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zoom RSS 福島高校の放射線教育の取組の講演会に参加

<<   作成日時 : 2017/07/16 07:25   >>

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 福島高校の放射線教育の取組の講演会(6/23)に参加した。

 今年6月8日(木)に原子力学会から掲題に関するメールが届いていた。
 これは義父宅から東京の私宛のメールをチェックしたものである。

 スーパーサイエンスハイスクール(SSH)は文部科学省指定で全国に何校か存在する。
 福島高校もSSHに指定されている高校である。
 福島原発事故の地元で行う放射線に関する取組ということで、その日に申し込みのメールを送ったが、通信エラーだった。
 仕方なく、幹事の方のメールに同じ内容でメールを送ると、数日後にOKと返事が返ってきた。

 6月23日は金曜だったので、東京にいる時の定例イベントとして、午前はボーリングクラブがあり、そこに行っていた。
 午後からなので、一旦家に戻り、ジャンバーとTシャツからスーツに着替えて出かけた。

 会場は葺手第二ビルとなっていて、何と読むのかな、と思った。瓦を葺く(ふく)だから、多分「ふきて・だいに・びる」とは思ったが、場所の確認でも手間取った。
 検索する時に、この読みでいいのか自信がなかったためである。
 調べてみると、ホテルオークラ別館のすぐ横、とわかった。
 しかし、行ってみるとこの界隈は道路が雑然としており、目的のビルもちょっと分かりにくかった。
 初めての場所だったので、多少早めに出た。
 そのおかげで、ちょっと早めに着いた。
 会場はまだ、技術士会の定例会議が終わっていない状況であった。
 会費については、原子力学会は技術士会と同じ会費500円でよく、500円を払ってプログラムと資料を受け取った。
 プログラムは末尾に添付する。

 部屋に入って後ろの方で待っていて、資料を眺めていた。

 3時になると、女子高校生2人とその先生らしき人が前に出てきた。

 講演1は女子高校生2人Kさん、Nさんによる発表であった。
 2人の発表は放射線被ばくの測定に関するものであり、D-Shuttleという千代田テクノルの開発した個人線量計で測定記録が残るものを使って、日本、フランス、ベラルーシの3国の高校生の被ばく線量を測定した結果をまとめたものである。
 この個人線量計を2週間、首から下げて、生活記録表に滞在場所を記入して、場所毎の被ばく線量をみるものであった。
 この結果としては、3国ともにあまり差はなく、私の予想通りの結果であった。
 通常の値から大きくずれた値はノイズによるものであった。
 ただ、バスティアというフランス南部の島の値が少し大きめだったが、花崗岩の多いところで、その結果として自然放射線の多いところ、とのことであった。

 私は質問で、なぜフランスだったのか、中国や韓国のような風評被害による輸出規制を行っているところではないのか、と聞いた。
 女子高生2人は困って、先生の方を見た。
 先生はICRP(国際放射線防護委員会)の人で福島を訪問してくれた人がフランス人だったので、その関係から、とのことだった。
 ICRPの人は頻繁に福島を訪問していたことは記憶にあった。
 中国や韓国でも測定して欲しいが、伝手がない、とのことだった。

 講演2では、原先生が福島高校での放射線教育について説明した。
 放射線の被ばくを測定した216名の高校生が第一著者(ファーストオーサー)という前代未聞の論文を投稿したらしい。
 この論文掲載料は東大の早野竜五氏が負担したらしい。

 福島での放射線教育でのスタートはアンケートである。
 心配なことは何ですか、ということから、3つの項目を取り出した。
 放射線による健康影響、物理的性質、対処方法の3点である。
 この3点を中心にして説明したが、正しい知識を得ているのかという不安、女子生徒は結婚や出産に不安、福島県産物への不安等があることがわかった。
 放射線教育の中で、被ばく線量の計算に強くなった。
 例えば、100Bq/kgの食品を何s食べると1mSvの被ばくになるか、という問題であれば、100Bq/kgの食品を1s食べた時に1.7μSv被ばくするから、これから逆算すると588sになる。
 福島のエートスという団体はICRP Pub111を読んだというようなこともあったらしい。
 このPub111は「原子力事故または放射線緊急事態後の長期汚染地域に居住する人々の防護に対する委員会勧告の適用」というのが国際的な権威の機関ICRPで福島事故前の2008年に承認されているもので、福島事故を見通していたような資料である。
 また、放射線教育後のアンケートもいくつかの事例が載せられていた。
 他の家との比較で安心できた、とか、データを出す行政やマスコミもきちんと理解せずに世の中に出していたので、不安が大きくなった、等の辛辣な意見もあった。

 私は質問で、放射線による損傷ばかりがクローズアップされていてよくない、放射線損傷からの細胞の回復ということも必要である。
 宇宙飛行士は1日約1mSvの被ばく線量を受けても、地上の2倍の栄養で回復する等の情報周知が必要ではないか、といった。
 そういう議論も必要かもしれない、とのことだった。

 この後、技術士会の人が討論用にまとめた資料を見ながら、議論を行った。

 この議論の中で、今中学・高校で放射線が可視化できる霧箱の事などを習うことがあるが、今回の女子高生2人は習ったことがあるか聞いたが、2人ともこの霧箱実験の経験はなかった。
 私は高校で、化学部兼物理同好会所属だったので、物理同好会で、この霧箱の実験の経験がある。10pくらいの円盤のガラスの中で、多分アルファ線だったと思うが、ガラスの中で、空の飛行機の飛んで行った後のような形の白い線がはっきり見えたのを驚きを持ってみたことがある。これは電離放射線の後で空気が電離され、その空気に水分が凝集することで起こる現象である。この現象の増感作用のために、ガラスの中にアルコールを添加している、との説明を聞いたような気がする。

 情報発信の項目では、風評被害を防ぐためにも福島自体が発信すべき、のとことだった。
 私は福島事故は広島・長崎、チェルノブイリ原発事故と並列で語られることが多い。
 しかし、後者2つはウラン・プルトニウムやストロンチウム等骨に沈着しやすいものが多く放出されたので、遺伝的な影響は避けられないが、福島事故の場合はセシウムだけだから、体内に取り込んでも新陳代謝ですぐに出ていき、遺伝的な影響はほとんどないことをもっとキチンと説明するべき、と言った。
 これにも賛同が得られたように思う。

 こうして、2時間に亘る講演と議論は終了した。

 今後もこうした講演や議論の機会があれば、積極的に参加して、風評被害の減少等に向けた取組をしていきたいと思う。

<講演会概要>
 特別講演会:スーパーサイエンス部放射線班として東日本大震災後の取り組みで学んだこと(仮題)
 1.日時:2017年(平成29年) 6月23日(金) 15:00〜17:00
 2.場所:葺手第二ビル5階会議室(港区虎ノ門4-1-21)
 3.会費:会員500円、会員外1000円
 4.主催:日本技術士会 原子力・放射線部会
 5.プログラム
  講演1:「D−Shuttle Project 2017」福島高校 スーパーサイエンス部3年生2名
  講演2:「福島高校の放射線教育」福島高校教諭 原尚志氏

内容(日本技術士会の案内から抜粋)
 福島高校スーパーサイエンス部は、東京大学の早野龍五先生の指導の下、Dシャトルによる国内/国外の線量比較や原著論文の作成、ICRPのダイアログセミナー他国内外での発表、福島第一原発の見学等も経験し、メディアで大きく紹介されました。
 一方で、地元の信夫山の線量測定等、地域に密着した気づきから、原発事故による人々の不安に対して、科学的な取り組みで真正面から向き合っています。
 生活の中での様々な出来事、福島県と県外、国外との課題や意識のギャップ、風評被害、いじめの問題等、経験したこと伝え聞いたことに対しての生の思いと冷静な探求を聞き、私達が、これからも福島の問題にどのように取り組んでいかねばならないかを学ばせて頂くことを目的としております。
 合わせて、彼らの将来に対する不安や希望など真剣な思いに、私達から支援できることも、講演後の意見交換の時間も活用しながら探りたいと思います。
                              −以上−

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