将棋・谷川九段が降級確定

 将棋の谷川浩司九段の降級が確定した。

 多分将棋をあまりよく知らない人にとっては?と思う。
 多少でも将棋を知っている人は「ええっ」と思うのではないか。
そう、50代以上の人にとっては、ある種の希望の星であったし、「ああっ、やっぱり」という人もいるであろう。
 将棋の名人戦でのA級リーグは将棋界の最高のレベルのトップ10と呼べる棋士が集まっているクラスであり、その上に名人が一人おり、今の名人は森内俊之さんである。
 昨年度のA級での谷川九段の成績は2勝7敗で、降級してもおかしくない成績であったが、下位の棋士二人が同じ成績だったのでかろうじて最下位の成績で残留したのである。
 今年も1月初めの段階で1勝6敗の成績であり、2月の対局でも敗れて1勝7敗であった。1月の段階で成績下位の人が勝った段階で降級は確定していた。
 引退後は第17世永世名人の称号を名乗れる権利を獲得しており、一時代を築いた人である。
 A級降級したら引退ではないかと思っていたが、来期はB級1組(A級の一つ下のクラス)で指すという。
 こういう事態は初めてではないかと思ったが、そうではなかった。第16世永世名人の中原誠さんもA級降級後B1級で2年指していたようである。
 これがそれまでの常識になかった状況であり、谷川九段は二人目となる。
 2012年12月に将棋連盟会長に就任して、2足のわらじというのは無理があったかもしれない。また、今の将棋界は電王戦にみられるようにパソコンを駆使してすべての対局を分析することや奨励会クラスや若手四段クラスの人が新手を繰り出すこと、また、電王戦での三浦弘行九段を破ったGPS将棋の繰り出した新手が次の名人戦で登場する等情報戦が従来のものより比重が高くなっているので仕方がない面もあるかもしれない。
 今活躍の著しい若手の渡辺明二冠(王将・棋王)等は自身でブログを持っており、竜王戦等の経過をブログで報告するなどパソコン世代の雄として台頭している。

 谷川九段の自伝はよく聞いたことがあった。
 最初兄俊昭さんとの兄弟喧嘩が絶えなかったので、それをやめさせるために将棋をやらせたとのことだった。 
 谷川九段は光速流と呼ばれ、名人戦で当時の加藤一二三名人からタイトルを奪取した時に、「1年間名人を預かる」と言っていたのを思い出す。謙虚といえば謙虚だが、本音だったのかとも思う。
 それ以降の活躍もさることながら、新世代台頭があった。俗にいう羽生世代である。羽生善治三冠(現在、王位、王座、棋聖のタイトル保持)とは激闘を何度も展開している。
 一番記憶に残っているのは1994年度に当時の羽生六冠が谷川王将に挑戦した時であろうか。当時谷川王将は神戸に住んでいて、阪神淡路大震災に被災して、大変な状況にあった。
 しかし、それにも屈せずに、羽生六冠の挑戦を退けた。
 翌年羽生六冠は他のタイトルすべてを防衛して再度谷川王将に挑戦して、見事にこれに勝利し、将棋界史上初めての七冠制覇ということになった。
 羽生さんの方が記憶に残る記録を達成したわけであるが、これには背景もあったように思う。
 谷川さんには同世代に実力が拮抗するライバルがいなかった。これに比べて、羽生さんは同世代に森内俊之名人・竜王、佐藤康光九段、郷田正隆九段という今A級リーグやタイトルを争う実力伯仲のライバル数人がいた。
 これらのライバルとの切磋琢磨が羽生さんの実力飛躍、ひいては七冠達成に寄与したものと思っている。
 谷川さんの世代には塚田九段、田中寅彦九段や高橋道雄九段もいたのだが、彼らがタイトル戦に顔を出すのは稀で、どちらかというと、中原誠十六世名人との対局の方が印象に残っている。

 今年のA級リーグに関しては、羽生三冠の名人挑戦者、谷川九段の降級が確定している。
 2月現在の残りの降級は3勝5敗3人が一番可能性が高い。三浦弘行九段、郷田正隆九段、屋敷伸之九段の3人である。
 この3人が3月の最終局に勝って、順位下位の久保利明九段が負けると4勝5敗で久保九段が降級となる。
 「将棋界の一番長い日」(3/7)において、今年はどんなドラマが待っていることやら。

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