に科学でだけ使えればよいのだが、今米中が宇宙戦略でも相当な火花を散らしているようで、その中に巻き込まれると、軍事応用等に取り込まれる危険性もはらんでいる。

R2-7-4 宇宙ゴミ分布 newswitch phpgGEpyG_5c7e3ca4c7a88.jpg
         図10 宇宙空間での宇宙ゴミ分布

R2-7-4 レーザー衛星 宇宙ゴミ除去 cpc2006111911001-p1.jpg
         図11 レーザー衛星で宇宙ゴミ除去の概要

 日本政府がこの辺のかじ取りをできればいいが、そこまでの先見性はおそらくもっていないかな、と思う。

 9番目は電気新聞の『大林組、「宇宙エレベーター」実現へ2回目の実験/素材の強度確認(6/16)』である。
 大林組は地球と宇宙の間をケーブルでつなぎ、電車移動のように気軽に行き来可能な「宇宙エレベーター」構想を2012年に発表した。
 軽量で高強度な素材CNT(カーボンナノチューブ)をエレベーターのケーブルに利用するため、過去にも同様の実験を行った。
 今回は2回目で、この研究には静岡大学も関係しているらしい。

 海洋のプラゴミは年間800万トンということで、去年の台風15、19号での廃棄物が200万トンだったと思うから、その4倍くらいが毎年海に流れ込んでいる。
 これを放置していては、そのうち、魚介類のマイクロプラスチック汚染、その中に有毒物質貯蓄、人間がそれを食すると有害、という図式が浮かんでくる。
 宇宙空間はISSの宇宙飛行士等華やかな裏面で、宇宙ゴミ(宇宙デブリ)が増え続ける状態を何とかしないといけない。
 これがISSと衝突、という危険性もあるらしい。
 また、宇宙空間に微小にある空気の成分の酸素Oが猛スピードでISS等にぶつかり、部分的に損傷しているらしいイメージができてしまった。
 それをいい方向に持って行こうとする抗菌ラップはアイデアとしてよいが、材料損傷はどうなるのか。
 経年劣化等が地上よりはるかに早く進む危険性があると思う。

 (5)その他(新型コロナも含む)
 その他は雑多な科学トピックである。
 コロナ関係のニュースも私が面白いと思ったものは取り上げる。

 1番目は日経新聞の「クボタ、世界の農機をデジタル管理 1000億円投資(1/4)」である。
 クボタはデジタル技術を使い、世界中の農機の稼働状態や受注状況の一元管理を始めるらしい。
 2025年までに1000億円を投じ、世界で年間22万台販売するトラクターの新機種にセンサーを設置する、とのことである。
 これから先に食糧危機がやって来るとの予測もあり、また日本農業の衰退に歯止めをかけようという目論見なのかもしれない。

 2番目は日経新聞の「異種材料接合、日本車に採用 厳しい壁突破(1/24)」である。
 金属とプラスチック、異種金属同士、異種プラスチック同士のさまざまな異種材料接合(異材接合)技術の開発が進んでいるようである。
 日本の自動車メーカーが量産車の吸気ダクトに採用するらしい。
 これ以上は有料会員限定である。

 3番目は朝日新聞の『南極で史上初の気温20度超 研究者「信じがたく異常」(2/14)』である。
 地球温暖化の大きな証拠であり、日本の最近の豪雨といい、以前は地球温暖化の兆候があまり明確に出現することはなかったために某国の大統領がフェイクニュースだと主張したりしていたが、ついに明確に出現してきたようである。
 スウェーデンの環境活動家のグレタさんの主張に、世界が本気で向き合わないと大変なことになるようである。

 4番目は日経新聞の『「SDGsは慈善事業」の大誤解 1千兆円市場広がる(2/20)』である。
 私も何回かこの国連の持続的な開発目標SDGsを取り上げた。
 このSDGsがビジネスを変え始めたようだ。
 社会課題の解決を目指すスタートアップが多額の資金を調達する一方、環境問題などから目を背ける企業は、市場からの退場を迫られ始めているらしい。
 これ以上は有料会員限定である。
 その傾向は今回の新型コロナ騒動でその傾向が加速する可能性もある。

 5番目は朝日新聞の『常識覆す「津本式 究極の血抜き」 魚の長期保存に光(3/13)』である。
 宮崎市の水産仲卸店で働く職人・津本氏が考案した魚の処理方法が、国内外で注目を集めているらしい。

R2-7-4 R1 究極の血抜き 津本式.jpg
         図12 津本氏の魚の血抜き

 生魚の状態でも長期の保存が可能になり、熟成技術への応用や、食品ロス削減にもつながるとされる。
 常識を覆す「究極の血抜き」とは、しっぽの部分を切り、エラから水道のホースを入れて水を流すのみで、冷凍せずに1週間くらい鮮度が保てるらしい。
 まさにコロンブスの卵的なものである。

 6番目は朝日新聞の「低温ほど化学反応が速くなる 早大、常識覆す現象を発見(3/19)」である。
 化学反応は一般的に温度が高いほど速く進むが、触媒に電圧をかけると、低温なほど速く進む場合があることを早稲田大の研究チームが発見したらしい。
 私も化学は好きで、高校の時は化学部に入っていた。
 でもこのような常識外れの現象は初めて聞いた。
 触媒に電圧印加、という点にそのヒントがあるようである。

 7番目は日経新聞の「顔認証+体温検知で発熱社員を特定 日本アビオニクス(3/23)」である。
 新型コロナ関係では比較的おやっと思うニュースである。
 日本アビオニクスは赤外線サーモグラフィの大手らしくて、その技術を活かしたものらしい。
 中国での人民監視と似たシステムなので、技術流出しないように、と思う。

 8番目は毎日新聞の『数学超難問「ABC予想」証明 京大教授論文、専門誌掲載へ(4/4)』である。
 互いに素な整数a, b, cがあり、a+b=cを満たしているとする。
 a×b×cの互いに異なる素因数の積(かけ算の答え)をdとする。
 このときc>d^(1+ε)(ε>0)を満たすa,b,cはたかだか数個しかない、というのがABC予想である。
 (まいにちmanabu HPより抜粋)
 訳がわからないような問題だが、フェルマーの最終定理等もよくわからないのと同じかもしれない。
 でもこれを解いたのが日本人であるというのが少しうれしい気がする。
 
 9番目は毎日新聞の「殺菌効果は半永久 ウイルスの不活性を早める銅繊維シート開発 新型コロナ(4/9)」である。
 今回開発した繊維は、銅の表面に可視光応答型の光触媒が塗布されており、光が当たると強い酸化力を持った物質が発生し、ウイルスや菌を分解するらしい。

 10番目はNHKニュースの「音で竜巻、津波予測(4/12)」である。
 これはNHK・EテレのサイエンスZEROという番組で取り上げられていたものである。
 これを再検索したが、番組のHPでも詳細は出てこなかった。
 どちらかというと防災ニュースで取り上げるべきであろうが、最先端の科学を使った予測という点で注目すべき、と思う。

 11番目は日経新聞の「富士フイルム、PCR検査を自動化 件数増へ熟練不要に(5/8)」である。
 新型コロナ感染検査のPCR検査は4~6時間ととにかく時間がかかるので、それを人が行うのは大変である。
 それを自動化すると、検体のスピードアップになるし、世界に向けても日本の技術のアピールになると思う。

 12番目は日経新聞の「めざすは研究室産ステーキ 培養肉が地球を救う(5/10)」である。
 近大マグロ等大学発のベンチャー技術が盛んだが、その一環である。
 東大の竹内教授が牛の細胞を培養したステーキを作ったらしい。
 世界での食糧危機が叫ばれる中で、家畜の飼育に頼らない肉の供給は新たな分野を切り開く可能性がある。
 これ以上は有料会員限定である。

 13番目は日経新聞の「新型コロナ、ネコ同士で感染 東大チームが確認(5/14)」である。
 ペットを飼っている人には注意すべきニュースであろう。

 14番目は時事ドットコムの「紫外線ランプ、新型コロナとの闘いに光明か 米大が実験(5/15)」である。
 米コロンビア大学の研究者らの研究している紫外線C波(UVC)ランプは細菌やウイルス、カビ対策といった目的で、特に病院や食品加工業などでは以前から利用されている。
 だが、UVC線は危険性が高く、皮膚がんや眼疾患を引き起こすため、人がいない状況でしか使用できない。
 そこで利用したのが遠紫外線C波で、人体に無害でコロナ殺菌できるものらしい。
 ただし、紫外線であるから取り扱いが難しい気がする。
 電気式の殺菌の方が簡単にできる気がする。

 15番目は産経ニュースの「オゾンガスで新型コロナを無害化確認 奈良県医大、世界初(5/22)」である。
 オゾンガスは割と手軽に利用できそうだが、やはり人体への影響が少し気になる。

 16番目は時事ドットコムの「隕石衝突でアミノ酸生成 再現実験で検証―東北大など(6/8)」である。
 地球上に存在するアミノ酸をめぐっては、隕石や彗星などからもたらされたという説や、大気の微量成分のメタン、アンモニアなどから生成された説があるが、よく分かっていない。
 それが今回の生命誕生前の地球大気の主成分を使った実験で、隕石の衝突により無機物からアミノ酸が生成し得ることを示したらしい。

 17番目は読売新聞の『抗炎症薬「デキサメタゾン」にコロナ死亡率下げる効果…広く使われ安価(6/17)』である。
 英オックスフォード大の研究チームは抗炎症薬「デキサメタゾン」に、新型コロナウイルス患者の死亡率を下げる効果があるとする研究結果を発表したらしい。
 昨日のNHKスペシャルでiPSの山中教授が、アクテムラ(炎症対象の薬で国内生産)やフサン(膵炎用の薬)等を挙げていた。
 またアビガン等も有効と言われており、ようやくいろいろ有効な薬剤が出てきた印象がある。

 その他ではいろんな分野でのトピックがあるので、まとめは難しい。
 新型コロナ関係では、PCR検査の自動化、猫同士で感染、紫外線やオゾンで殺菌、治療薬の開発進捗等があった。

 科学はいろいろなトピックが出てきて、ニュースを聞いただけでもわくわくするものである。
 これからもこうした科学のニュースを収集して、年末にでも紹介していきたいと思う。
  -以上-

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント