ダイオキシン・廃プラスチック報告会に参加

 ダイオキシン・廃プラスチック報告会(10/20(日))に参加した。

 10月4日(金)に江東・生活者ネットワークより上記報告会の案内メールが来た。
 同ネットワークは江東区で生活関連の活動を展開しているグループで、区議会議員を会員交代制で出しているグループである。
 以前何かの勉強会で参加したことがあったので、その関係からメールが届いたのであろう。

 廃プラスチックについては、今海洋汚染で国際的に問題となっていることもある。
 以前江東区の健康関係のパブリックコメント募集の時にマイクロプラスチックの汚染について濃度測定するようコメントを出したが却下された。
 またダイオキシンも最近はあまり騒がれていないが、モノを燃やす時に出てくるものであり、学校の焼却場等はこれが原因で使われなくなったように記憶している。
 これらの問題点の情報収集しておくことも必要と考えて、10月11日(金)に参加申し込みのメールを送った。
 1週間遅れたのは、義父宅で東京の自宅のメールを読んでいたので、東京に帰って、自宅に置いてあった手帳のスケジュールを確認して出したと思う。

 10月20日(日)当日の午後は晴れていた。
 途中でペットボトル500mlのお茶を買っていったが、会場にもペットボトルのお茶が置いてあった。
 会場の受付で名前をいうと、登録されていた。
 この時はいつもドキドキする。
 もし登録漏れしていたら、と思うのである。
 席に座ると、資料とペットボトルのお茶500mlが用意されていた。
 鉛筆も簡単なものが用意されていて、報告会終了後にアンケートと一緒に回収された。
 プログラムは末尾に添付する。

 はじめのことばとして、前区議会議員の図師女史があいさつした。

 次に「松葉のダイオキシン・重金属調査 江東区の結果報告」というタイトルで、西山女史が説明した。

 ダイオキシンとは、会場においてあった資料によると、毒性が強く、脂肪等に溶けやすい有機塩素系化合物である。
 塩素を含む物質の不完全燃焼で発生し、主な発生源はごみの焼却といわれている。
 焼却の煙が雨で土壌に落ち、それが雨で流れて海の中で魚に蓄積するので、魚を多く食べる日本人に影響が大きいと言われている。

 2008年から廃プラスチック焼却でダイオキシンの発生が危惧されて、西山女史のグループ等がダイオキシン類の調査を行ってきた。
 2010年から重金属類の調査も行っている。

空気には壁がないR1 R1-11-3.jpg
         図1 松葉のダイオキシン濃度報告の表紙

ダイオキシン濃度分布1 R1 R1-11-3.jpg
         図2 松葉に含まれるダイオキシン濃度1

ダイオキシン濃度分布2R1 R1-11-3.jpg
         図3 松葉に含まれるダイオキシン濃度2

松葉に含まれる重金属濃度分布1R1  R1-11-3.jpg
         図4 松葉に含まれる重金属濃度比較

松葉に含まれるPAHs濃度1R1  R1-11-3.jpg
         図5 松葉に含まれるその他の毒性物質

 重金属は焼却炉で燃やされる廃プラスチックの中の可塑剤・難燃剤・発色剤等に含まれている。
 重金属類は発がん性や催奇形性等の生体にへの影響が懸念されている。
 日本では重金属の排ガス中の規制値は定められておらず、測定の義務もない。
 ダイオキシンの濃度については毒性当量TEQ(Toxic Equivalent)で表し、大気でpg-TEQ/m3、土壌ではpg-TEQ/gで、一例としては江東区の2016年の土壌汚染値で2pg-TEQ/gで、環境基準値を大きく下回っている。
 しかし、全体としてみると、EUの10~100倍のようである。
 西山女史の説明では2018年には1.5くらいに下がっている。
 また重金属のヒ素、カドミウム、水銀等の濃度は江東区で3~6μg/gで、他の区は2μg/g以下と比べると若干高い。

 次に「プラスチックごみから見えること 捨てないためにできること(プラごみ削減)」というタイトルで、容器包装の3Rを進める全国ネットワークの中井女史が説明した。
 最初にクイズということで、日本には自動販売機は何人に一台か、ということが出された。
 正解は50人に1台ということで、日本は自販機大国である。
 自販機ではペットボトル等のプラスチックが大量に販売されている。
 2015年の世界のプラスチックゴミは3億8千万トンであり、そのうち800万トン以上が海に流れ込んでいる。
 日本人は1人年間32㎏の廃プラスチックを出している。
 これは世界第2位である。
 第1位はアメリカである。

 持続可能な循環型社会のためのハーマン・ベイリーの3条件では、森の資源の生産と消費、石油の消費と代替エネルギーの生産、汚染物の排出と浄化のバランスがうまく取れれば、成立する。
 3R(Reduce:減らす、Reuse再使用、Recycle再利用)によって、資源の利用速度を減らし、汚染物質の排出を減らすことが必要である。

 総リサイクル費の80%以上が税金である。
 平成17年度の廃棄物の分別収集に1700億円、選別・保管に1300億円、計3000億円、事業者の再商品化費用が約500億円である。
 廃プラスチックの回収の伸び悩みの原因は自治体の負担が重いからである。
 ゴミ発電してもCO2排出が多くなる。
 東京都は2008年からプラスチックゴミを埋め立てから焼却へ転換した。
 そのためにCO2排出量が2017年は2000年に比べて47%増加した。

 海洋のマイクロプラスチックについては、環境省のデータを参照する。
  (マイクロプラスチックとは1㎜以下のプラスチックの破片を指すことが多い。普通のプラスチックが紫外線等でバラバラになったものや工業用の研磨剤、化粧品の中に微小な粒子として入っている。これらの微粒子はPCB等の有害物質を吸着しやすく、これらのマイクロプラスチックを取り込んだ貝や魚等を人間が食べると健康に影響があると言われている。:筆者注<wikipediaより抜粋要約>)

 日本周辺のマイクロプラスチックは北太平洋の16倍、世界の海の27倍である。

2019-02-28_15h42_48 海岸のプラゴミR1-11-1.jpg
         図6 漂着プラゴミの一例
 
 漂着ゴミは日本海側は中国や韓国のものが多く、太平洋側は日本のものである。
 海域別マイクロプラスチック個数は日本周辺海域で172万個/km2、世界の海で6万個/km2、瀬戸内海で約7万個/km2である。
 貝は100%マイクロプラスチックが検出されるし、魚のはらわたにも多い。
 フランスは必死で取組を進めている。
 フランス人はムール貝が好きだからである。
 世界経済フォーラム(ダボス会議2016)で海洋ごみに関する報告書が発表され、毎年少なくとも800万トンのプラスチックゴミが海に流出しているので、海への流出防止対策が急務とされた。
 東京都も啓発ポスターを都営地下鉄の駅や車内吊り広告に掲示している。
 東京のポイ捨てが太平洋の海ゴミになっている。
 東京湾内で、レジ袋等のポリ袋、ペットボトル、食料缶、発泡スチロール等の生活系ゴミが半分を占めている。
 神奈川県はSDGsの推進に向け、「かながわプラごみゼロ宣言」を発表した。レジ袋やプラスチック製ストローの使用廃止等を進めている。
 これは湘南海岸を持っていることが大きい。
 鎌倉市も続いて宣言を出した。
 ペットボトルの使用制限、マイボトル、マイバッグ、マイ箸等を推進している。
 京都府亀岡市、大阪府、大阪市、栃木県も続いている。

 東京荒川で毎年100か所以上の会場で実施したゴミ拾いの結果、ペットボトル35,000個、ポリ袋2万個、食品プラスチック容器2万個等があった。
 EU議会やカナダも2021年までに使い捨てプラ製品の禁止を発表した。
 EUの加盟国に対し、2029年までに使い捨てのプラスチック製飲料ボトルの90%以上の回収を義務づけた。
 リサイクルのためにはリサイクル費を商品価格の中に入れておき、消費者負担とするのがよい。

 昨年のG7カナダサミットではリサイクルの数値目標を含んだ「海洋プラスチック憲章」が示された。
 しかし、日本は「産業界との調整不足」として米国と共に署名せず、対策が進むEUとの差が浮き彫りになった。
 2017年末の中国の廃プラ輸入規制を受けて、日本はプラスチック資源循環戦略素案を策定した。
 主な内容はレジ袋有料化、使い捨てプラスチックの25%削減、リサイクル率100%等である。
 3R全国ネット等の市民団体等もレジ袋有料化、、街中に給水スポット等の提言を出した。

 世界的な企業の動きとして、コカ・コーラはペットボトルの回収・リサイクル、ケンタッキー・フライド・チキンはプラ製ストロー廃止、セブンイレブンは2030年までにレジ袋全廃等に動いている。

 私たちは戦後の高度経済成長により物質的には豊かになったが、大量生産・大量消費の結果、ゴミ問題を引き起こした。
 国は1995年に容器リサイクル法を制定して一定の成果を得たが、リサイクルが停滞し、深刻な海ゴミ問題を引き起こした。
 今後容器リサイクル法を2R(リデュース、リユース)に改正し、廃棄物の大幅に削減する必要がある。
 私たち自身も大量生産依存型社会でなく、持続可能な循環型社会への転換を目指さないといけない。

 わたしたちにできることは、
 (1)使い捨てプラスチックは買わない・もらわない
 (2)マイボトル、マイバッグ持参
 (3)レジ袋有料化やノートレイの推進
 (4)リサイクルできるものは分別して出す
 (5)街や川・海のゴミ拾いをする
等があるのではないか、ということを説明して講演は終わった。

 この後、質疑応答となった。
 私はダイオキシンにしろ、マイクロプラスチックにしろ、客観的な規制基準値が必要なのではないか、もし規制基準値以内に収まっているのであれば、必要以上に恐怖を煽っているだけなのではないか、と聞いた。
 多分そういう規制値はあるはずなのであろうが、2人ともそうした考え方になっていないように見えた。
 最後に現在の江東区議会議員の千葉女史があいさつして、この報告会は終了した。

 私自身、シンポジウムに参加する時など、必ず途中で自販機やコンビニ等でペットボトルのお茶500mlを買って行くので、ちょっと耳が痛い部分があった。
 今回の報告会でも会場でペットボトルのお茶を飲んでいた。
 もし、これがこれからの問題としてあるのであれば、マイボトルを検討していかないといけないかと思った。

 ただ、この報告会の主催者たちも、ただ単に不安をあおるのではなく、もっと科学的な視点(国際的な規制値や基準)をもって、これらの測定データの解釈をするべき、と思った。
 もっとも私はこうしたこと等を会社員時代に多く経験したから言えるのであって、こうした経験のない人には難しいことなのかもしれないと思った。

 これから多くの場でこうした議論をしていく上で必要なことなので、科学的な考え方の勉強会等を開いてはどうかと思う。
 ただ、プラゴミの情報については私もかなり知らなかったことが多かったので、その点では参加してよかったと思う。

 これからもこうした会に参加して、科学的な視点でコメントしていきたいと思う。


<2019年松葉のダイオキシン・重金属調査 江東報告会>
 廃プラスチック、燃やして大丈夫!?~廃プラ焼却の問題点
 1.日時:2019年(令和元年)10月20日(日)14:00~16:00
 2.会場:江東区総合区民センター第一会議室(6F)
 3.参加者:江東区民
 4.主催:生活クラブ運動グループ江東地域協議会
 5.賛同:23区南生活クラブ生協 まち江東、江東生活者ネットワーク、NPOまちづくり研究舎、NPOエコメッセ江東
 6.プログラム:
  14:00 はじめのことば 図師和美
  14:05 松葉のダイオキシン・重金属調査 江東区の結果報告 西山恵美
  14:20 プラスチックごみから見えること 捨てないためにできること(プラごみ削減) 中井八千代
  15:50 質疑応答
  16:00 おわりのことば 千葉さきえ

 -以上-

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