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<<   作成日時 : 2018/11/04 19:13   >>

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 防災シンポジウム(10/13(土)夕方)に参加した。

 9月19日に防災学術連携体からニュースレターが来た。
 10月13日に防災シンポがある、とのことだった。
 副題の首都直下地震という言葉についつい乗ってしまい、すぐに申込した。

 でもその後、この日は何かあったと思い、手帳を見たら、ユニバーサルデザイン・ワークショップ(UD・WS)の会合がその日にあったのである。
 ダブルブッキングしたと思い、取り消しを考えた。

 しかし、この防災シンポの開催される東京ビッグサイトはUD・WSの開催される有明スポーツセンターの近くである。
 しかも開催時間を見ると、16時半となっていた。
 UD・WSが終了するのは16時なので、急げば間に合う時間であり、東京ビッグサイト内の国際会議場は有明スポーツセンターから歩いて20分くらいの距離である。

 いざとなればタクシーという選択肢も考えて、タクシー配車のスマホアプリも入手した。
 以前に中国のタクシー配車システムが日本に上陸するのに対抗して、日本でも配車アプリを用意しているようなことを情報として持っていたからである。
 またUD・WSで散歩も東京ビッグサイトまでのコースを選んだ。
 このグループの中で仲良くなった人が東京ビッグサイトへのアクセスとして、バス路線を調べてくれ、16時10分に有明1丁目のバス停から東京ビッグサイト行きの情報をくれた。
 結果として、この情報を利用して東京ビッグサイトまで行き、開催時間の10分前には会場に着いた。

 プログラムは末尾に添付する。

 このプログラムの資料は防災学術連携体のHPに載っている。(11月4日現在掲載を確認)

 このシンポジウムは防災学術連携体という学会の集合体の主催で現在56学会が加入しているらしい。
 でも各発表が細切れで、参加者はきっと頭の整理ができないうちに終わった感じかもしれない。
 私も似たようなものである。

 会場は大きく、参加者は1,000名くらいはいたかもしれない。

 以下は、多少はしょりながら全体像を少しでも説明したいと思う。

 開会挨拶で、日本災害医学会の小井土氏が学会の縦割りはだめで連携が必要といい、専門化すると個々で何をやっているかわからなくなる、と言った。

 来賓挨拶で、前日本学術会議会長の大西氏はこの防災学術連携体成立に関与していて、災害のメカニズムは理学、身を守るのは工学、被災した時医学というようなことであり、今はこの連携体の成果が問われている、災害をどれだけ軽くできるか、と言った。

 趣旨説明で日本建築学会の古谷氏は今年は豪雨、地震多発が多かった。
 首都直下地震に備えることが必要だと言った。

 セッション1は防災科学の最前線(その1ハード関係)として、5学会が各9分間ずつ発表した。
 学会発表と同じような予鈴、本鈴で9分間で制限した。
 この時間でゆっくり理解、というわけにはいかない。

 日本活断層学会の遠田氏(東北大)は「首都直下の複雑なプレートと地震、活断層」というタイトルで発表した。 要するに関東地方は種々のプレートが集まっている地域だから危ない、ということだった。 

 日本地図学会の宇根氏(国土地理院)は「地震に関するハザードマップの種類と読み方」というタイトルで発表した。
 敵を知り、己を知らば百戦危うからず、で、自分の地域のハザードマップをよく知ること、と説明した。

 地盤工学会の橋本氏(国士舘大)は「首都直下地震による液状化被害について」というタイトルで発表した。
 この前の東日本大震災の浦安の液状化でもわかるように、東京は徳川時代に埋め立てした土地なので、地盤自体は弱いところが多い。
 緊急輸送道路の確保等が喫緊の課題のようであった。

 土木学会の庄司氏(筑波大)は「電気・上下水道・道路等のインフラはどうなるか」というタイトルで発表した。
 複合災害が起きると、インフラ・ライフラインの損失が起きる。
 レジリエンス(災害への柔軟な対応策)を再考しないといけない。

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         図1 複合災害の概要(シンポ資料より抜粋:以下すべて同じ)

 東京湾でのM7.3を仮定すると100万人の断水、電力は6日間で復旧、ガス30日復旧、水道50日で復旧するようである。
 首都圏の上下水道、緊急道路網、電源のバックアップ体制等を説明していた。

 日本建築学会の和田氏(東京工大)は「建築とまちをもっと丈夫に」というタイトルで発表した。
 関東大震災、阪神淡路大震災等では木造住宅が多く倒壊した。
 がれきが多く散乱して片付けもできない状況となる。
 建物は既存不適格でも合法ということで、古い住宅が耐震が悪く倒壊する。
 でもこれを改築強制はできない。
 ニュージーランド地震ではマンション等の1,700棟取り壊しがあったらしい。
 耐震改修、免震構造、制震構造等を考えないといけないと説明した。

 続いてショートプレゼンテーションということで、4学会が各1分間ずつ発表した。
 要するに、ポスター発表しているものの紹介で、そちらを見て欲しい、とのことであった。

 日本地震学会の酒井氏(東大)は「首都直下地震に関する研究動向・研究成果」というタイトルで発表した。
 今後30年間の間に相模トラフ沿いでの地震が来る確率は70%程度で、これに備える必要がある、とのことだった。

 日本第四紀学会の鈴木氏(首都大学東京)は「活断層・斜面地形・地下地質から首都直下地震を考える」というタイトルで発表した。
 第四紀学というのは過去260万年前までの地球史を扱うらしく、ここでは 活断層、斜面地形、地下地質から首都直下地震を考える、とのことだった。

 日本地理学会の遠藤氏(日大)は「発達史地形学に基づく詳細地盤構造の解明」というタイトルで発表した。
 土地の成り立ちを知ることが大事で、ボーリングデータの活用を説明していた。

 日本地すべり学会の釡井氏(京大)は「地震による都市域の斜面災害」というタイトルで発表した。
 斜面に特化して、都会の地滑り(谷埋め盛土)について説明していた。 

 この後に<質問コーナー1「あなたの質問に答えます(その1)」>として米田女史(慶大)の司会で、会場の質問に答えていた。
 私はUD・WSで疲れていたのか何も質問は浮かばなかった。

 他の人の質問ではハザードマップ、がれき処理、断層について質問があったが、詳細は覚えていない。

 続いてセッション2では「防災科学の最前線(その2ソフト関係)」で、5学会が各9分間ずつ発表した。
 
 日本地震工学会の久田氏(工学院大)は「地震・水害等による複合災害への対応」というタイトルで発表した。
 阪神淡路大震災では8割の建物倒壊で死亡、自助・共助で多くの人が救助された。
 水害では2015年関東・東北豪雨災害があった。
 これらが複合したら、大変なことになる。
 関東大震災では荒川は大丈夫だった。
 もしこの時津波が来るとどうなっていたか。
 レジリエンスなまち作りが求められる、と説明した。

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         図2 レジリエンスの災害対策概念

 日本災害情報学会の廣井悠(東大)は「帰宅困難者・避難行動・地震火災」というタイトルで発表した。
 東日本大震災の時には、震度5で首都圏の帰宅困難者は大変だった。
 これが震度6,7になるとどうなるか。
 帰宅困難で死者は出ないが、ゆるゆる帰宅であちこちで大渋滞が起きる。

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         図3 災害時渋滞シミュレーション例

 「帰らない対策」が重要になる、とのことだった。

 日本計画行政学会の山本女史(電気通信大)は「身近なICTツールを用いた緊急時の情報伝達」というタイトルで発表した。
 東日本大震災ではパソコンより携帯が重視された。
 情報環境の変化がある。
 Wifiの無料開放、リアルタイム性、正しい情報の取捨選択、災害弱者≒情報弱者、NHKの防災アプリ、YAHOOの防災速報、災害時伝言板サービス(NTT:171 体験利用毎月1日と15日)、ツイッター利用等ソーシャルメディアの活用が必要と説明した。

 日本災害医学会の岬女史(国立病院機構)は「首都直下地震における医療活動」というタイトルで発表した。 
 きっかけは阪神淡路大震災だったという。
 避けられた災害死が500名くらいいた。
 この時の教訓は災害医療の病院がなかった。
 DMAT(災害派遣医療チーム)の創設につながった。
 広域搬送システムがなかった。
 医療情報システムの整備や災害拠点病院723か所、都137か所になった。

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         図4 災害の際の医療機関例
  
 DMATは今1万人いる。
 広域搬送では自衛隊の活用等が考えられている。
 空港や公園を使った訓練がある。
 自助と共助が重要である。
 地域のつながり、医療と連携した防災訓練等が必要、と説明した。

 日本災害復興学会の中林氏(首都大学東京)は「首都直下地震における事前復興の意義と可能性」というタイトルで発表した。
 首都直下地震の復興は阪神淡路大震災の復興がモデルになるかもしれない。
 180万世帯の被災に備えるまちづくりを事前に行うことが必要である。
 首都直下地震では95兆円必要かもしれない。

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         図5 復興費用の例

 国の予算に匹敵する。
 事前防災の考え方を採用すると、これらの被害が少なくてすむ。
 また、被災者と地域の復興が必要になる、と説明した。

 続いて、ショートプレゼンテーションで、4学会が各1分間発表した。

 地域安全学会の村尾氏(東北大)は「首都直下地震におけるリスクコミュニケーション」というタイトルで発表した。
 リスクマネジメントとして、リスクの同定、リスクの評価、リスクの優先順位付け、リスクの情報伝達がある。
 これらを建物の倒壊等の住民の理解に活用することが説明された。

 日本リモートセンシング学会の桑原氏(茨城大)は「災害時におけるリモートセンシング技術」というタイトルで発表した。
 災害時に衛星データを使った災害情報が取得できる可能性を説明した。

 日本自然災害学会の沼田氏(東大)は「大規模災害時の災害対応業務プロセス」というタイトルで発表した。
 48業務500工程の災害対応業務プロセスを、自分にできるものと地域で取り組むものとにクラス分けする必要性について説明した。

 日本自然災害学会の藤重氏(近畿大)は「一万人の災害ボランティア構築への取り組み」というタイトルで発表した。
 災害時にドローンを飛ばしてSNSにアップしようという取組について説明した。

 続いて質問コーナー2「 あなたの質問に答えます(その2)」で米田女史の司会で行われた。

 私は災害に関する情報が多すぎるのでAIで整理すべきではないかと質問した。
 そうするのがよいと思う、と何学会かは忘れたが、回答した。

 他の人の質問では、エコノミークラス症候群、系統的に学べる資料は提供してくれないのか、複合災害はどのように対応するのか、等のことが出た。
 これらの回答も覚えていない。

 これらの発表及び質疑応答でこのシンポジウムは終了した。

 これらの防災シンポジウムは個々ではなかなか理解が進まないとは思うが、何回か繰り返すうちに少しずつ頭の中で整理したものが出てくるのではないかと思っている。

 だから、今後もこうした防災シンポジウムがあれば、可能な限り参加したいと思う。


<防災推進国民大会2018 セッション>
<日本学術会議公開シンポジウム / 第6回防災学術連携シンポジウム>
−あなたが知りたい防災科学の最前線:首都直下地震に備える−
(趣旨)
 近年首都直下地震の発生が危惧されています。
 日本学術 会議や防災学術連携体(56学会)には、様々な視点から、首都直下地震の災害の軽減に向けて研究を続けている研究者がいます。
 防災においては「自助・共助」「地域での連携」が大切で、消防団、町内会や自治会、学校や職場で、防災訓練や教育が続けられています。
 本シンポジウムでは、地域の防災力の強化に科学を役立てるため、市民の皆様が知りたい防災科学の最前線をわかりや すくお伝えします。
 また、市民の皆様から、防災科学に関する質問やリクエストも受け付け、各分野の研究者がそれに答えます。

 1.日時:2018年(平成30年)10月13日(土) 16時30分〜19時
 2.会場:東京ビッグサイト 会議棟7F 国際会議場
 3.主催: 日本学術会議 防災減災学術連携委員会、防災学術連携体
 4.参加費 : 無料
 5.プログラム
  司会 目黒公郎 日本学術会議連携会員、東京大学教授
  16:30 開会挨拶 小井土雄一 日本災害医学会代表理事
      来賓挨拶 大西 隆  第22・23期日本学術会議会長 豊橋技術科学大学学長  
      趣旨説明 古谷誠章 日本建築学会会長 早稲田大学教授
  16:35 セッション1 防災科学の最前線(その1: ハード関係)各9分間、5学会
       日本活断層学会 「首都直下の複雑なプレートと地震、活断層」遠田晋次(東北大)
       日本地図学会  「地震に関するハザードマップの種類と読み方」 宇根寛(国土地理院)
       地盤工学会    「首都直下地震による液状化被害について」橋本隆雄(国士舘大)
       土木学会     「電気・上下水道・道路等のインフラはどうなるか」 庄司学(筑波大)
       日本建築学会  「建築とまちをもっと丈夫に」 和田章(東京工大)

  17:20  <ショートプレゼンテーションおよびポスター発表: 各1分間、4学会>
       日本地震学会  「首都直下地震に関する研究動向・研究成果」 酒井慎一(東大)
       日本第四紀学会 「活断層・斜面地形・地下地質から首都直下地震を考える」 鈴木毅彦(首都大学東京)
       日本地理学会  「発達史地形学に基づく詳細地盤構造の解明」 遠藤邦彦(日大)
       日本地すべり学会 「地震による都市域の斜面災害」 釡井俊孝(京大)

  17:25  <質問コーナー1「あなたの質問に答えます(その1)」>司会 米田雅子(慶大)

  17:45  セッション2 防災科学の最前線(その2:ソフト関係)各9分間、5学会  
       日本地震工学会   「地震・水害等による複合災害への対応」 久田嘉章(工学院大)
       日本災害情報学会 「帰宅困難者・避難行動・地震火災」 廣井悠(東大)
       日本計画行政学会 「身近なICTツールを用いた緊急時の情報伝達」 山本佳世子(電気通信大)
       日本災害医学会   「首都直下地震における医療活動」 岬美穂(国立病院機構)
       日本災害復興学会 「首都直下地震における事前復興の意義と可能性」 中林一樹(首都大学東京)

  18:30  <ショートプレゼンテーションおよびポスター発表: 各1分間、4学会>
       地域安全学会   「首都直下地震におけるリスクコミュニケーション」 村尾修(東北大)
       日本リモートセンシング学会 「災害時におけるリモートセンシング技術」 桑原祐史(茨城大)
       日本自然災害学会 「大規模災害時の災害対応業務プロセス」 沼田宗純(東大)
       日本自然災害学会 「一万人の災害ボランティア構築への取り組み」 藤重裕(近畿大)
  18:35 <質問コーナー2「 あなたの質問に答えます(その2)」> 司会 米田雅子(前掲)
  19:00  閉 会
        −以上−

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