前立腺がんの放射線治療終了と経過まとめ等(その1:経過概要)

 前立腺がんの放射線治療が4月15日に終了した。

 治療の一区切りであるので、今回の前立腺がんの放射線治療の経過や気付き事項等をまとめておいた方がよいと思うので、ここにまとめておく。

 その1では放射線治療のおおよその経過を説明する。
 その2では放射線治療に関係した諸々の事項について思いつくままを書いてみる。

 そもそもの発端は人間ドックである。

 人間ドックで前立腺がんの疑いありとなって、R病院で生検(精密検査)でがん発見、そしてその治療として、国立がん研究センターで放射線治療という経過となった。
 これらをまとめたのが図1である。

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         図1前立腺がんの発見から放射線治療までのおおよその経過

 人間ドックの病院は泌尿器科は他の病院から週に何回か訪問という形で、専門の医師がいない状態であった。
 だから前立腺のことでも、MRI検査の段階までしかできなかった。
 この時に来ていた医師がR病院所属だったので、R病院に転院して精密検査(生検)を受けてみてはどうか、と言われた。
 そのための紹介状はその医師が書いてくれた。
 それをもって、R病院に行くと、そこでもX線検査や心電図等のベースとなる検査を受けた。
 その後に3日入院して、生検(精密検査:注射針のような機器で肛門から前立腺に向けて、瞬時にサンプル採取して12か所のサンプルを取った。)を行った。
 その結果、12サンプルのうちの1サンプルがガンと確認された、と告知された。

 その次にはガンの転移があるかどうかを確認する検査を3つ行った。
 前立腺がんは骨とリンパ節に転移しやすいので、それらの部位を造影剤を用いたCT、MRI、骨シンチグラフィで検査した。
 その結果、がんの転移はない、ということがわかった。

 次は治療法であるが、R病院では前立腺全摘を勧められた。
 前立腺は摘出しても身体に支障はない、とはいうものの、全摘に尿漏れがあるらしいことがわかった。
 おそらくボウコウ制御の筋肉か神経の損傷による、ということではないかと思っている。
 これは嫌だということで、30~40日の放射線治療をしたい、と言った。
 でもR病院だと通院が片道1時間半以上かかって大変なので、東京に転院したいというと、国立がん研究センターに転院となった。
 転院用のデータとして骨シンチグラフィ等のデータはCDでもらった。
 また、生検のサンプルももらった。

 国立がん研究センターに行くと、一応CDと生検サンプルは渡したものの、やはりX線検査、血液検査や心電図等の基礎的な検査は初日にR病院と同じように行われた。
 ここでは、治療法として、ホルモン療法と放射線治療の併用を勧められた。
 しかし、ホルモン療法は男性の更年期障害やうつ症状の発症のおそれがあるらしいので断り、放射線治療のみとした。

 放射線治療は強度変調の放射線を照射するIMRTと希望したら、その進化形のIGRT(事前にCTで患部を確認してから放射線照射する手法)を勧められた。
 これは受けることにした。

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         図2 放射線治療IMRTの概要(東京放射線クリニックのHPより抜粋)

 そのために放射線治療の準備として、体内に金属製のマーカーを挿入し、直腸の被ばく防護のためにスペースOARシステムというゼリー状のものを注入した。
 この後、MRIとCTによる放射線治療シミュレーションを行った。
 また、治療中に動かないように、治療用固定具の型枠(腰から下を固定するもので、紙粘土のような材料を使っていた)を作った。

 それが終わると、専門の看護師による注意事項や不安相談の説明があった。
 入浴はOK、治療部位に付けたマーク(マジックインクで十字型の印をヘソの上1か所、左右の腰骨下部辺りに1か所ずつマーキング)を消さないように、全身的な副作用で疲れやすいことや、食欲がなくなることがある。
 炎症としては、治療2週間後くらいに発現する。
 皮膚炎で皮膚がかゆくなることもある。
 下痢、便秘、ボウコウ炎になる人もいるので、そういう場合は相談して欲しい、とのことであった。
 私はこうしたことは放射線の副作用として放射線生物学等の講義である程度知っていた。

 2月14日から、ウィークディはメンテナンス日2日と春分の日の祭日1日を除いて、毎日午後に放射線治療を計40回行い、4月15日(月)で終了した。

 毎日のパターンは以下の通りである。
 会社に行く時と同じスーツとYシャツ、上からコートを着て、マスクをかける、というスタイルで身支度をした。
 午後1時半くらいに家を出て、途中で500mlのペットボトルのお茶(綾鷹)を買った。
 定期券を使い、築地駅で線量計の電源をONにして、各所の線量率を測った。

 2時半前に病院に着く。
 病院に着いて、受付機に診察カードを入れると、診療計算カードが出てくる。
 これを備え付けのファイルホルダーに入れる。

 地下2階にエレベータで行く。
 地下2階の窓口で診療計算カードを出すと、ここは無人でなく、受付係の人がいて受付をしてくれる。
 受付係から⑨のリニアック(放射線照射機器)室の部屋に行ってください、と言われる。
 それからトイレに行き、300mlのお茶を飲む。
 通院だと、3時半前までにそこに行けばいいのだが、放射線照射前の条件を変えると、蓄尿等に影響が出ると思い、できるだけ2時半にはリニアック室の待合室にいて、そこで1時間読書やゲームをしながら待っていた。

 3時半に受付番号を呼ばれ、更衣室で検査着(パジャマズボンのみ、上は肌着のまま)に着替えた。
 貴重品はバッグに入れて照射室まで持っていった。

 診療台に上がる前に名前を確認する。
 台に上がると、蓄尿の程度を超音波機器で測定する。
 蓄尿が十分であればそのまま放射線治療に入る。
 もし不十分であれば、30分から1時間待たされる。
 また、便は逆にあるといけない、とのことで、もし溜まっている場合は排便後に再度蓄尿して放射線治療ということになる。
 蓄尿排便OKであれば、身体固定用型枠を敷いて、身体を固定する。
 それから、CTを使って患部の位置を確認する。

 数分で確認してOKであれば、放射線治療が開始される。
 放射線治療はガントリー型と呼ばれる門型の機器がヘソの周辺辺りを主に270度くらい動いて、放射線照射を行う。
 放射線技師の話では15MevのX線とのことである。
 毎回数分の回転しながら強度変調照射を行い、被ばく線量は1回2Gy(グレイ)で、合計80Gyの放射線被ばくを受けたことになる。

 この放射線治療の40日間で、蓄尿は14回失敗した。
 また排便が必要、との指摘を受けたのが2回である。
 これらの時には通常放射線治療は3時半に始まり、4時頃には終わるものが、4時半、5時になる時もある。
 また毎週木曜日には放射線治療だけでなく、I医師の面談がある。
 これは放射線治療の途中に、何か異常があるかどうかの確認や患者の不安を軽くするために行っているようである。

 30分くらいで1回の放射線治療が終わると、まずトイレに行って溜まったおしっこを出した。
 それから待合室で、ペットボトルのお茶の残り200mlを飲んだ。
 地下2階の受付に行き、診療計算カードを出した。
 まとめ払いとしていたので、通常の会計清算はなく、そのまま診察カードを返されてその日の手続きはすべて終りであった。

 月曜のみは、その前の週1週間の治療費を会計窓口または会計用清算機でまとめて払うというものであった。

 病院の1階で、果物と野菜のジュースのミニットメイド280mlを飲んだ。
 水分補給は放射線治療後に約500ml、家に帰ってから、果物のリンゴやミカンを食べ、そしてコーヒーを飲んだ。
 放射線治療は言ってみれば、強度の日焼けのようなもので、治療に使うX線は紫外線の10万倍のエネルギーがある。
 そのため、表面の皮膚だけでなく、内部の器官・組織まで日焼けする。
 夏の終わりの日焼けの場合を思い出すと、のどがよく渇いたので、水を飲んだ記憶がある。
 また、皮膚だけでなく、内部の器官・組織まで日焼けしているので、これらを修復するために、細胞を作るための栄養分として、葉酸、ビタミンC、ビタミンEがある。
 これらを豊富に摂取していれば、放射線に対する副作用をある程度抑えられるはずである、と思っている。

 放射線治療最後の日の4月15日(月)は放射線治療に関係した放射線技師の方たちにお礼を言った。
 でも彼らからはこれから2週間くらいは放射線治療の影響が出るかもしれないので、注意するように言われた。
 体幹に書いたマーキング付近はかゆくてもあまりかかないように、皮膚が弱くなっているかもしれない、お風呂でもゴシゴシしないで、ゆるく洗うように、とのアドバイスを受けた。

 これより前の4月11日(木)には午前に血液検査があり、その後にM医師の診察、昼食はコンビニのおにぎりを2個病院に来る前に買っておいたので、1階の待合室でそれを食べた。
 その日の午後から放射線治療、その後にI医師の面談と4回の出来事があった。

 午前の血液検査では前立腺がんの目安のPSA値が4のままでがっかりした。
 M医師は3か月後の7月に再度血液検査と診察をしたい、ということで、7月18日(木)AMとした。

 午後のI医師の面談でPSA値が下がっていないのでがっかりした、というと、放射線治療ではそんなに早く結果は出ない、ホルモン療法ならばすぐに出る、とのことであった。

 今放射線治療を終ってホッとしている半面、これから放射線治療の効果が出るのか、また今後副作用として、ボウコウがん、直腸がん等の別のがん発生の可能性もあるので、安心というわけにはいかないようである。
 今後も栄養に注意して、無茶な生活をしないようにして、前立腺がんが退治されることを願っている。
  -以上-

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