可視化シンポに参加

 可視化シンポ(12/15(土)PM)に参加した。

 12月は前立腺がんで治療の予定だったので、予定は何も入れないつもりであった。

 しかし、12月11日の国立がんセンターでの再面接でセカンドオピニオンの結果として、ホルモン療法&放射線治療という、R病院とはまた違った療法を提案された。
 考える時間を欲しいということで、回答は来年1月中旬にしてもらった。

 ホルモン療法は前立腺がんの原因となる男性ホルモンを抑制するので、男性の更年期障害が起こると説明された。
 更年期障害は亡妻もかかって苦しんでいた記憶がある。
 顔のほてりや精神的に不安定になること等らしかった。
 TBSの「クイズダービー」の名回答者で知性的だったはらたいら氏が男性に珍しい更年期障害になっていたらしいことをボーリングクラブの仲間のN氏に教えてもらった。
 そのN氏も同じ症状で苦しんだらしかった。
 来年に答える時は放射線治療のみにしてもらうつもりであるが、ホルモン療法について、もう少し検討してみるつもりである。

 さて、12月の放射線治療がなくなったので、11月に日本学術会議HPで見ていた掲題のシンポジウムに参加しようと思った。

 可視化というテーマは原子力を理解する上で重要な項目である。
 放射線が目に見えない、それを見るための工夫として、霧箱や泡箱(霧箱と似た原理で、液体水素の上を通る素粒子の飛跡が泡の粒の凝集で見える)を使っていることもあり、また最近ではガンマ線を見る工夫としてガンマカメラが開発中であり、原子力学会の春秋の大会で発表されたりしている。

画像

         図1霧箱の状況(東京都市大学の実験より抜粋、白い線はα線が飛んでいる飛跡)
 
 可視化の研究の傾向を見ていくのにはよい機会である。 
 また、事前のポスターを見ると、ブレークスルーなる言葉が使われていて、この業界も新たな動きを模索していることがみて取れた。

 事前申し込み不要で無料を確認していたので、当日会場に行った。
 受付で名刺を渡すとプログラムのみくれた。
 プロジェクターで見るOHP資料はなかった。

 最初の開会挨拶で、京都大学の小山田氏は過去に2回シンポジウムを開いている、小委員会から分科会に格上げ、という説明をした。
 ただ可視化は議論はいろいろしているが、統一的なものがない、世の中への公表のミッションがある日本学術会議としては色々な提言をしているが、この提言の可視化をしろ、との要求もあって、難しい課題であるとのことであった。

 次に、趣旨説明を立命館大学の田中氏が行った。
 小委員会としてのテーマが2つあり、一つは新パラダイム(新しいモノの見方・捉え方)の創生であり、もう一つはIct時代の分離・融合である。
 これらのテーマについてのヒントを見つけたい。
 学術会議の方からは国連の持続的研究開発目標SGD’s(貧困をなくそう、教育を受けること、海や陸の豊かさを守る、気候変動対策、エネルギーをみんなにクリーンに、等)と結び付けられるものを見つけて欲しい、との要望もあったらしい。

 最初の講演(1)は「Emerging Visualization Research Directions」(可視化研究の方向性)というタイトルで、カリフォルニア大学のMa氏が講演した。
 彼は韓国系の人であったが、全部英語で講演したので、詳細はよくわからなかった。
 スクリーン上の資料から概要を推定した。
 どうも核融合や超新星爆発のシミュレーション等科学の王道の可視化をしていた。
 また、大型計算機(スパコン)として日本の「京」や中国の「神威」等を使った膨大な計算の可視化で、天候予測や新薬合成等のシミュレーション等科学的な可視化もやっていた。
 この他、珍しい視点では、教育における可視化ということで、博物館に来る子ども向けの説明、例えばプランクトンの系統の説明やDNA解析、地域分布等を行うディスプレイ等を構想していたようである。

 (2)では「文化遺産の記録と再現-『コト』のディジタルアーカイブ-」というタイトルで、 立命館大学の八村氏が講演した。
 八村氏は京大卒で、元々画像処理が専門であった。
 医学との連携で心臓の拍動を見たりする3Dの処理等を行っていた。
 文化遺産との付き合いは最初に勤めたのが国立博物館だったことによる。
 アートリサーチセンター、デジタルアーカイブとして、芸術系の研究センターで文理連携の仕事をした。
 デジタルアーカイブとして、文化財の情報をビジュアルにできないか、ということから、無形文化財や伝統工芸を残そうと思い、能・歌舞伎にも手をつけ、浮世絵や陶磁器にも広げていった。
 京都アートエンターテインメント創成研究を始めたが、当初はそんな文理融合研究等うまくいった試しがないと言われた。
 ただ、京都はオムロンや島津製作所など新しいものを作りだす気風があった。
 次に海外展開、学生への教育、等でデジタルヒューマニティズ(Ictによる人文科学)を始めた。
 研究者がタコつぼ化しないで、Web上で議論したり、コメントを書き込んだりするもので、海外からの反響も多かった。
 文化財のデジタル化ではバーチャル山鉾巡行というような画期的な作業もした。
 町の様子などは実際撮影してきたものを細かく貼り付けたようである。

画像

         図2 デジタル山鉾巡行の状況
 
 (3)では「可視化を考える際の認知心理学的制約」というタイトルで、東北大学の行場氏が講演した。
 人間の見る錯覚に関する説明のようであった。
 加齢とともに視野が狭くなる、ゲシュタルトの法則という7つの人間心理を見抜いた法則等が説明された。
 また、図地反転、marroquin図形、等心理学的な用語がたくさん出てきた。

画像

         図3 ゲシュタルトの法則の一例(1):対象の法則

画像

         図4 ゲシュタルトの法則の一例(2):閉合の法則

 後でインターネットで調べてもうまく出て来なかった。
 ウォーリーを探せ、等の絵は単純であったが、この中でウォーリーを探すのは大変そうである。

 変化盲(変化に気がつかないこと)、アイコニックメモリ(数10秒残るだけの映像記憶)、クレペリン検査(延々と簡単な足し算を行っていくことで就職試験等で使われるらしい:後日調べたこと)、視覚的注意能力の発達と性差では女子の方が成長が早いこと等を説明していた。
 これで何がわかるのだろうと不思議な思いで聞いていた。

 この後に、(4)パネル討論「日本発の可視化研究ブレイクスルーに向けて」となった。

 ここで質疑応答があったので、2点質問した。
 私は放射線の可視化に関心があるので参加した。
 今前立腺がんになっている。
 その過程でMRIやCT等の身体の中の輪切りデータはよく見るが、これをトータルの画像としてインフォームドコンセント等に役立てられないか、また住んでいるマンションの老朽化が進んでいるが、この骨材のように見えないところの見える化はできるか、また地盤等はボーリングデータ等が部分的にはあるが、全体としてみるようなシステムはできないか聞いた。

 2番目として、私は江東区のユニバーサルデザインワークショップに参加している。
 行場氏の認知科学を聞いていて、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れられるのではないかと思ったがどうか、と聞いた。

 1番目の質問には今その方向で研究は進んでいると思うと回答があった。
 2番目についてもユニバーサルデザインの考え方を取り入れるのは面白いかもしれない、というような回答だったと思う。

 本当は国連の研究開発目標SDG’sの中に、このユニバーサルデザインの考え方を取り入れた可視化を考えてはどうか、と質問したかったのであるが、どうも言葉足らずだったように思う。

 また可視化したいものとして、日本海溝の1万m付近等の深海全体マップ、マントル等の地球中心の超音波などを使った構造の可視化等を聞いてみたかった。
 この他、八村氏に農業の可視化(義父宅付近の農業も衰退しているし、TBSテレビの「下町ロケット」等も農業の弱体化・高齢化が進んでいることをうかがわせた)等も聞いてみたかった。

 しかし、息子たちと買物して夕飯を食べる時間に間に合わないと思い、17時半頃に会場を出た。

 このシンポは18時までであったから、残っていても聞く時間はおそらくなかっただろうし、私だけに質問させることもなかったであろうから仕方がないと思う。

 可視化というテーマは昔から原子力においては放射線の可視化ということから、継続して関心を持っているものである。

 小中学校で霧箱を作ってみたりした例もあるが、それ以上の広がりがないのも事実である。
 高山に持って行ったり、飛行機の中に霧箱を備える等の実験ができれば、もう少し興味が出てくる子どもも出てくると思う。
 最近の例では、宇宙空間から降ってくるミューオンで原子炉の透過やピラミッドの透過等がテレビや新聞で報道されているが、こうした構造物の非破壊による全体像の把握が大事になってくるのかもしれない。

 子どもたちは自分たちの目に入ってくるもので、関心を持つことが多いと思う。
 科学に触れる機会が多いと、科学に関心を持ってくれる子も増えると思うが、現状はだんだん科学に関心を持つ子が少なくなっているらしい。
 昔のように野山を駆け回り、身の回りの自然に触れることが一番だが、今の社会では遊ぶ場所も少なく、したがって科学に関心を持てる環境が減っていることもある気がする。

 科学のいろんな分野の可視化によって、科学に関心を持つ子が増えることを期待して、今後も可視化の動向には注目してみたいと思う。

<日本学術会議 公開シンポジウム>
 科学的知見の創出に資する可視化:
  日本発の可視化研究ブレイクスルーに向けて

 1.日時:2018年(平成30年)12月15日(土)13:00-18:00
 2.会場:日本学術会議講堂
 3.入場:無料、事前申し込み不要 当日は名刺をご用意ください
 4.主催:日本学術会議総合工学委員会
 5.共催:可視化情報学会、日本シミュレーション学会、画像電子学会、芸術科学会、 情報処理学会コンピュータグラフィックスとビジュアル情報学研究会、画像情報教育振興協会(CG-ARTS)
 6.プログラム
  13:00 開会挨拶 小山田耕二(京都大学教授) 
  13:10 趣旨説明 田中覚(立命館大学教授)
  13:20 (1)Emerging Visualization Research Directions
       司会 藤代一成(慶應義塾大学教授)
        講演 Kwan-Liu Ma(カリフォルニア大学デービス校教授)
  14:20 (2)文化遺産の記録と再現 ──「コト」のディジタルアーカイブ──
        司会 大倉典子(芝浦工業大学教授)
        講演 八村広三郎(立命館大学特任教授)
  15:20 (3)可視化を考える際の認知心理学的制約
        司会 加藤千恵子(東洋大学教授)
        講演 行場次朗(東北大学大学院教授)
  16:30 (4)パネル討論「日本発の可視化研究ブレイクスルーに向けて」
        ファシリテータ 田中覚(立命館大学教授)
        討論者 前半の部の講演者・司会者・その他分科会メンバー
  18:00 閉会挨拶 萩原一郎(明治大学特任教授)

 7.概要
 1980年代に欧米の研究機関から発信が開始され、種々の学理に浸透してきたデータ可視化技術は、現在、成熟の域に達しています。
 一方で、データ可視化技術の新たなブレイクスルーが模索されていますが、現状は混沌としており、様々な提案がなされているものの、大きな流れは生じ得ないでいるのが現状です。

 そこで本シンポジウムでは、可視化という研究分野の枠組みを大胆にリストラクチャリングし、同時に、文系・理系の垣根を越えた文理融合型の研究分野として発展させるためのアイデアを探ることを目的としています。

 とくに、日本の強みを活かした日本発の新しい可視化技術の創出を目指します。

 理系・文系にかかわらず、多くの研究者や技術者、そして可視化技術に興味を持つ多くの方々にご参加いただければ幸いです。

      -以上-

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 4

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック