「低頻度巨大災害を考える」ネットシンポジウムに参加

 「低頻度巨大災害を考える」ネットシンポジウム(2020/3/18(水))に参加した。

 本来であれば、このシンポジウムは「2020年原子力学会・春の年会」の開催期間中であったので、聞けるはずはなかったのである。
 しかし、学会の方は新型コロナウイルスの影響で中止となった。
 このシンポジウムも中止になるかと思っていたが、無観客でネット中継だったので、聞くことができた。

 ただこのシンポジウムは防災の観点でもちょっとオーバーなことを想定しているので、あまり聞く必要はないかな、と思っていた。
 でも他のほとんどのシンポジウム等は中止になって暇だったので聞いてみた。
 巨大隕石落下と同程度の話が多いので、まあ、聞いておいて損はないだろう、という気持ちであった。
 防災士としては、想定外という言葉が一番良くないことなので、これぐらいの事態もゼロではない、程度の知識は持っておくべきであろう。

 まずシンポジウムに先立って、司会より説明があった。
 今回のシンポジウムは新型コロナウイルス対応ということで、参加者は主催者、講演者、報道関係のみとした。
 会場の中では少し距離を置いて座っていただいた。
 体調の悪い人は入場をお断りしている。
 質疑は後でまとめて行うこととする。
 1人発表時間は15分とするので、時間厳守でお願いする。

 開会挨拶では防災減災学術連携委員長の米田女史が行った。
 毎年地震や風水害が起こっている。
 しかし、巨大地震や火山の噴火等も忘れてはいけない災害である。
 今の新型コロナウイルスの流行とも関連性があるように感じている、と説明した。

 来賓挨拶として内閣府 防災担当政策統括官の青柳氏は新型コロナウイルスの対策会議に出るために、参加できないので、ビデオレターであいさつした。

 趣旨説明について、防災学術連携体運営幹事の和田氏が行った。
 低頻度巨大な自然の災いは、過去に起きたことはこれからも起こる。
 世界で起きたことは日本でも起こる。
 人々は豊かに、楽しく便利に、効率よくを追求してきた。
 社会は大きく変化してきたが、自然の災害も忘れてはいけない。
 まだ未経験の大災害も起こり得ることを今日18の発表で示していただく、と説明した。

 第1部の(1)では「我が国の近年の極端気象と地球温暖化」というタイトルで、防災減災学術連携委員会の中村氏が講演した。
 今年の冬は極めて異常だった。
 全国153地点で111地点(73%)で高温記録1位であった。
 近年の深刻化する豪雨災害も猛暑の影響と無関係ではない。
 温暖化時の異常気象の発現例は災害によることが多い。
 平成30年7月豪雨では総降水量400㎜超の地域が九州、四国、中国、近畿、岐阜にかけて広く分布した。
 豪雨災害の甚大化を招いた原因としては、多量の水蒸気を含む熱帯からの気流の持続的な流入やジェット気流の蛇行などがある。
 温暖化は着実に進んでいる。
 自然変動が重なることもある。
 わが国だけでなく、世界でも同じである。
 一例を挙げればオーストラリアの森林火災である。
 国連の試算では、2017年までの20年間の自然災害による世界の経済損失の300兆円のうち、77%が気候変動によるものである。
 台風が今後どうなるか。
 激甚化に進むのは確かである、と説明した。

 (2)では「低頻度巨大災害分科会の活動」というタイトルで、低頻度巨大災害分科会委員長の寶(たから)氏が講演した。
 分科会は17名のメンバーで構成されている。
 ミッションは提言と低頻度巨大災害への備えの啓発である。
 低頻度巨大災害はカタストロフィとも言い、地域に壊滅的な被害を与えるだけでなく、過去においては政治体制に影響を与えた事例もある。
 頻度とインパクトの関係で考えると、100年に1度、200年に1度くらいだと、インフラの対策でダムの整備、防潮堤等が考えられている。

R2-3-24R1 頻度とインパクト 図1 宝氏.jpg
         図1 頻度とインパクト

 しかし低頻度巨大災害はインフラだけでは対処できない。
 リスク回避では避難、転地等がある。
 リスクの移転では保険や行政の補償等がある。
 こうしたリスクガバナンスが必要になる。

R2-3-29R1 図3巨大災害被害試算  宝氏.jpg
         図2 災害被害におけるコスト試算

 南海トラフ地震で1,240兆円、首都直下地震では730兆円の被害試算が出ている。
 これらの低頻度巨大災害の備えとしては、Location(集中を避ける) 、Structure(インフラ整備)、Operations(津波予測等の研究)、Risk Tranfer(企業の地方分散等)がある。
 水災害に対する二段防災の考え方がある。
 防災施設の整備と、それを超えるハザードに対しては避難も同時に考えることで、東日本大震災後に出てきたものである。
 これは津波だけでなく、高潮、洪水、内水氾濫(豪雨によって下水機能マヒによる洪水)に対しても同様な考え方がされてきた。
 津波ハザードマップは東日本大震災の仙台で欠点がわかったので、それを改良している。
 一段目に来る範囲と二段目に来る範囲を示している。
 降水量で洪水規模を考える。
 超過洪水対策である。
 水害ハザードマップも改善されてきた。
 高規格堤防(スーパー堤防)の考え方もある。
 統合的な洪水対策にする。
 レベル1の水害ならこれでよいが、レベル2に対してはダメである。
 気象庁の特別警報も何回も出された。
 京都の天ヶ瀬ダムは1964年オリンピック後にできたが、できて50年で初めて満杯になった。
 さらに大きな災害が起きた時に耐えられるか。
 SIP4Dシステムというものがある。

R2-3-29R1 図4巨大災害用ISUT概要  宝氏.jpg
         図3 災害対応システムの例(SIP4Dシステム)

 巨大災害をターゲットとした研究プロジェクトである。
 データ収集に役立つ。
 内閣府の災害支援チームISUTにも使われる。
 超高齢化社会を迎える日本で自助は難しい。
 共助と公助を充実しないといけない。
 疫病(感染症)災害も「国難」である。
 提言案として、まだ確定していないが、13個挙げておく。
 ①インフラの限界認識
 ②法整備、意識啓発
 ③移転・転地
 ④災害に備えた投資や情報ネットワーク構築
 ⑤被災弱者の高齢者対策
 ⑥巨大災害の防災教育
 ⑦防災の研究開発
 ⑧復旧・復興の法整備、私権の制限等
 ⑨複合災害への備え
 ⑩南海トラフ地震と首都直下地震への備え
 ⑪福祉や医療と結合した防災投資
 ⑫巨大災害への県境を越えた支援や協定等
 ⑬広域災害における国際協力

 (3)では「南太平洋島嶼国を対象とした沿岸域防護のためのモニタリング」というタイトルで、日本リモートセンシング学会の桑原氏が講演した。
 島嶼(しょ)国のモニタリングについて述べる。
 夕陽のきれいな画像がある。
 海面と陸域がギリギリのところにある。
 気候変動の影響がここにも及んでいる。
 ツバルで1年に1㎜の海面上昇がある。
 ハリケーンが来ると、家がすべて流され、土地の使われ方が変わってくる。
 ツバルは太平洋の真ん中にあって、9つの島という意味がある。
 平均海抜2mである。
 高いところで5mくらいだから、満潮の時に自分の近いところまで来ていることが実感できる。
 衛星画像を見ると、750㎞上空の衛星で30~40㎝の解像度である。
 100個くらいの衛星を使うと、1つのスポットが見える。
 フォンガファーレ島は逆「く」の字型の島で、空港と滑走路がある。
 潮位が高い時に地面に海水が入ってくる。
 島の南の細い部分が宅地化されている。
 細いところは危険だというところに居住している。
 中央政府と酋長の2つの管理機構がある。
 酋長はここに住んではいけないと言ってきたが、データが示せない。
 有孔虫の殻が堆積して島が増大している。
 植生がいいところにするとよく育つ。
 でも指示しないとすぐ低いところに植えてしまう。
 ドローンで撮影もしている。
 生き物としての島と人間の少々のお手伝いというところである、と説明した。

 (4)では「近年の台風から見た低頻度巨大災害」というタイトルで、日本気象学会の牧原氏が講演した。
 近年の台風として、130年前、60年前、この数年、と今後について話す。
 2015年の台風で鬼怒川が決壊した。
 2019年の台風15号は955hPaであり、千葉で最大35.9m/s、その他の最大で45m/sであったが、暴風半径(25m/s以上)は100㎞と小さかった。
 2019年の台風19号はやはり955hPaであったが、最大風速40m/sで暴風半径が300㎞であった。
 台風19号での被害は死者・行方不明89名であり、東北、関東山間部、長野が大きく被災した。
 阿武隈川流域で大きな被害が出たのは、破堤時刻が夜中、高齢者という要因が大きかった。
 1958年から2019年までの台風被害を見ると、伊勢湾台風、室戸台風の被害が大きかった。
 1,000人以上の被災は伊勢湾台風のみである。
 しかし100人以上が被災する台風は減少していない。
 伊勢湾台風は930hPa以下であった。
 その結果、死者5,098人、浸水36万棟、被害は約4兆円である。
 室戸台風は929hPaであった。
 今後強い台風が日本に上陸するだろう。
 伊勢湾台風並みのものが来たらどれくらい耐えられるか、の実績はない。
 2011年に紀伊半島に上陸した台風12号は130年前に同じところに襲来した台風と同じ規模のものであったが、戦後最大と言われた2011年の2倍の土砂災害だったと推定されている。
 『過去の大災害は未来の防災の教科書』である、と説明した。

 (5)では「わが国における竜巻の実態とその観測」という日本風工学会の小林氏が講演した。
 竜巻は極端気象の1つである。

R2-3-29R1 図5 竜巻 小林氏.jpg
         図4 竜巻の概要

 竜巻はトルネードとも呼ばれ、漏斗雲等を伴う。
 直径100mくらいの巨大竜巻もある。
 上部から、ペアレントボルテックス(親渦)、メソサイクロン(竜巻低気圧)、竜巻渦の階層構造を取る。
 2005~2006年に山形県で起きた。
 竜巻注意情報があり、2012年6月に北関東で巨大竜巻が発生した。
 筑波竜巻とも呼ばれる。
 竜巻に絶対安全はない。

R2-3-29R1 図6 竜巻被害 小林氏.jpg
         図5 竜巻被害状況の例

 家ごと飛ばされる。
 飛散物がミサイルみたいに飛んできて、また飛散物を生む。
 竜巻の頻度は2000年までは20個/年くらいだったが、それ以降は増えてきた。
 スマホで記録できたので増えた。
 今は100個/年くらいである。
 気象要因別では、竜巻は温帯低気圧で起こる。
 1年通して発生する。
 冬は日本海側に多い。
 アメリカでは4月、5月にトルネードが多い。
 日本は1年中起こる。
 F(フジタ)スケールという指標がある。
 F2で50m/s以上の風である。
  (筆者注:資料には屋根がはぎ取られるような状況)
 1年に1回くらい起こる。
 F4(100m/s:住宅がバラバラになる)は日本では起こらないか。
 筑波では瞬間的ではあるが、100m/sを記録した。
 今は数100個の竜巻が起きているかもしれない。
 約4分の1は海上で起きる。
 約4分の1が人口10~50万の都市部で発生する。
 人口密集地で起きると被害が大きくなる。
 台風と竜巻は関係がある。
 昨年の台風19号で竜巻が発生した。
 進行方向の東側で起こる。
 台風から離れた場所で起こる。
 9月に起きる竜巻が多く、人的被害も大きい。

R2-3-29R1 図7 竜巻から身を守る 小林氏.jpg
         図6 竜巻から身を守るには

 台風の準備をしている時に不意を突かれる。
 冬の竜巻は実態がよくわからない。
 火災旋風も竜巻に似ている。
 竜巻を生む積乱雲(スーパーセル)がある。
 米中西部で起きたことがある。
 1999年練馬、2017年多摩川にスーパーセルが発生した。
 これができると瞬間的に都市機能がマヒする。
 単一巨大積乱雲は上昇流と下降流がうまくかみ合うと起こる。
 いかにして気象レーダで捉えるかが課題である。
 2019年の千葉県市原で起きた竜巻をフェーズドアレイレーダやXネットのドップラーレーダーで見た。
 マイソサイクロンは1㎞くらいで竜巻渦がわかるのだが、アメダスは10㎞メッシュで粗い。
 1㎞メッシュのPOTEKA(地上精密観測機器)で実験中である、と説明した。

 (6)では「千島海溝で発生する巨大津波」というタイトルで、日本地震学会の岡村氏が講演した。
 北海道東部で過去6,000年の間に約15回の巨大津波が発生しており、最後の津波は17世紀初めに起こったと推定され、その後400年経つ。
 いつ起きてもおかしくない。
 今は南海トラフ地震や首都直下地震が注目されているが、この巨大津波も後回しにできない。
 十勝沖地震等では数10年に1回大地震が起こっている。
 千島海溝で発生するプレート間地震は津波堆積物でわかる。
 津波が内陸に浸水してくる時に海付近の砂を陸に運搬する。
 これを調べることによって過去の津波がわかる。
 霧多布湿原の津波堆積物を調べた。
 (筆者注:北海道東部の釧路と根室半島の中間部分)
 海岸から運ばれた砂の層が見られた。
 一番下の層は5,500年前のものである。
 巨大津波の履歴としては霧多布湿原では過去4,000年で9回の津波の痕跡がある。
 すぐ近くの藻散布沼では過去6,000年で15回の巨大津波が起こり、間隔は100~800年とばらつきがある。
 最後の地震は1611年の慶長三陸地震と同じかどうか。
 地震研究推進本部の確率推定では巨大津波7~30%/30年としている。
 内閣府で最大クラスの地震モデルを策定中である。
 巨大津波はいっぱいあるが、若干の余裕があるので早く逃げることである、と説明した。

 (7)では「都市域に伏在する活断層と地震災害」というタイトルで、日本活断層学会の石山氏が講演した。
 都市域に近接する活断層について話す。
 全国で見つかっている活断層は2,000以上ある。
 20世紀以降のM6.5以上の地震の分布を示す。
 震源と活断層は関連付けされていない。
 活断層と伏在活断層がある。
 活断層が動くと断層があることがわかる。
 伏在活断層は埋設物に覆われる。
 震源断層はなかなか厄介で、まだよくわかっていない。
 1945年に愛知県三河でM6.8の地震が起こった。
 伏在活断層の例として知られる。
 深溝(ふこうず)断層が動いたものと思われ、2,000人以上が亡くなった。
 1891年の濃尾地震では活断層と伏在活断層の連動が引き起こした地震でM8.0で死者は7,000人であった。
 このうち、6,000人が濃尾平野に集中していた。
 濃尾平野下の岐阜・一宮線の長さ25㎞の伏在活断層が動いたようである。
 1948年に福井地震はM7.1で約4,000人が亡くなった。
 鉛直な左横ずれ断層で発生した地震で地表面のずれが見当たらなかった伏在活断層の地震である。
 この地震の地域で、震源域の高分解能反射法地震探査を行った。

R2-3-29R1 図7-5 震源域の高分解能反射法地震探査  石山氏.jpg
         図7 高分解能反射法地震探査の例

 調べてみると、10mおきに振動花弁構造(チューリップのような形状)の地形変形が見られた。
 関東平野の伏在活断層が山の手で見られた。
 野田隆起帯、綾瀬川断層、荒川沈降帯、武蔵野測線があった。
 非常に活動度が低い活断層(C級活断層)が伏在している。
 新潟平野では伏在断層として、角田・弥彦断層がある。
 これまで地表に明瞭な地形変形は見られなかった。
 札幌近郊の伏在活断層は最近の探鉱の技術の進展によって探査結果が向上してきた。
 今までは7Hzの低周波発震で探査してきたが、3Hzというより低周波の発震ができるようになって、より深部の断層のイメージングが可能になった、と説明した。
 (筆者注:私も今まで活断層についてはあまりよくわからなかったが、今回のこの講演で新たな断層の調査方法として高分解能反射法地震探査というトラックみたいな発震器と記録計のようなもので、断層の構造が非破壊で測定できるようになった、とのことで、科学は日々進歩していることがわかった。ただし、断層の構造がわかっても、地震との関連性を見るためには相当実例データを収集・分析しないといけないようで、先は長い研究と思う。)

 (8)では「火山が起こす低頻度巨大災害」というタイトルで、日本火山学会の山元氏が講演した。
 巨大噴火と山体崩壊のことについて話す。
 火山の噴火は1,000℃前後のマグマが噴出するものである。
 1986年の伊豆大島が噴火した。

R2-3-29R1 図8 火山噴火伊豆大島 山元氏.jpg
         図8 伊豆大島の噴火状況

 近々また起こるかもしれない。
 マグマによって加熱された熱水が噴出することもある。
 2014年の御岳山の噴火はその例で、63名が死亡している。

R2-3-29R1 図9 火山噴火災害御岳山 山元氏.jpg
         図9 御岳山の噴火での被災状況

 火山の噴火の規模は噴出物の体積で表される。
 微少な噴火は7E5m3(70万m3)くらいで、御岳山がその例である。
 中規模な噴火は3E7m3(上記の100倍程度)で1986年伊豆大島の噴火がその例である。
 巨大噴火は4E11m3(中規模の約1万倍)で、鹿児島湾の海域での姶良(あいら)カルデラの3万年前の噴火がその例である。
 この姶良カルデラは20㎞の陥没があった。

R2-3-29R1 図10 姶良カルデラ噴火災害 山元氏.jpg
         図10 姶良カルデラ噴火での降灰状況

 桜島はこの一部で、火砕流は80㎞に及ぶ。
 今このカルデラが噴火するとどうなるか。
 この半径80㎞圏内に住む240万人は壊滅する。
 噴煙は400㎞3に上る。
 この姶良カルデラの噴火では都内で10㎝以上の降灰がある。
 降灰は北海道まで到達するであろう。
 火山灰は厄介である。
 2014年の神奈川県に大雪が降ったことがある。
 車が走行不能になった。
 降灰数㎜で電車の走行が不良(車両やレールの導電不良等)となる。
 陸上交通はすべてストップする。
 しかし雪は溶ける。
 でも火山灰は残る。
 岩石の粉を袋に詰めて処理するのが、今の桜島周辺で行っていることである。
 これらを下水に流すと内水氾濫の元になる。
 火山灰をどこに捨てるか、は悩みの種になる。
 航空機もダメになる。
 ジェットエンジンは火山灰を吸い込むと中で溶けてエンジンを破壊する。

R2-3-29R1 図11ジェットエンジン災害 山元氏.jpg
        図11 ジェットエンジンの火山灰災害

 1982年にインドネシアのガルングン火山の噴火でジェットエンジンが故障した例がある。
 降灰による電力への影響もある。
 送電網に積もると、火山灰の硫化物でショートする。

R2-3-29R1 図12 電力網災害 山元氏.jpg
        図12 降灰の電力網への影響

 降灰が10㎝を超えると送電不能になる。
 発電施設にも影響が出る。
 ガスタービンやコンバインドサイクルは外気の取り込みで発電しているので、タービン内の温度は1,100~1,400℃でタービンは壊れる。

R2-3-29R1 図13 タービン発電災害 山元氏.jpg
        図13 降灰のガスタービンへの影響

 東電の火力発電設備は江戸時代の富士山の宝永噴火の範囲内にすべて設置されているので、降灰ですべての施設に障害が起きる。
 巨大噴火が起きると、どこも助けてくれない。
 1週間の備蓄があってもダメである。
 農業がダメになる等長期的な影響が大きく出る。

 次は山体崩壊について、である。
 噴火そのものより、周りのものが大変である。
 過去最大の火山災害事例として、1792年の雲仙噴火で、「島原大変、肥後迷惑」と言われた。
 雲仙火山の溶岩ドームが崩落し、その土砂が有明海に流れ込み、肥後に大津波が押し寄せ、15,000人が亡くなった。
 富士山は約3万年前から1㎞3以上の山体崩壊を4回起こしている。
 富士川河口断層帯があり、2,900年前に御殿場岩宵なだれを起こしている。
 今の富士山も崩れている。
 富士山のあちこちから火山灰が見つかっている、と説明した。
 (筆者注:この姶良カルデラについてはあちこちのシンポジウムでよく出た火山噴火で、おそらくこの火山噴火が起きたら、日本全国は大混乱になることは明らかなので、起きないことを神や仏に祈るしかない。富士山の噴火については江戸時代に起きた噴火が最後で、それまでに400年毎に大噴火が起きているので、そろそろ起きてもおかしくない、と火山学者は推定しているらしい。降灰の処理くらいは考えておいた方がいいかもしれない。簡単に考えると、セメントの材料にならないか、程度のことしか思いつかない。)

 (9)では「過去200万年間における極低頻度巨大噴火の歴史と自然環境へのインパクト」というタイトルで、日本第四紀学会の鈴木氏が講演した。
 (筆者注:資料の最初に、第四紀とは約260万年まえから現代までの、『地球史における現代』を指す、とあった。)
 巨大噴火について話す。
 VEIという火山爆発指数がある。

R2-3-29R1 図14 VEI 火山指数  鈴木氏.jpg
         図14 火山指数VEIの概要

 12万年で10個くらいの巨大噴火が起こっている。
 北海道と九州に多い。
 先ほど話があった鹿児島湾の姶良カルデラはVEI7に相当し、噴火すると日本全土を降灰が覆う。
 VEI7の火山噴火が人間に与える影響は、降灰50㎝以上で過酷な影響を受ける。
 人に与える影響は過去12万年での死者を年数で割った平均では162人/年程度となる。
 台風で約300人/年、地震・津波で約500人/年と比較すると同じ程度の被害となる。
 九州南方の鬼界カルデラは相当影響を与えたものらしい。
 福井県の水月湖には西南日本の火山の噴火記録が残っている世界でも珍しいものである。

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         図15 水月湖の記録

 神津島、伊豆カワゴ平、十和田喜界カルデラ等の記録がある。
 大山(岡山と鳥取の境にある山)は活火山ではないが、6万年前と3万年前に噴火している。
 グリーンランドの大陸氷河(氷床)のコアには北半球の各地の火山噴火による火山灰が残っている。
 この記録から、過去2,500年の気候変動の復元ができる。
 大きな噴火があると、気温が下がる。
 火山噴火後の15年には大きな気候変動がある。
 しかし、この2,500年間でVEI7レベルの噴火はない。
 VEI8のレベルをスーパー火山噴火と呼ぶ。
 このレベルのものは7万年前のインドネシアのトバカルデラの噴火が該当して、噴火堆積物が2,800㎞3と推定されている。
 この噴火により、人類は数千人程度まで減って絶滅の危機を迎えたのではないかという説もあるが、論争中である、と説明した。

 (10)では「巨大山体崩壊と流域地形環境変化」というタイトルで、日本地理学会の須貝氏が講演した。
 巨大山体崩壊について説明する。
 巨大山体崩壊はここ100年日本では起きていない。
 巨大山体崩壊低頻度巨大複合土砂災害である。
 どのくらい崩れるか。
 島原の例がある。
 1888年の磐梯山の例もある。

R2-3-29R1 図16 会津磐梯山山体崩壊 鈴木氏.jpg
         図16 磐梯山の山体崩壊の例

R2-3-29R1 図17 山体崩壊分類 鈴木氏.jpg
         図17 崩壊規模による分類

 成層火山の巨大崩壊が起きる。
 どのくらいの体積量になるか。
 1E8m3(1億m3)のオーダーである。
 (筆者注:おおよそ500mの立方体の土砂を想像してみるとよい。)
 流動速度は破滅的な速さでは時速180㎞である。
 岩屑(がんせつ)なだれは破局的な流動速度で移動する高速地すべりである。
 世界の巨大崩壊は起伏の大きい断層等で多い。
 日本では9例あり、うち8例は成層火山である。
 前期型成層火山の例は富士山である。
 馬蹄形カルデラである。
 浅間山の馬蹄形カルデラもある。
 ここでは岩屑なだれが起きた。
 山体の復元をしてみる。
 40億m3の崩壊量と推定した。
 崩壊土砂の落差を表すL/Hという指標がある。
 Lは流走距離、Hは崩壊前後の高さの落差である。
 L/Hと崩壊体積は比例する。
 浅間山ではL=90㎞、H=2.9㎞でL/H≒30であった。
 崩れた土砂は幅が狭いと遠くまで流れていく。
 山体崩壊は地震で起こる。
 海に落ちると津波ができる。
 山ではダムが出来、大規模な土石流となる。
 ほとんど天然ダムを作り、後年決壊して大被害を及ぼす。
 広島で2014年に土砂災害が起きた。
 谷口から土石流が落ちた。

R2-3-29R1 図18 山体崩壊と地形変動 鈴木氏.jpg
         図18 地形変動の連鎖

 防災への示唆では①いつ、②どこで、③どの程度の規模で崩れ、④どこまで流走するか、である。
 ①では1億m3を超える巨大山体崩壊は過去400年に8回起き、50年に1度の頻度であるが、過去100年以上発生していない。
 ②では前期型成層火山で起きやすい。
 ④の流走では八ヶ岳、浅間、御岳山で50~150㎞となった。
 防災教育が大事になる、と説明した。

 (11)では「十和田火山における想定大規模噴火と社会対応の問題点」という日本地質学会の林氏が講演した。
 十和田火山噴火について述べる。
 日本史上最大の火山噴火である。
 ハザードマップ、避難、救助、復興について話す。
 この噴火は十和田湖より17㎞離れたところで起きた。
 1万5千年前に巨大火砕流が起きた。
 915年にも噴火している。
 VEI5、VEI7の100分の1である。
 小説「死都日本」は火山小説で、著者の石黒輝氏は火山学者で心理学者である。
 火山災害の特性は頻度は低いが常識をはるかに超えて、避難行動に結びつきにくい、長期化、前兆がある。
 915年に起こったかは論争がある。 
 火山灰は広く分布し、火山泥流は80㎞流れて日本海まで到達した。
 モンプレー火山では石造の建物が吹き飛ばされた。
 2万人で2人くらいしか生きられない。
 高速で、時速100㎞を超える。
 生存率はほぼゼロである。
 避難計画については、十和田のハザードマップは広い範囲を覆う。
 前兆段階で避難するか。
 どのくらいの住民が避難するか。
 20万人以上の避難が必要になる。
 警戒避難のジレンマがある。
 はっきりとした前兆がわからない。
 空振りのリスクもある。
 長期間の避難を余儀なくされる。
 1兆円くらいの費用がかかる。
 終わりが見えない。
 時間は数か月くらいか。
 助言した火山学者は非難される。
 救助計画ではヘリコプターが必要である。
 部分最適でなく、全体最適を目指す。
 強力なリーダーシップが必要になる。
 二次災害の防止がある。
 救出活動環境としてはヘリコプターくらいしかない。
 でもヘリも火山灰対策が必須である。
 復興計画では火山灰の処理、緑化、農地の回復などが必要になる。
 大潟村モデルがある。
 通勤農業を行っている。
 日本国の存続プランが必要になる、と説明した。

 この後、15分の休憩になった。

 15分過ぎても動画が動かない、と思っていた。
 でもこれは私のミスで、画面左上の更新ボタンを押していないと、次の講演の動画が出てこない。
 少し経って、それに気がつき、更新ボタンを押すと、次の講演が1つ終わっていた。
 でもこれはここでは飛ばす。
 (数理統計の北野氏、避難シミュレーションの有川氏、復旧戦略の西川氏の3人の講演を省略する。もし、興味がある人は防災学術連携体のHPにこれらの動画一式が載っている。)

 (12)では「ふくしま復興デザイン再考-原発事故被災地の10年目の今とこれから-」というタイトルで、日本地域経済学会の山川氏が講演した。
 福島復興について話す。
 原子力災害は次から次へと起こる。
 累積災害である。
 昨年まで被災地から避難所までの間に起こる第一次被害から、避難指示解除から特定復興再生の間に起こる第四次災害を話した。
 今日は第五次災害(特定復興再生からイノベ構想へ)について話す。
 復興の道筋はグランドデザインに基づく。
 避難指示は解除されたが、今地元は誰も入ってない。
 学術会議の提言に関わった。
 第一次から第四次災害は解決したのか。
 第五次災害はイノベーション構想である。
 ロボット等を扱う。
 汚染水問題が新たな風評被害を生む。
 イノベーション用工業団地と大規模農業の構想である。
 本当に復興につながるのか。
 2015年のグランドデザインがある。
 30~40年後の地域の姿を描いている。
 帰還する人、新しく入る人、ロボットや廃炉でどのくらい人が戻ってくるのか。
 2月時点で4分の3は戻っている。
 これは新しく入った人も入れている。
 帰還意向は変化した。
 子育て世代は帰らない。
 3割が別居、8割弱が別の場所に住む。
 年に1回程度帰っている人が多い。
 健康状態が厳しい。
 要ケア者がいる。
 高齢化が大きい。
 収入源として賠償金が大きい。
 補償の打ち切りなどが心配である。
 つらいことは地域の惨状、故郷の価値喪失である。
 廃炉産業で地元は4社のみ、と説明した。

 (13)では「大規模複合災害・巨大地震災害の全貌解明への取り組み」というタイトルで、土木学会の目黒氏が講演した。
 土木学会のJSCE2020防災プロジェクトについて話す。
 南海トラフ地震は1400兆円、首都直下地震では780兆円の経済損失が出る。
 過去の地震で、1755年のリスボン大地震があった。
 リスボン沖300㎞でM9近い地震が起き、その後の巨大津波でリスボン人口の3分の1(約9万人)が死亡した。
 1970年のインドのボーラサイクロンで、人口17万人のうち45%が死亡した。
 これはバングラデシュ独立の大きな原因となった。
 日本ではどうか。
 幕末・安政の複合災害(東海・南海地震、江戸地震、江戸暴風雨)で僅か2年の間に4回の巨大災害が起きた。
 東海・南海地震で、約3万人が亡くなった。
 江戸地震はM6.9と推定され、約1万人が亡くなった。
 その翌年に台風がやってきて、約10万人が亡くなった。
 人類は自分が想像できないことは考えない。
 様々な叡智が必要になる。
 3.11に直面して大きなポイントがあった。
 専門性と専門性のギャップのはざまである。
 土木学会は問い続けた。
 自分たちの学会はどうあるべきか。
 その中から、JSCE2015が生まれた。
 その中から重点的に取り組む事項として、JSCE2020が生まれた。
 国難災害については少数の専門性から幅広く連携する必要がある。
 今の課題は何か。
 今年から2022年までに災害の全体像を産官学で描く。
 日本学術会議とも連携する。
 被害の連鎖を明らかにする。

R2-3-29R1 図19 被害の連鎖 目黒氏.jpg
         図19 被害の連鎖の状況

 大都市災害課題マップを作る。

R2-3-29R1 図20 大都市災害課題マップ 目黒氏.jpg
         図20 大都市の災害課題マップ

R2-3-29R1 図21 原発災害課題マップ 目黒氏.jpg         
         図21 原発事故が引き起こす諸課題の例

 津波被災地に発現する課題をリストアップする。
 すべての事象で何が問題なのか。
 全国の地籍調査を行う必要がある。
 JSCE2020に是非協力していただきたい、と説明した。

 (14)では「国難となる巨大災害の事前対策」というタイトルで、日本自然災害学会の河田氏が講演した。
 巨大災害の事前対策について話す。
 40年ずっとやっている。
 政府に防災省を作って欲しいと言っている。
 わが国は起こってから反省して何かやるのは得意である。
 先行投資できない国である。
 国難は起こらないという正常性バイアスが存在する。

R2-3-29R1 図22 国難災害 河田氏.jpg
         図22 国難災害の例

 いやなことは起こらないことにする。
 阪神淡路大震災が起きて河田氏は反省した。
 社会に貢献できないことをやっても意味がない。
 首都直下地震、南海トラフ地震、東京水没の発生の可能性がある。
 結論としては、もし起こったら日本はつぶれる。
 お金がない、エビデンスがない。
 防災士は17万人いる。
 自助・共助で何ができるか。
 名古屋大学は名古屋の個々の企業に問いかけしている。
 世界で発生した革命や戦乱での犠牲者は三十年戦争で800万人、フランス革命で100万人だった。

R2-3-29R1 図23 革命戦乱の犠牲者数 河田氏.jpg
         図23 世界での革命や戦乱での犠牲者数

 キリスト教の中で殺し合いをやっている。
 貞観地震では約1,000人の死亡、応仁の乱で約3万人、関東大震災で約10万人である。
 外国に比べると、ほとんど死んでいない。
 太平洋戦争で約300万人、日露戦争で約10万人が死んでいる。
 こういうことを学校で教えない。
 熊本地震で対応した人員を首都直下地震、南海トラフ地震と比べると対応不能である。
 南海トラフ地震では避難所4万カ所必要になる。

R2-3-29R1 図24 熊本地震と首都直下地震の比較 河田氏.jpg
         図24 熊本地震と国難災害の比較その1

R2-3-29R1 図25 熊本地震と首都直下地震の比較2 河田氏.jpg
         図25 熊本地震と国難災害の比較その2

 国だけを頼りにしてはいけない。
 カスケード災害や複合災害も起きる。
 自助・共助しかできない。
 国はお金がないので、できない。
 国土強靭化のために3年間で7兆円使う。
 こんな額ではできない。
 停電が次の災害を起こす。
 東京は世界一魅力的な都市である。
 どうやってメンテナンスしていくか。
 米・ヒューストンのハリケーン・ハービーが襲った。
 この町は全米で第4位の高層ビルがある。
 年間雨量1,380㎜のものが、わずか5日で1,300㎜降った。
 去年の台風19号で荒川が危なかった。
 堤防はモナカ状態である。
 荒川が決壊すると、首都圏が多く水没する。
 荒川周辺の230万人がどうやって避難するか。
 レジリエンスという、被害を少なく、復興スピードを速くするようなことをしないといけない。
 復興庁の事業の精査を行っている。
 縮災という概念が必要である。
 災害文明の上に災害文化が乗るようなパラダイムシフトが必要である、と説明した。

 この後に質疑応答が会場の主催者、講演者だけで行われた。
 誰が何を言ったかは定かではない。
 発言の切れ端のみを書いてみる。
 レアケースとハードケースを探索して解決を目指す。
 法律には書かれていない(深く検討していない)ケースがある。
 なぜ書かれていないか。
 法律は一般的なルールであって、特殊なものは書かれていない。
 研究者は研究して社会を啓蒙する。
 国難という言葉が多く出てきた。
 国は当てにできない。
 公的はだめなので、自助・共助をもっと、ということである。
 戦争と自然災害の死者数というのは興味が湧いた。
 叡智を結集することである。
 今新型コロナウイルスでは何が起きているのかよくわからない。
 自助・共助の具体策は?
 米・EUでは国の施設は保険に入っている。
 日本はない。
 首里城は保険に入っていた。
 70億円で復旧できる。
 日本の保険会社は外資が入るのを嫌う。
 東日本大震災では29兆円使った。
 もうこれ以上の復旧はできない。
 公助はもう無理。
 不足分は自助・共助で補完する。
 防災ビジネスにすればいい。
 国際的なマーケットを作るべきである。
 低頻度ということが重要なキーワードである。
 優先順位が低い。
 何もしない。
 学術会議は何かを提言するのが責務である。
 防災をコストからバリューに、平時でも活用できるといえば、皆興味を持つ。
 貧しい人が災害に遭いやすい。
 税金を取って再分配している。
 低頻度は自助しかない。
 インセンティブベースでやる。
 得になるようなシステムにする。
 1,000年に1度のことを国が法律を作るのは難しい。
 人口が2100年で半減する。
 危険な場所から逃げるのはどうか。
 火山の備えはどうするのか。
 カルデラの噴火は手の打ちようがない。
 富士山の噴火も難しい。
 理不尽に死にたくはない。
 医療、福祉、防災の連携はできないか。
 台風で困難なのは伊勢湾台風並みのものである。

 最後に古谷氏があいさつした。
 低頻度を知らないふりをしても何も進まない。
 伊勢湾台風をイメージできればいい。
 3万年前のカルデラ、山体崩壊をイメージできれば一歩前進である。
 環境変化のモニタリングが必要である。
 二度あることは三度ある。
 防災に投資、企業のBCP(災害後の事業継続計画)も必要なことである、と言った。

 以上でこのネットシンポジウムは終了した。
 YouTubeで1,200人が視聴した、とのことであった。

 オーバーな事象なので、ちょっと一般の人に啓発というのは難しいかもしれないが、防災に関心を持つ人は最低限の知識だけでも知っておいた方がよいと思う。
 これからもこういうオーバーなシンポジウムに参加するかどうかは微妙だが、できるだけ参加してみたいと思う。

<日本学術会議公開シンポジウム/第9回防災学術連携シンポジウム>
「低頻度巨大災害を考える」
1.日時:2020年(令和2年)3月18日(水) 12:30~17:30
2.会場:日本学術会議講堂からインターネット中継
3.主催:日本学術会議 防災減災学術連携委員会、土木工学・建築学委員会 低頻度巨大災害分科会、防災学術連携体(58学会)
4.プログラム
 12:30  開会挨拶 日本学術会議会員、防災減災学術連携委員長 米田雅子
 12:32  来賓挨拶 内閣府 防災担当政策統括官 青柳一郎
 12:35  趣旨説明 日本学術会議連携会員 防災学術連携体運営幹事 和田 章

 12:40  第1部
  (1)「我が国の近年の極端気象と地球温暖化」防災減災学術連携委員会 中村 尚
  (2)「低頻度巨大災害分科会の活動」低頻度巨大災害分科会委員長 寶 馨
  (3)「南太平洋島嶼国を対象とした沿岸域防護のためのモニタリング」日本リモートセンシング学会 桑原祐史
  (4)「近年の台風から見た低頻度巨大災害」 日本気象学会牧原康隆
  (5)「わが国における竜巻の実態とその観測」 日本風工学会小林文明
  (6)「千島海溝で発生する巨大津波」日本地震学会 岡村行信
  (7)「都市域に伏在する活断層と地震災害」 日本活断層学会石山達也
  (8)「火山が起こす低頻度巨大災害」 日本火山学会山元孝広
  (9)「過去200万年間における極低頻度巨大噴火の歴史と自然環境へのインパクト」日本第四紀学会 鈴木毅彦
  (10)「巨大山体崩壊と流域地形環境変化」日本地理学会 須貝俊彦
  (11)「十和田火山における想定大規模噴火と社会対応の問題点」 日本地質学会林信太郎

 15:25-15:40 休憩

 15:40  第2部
  (12) 「ふくしま復興デザイン再考-原発事故被災地の10年目の今とこれから-」日本地域経済学会 山川充夫
  (13)「大規模複合災害・巨大地震災害の全貌解明への取り組み」土木学会 目黒公郎
  (14)「国難となる巨大災害の事前対策」日本自然災害学会 河田惠昭

 17:25  質疑応答、総合討議

 コメンテーター
   三木浩一(日本学術会議会員、防災減災学術連携委員会副委員長)
   平田 直(日本学術会議連携会員、地震調査委員会委員長)
               
 17:55 閉会挨拶 防災学術連携体代表幹事 日本建築学会前会長 古谷誠章
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -  
5.切り口
 低頻度巨大災害に関わる自然事象の発生可能性と社会への影響について、以下のような低頻度巨大災害の例示に対して、防災学術連携体を構成する57学会、及び防災減災学術連携委員会の委員から19の重要な発表課題が提案された。
 これらを自然災害種別テーマと様々な切り口からのテーマの2つに分け、さらに質疑・討論を加えてプログラムを構成した。

 可能性のある低頻度巨大災害
・ 巨大地震(極大地震動、巨大津波を含む)
・ 巨大台風(高潮、強風、豪雨、大規模地盤崩壊などを含む)
・ 火山の大規模噴火
・ 地球温暖化による海面上昇
・ 巨大竜巻
・ 熱波・寒波・干ばつ・大雨
・ 宇宙飛翔体衝突
・ 事象の組み合わせ(例えば巨大台風+大地震)

6.概要
 われわれは、地震や台風、火山噴火など、地球規模の物理的な営みの影響を受ける環境の中に暮らしている。
 地球の営みは人間の一生よりもはるかに長いスケールで変化・変動しており、人類が地球上に現われたのちに注目しても、記録が文書に残されるより以前から、われわれの祖先は多様な自然災害に見舞われながら生きていたはずである。

 本シンポジウムでは、現在の社会の構築、構造物の設計や防災活動において、一般的に想定している自然外乱よりも、発生頻度は低いが、もし発生するとわれわれの社会に非常に大きな影響を及ぼし国難級の被害となる巨大自然災害を対象として議論したい。
 これらの中には防ぐことが極めて困難な災害も含まれると予想されるが、学術分野として躊躇することなく、これらの発生の可能性を把握しつつ、取組みの方向性を考えておく必要がある。
 この低頻度巨大災害を引き起こす極端な自然事象の発生の可能性を、現在までに得られている科学的知見に基づき、理学系各分野の専門家より解説していただき、これらが社会に及ぼす影響について工学系、および人文・社会科学系の各分野の専門家より発表していただく。
 これらをもとに、今後の学術分野における取組みの方向性を議論する。

7.補足
 本シンポジウムは定員を超えたため、2月25日に申し込みを終了しましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を考慮し、発表はインターネット中継によって公開し、日本学術会議へのご来場はお断りすることにしました。
 インターネットでの閲覧は、3月18日に準備が整い次第、以下よりアクセスしてください。(筆者注:ネットのYouTubeで、このネット講演がすべて公開されている。以下のURL参照。3/29に確認)

 https://www.youtube.com/playlist?list=PLlC1hpXv6lEn1mLSHfpjoTcENjEEyYiyC

 (なお一部筆者が聞き逃したテーマが数点あり、それについてはプログラム上から削除している。もし興味がある人は上記のURLにアクセスすればすべての講演を聞くことができる。)
 -以上-

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