将棋界の名人戦等の感想等

 久しぶりに将棋界のことを少し書いてみる。

 この前の5月末に終わった名人戦を主に書く。
 7/8に毎日新聞で「羽生名人が激戦を振り返る」と題して、この名人戦特集が組まれていた。
 毎日新聞は朝日新聞との共催で名人戦を主催しているから、新聞に棋譜は載るが、私はネット上での毎日新聞専用のパソコン用画面で観戦し、同時並行でパソコンの「激指し」ソフトで記録しておいた。
 名人戦の前に今期の名人戦の挑戦者を決めるA級順位戦で何と6勝3敗が4人という世にも珍しいことが起こった。
 6勝2敗だった行方尚史八段と広瀬章人八段が最終戦で共に敗れ、5勝3敗だった久保利明九段と渡辺明二冠が共に勝ったのである。
 てっきりトーナメント方式の挑戦者決定戦かと思ったが、下位の棋士同志の対戦の勝ち上がりであり、まず下位の広瀬八段(9位)と久保九段(7位)の対戦であった。
 後手久保九段のゴキゲン中飛車で角交換から乱戦になり、よくわけがわからない状況で最後に久保九段が勝った。
 久保九段は次に渡辺二冠(3位)と戦い、先手久保九段は初手56歩から向かい飛車に構え、久保九段の美濃囲いと渡辺二冠(当時)の高美濃囲い模様から、また乱戦となった。
 久保九段の2枚角と渡辺二冠の2枚飛車の戦いで最後は久保九段が勝った。
 挑戦者決定戦の最後は久保九段と前期の2位(1位は森内俊之九段)の行方八段が対戦した。
 相振り飛車から双方共に端攻めを敢行し、また延々と乱戦となり、最後は行方八段が勝って挑戦者になった。
 とにかく、この挑戦者シリーズは久保九段を中心にして回ったため、乱戦シリーズになった観があった。矢倉の戦いは皆無だった。
 挑戦者の行方八段は青森県出身の41歳で若い時から気鋭の棋士として注目されていたが、羽生世代(羽生名人、森内俊之九段、佐藤康光九段等)の活躍でなかなか表舞台に出てこなかった。
 確か2年前にやっとA級に上がってきたと思う。前期も今期も好調であったが、今期の最終戦に敗れる等今一歩波に乗れない印象があった。

 さて、名人戦である。
 第1局は振り駒で先手行方八段で相矢倉模様から、68飛の玉飛接近の戦法を採り、最後は「ええっ、ここで?」という場面での行方八段の投了となった。
 60手の投了は名人戦史上最短手数とのことだった。

 第2局は相がかり模様であった。羽生名人が途中から飛車を7筋に振り、銀との連携で飛車を成り込んで優勢かと思ったが、行方八段が角2枚を使って巧妙に攻め、羽生名人が投了して1勝1敗となった。

 第3局は角換わり腰掛け銀の戦型であるが、どうもこの戦型は指し方がよくわからない。羽生名人の69角がどうも新手らしく、この角の成否がこの1戦の勝敗を分けるカギとなった。
 しかし行方八段がうまく駒をさばき、優勢となったが、終盤の77歩成を同玉と取った手が敗着となり、羽生名人が勝った。
 行方八段は将棋に勝って、勝負に負けたのである。

 第4局は相矢倉の脇システムであった。先手の羽生名人の銀が15から37までバックするという珍しい手を見せたが、どうも攻撃に失敗したようで、その後、せっかく角を成り込んだのにその角を生け捕りにされそうになった。
 それを強引に無理攻めして、羽生名人の攻めが切れ模様となった。
 私はもう羽生名人の投了かと思ったが、羽生名人は指し続け、99手目の羽生名人の25桂を同銀と取っておけば行方八段の勝ちだったのに別の手を指し、最後の方はまた混戦になり、この混戦を羽生名人が制して逆転で羽生名人が3勝1敗となった。

 第5局は相矢倉模様となり、角交換から行方八段が敵陣に角を打ち込んだが、また角交換で馬を消された。しかし、棒銀と再度の敵陣への角打ちで優勢になったと思ったが、羽生名人の「肉を切らせて骨を断つ」戦法の53金という手にあせったのか、攻めを急いで羽生名人の入玉を許してしまった。
 後は自分の玉も入玉して点数勝負または引き分け持将棋に持ち込もうとしたが、最後は羽生名人の寄せに屈して投了となった。

 こうして4勝1敗で羽生名人の防衛となったが、第3局、第4局、第5局は途中まで素人目で見てもはっきり行方八段が優勢な将棋であり、普通であれば行方八段の4勝1敗でタイトル奪取という形勢であった。
 おそらく、行方八段は2日制のタイトル戦に慣れておらず、最後の方で安全に指そうとして見落とし、または疲れによる錯覚等があったようであるが、中盤の指し手は羽生名人よりも優れている印象があった。
 2年連続A級ですばらしい成績を残したのはまぐれではなく、実力は名人クラスに匹敵する力を備えていると感じた。近いうちに多分何かのタイトルを取りそうだ、と予感させるものがある。

 この他に棋聖戦と王位戦があったので、それも少し見てみる。

 棋聖戦5番勝負は24歳の豊島将之七段が挑戦者となった。今現在第3局が終了している。
 この豊島七段は昨年の電王戦で将棋ソフトYSSに勝ったことで知られている。また、昨年王座戦で挑戦者になったが、2勝3敗で惜しくも羽生王座に敗れている。
 新進気鋭の若手棋士といえる。

 第1局は振り駒で豊島七段が先手の相矢倉模様である。お互いに端歩を突き越して、共に棒銀でわが道を行くというようであった。最後の方は羽生玉が単騎で6筋まで逃げてそれを追う豊島七段であったが、攻め合いは羽生棋聖に分があったようで、羽生棋聖の勝ちとなった。

 第2局も相矢倉模様である。先手の羽生棋聖が7筋から角を攻めて攻勢を取った。終盤はお互いの玉に猛攻を仕掛け、どちらが勝っているかわからない乱戦となったが、後手の豊島七段が勝って1勝1敗となった。

 第3局も3たび相矢倉となった。先手の豊島七段は定石通りの棒銀、後手の羽生棋聖は9筋から棒銀模様で攻めた。またもや終盤は乱戦となったが、一日の長の羽生棋聖が勝った。

 羽生棋聖相手に堂々とした戦いぶりが印象に残る豊島七段である。
 多分、今広瀬八段とこの豊島七段が20歳代の若手のホープと言えるだろうか。
 ちょっと上に30代前半の渡辺二冠(今は棋王一冠のみ、そういえば渡辺王将が今年3月の第6局で郷田真隆九段の悪手に大悪手で応え、大逆転で王将位を防衛しそこねたんだったのを思い出した。)が将棋界の新世代といえるのかもしれない。
 私個人としては渡辺棋王のライバルと目されていた山崎隆之八段あたりに頑張って欲しいのだが、なかなかタイトル戦に顔を出さない。
 どうも伸び悩みしているらしい。

 他に王位戦7番勝負がこの7月から始まったようである。
 羽生王位に挑戦するのは広瀬章人八段である。挑戦者決定戦で菅井竜也六段を下して名乗りを上げた。この広瀬八段はどうにも特徴がつかみづらい棋士である。
 かつては穴熊王子と言われるぐらい穴熊を採用していたらしいが、最近はそういうところを脱却しているらしい。

 第1局は広瀬八段の先手で横歩取りのようである。後手の羽生王位が飛車を4段目に浮いて縦横無尽に動いている印象であった。中盤から終盤にかけて乱戦模様となり、最後は羽生王位が乱戦を制した。

 将棋界も谷川九段が会長になって新しい時代の幕開けとなった。
 人工知能(AI)との戦いも叡王戦として始まるらしい。
 今年エントリー制で予選を行い、勝った勝者は来年電王戦勝ち抜きのソフトのAIと二番勝負をする等、新しい棋戦も始まるらしい。
 しかし、この間プロが負け越したAIとまたやるというのは、プロ棋士も大変な職業と思う。でもタイトル保持者の中では他にタイトル戦がある人はエントリーしないということもあるらしい。羽生名人、渡辺棋王はどうもエントリーしてないみたいである。

 将棋は今も好きでDSの「激指し」ソフト相手にお昼休みの時間等に対戦している。
 また、義父宅への移動等の新幹線内でもやっている。DSの「激指し」では9割は勝てるが、パソコンの「激指し」はこれより強いみたいで、六級相手にほとんど勝てない。
 初手98香等の奇手を繰り出してもだめそうである。DSの「激指し」は初手98香でほとんど圧勝である。
 今はまだ将棋大会に参加、ということは考えていないが、将来気が変わればあるかもしれない。

 将棋界の状況については今後もまた注目しておきたいし、また息子とこうした話題についても話していきたいと思う。

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