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<<   作成日時 : 2018/05/20 15:32   >>

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 スポーツ科学シンポ(5/16)に参加した。

 知り合いの人から、こういうシンポがある、ということを聞いて申し込みをし、参加した。

 スポーツ科学ということでは、インターネット講座gaccoの中で、今年の2月に「運動と健康の理論・実践」の講座を受講したのだが、運動しないと身体が衰えて病気になる、という医学の側面の話だったので、少しがっかりしていたのである。

 今回のシンポはプログラムを見ても、そういう可能性はなさそうであった。
 プログラムは末尾に添付する。

 開会挨拶での藤井氏によると、大学とスポーツは切っても切れない関係であったが、大学間の相互連携はあまりなかった。
 東京オリンピック2020年に向けて、こうした連携の動きを第二部のテンプル大学、筑波大学と共に考えることが趣旨のようであった。
 来賓挨拶でスポーツ庁の齋藤氏は大学スポーツは人材育成の一環だが、最近の日大のアメフット不正事件は残念と言った。

 (1)特別講演として、元スポーツ大臣の遠藤氏が講演した。
 てっきり元体操選手だった人かと思ったが違った。
 2年前からスポーツの体制を築いていこうとした。
 風洞実験等導入して、スポーツの根性論から科学へと舵を切る時である。
 子どもの遊びは子どものうちに身体のバランスが取れていた。
 最近の選手は1種目しかやってない。過度の練習でひじを痛めたりする。
 卓球の張本智和選手は体幹トレーニングをしている。
 スケートはメダルが増えてきた。スキーはあまり取れていない。陸上ではあまり記録更新されていない。
 水泳ではどんどん記録更新されている。水泳連盟と陸連の考え方が違うためであろう。
 これからは科学トレーニングが必要である。日本人は忍耐力が強い。
 ノルウェーが成績が良いのは、必ず複数のスポーツをやるようになっているからである。
 スポーツの持つ力をどうやって活かすか。アメフット事件は傷害罪に当たる。
 なぜメダルがとれなくなったか。企業の支援が少なくなった。行政の支援がない。
 スポーツビジネスを考えるべきではないか。
 スポーツで海外支援、スポーツは国境を超える。
 スポーツを通じて地方の活性化を図る。

 東京オリンピックのために何が必要か。

 @安全・安心な分野である。サイバーテロは対策が必要である。地震、台風、暑さ対策が必要である。マラソンは10℃でも暑い。朝7時からスタートでもいい。
 Aメダルを取る。スケートの羽生選手に仙台パレード10万人集まる。金メダルの威力である。パラリンピックもやっと普及し出した。CMにパラ選手が出ている。パララグビーは車イス同士のぶつかり合いがすごい。
 Bレガシーの問題。日本の伝統文化を世界に発信、ユニバーサルデザイン(UD)、トイレのマークは東京オリンピック1964で世界に広まった。
 日本の世界最先端の技術を世界に発信するチャンスである。

 (2)特別対談「女性アスリートへの医療支援」では能瀬女医と元オリンピック競泳代表の伊藤女史が対談した。
 女性アスリートの月経不順等スポーツでなかなか出て来ないことを取り上げていた。
 この対策には低用量ピル(OC)の使用が必要であり、外国の女性アスリートでは常識な部分が日本では遅れている。
 女性アスリート外来を開いている。無月経や骨密度不足による骨折等が多い。
 生理前のイライラをコントロールできないとチームメイトやコーチ等の男性陣にあたる。
 ホルモンバランスのコントロールの仕方を知っていればよかった。
 中高の部活動等で男性の指導者の悩ましい部分である。
 どこの産婦人科へいけばいいのか。
 女性アスリート外来のあることを知って欲しいし、医師に対しても働きかけをしていきたい、とのことであった。

 次はテーマ1として「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を通じた社会貢献 」ということで2つ連続して講演があった。

 (3)「東京大学の知的財産権(特許等)の無償解放について」 というタイトルで山本 氏が講演した。
 東大の研究成果を一般に開放する、ということで、私は原子力機構が福井県の企業に特許を使ってもらう試みに参加したことがあるので、特に目新しいということではなかった。
 山本氏は特許の一例として、テロ対策用に蛾の研究があることを紹介した。
 蛾が爆弾の匂いに反応するために、爆弾センサーとして使えるのではないか、とのことだった。
 これはドーピング検査にも応用できるようだった。
 また、ビジョンチップというものを使って、ロボットの目が手を追いかけるというものも紹介した。
 これを応用すると、卓球の伊藤美誠選手の動きを解析できたり、大谷翔平投手の160q/時程度のスピードボールでも軽く打てたりするようであった。

 (4)「コンピュータビジョン技術を用いた行動解析」 というタイトルで佐藤氏が続けて講演した。
 この手法は、人間の行動パターンの認識を解析するもので、犯罪捜査等には使われているようだった。
 一人称の視点で、例えば台所で何をしているか、知的障害者の支援ができる、スキーの映像、手の掴み方のパターン解析等に使える。
 また、一人称で例えば10時間くらいの記録を取り、その中の記録の早回しで人との接触時間の解析等のテーマ毎に行動分析できたりするもののようであった。
 サッカーのゴールシーンとか、チームでの動きの分析等応用範囲はかなり広いようであるが、さて何に使うかを利用する側の視点が重要な要因のように思った。

 続いてテーマ2として「トップサイエンティストによるアスリート強化」 ということで、4人の講師が順に技術を紹介した。

 (5)「高/低酸素環境を利用した筋機能強化への新しい取り組み」 というタイトルで石井氏が講演した。
 低酸素環境としては、高地トレーニングがよく知られている。
 高地に行くと酸素が少し薄くなり、そこでトレーニングすると選手の肺活量等の能力が一時的に向上するというものと思う。
 しかし、高酸素環境ということはあまり学問的に行われていなかった。
 ここでは通常20%の酸素の状況から30%酸素の状況を作り、選手の筋持久力増強があるようであった。
 しかし、酸素毒(活性酸素)の問題や能力向上に個人差がある等の問題があるらしかった。

 (6)「パラリンピックブレイン研究から選手強化へ」 というタイトルで中澤氏が講演した。
 パラアスリートの研究をして、その成果を通常の選手にも活かす研究らしかった。
 パラアスリートの水泳選手の脳を分析して、通常使われない部分が活性化して、運動能力を補うようであった。また、右脳左脳両方の部位を使っているらしいこともわかった。
 走り幅跳びの義足アスリートは8m40と通常の選手より能力アップもできる等の技術の向上と人間の能力の複合で大きな成果が得られそうであった。

 (7)「次世代ウェアラブルセンサ」 というタイトルで染谷氏が講演した。
 ナノメッシュ電極という不思議なシール型電極を使って、身体の脈拍や血圧等のセンサーとして使え、また汗等による妨害もないようなセンサーであり、1週間ずっと身につけても問題ない結果が得られたようであった。
 スキンセンサー、スキンディスプレイがあれば、スマホも不要になるらしかった。
 私は歩数計測定のためにスマホをずっと携帯しているが、それも不要になるほどの優れモノらしかった。

画像

          図1 スキンセンサーの例

 (8)「音声によるアスリートのマインドケアおよび強化」 というタイトルで徳野氏が講演した。
 音声から感情の変化を読み取って、心臓の動き等の不随意筋の計測を行ったり、感情の入った声を多く分析して、不調な時の声を分析できたりするようであった。
 監督がこれを使うようになると、調子のいい選手を選べるようになるかもしれない。
 この分析と並行してfMRIで脳の分析も行い、感情分析の科学的なバックデータも揃えているようであった。
 またMIMOSYSというスマホ用アプリを開発して、協力者からのデータを多く集めようとしているようであった。

 (9)「ビデオモーキャップによる運動解析」というタイトルで中村氏が講演した。
 モーキャップとはモーションキャプチャーの略語である。
 身体に付けたマーカーを読み取るというもので、4台のカメラを使って、研究室の学生の動きを0.5秒遅れで関節マーカーの動きを再現する、というデモを行っていた。
 これもどこに応用するか、という着眼点によっては面白い研究ができそうである。
 スポーツにおけるケガの発見や高齢者の日常生活の記録等への応用が考えられているようであった。

 これらの講演後に、司会の水野女史が会場の大学スポーツ関係者に質疑を求めたり、時に会場のメーカースポーツ関係者に質問を求めたり、と質疑進行パターンがさっぱり読めず、結局質問しそこなった。

 この後コーヒーブレイクとなり、中澤(6)、徳野(8)、染谷(7)、石井(5)の各氏がポスター展示しているところに行った。
 私はボウリングでスイッチボウラー(左右両手で投げられる、通常第一投を左で投げ、第二投のスペアを取る時に右で投げ、スペア後の第一投はピン数を多く倒せる率が高い右手で投げるパターン)なので、スイッチボウラー、スイッチヒッター等左右両方でスポーツを行うということで 中澤氏のところで、左右両手使う時の脳の状態等を測定してみてはどうか、と質問したかったが、中澤氏は私が待っている間に来なかった。
 仕方なく隣にいた人と話すと、どこかの新聞社の記者(X氏としておく)らしかった。
 左右両手使いのことを話すと、X氏の子どもは野球をやり、右手投げだが時々左手でも投げるように言っている、あれは正解なのか、と逆に聞かれてしまった。
 10分くらいそこにいたが中澤氏に会えなかったので、後で事務局宛に以下のメールを送っておいた。

『(1)風呂の中でアッパーカットやバタ足の練習
 日常生活の中で、スポーツを取り入れる試みとしてやっている。
 また、信号待ちの時には首回しの運動、かかとの上げ下げ等を行っている。
 昔西鉄の稲尾投手が小さい頃に漁師で伝馬船を漕いで足腰を鍛えたように聞いている。
 このような日常生活の中のスポーツ取り入れの方法は開発できないか。
(2)左右両手使いの練習
 私は今スイッチヒッターならぬスイッチボウラー(ボーリングで左右両手で交互に投げる)です。イベントでは2種類以上のスポーツに親しむということを言っておられる講師がいましたが、昔の「巨人の星」というマンガで主人公が左手を痛めた時に右手を使って再生した。
 パラアスリートが活躍するのも大事ですが、左右両手を使って右脳左脳を活性化する練習を小さい頃からやっておくと、いざ故障した場合に逆の手を使える。
 また、テニスエルボウ、ゴルファーの腰痛等片方の利き腕を使いすぎると弊害も多い。
 左右両手を使う訓練をしておくことが大事と思う。
(3)高酸素の訓練の是非
 講師の石井氏は高酸素のスポーツの研究をしておられる、とのこと。
 昔早稲田実業の斎藤佑樹投手は甲子園での決勝の時に酸素カプセルで疲労をとったが、その後この方法は禁止された、と聞いた気がします。
 疲労解消に役立つものなのか。
 また、この高酸素を長時間続けると、身体が高酸素に順応して、逆に生命の危険につながらないか、心配な気がします。
 ではどのくらいの期間まではOKなのか。』
 これらに対する回答が後日メールで来て、知識を共有する、という決まりきった文句が並んでいた。
 
 私は高齢者の健康という観点で、スポーツは重要な要素ではないかと思っている。
 歳を取るとだんだん動くことが少なくなる。
 でも私の母への若干の看病経験からすると、ちょっと動かないと手足の筋肉が格段に落ちるのを自分の目で見ている。
 だから、いくら苦しくても動かせるものなら無理にでも動かすことが重要と思っている。
 昨日の日テレの「世界で受けたい授業」で曾野綾子女史が配偶者の三浦朱門氏の介護で、三浦氏に呼ばれても行かない、用事があるならこっちに来て、というようなことを言っていた。
 一見冷たく見えるが、そのために三浦氏は億劫と思っても曾野氏のところまで歩いてくる、これが筋力の維持につながるもので、本当の愛情であり、また人を無理にでも動かす秘訣なのかもしれない。

 日常生活の中にスポーツの要素を取り入れた動き、例えばフロの湯舟の中のアッパーカット、信号待ちの首回し、かかと上げ下ろし、カラオケや散歩等でのオーバーな口の動き(孤独な人であれば1か月くらい人と話さない人もいるようで、そういう人は口を動かす筋肉が低下してうまく話せなくなることもありうる)等を行うことで、使わない筋肉を使う動きの研究をして、高齢者のロコモティブシンドローム、フレール、認知症等の防止等の方法を研究して、高齢者対策の一助でもなれば、と思う。


<東京大学社会連携本部・東京大学スポーツ先端科学研究拠点
   特別シンポジウム「大学スポーツの未来」>

 1.日時:2018年(平成30年)5月16日(水) 15:30〜18:00
 2.場所:東京大学本郷キャンパス 伊藤国際学術研究センター地下2階 伊藤謝恩ホール
 3.主催:東京大学社会連携本部、東京大学スポーツ先端科学研究拠点
 4.言語:日本語(本当は第二部で米・テンプル大学の講演等もあったが、これはパス)
 5.定員:300名(先着順。申込みフォームより事前参加申込みが必要)
 6.対象:学生・教職員、大学スポーツ関係者、文部科学省・スポーツ庁関係者、スポーツ関係企業、競技団体、アスリートの皆様
 7.参加費:無料
 8.プログラム:
  《第一部 東京大学の先端技術によるスポーツを通じた社会貢献》
    [進行 水原 恵理(テレビ東京アナウンサー)]
 15:30 開会挨拶 藤井 輝夫(東京大学)
       来賓挨拶 齋藤 福栄(スポーツ庁)

 15:35 (1)特別講演
        遠藤 利明(衆議院議員、元オリンピック・パラリンピック大臣)
 15:55 (2)特別対談「女性アスリートへの医療支援」
          能瀬 さやか(東京大学)
          伊藤 華英(北京オリ・ロンドンオリ競泳日本代表)
 16:15 テーマ1:
       東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を通じた社会貢献
         (3)「東京大学の知的財産権(特許等)の無償解放について」
           山本 貴史、田口 加奈(株式会社東京大学TLO)
         (4)「コンピュータビジョン技術を用いた行動解析」
           佐藤 洋一(東京大学)
 16:40 テーマ2:
       トップサイエンティストによるアスリート強化
         (5)「高/低酸素環境を利用した筋機能強化への新しい取り組み」
           石井 直方(東京大学)
         (6)「パラリンピックブレイン研究から選手強化へ」
           中澤 公孝(東京大学)
         (7)「次世代ウェアラブルセンサ」
           染谷 隆夫(東京大学)
         (8)「音声によるアスリートのマインドケアおよび強化」
           徳野 慎一(東京大学)
         (9)「ビデオモーキャップによる運動解析」
           中村 仁彦(東京大学)
 17:55 挨 拶 境田 正樹(東京大学)
 18:00 コーヒーブレイク

 第二部 大学スポーツと学生アスリートの未来〜動き出した大学スポーツ改革〜》
   省略

 9.開催の目的
 東京大学社会連携本部と東京大学スポーツ先端科学研究拠点は、東京大学におけるスポーツに関する取組みの一層の発展に向けて、下記のとおり特別シンポジウムを開催いたします。
 第一部では、「東京大学の先端技術によるスポーツを通じた社会貢献」をテーマとして、東京2020 オリンピック・パラリンピック大会にて、活用の可能性が考えられる技術の研究を行っている教員や、スポーツ各界で活躍されている皆様により、選手強化に繋がる技術や研究についてディスカッションを行います。
 また、研究成果の社会還元という観点から、東京2020 オリンピック・パラリンピック大会(関連での使用)に限定した、東京大学の知的財産権の無償解放につきましても、株式会社東京大学TLO によるプレゼンテーションを行うとともに、東京大学の研究者が代表的な研究成果・先端技術を紹介します。

 第二部では、「大学スポーツと学生アスリートの未来」をテーマとします。
 米国テンプル大学の学生アスリートや指導者をお招きして、米国の大学スポーツの現状を紹介いただくとともに、4月から日本の大学で初のアスレチックデパートメント(AD)を開設した筑波大学の皆様とともに、日本における大学スポーツ改革の取組みや、それらを踏まえた大学スポーツの在るべき姿について、学生を中心に議論します。
 つきましては、大学関係者の皆様、スポーツ関係企業・団体の皆様に、是非ともご参集頂けますと幸いです。
   −以上−

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