将棋界の長い一日

  「将棋界の一番長い日」って知ってます?

  少し将棋をかじったことがある人なら、それは名人戦A級順位戦の最終局の日と答えると思う。
  なぜ?
まあ、ここでA級の人の悲喜こもごもの人生がたった1日に凝縮されていて、それを残酷なまでに映し出してくれるからかな。

  今年のA級順位戦の最終局は3月3日のひな祭りの日であった。
テレビはNHKのBS2で終日間欠的に放映されるのは知っていたが、見なかった、というか早く寝てしまった。
息子には今日だと言っておいたので息子は見たらしい。
  息子も私と同じく将棋ファンである。私より少し強いか?私はあくる日に新聞を覗いてみたら、谷川九段が残留、としかわからなかった。たしか鈴木八段と対戦して負けた方が降級、と知っていたのでほっとした。長く将棋を見ていて名人経験者のA級陥落はあまり見たくない。まして、谷川九段は私が好きな棋士の一人である。光速流の寄せは見ていて楽しい。

  仕方なくあくる日、取っておいたビデオで見た。23時からあくる日の1時までとっておいたが、実際は1時半くらいまであったらしい。がっかり、と思ったら息子が気を利かせて終わりまで取っていた。うーむ、さすがに我が息子。

  谷川九段VS鈴木八段はすでに終わっていた。他の対戦はまだまだ予断を許さない情勢だが、ここでは割愛する。各対戦の感想を述べておく。
  また、毎日新聞の3/5木曜の朝刊の解説を利用する。

○郷田九段VS木村八段戦は郷田九段の柔らかい指し回しが光った。ふわりとした39香が印象に残る。でも木村八段は最終局面で9筋方面に逃げる41金はなかったのかなあ。

○佐藤康光棋王VS藤井九段戦は中盤あたりで泥試合の様相であった。最後は佐藤棋王が勝ったけど印象が薄い。解説もほとんどなかったような気がする。

○三浦八段VS森内九段戦は、解説の渡辺竜王と山崎七段によれば、森内九段のトン死の筋もあったようであるが、それを巧みに避けて森内九段が勝った。この瞬間に三浦九段に降級の可能性があったが、後で深浦王位が負けたので首の皮1枚つながった。

○丸山九段VS深浦王位戦は、丸山の2枚竜と深浦の2枚馬の戦いであったが、終盤の丸山九段の指し回しがわずかに上回り、丸山九段が勝った。深浦王位は他の棋戦でも好調だっただけに順位戦で陥落というのは残念であろう。しかし、それだけA級は強いというか底力のある棋士が集まっているともいえるだろう。
  プロの4段でC2級から、C1、B2、B1と毎年昇級しても4年かかるシステムであり、毎年2人程度しか昇級できないのであるから、大変さは並みのものではないであろう。

○谷川九段VS鈴木八段戦は谷川九段が勝った。しかし、なかなかどういう状況であったのか解説がない。ほぼ全局の決着がついてからだっただろうか、ようやく解説があった。
  途中の桂馬のただ捨ての93桂が絶妙手だったようで、それからは谷川九段の光速流かと思いきや、受けの妙手もまじえて押し切ったようだ。さすがにこのクラスになると谷川九段も光速流ですんなり勝てるものではないようだ。

  この結果、郷田九段が7勝2敗で(谷川、鈴木に負けの2敗のみ)挑戦者となった。
  前半5局で3勝2敗と2勝3敗のものしかいない大混戦を制したのは郷田九段であった。彼は週刊文春にえっせい連載の先崎八段に言わせると求道者のような感じ、とのことだった。
  棋界一、二を争う美男ではあるが、そういうところにあまり関心がなく、将棋を芸術のように考えているらしい。

  羽生名人との4月からの名人戦がまた楽しみである。羽生名人VS郷田九段のタイトル戦というのはあまり記憶がない。徐々に頭角を現してきた、といっては変だが、歳を取ってきて切れ味がするどくなったというか、ふわっとした指し手というか、郷田将棋はよくわからない。今回の順位戦最終局も解説の2人の予想が当たらない指し手が多かったと思う。
  羽生名人によって郷田将棋のベールを剥ぐというか、明らかになればまた楽しみが倍になるというものであろう。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック