「スポーツと科学」シンポを視聴

 スポーツと科学に関するネットシンポ(2020/6/18(木))を視聴した。

 このシンポは早くから日本学術会議のHPに掲示されていて、5月12日にこのシンポへの申し込みを行った。
 この時は日本学術会議の講堂をベースに考えていたようだが、オンライン開催の可能性も示唆していた。
 5月28日に、オンライン開催とのメールを受け取った。
 でも接続方法のメールがなかなか届かない。
 やっと前日の夜になってメールが届き、YouTubeでの開催とわかり、URLが添付されていた。
 参加者用のみらしく、このYouTubeのURLは他の人に教えないように、との文言が添えられていた。

 6月18日(木)の午後にマイボトルのお茶を用意して、トイレに行っておいた。
 プログラムは末尾に添付する。

 YouTubeのURLにアクセスするとまだ開催前であった。
 私は13時からの開催と勘違いして、12時50分にはアクセスしていたが、始まる様子が見えないので、プログラムを確認すると13時半からであった。
 仕方なく、YouTubeの右手の方にお勧めのイベントが表示されていたので、自衛隊の歌姫といわれる鶫(つぐみ)真衣さんの「栄冠は君に輝く」や上白石萌歌さんの「パプリカ」等の歌を聞いていた。

 13時半にフォーラムは始まった。
 やはりみんな初めてのことなので、緊張が見て取れた。
 最初に渡辺副会長から、今回のフォーラムの趣旨が簡単に説明された。
 スポーツ庁から「スポーツの価値について」という諮問を受け、日本学術会議で検討をしてきた。
 本日その回答を発出した。
 (筆者注:すぐに日本学術会議のHPを覗いてみたがなかった。翌日には掲示されていた。)

 スポーツは生涯を通して、身体や脳に有効なものである。
 1964年の東京オリンピックに参加した選手のその後の追跡調査等を通して、筋力が優れていること等がわかった。
 スポーツにおいては4つの観点がある。
 個人の便益、社会の便益、疾病時に有効、障害者にも有効、である。
 スポーツの価値を高めるスポーツ界は今科学が浸透している。
 スポーツを科学的に分析して、一流選手はもちろんのこと、一流一歩手前の選手についても適用し、何が差を分けているか、等もわかる。
 経験から科学へとスポーツ界も移行している。
 スポーツのデータ取得が多く行われている。
 スポーツ科学、データサイエンス、脳科学の分野融合なども行われている。
 スポーツの元々の意味は、気分転換、ということであった。
 それが、娯楽、気晴らしと変化してきて、競技として成り立ち始め、情報通信の発達により、e-スポーツのようなものも出てきた。
 科学的エビデンスを基にしたスポーツの在り方が問われている。
 時代の変化と共にスポーツ政策も変わってきた。
 多様な人々の参画が求められる時代になった、と説明した。

 山極・日本学術会議会長もあいさつした。
 今は新型コロナウイルスのために県境を越えられない等の制限がある。
 サッカーや野球はみんなが開催を望んでいる。
 オリンピックの種目も多様化している。
 健康な身体をスポーツによって作るのは重要なことであり、それは福祉の費用減少につながり、経済にも貢献できる、と説明した。

 スポーツ庁の鈴木長官もあいさつした。
 日本学術会議にお礼を言う。
 今回の審議を依頼した時には、スポーツ界にセクハラ・パワハラが多かった。
 スポーツは盛んなのだが、情熱的な指導と暴力が紙一重のような状況であった。
 また、e-スポーツはスポーツなのか、という疑問もあった。
 新型コロナウイルスの影響を受けて、今スポーツも大変である。
 強固に連携していきたいと思う。
 生涯スポーツは医療の削減にもなる。
 コーチング技術の向上で、暴力行為の低減を図りたい。
 関係者と共に努力していきたい、と説明した。

 この間に渡辺副会長から、鈴木長官に回答が手渡された。
 山極会長はネット参加であった。

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         図1 手公式の様子

 その後、鈴木長官、山極会長、渡辺副会長の間で対談があった。
 コロナ自粛中に何をしてたか、ということでは、山極会長はジョギングとか腕立て伏せで健康になった、とのことだった。
 鈴木長官もジョギング、ウォーキング等で、体重はトントンと答えていた。
 山極会長は障害者が社会の中でなかなか社会参加できていない。
 それを可能にするのがスポーツ、と言った。
 鈴木長官はプロ野球やJリーグが延期になって味気ない、潤いがないと言った。
 こういう状況で、スポーツのありがたさがわかる、と言った。
 見るスポーツも大事である。
 スポーツで季節感を感じることがアメリカでも日本でもある。
 オリンピックへの期待では、鈴木長官が活躍した(水泳・背泳ぎのバサロ泳法の金メダリスト)時代は経験値が大事だったが、今はエビデンスの時代と言った。
 F1に例えると、選手はドライバー、メカニックの人もいて、選手が一番パフォーマンスを出せるようにすることで、一体となってやる。
 スポーツは選手だけのものではない。
 支える人も見る人も大事な要素である。
 スポーツはする、見る、支える、ということで、一緒になって金メダルを取りに行く。
 学術としてのスポーツを考えていく。
 昨年のラグビーのワールドカップでは、台風があっても乗り越えてきた。
 世界の人とスポーツを通じてつながれる。
 スポーツの効能がある。
 コロナで今は痛い目に遭っている。
 でもただでは起きない。
 東京一極集中からリモートワークへ、と変化があり、スポーツもチャンスである。
 社会変化が起きている途中である、と話した。

 対談後に、基調講演があった。
 (1)では「当事者視点でみたスポーツのリスクと価値」というタイトルで、東京大学の熊谷氏が講演した。
 熊谷氏は車いすの身体障害者のようであった。
 スポーツには暗黙のルールや明示化されたルールがあり、序列化がなされる。
 格差になじむ人となじまない人がいる。
 ルールで序列化・格差が生まれることに対する対策が2つある。
 インクルーシブ(多様な身体、ルールを変える、合理的な配慮)が1つであり、もう一つは能力と命の価値を比較しないことである。
 優生思想になってはいけない。
 相模原の障害者施設の殺傷事件の背後にあるのは、生産性と優生思想だったのではないか。
 熊谷氏のアプローチは「共同創造」である。
 医療の利用者(患者)が医療をデザインすることがあってもいい。
 同じように考えると、スポーツをアスリートファーストでデザインし直すとどうなるか。
 熊谷氏は脳性麻痺であり、遠くからスポーツを眺めていた。
 でも今はパラアスリートと協力している。
 手足を切断した子どもが義手の設計をする。
 Co-productionの思想である。
 これをスポーツにも適用してみるとよい。
 障害は言い訳にすぎない。

 女子バスケの小磯女史がいる。
 いかに大変な経験をしてきたか。
 スティグマ(心の傷跡)とウェルビーイング(精神的な良好状態)について考えてきた。
 研究会を開催し、アスリートの視点で成績向上でなく、人生全体のウェルビーイングについて研究した。
 負けることは恥ずかしいことなのか。
 コロナ禍で大変な時代なので、何か提言をしたい。
 ブラインドマラソンランナーのサポートが困難な状況にある。
 アスリートの薬物依存やドーピング問題もある。
 小磯さんはPTSDに近い経験をしてきた。
 弱音を吐いたら負けてしまう。
 周囲にSOSを出せない。
 言霊信仰とでもいうべきものか。
 スティグマやラベルを貼られる。
 努力や属性で抜け出せる。
 根性が弱いのか。
 精神障害の理解不足もある。
 オープンにするのが恥ずかしい。
 雇用や健康等にネガティブなものになる。
 引退後の困難もある。
 PTSDに近い状況に陥る。
 引退後にも人生はある。
 勝つ側だけが注目されるのはどうか。

 車いす陸上の花岡選手がいる。
 パラアスリートへの見方が変わった。
 マイノリティ(パラスポーツ)とトップアスリートの2つの側面がある。
 イメージ通りにいかない。
 そのすれ違いが多い。

 カーリングの吉田女史がいる。
 集団競技で試行錯誤を繰り返す。
 チームビルディング(構築)をしないといけない。
 責めない文化が大事になる。
 負けた時に犯人捜しをしない。
 でも金銭的なプレッシャーがある。
 スポンサーからお金をもらっている。
 冬季のアスリートは金銭的に苦しい。
 これだけ使っているから負けられない。
 アスリートのキャリア支援の問題がある。
 人生全体でキャリアを支援していけるか。
 メディア表象の問題もある。
 スポーツはメディアを通じて知ることが多い。
 メディアがスポーツ、パラスポーツをどう描くかが大きなポイントになる。
 優生思想にならないように注意しないといけない、と説明した。

 オリンピックとパラリンピックでは種目が倍以上違う。
 もしオリンピックの種目を全部パラリンピックでも行うことは可能か、との質問を別途質問のURLに書いて出した。
 でも後述するが、この質問は筆者も含めて他の人も全然取り上げられなかった。
 何のために、質問は別のURLに、とのメール案内があったのか。
 この進行にがっかりした。

 (2)では「e-Sportsとインターネット・ゲーム障害(IGD)」というタイトルで、神戸大学の曽良氏が講演した。
 スポーツは門外漢である。
 先ほど話のあった薬物依存の治療を行っていた。
 e-スポーツが世界的に盛り上がりを見せている。
 ビジネスの成長分野でもある。
 e-スポーツはスポーツなのか。
 情報通信の発展によってネットゲームも生活の一部になってきた。
 ネットゲーム依存が認知されているとは言い難い。
 フォートナイトというシューティングゲームがある。
 対戦型で賞金が30億円というような大会もある。
 薬物依存には2種類ある。
 ニコチン、アルコール、カフェインという薬物そのものへの依存とギャンブル依存のようなゲーム依存である。

 一つの症例を話す。
 14歳の男性がいる。
 e-スポーツの選手になりたい。
 小3でADHD(注意欠陥・多動性障害、要するに落ち着きのない子)と診断された。
 勉強に自信が持てなくなっている。
 中学を退学した。
 平日にゲームを行い、課金が数10万円になったこともある。
 親と喧嘩して、子どもが警察を呼ぶ事件を起こしたこともある。
 依存率としてとして、81点/100点であった。
 フォートナイトで10万円の賞金をもらったことがあった。
 高校には進学しなかった。
 昼夜逆転の生活をしている。
 食事は1日に1回くらい取る。
 165㎝あるが、体重は35㎏で肥満の指針BMIは12.9である。
 (筆者注:BMI=(体重㎏)/(身長m)/(身長m)の計算式で18.5から25までが標準で、筆者は22.8。25以上が肥満、18.5以下はガリガリである。)
 IQは132で知能は高い。
 ゲーム依存型で、日本人の男3%、女1%がいるので、日本人では100万人以上いることになる。
 精神科を受けていない人も多い。
 30時間/週というWHOがゲーム障害指針の素案を作っている。
 ゲームをしている自分がコントロールできない。
 他のことができないようなことが1年以上続く。
 インターネットゲーム障害(IGD)はすでに2013年に出てきていた。
 薬物やゲーム依存との類似性があった。
 ドーパミンの分泌が盛んになる。
 容易に元に戻らない。

 発育不全の84例を見てみる。
 BMI15未満が7人いる。
 軽症まで含めると約4割が該当する。
 BMIと摂食障害とゲーム依存の相関性がある。
 BMIは成長に合わせて修正が必要になる。
 摂食障害の女子は徐脈、低体温、月経停止等の症状が現れる。
 死亡率は7%にもなる。
 過食障害もある。
 IGDの人は身長は平均以上ある。
 体重が平均以下である。
 食欲があまりないのが特徴である。
 ADHDと併存する。
 ADHDとIGDは相関する。

 なぜIGDはゲームするのか。
 徐放剤(覚醒剤)と同じである。
 自己治療をしているのか。
 小児のADHDのデジタル治療薬と治療機器が承認された。
 名前はエンデバーというもので、ゲーム形式になっている。
 注意の機能の改善ができる。
 精神疾患の治療にもなる。
 毒にも薬にもなる。
 e-スポーツの健康対策について考える。
 プロのプレーヤー、アマのプレーヤー、観戦のみの人もいる。
 賞金だけで生活できる人は多くない。
 プロのプレーヤーはゲーム依存になるか。
 多分無縁であろう。
 プロは楽しいことだけではない。
 ゲーム依存になりにくい。

 e-スポーツと従来スポーツでは、後者は場所が必要で夜中にはできない。
 e-スポーツはどこでもできるし、制限がない。
 学校の課外活動としてもできるが、食事、睡眠の配慮が必要になる。
 自治体や企業はそこまで取り組んでいない。
 コロナ後の光と影がある。
 治療できていないで悪化する例もある。
 予備軍が依存症になり得る。
 Ict教育、オンライン授業も出てきている。
 ネットゲームは減る傾向にある。
 オンライン診療も取り沙汰されている。
 直接訪問診療から遠隔診療の可能性もある。
 スポーツ医は整形外科医が多かった。
 e-スポーツの健康被害防止等の指導も必要になる、と説明した。

 (3)では「科学とエビデンスでスポーツをサポートする視点」というタイトルで、日本スポーツ振興センターの勝田氏が講演した。
 ナショナルスポーツセンターに関わってきた。
 コロナ拡大でどのような視点が必要か。
 オリ・パラ、国際大会、Jリーグ、プロ野球等イベント性の高いスポーツは中止や延期になった。

 ここには3つの制限がある。
  ①集合の制限、②接近の制限、③移動の制限
 2つの視点がある。
 音楽や芸術も同じ制限を受ける。
 個別の特性に応じたやり方が求められる。
 オリ・パラが一つのキーワードになる。
 彼らの安全を切り口にしていく。
 みんなと共有する。

 一つのキーワードは「再開」である。
 国際情報を集める。
 アスリートの情報を集める。
 地域との連携を探る。
 これは緊急事態宣言の前から収集している。
 特徴の分類、国や自治体等社会全体の動き、個別の特性、ゲーム形式、多人数、等の要素がある。

 大きな柱となるガイドラインが必要になる。
 個別の特性に応じた方針も必要になる。
 みんなで先を読みながら再開に向けた分類をしていく。
 ガイドラインは3つある。
  ①施設利用ガイドラインre-open
  ②練習・試合の再開return
  ③大会の再開re-start

 エピソードをあげてみる。
 施設を段階的に開く。
 2週間の検温のレポートをお願いする。
 視覚障害の人は音で聞く。
 通達が来ても、すぐに対応できない。
 ガイドランナー(伴走者)も一緒に行っていいか。
 地震が起きた時にどう避難誘導するか。

 新たな方法論が必要になってくる。
 多様な分野、役割との連携、協働、クロスコーチングがある。
 前提として、パフォーマンスを発揮できる舞台がある、と仮定してきた。
 パフォーマンスの舞台はどう再開されるか。
 そのプロセスに科学を導入する。
 ラグビーワールドカップでのステークホルダーの例などがヒントになる、と説明した。

 施設運営側の話なので、どうもピンと来ないことが多いように感じた。
 施設には空気清浄器、できればプラズマクラスター型のものを採用して、3密の空気の清浄化で感染防止できればいいと思う。

 (4)では「アスリートによるスポーツ科学研究:感覚と理論の一致を目指して」というタイトルで、順天堂大学の室伏女史が講演した。
 ハンマー投げを24年間していた。
 (筆者注:ハンマー投げの金メダリスト室伏広治氏の妹である。)

室伏氏R1 R2-6-18.jpg
         図2 室伏女史のネット上での状況

 スポーツとアンチドーピングを専門にしている。
 スポーツ外傷・傷害、女子アスリートの健康等について話す。
 中学、高校、大学、企業で35歳までやっていた。
 大学院進学した時に、腰痛、貧血、子宮内膜ポリープ等の病歴がある。

 理論とエビデンスの一致に悩んでいた。
 なぜ本番に弱いのか。
 感覚と理論のギャップがあった。
 星飛雄馬の大リーグボール養成ギブス等の例がある。
 根性に基づくトレーニングがあった。
 ナラティブデータの存在もある。
 選手の体感がある。
 女性アスリートのための月経ハンドブックがある。
 〇〇すると強くなれる。
 気合と根性の世界があった。
 疲労の蓄積で大学3年でスランプに陥った。
 対策としてオーバーワークを行った。
 フィジカル、医学、心理、アントラージュ(コーチ等)等がある。
 対処資源の重要性もあった。
 成績が良好だと、月経や貧血の治療が後回しになった。
 ヘモグロビンが男性の半分以下であった。
 オリンピックの直前に新記録が出た。
 腰痛は2005年から2011年まで続いた。
 練習できないこともあった。
 2008年北京五輪の予選突破できなかった。
 子宮内膜症になった。
 腰痛は関節が原因であった。
 2011年から肩にも痛みが出た。
 2012年に引退した。
 その後手術した。
 骨密度は人より高い。
 婦人科で貧血は大きく改善できた。
 スポーツ選手への心理的なアプローチが必要である。
 情緒不安になる。
 頑張ったのに報われないバーンアウト、ドロップアウトになる。
 スポーツ外傷はうつになりやすい。
 コロナ下でのアスリートのルーチンはどうなるか。
 罹患したアスリートのその後はどうなるのか心配である、と説明した。

 (5)では「アスリートの人生におけるスポーツの価値:競技引退理論の視点から」というタイトルで、国際オリンピック委員会の田中女史が講演した。
 アスリートで得た心技体について話す。
 元はシンクロナイズドスイミング選手だった。
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         図3 田中ウルヴェ京選手の様子(現役時代)

 アトランタ五輪の代表だった。
 24歳の時からスポーツ心理学を専攻した。
 メンタルトレーニング上級指導士の資格を持っている。
 スポーツ心理のコンサルティングをしている。
 昔はメンタルトレーナーが嫌いだった。
 メンタルは弱くない。
 おじさん・おばさんはいらない。
 あなたはオリンピックに出たんですか、というような生意気な高校生だった。
 メンタルって怪しい、と30歳の頃に思っていた。
 2012年から車いすバスケに関わる。
 なでしこジャパンのメンタルコーチもやっていた。
 コメンテーターもやっていた。
 IOCの仕事もやっていた。
 慶応大学で博士課程の研究中である。
 ウルヴェさんと結婚した。
 スポーツの価値って何?
 Fairnessかな。
 チームビルディング、平等等である。
 今まではする、見る、支えるは子どもにとってのものだった。
 アスリートにとってのスポーツとは。
 する、見る、支えるは心技体と関連する。
 これに戦(タクティクス:戦略)も加える。
 心とは何か。
 感じる心(情動)と考える心(認知)がある。
 心を育む。
 選手を人として扱う。
 人として学校教育にも携わる。
 アスリートが実力を発揮するのに支援が必要である。
 12の心理スキルがある。
 コーピングスキル(問題対処能力)、自信、メンタルタフネス、集中力等である。
 自信には2種類ある。
 勝って自信がつく。(結果)
 遂行途中でのプロセスでつくものもある。
 この2種類の自信を鍛えていく。

 競技引退後も使えるスキルがある。
 適応的な完璧主義がある。
 ゆがんだ思考の1つか。
 競技の中での勝つためのものの扱い方として、次の生活で変えられるか。
 競技の中で得たスキルを言語化できるか。
 適応条件と適応リソースの問題がある。
 健康的な引退ができるか。
 引退に関する葛藤がある。
 IOCにも引退プログラムがある。
 日本におけるキャリア支援は企業がやっていた。
 でも90年代で崩壊した。
 セカンドキャリア探しという現状がある。
 オリンピック選手のその後はどうなるか。
 日本にはキャリアプログラムが不足している。
 引退時の思考の棚卸しをしないといけない。
 これはいる、これはいらない、の区別である。
 アスリートの引退での光と影がある、と説明した。

 その後討論になった。
 中京大学の來田女史はスポーツができない人がいる、と言った。
 社会からみたスポーツの価値は何か。
 アフターコロナのスポーツは何か。
 オリンピックの歴史を研究している。
 クーベルタンの時代が距離というものが大きかった。
 今は変わっている。
 今は放映権料になっている。
 競うことは身体を近づける。
 広がりを持って捉えなおさなければいけない。
 20世紀の価値観をそのまま持って来ている。
 トレーニングや栄養条件が異なる。
 勝ち上がるのはそういう条件に恵まれた人々である。
 クーベルタンの時にもそうだったかもしれない。
 これまで目をつむった方向にスポーツを向けるチャンスかもしれない。
 スポーツの定義を変えてみる。
 ジョギング、体操、家事も含んでいいかもしれない。
 スポーツは子どもからお年寄りまでできる。
 競技面では暴力的な面もある。
 万全な状態のアスリートは少ない。
 対象に応じたスポーツのやり方があるかもしれない。
 今オランダに住んでいる。
 ソーシャルディスタンシングはコミュニケーション不足を引き起こす。
 大地震が起きた時の生活不活発病と同じである。
 高齢者の生活の孤独がある。
 満員電車はいやだ、ではなく、一駅歩こう、と説明した。

 お茶の水女子大学の神尾女史は精神医学が専門である。
 トップアスリートという固定観念がなかったことに安心した。
 子どもやお年寄り等災害弱者にも光を当てる。
 スポーツ教育の個別化が必要である。
 指導者のスキルを磨いて欲しい。
 e-スポーツの光と影がある。
 今はデジタル社会である、と説明した。

 国立情報学研究所の喜連川氏はスポーツとは距離を置いている人間である、と言った。
 Society5.0ですべてデータ駆動となる。
 ITをフル活用して、スポーツのスキルをミクロでもマクロでも上げていく。
 選手になる前から引退まで人生のデザインが必要になる。
 普通の人がスポーツをして人生がどう変容するか。
 学生はこの4月、5月は遠隔授業である。
 今は学生が講義をやってくれという。
 引きこもりの子と話ができるようになった例もある。
 負けの価値は、負けたのは怠けたからとはっきりわかるのは勉強にも通じる。
 スポーツ依存になる人もいる。
 ライバルがいるのは嫌、という人もいる。

 オランダではコロナで二極化している。
 やらない人はやらない。
 やりたい人はわずかな隙間があればやろうとする。
 スポーツで学んだことは他にも応用できる。
 オリ・パラではやはり勝ち負けにこだわるか。
 名コーチが名選手を育て、その選手がまた名選手を育て、となるとそこにエビデンスがあることになる。

 最後に山極会長が学術とスポーツは北極と南極くらい離れていると思っていたが、今は赤道くらいに近づいたように感じている、と話してこの討論は終了した。

 結局、質疑応答は何もなかった。

 仕方なく、終了後にアンケートメールが来たので、質疑応答のないことの不満を書いておいた。

 私もスポーツは嫌いではない。
 学生時代は主に器械体操をやっていて、今もその時の仲間と交流が続いている。
 社会人になってからはあまりできなくなったが、10年前くらいからアイススケートをやっていた。
 でも小学生との衝突事故後はやめて、今はボーリングに週1回通う生活である。
 そのボーリングクラブも今年の3月から休止中である。
 身体がなまるので、近所の公園に毎朝散歩しており、4,000歩くらいは歩いている。
 これからも体力をつけて、健康な身体を維持していきたいと思う。


<学術フォーラム>
 「人生におけるスポーツの価値と科学的エビデンス」
   新型コロナ感染拡大後の社会のために

1.日時:2020年(令和2年) 6月18日(木) 13:00-17:00
2.場所:オンライン開催に変更
3.対象:どなたでも参加いただけます
4.定員:250名(先着)
5.主催:日本学術会議
6.後援:スポーツ庁(予定)
7.プログラム:
 記者会見 13:00-13:30
 回答手交式 13:30-14:00
  鈴木大地(スポーツ庁長官)
  山極壽一(日本学術会議会長)
  渡辺美代子(日本学術会議副会長)

Ⅰ.基調講演 14:10-16:00
 (1)「当事者視点でみたスポーツのリスクと価値」熊谷晋一郎(東京大学)
 (2)「e-Sportsとインターネット・ゲーム障害(IGD)」曽良一郎(神戸大学)
 (3)「科学とエビデンスでスポーツをサポートする視点」勝田隆(日本スポーツ振興センター)
 (4)「アスリートによるスポーツ科学研究:感覚と理論の一致を目指して」室伏由佳(順天堂大学)
 (5)「アスリートの人生におけるスポーツの価値:競技引退理論の視点から」田中ウルヴェ京(国際オリンピック委員会)

Ⅱ.総合討論 16:10-17:00

 パネリスト:
  神尾陽子(お茶の水女子大学)
  川上泰雄(早稲田大学)
  喜連川優(情報システム研究機構国立情報学研究所)
  田中ウルヴェ京
  室伏由佳
  來田享子(中京大学教授)
 ファシリテーター:
  山口 香(筑波大学)

 開会挨拶:渡辺美代子
 閉会挨拶:山極壽一
 総合司会:田原淳子(国士舘大学)
      髙瀨堅吉(自治医科大学)
8.概要
 本フォーラムでは、スポーツ庁からの依頼により組織された科学的エビデンスに基づく「スポーツの価値」の普及の在り方に関する委員会から、審議依頼への回答を手交します。 
 その後、障がい者のスポーツ参画やプロスポーツ選手のセカンドキャリアを含む、スポーツによって引き起こされる障害について話題提供を行います。
 また、「人生におけるスポーツの価値と科学的エビデンス」をテーマに、パネルディスカッションを行います。
  -以上-

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