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zoom RSS 福島復興シンポジウムに参加して

<<   作成日時 : 2017/04/09 07:47   >>

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 福島復興シンポジウムに参加した。

 今年2月23日に原子力学会HPに上記の案内が出ていたので申し込みした。
 見た時にちょっと迷った。開催日が3月26日(日)で翌日から原子力学会春の年会が小田原近くの東海大学湘南キャンパスで開催されるので、前日から小田原のホテルを予約していたからだ。
 ただ、場所が大手町のビルなので、終了後にすぐに小田原に移動すればいいと思い、申し込みした。
 申し込んだ翌日に原子力学会より上記のシンポ案内のメールが届いた。これは学会員への一斉メールの方で、こちらでも申し込みできたのである。

 3月26日(日)は雨だった。
 小田原に行く準備をして、東京駅のロッカーに荷物を預けて、参加した。
 場所がよくわからずうろうろした。
 しかも休日なので、開催場所の本来の表の門が閉鎖されていて、掲示がしてあって休日の門は右側にぐるっと回って階段を下りた地下で受付した。
 その後、警備所の横をすり抜け、受付でもらった入構証でセキュリティドアを開錠して入るシステムであった。
 おまけに受付で私の名前を言ったのだが、登録者名簿に私の名前がなく、一瞬、あれっ、申し込みし忘れたかと思い、その場で再度申し込み用紙に所属と名前を書いた。
 後で、記録ノートを確認したら、ちゃんと2/23に申し込みし、2/24には受け付けました、とのメールも届いていた。

 プログラムは末尾に添付する。

 最初の(1)は報告ということで、原子力学会の福島特別PJ代表の井上氏が説明を行った。
 今日の講演で除染の話は出ないので、今する、ということで、国の除染計画はほぼ終了して福島への帰還が進行している、今後はフォローアップ除染が行われる、と説明した。

 (2)の吉岡氏は食品中の放射能の検査結果について説明した。
 食品中の放射能の基準値は日本では100Bq/kgであり、国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の採用しているコーデックス基準1,000Bq/kgの10分の1である。
 この基準を超えた時は出荷制限がある。
 この食品に対する放射能検査は福島原発事故の影響を受けた福島県、宮城県、茨城県等17都県あるが、ほとんど検出されなくなってきたことから、今後検査体制を縮小するようである。
 ちょっと例を挙げてみると、福島県のH27年度の検査点数約2万件のうち、100Bq/kgを超えたのは4件である。
 検査対象の県にアンケートすると、検査縮小に肯定は約4割、1割は現状維持、5割は回答なし、であった。
 関係者の意見交換会を実施したら、一部の国で輸入規制がある、との意見や検査の疲弊感等が感じられたようである。
 私も福島県産で会場で売っていた桃のジュースを飲んだ。
 この間、いわきか郡山で行われた時には福島県産のリンゴを食べた。
 すでに福島県産の食品は放射能汚染には無関係な状況があるが、それが他県、日本全国、世界には伝わっていない。
 要するに、福島のセシウムCs-137は土の中に固定されていて、農産物等には移行しない、極く一部の汚染物としての猪等は山菜等を食べる時に泥も入り、それで汚染する。
 森林でのCsも木の中で固定され、落ち葉で地面の中にあるものもそこで土に捕捉されると、そこで安定化する。 万が一、微量の放射能汚染した食品を食べても、通常の栄養バランスのとれた食事をしっかり摂っていれば、体内での放射能で損傷した細胞も、日焼けと同じように回復することを理解していれば何も怖がる必要はないのである。

 (3)の石川氏は食品中の放射能に関するリスコミについて説明した。
 食品の安全を脅かすものとして、化学物質・汚染物質、食中毒、自然の毒(キノコや蛇等)と放射性物質である。 食品安全の基本は量である。
 貯水槽に1滴の毒物、水サーバーに1滴の毒物、コップに1滴の毒物、ということで、飲めそう、微妙、飲めない、と感じる。
 食品の放射性物質について、500Bq/kgの食品を食べたけど大丈夫か、との問いに、0.0013mSvだから大丈夫、との答えである。
 通常年間で普通に生活しても宇宙線や壁のラドンガス等から受ける自然放射線で年間2.4mSvだから、それの2千分の1のごく微量の影響しか受けないのである。
 食品中の検査の手順としては、NaIシンチレータで簡単なスクリーニング(ふるい落とし)をして、疑わしいものについて、ゲルマニウム半導体検出器(Ge検出器)で精密検査を実施して100Bq/kg未満であればOKである。
 平成28年度では普通の農作物ではほとんど基準超過はなく、キノコ、山菜、猪等に若干超過のものがある。
 消費者の意識については風評被害に代表されるように、変な記憶のみ残っているようである。
 さっき話しましたよね、で、また戻って話をすることが多い。
 おそらく何Bqとか何mSvとかで幻惑されて、本来の理解が妨げられているのではないか。
 簡単に理解させるのであれば、セシウムCsはナトリウムの親戚で、体内に取り込まれても蓄積しない。そもそも、土の中ではCsは土にがっちり捕まえられて農産物に入り込まない。
 もしセシウムが体内に微量入って細胞がその放射線で壊れても、葉酸やビタミン等の野菜や果物などの栄養をしっかり摂れば、日焼けと同じで回復する。
 これだけ知っていればどれだけ安心か、と思う。
 大量の放射能があれば、人体に悪い影響を与えるが、少量であれば新陳代謝と栄養摂取で、人体の健康は維持できる。
 また、子どもは放射線に弱いと言われるが、乳児・幼児は大丈夫である。
 妊娠している妊婦さんの体内の受精卵の細胞分裂が活発な時期の一部のみは確かに危険な時は存在するが、それは食品添加物、薬や自然にある宇宙線の影響等を心配することとあまり変わりはない。
 これらの知識の理解があれば、放射能を怖れる必要はないのである。

 (4)の菅野氏は原子力事故による風評と闘う福島の農業の今・そして未来というタイトルで説明した。
 風評被害で県産物が売れない状況を説明した。
 取り引き先から聞く本音は、品質的な問題ではない、消費者からの問い合わせが想定され、これらの対応をするくらいなら扱わない方がいい、との意見がある。
 安くしてくれるなら、と足元を見るようなこともあるらしい。
 チェルノブイリ視察でいろいろ情報を集めている、とのことだった。
 私はコメントで、チェルノブイリのことと比較しない方がよいと言った。チェルノブイリ事故はプルトニウムやストロンチウム等骨に沈着する成分が多く放出された。
 それに比べて、福島事故ではセシウムとヨウ素以外はほとんど放出されていないから、遺伝的な問題をほとんど心配しなくていいのである。
 チェルノブイリ事故での子どもの影響が大きいので、子どもを持っているお母さんがふ福島に帰るのをためらうのは多分チェルノブイリ事故での子どもの影響が大きいのを報道などで知っているからかもしれない。
 報道による誤った情報の伝え方なのであるが、今現在でもマスコミの誤解による報道の影響を受けることが多いのではないかと思う。

 (5)の木原氏は福島の農林水産物の流通拡大に向けた取組について説明した。
 名産品を売ろうとして、「チーム福島プライド。」等のグループを立ち上げたりしているが、何か小手先の技術で対応している印象があった。
 AKBの誰かが食べたリンゴとか、世界一甘い果物を作るとかでは何か違う気がした。
 復興とはそんなものではないと思うのだが、ではお前はその提案ができるのか、と言われると答えに詰まるのも事実である。
 これは今騒がれている地方創生の課題にもつながる問題で一朝一夕に解決できる問題ではない。でも何もしないのはやって失敗するよりはるかにひどいのである。
 私は地方創生の基本的な考え方は野菜工場やウルトラファインバブル技術による魚などの生鮮食料品を作ることではないかと思っている。これらの技術を支えるための老若男女の組織化による生きがいの創出等が必要と考えているが、そのためのシステムをどこが作るか、その予算は、ということが思いつかない。
 思いつく人があれば、コメント書き込みでもして欲しい。

 (6)の浅田氏は首都圏に住む消費者として話した。
 この人は資料なしで、上記の5人の話を聞いて、その感想を述べた。
 知らない情報もあった、知っている情報もあった。情報はいっぱい出ている。でも消費者に届いていない気がする。
 消費者は何かの損得がないと情報を取りにいかない。いかに届けるかが問題である。
 横浜に住んでいる。事故直後は神奈川のデータを見ていた。でも今は見ていない。
 JAの人の説明で、取引先の本音の話があった。スーパーで福島県産はなかなか見つからない。
 風化は悪いことではなく、自然の現象である。風評も前向きにとらえればいい。福島県産のリンゴやお米をいただいている。正統な味で勝負すればいい。でも安心の部分は強制できない。

 この後全体討議となった。
 私は、池上彰氏がNHKの週刊こども新聞の司会をやって、大人の世界のニュースをどうやって子どもに伝えたらいいか、ということから、模型を作ってみる等の様々な工夫を凝らした。
 その結果、子どもだけでなく、大人も見るようになった事例を挙げて、子どもにもわかるような工夫をすればいいのではないか、また、HPでキッズコーナーを設けてはどうか、と聞いた。
 パネラーの人は概ね了解されたように思ったが、さて、原子力界の池上彰はどこにいるのか、と考えて、はた、と困った。
 私がなれるかな、でもあまり有名でもないし、と思った。

 今考えているテーマの説明で、初級、中級、上級編の3通りの説明等がちょっと面白いかな、とも思う。
 このテーマでは
  (1)セシウムはナトリウムの親戚
  (2)セシウムの放射線
  (3)高山に住んでいる人の被ばく
  (4)広島・長崎とチェルノブイリと福島事故の比較
の4点で考えている。
 これに付け加えて、
  (5)栄養を摂れば、放射線で壊れた細胞を回復できる
 ということの5点で、原子力学会あたりに投稿できればいいと思う。

 以上でこの福島県産シンポは終了した。

 今後もこうしたシンポに参加して、福島復興の手助けのヒントでも探していきたいと思う。

<日本原子力学会シンポジウム>
  「 消費者のギモン 福島県産ってどうなの?」
1.日時:2017年(平成29年)3月26日(日)13:30〜17:00
2.場所:大手町ファーストスクエアカンファレンス Room B+C
3.主催:日本原子力学会
4.後援:福島県、環境省福島環境再生事務所
5.参加費:無料
6.プログラム
 【報告】(1)日本原子力学会・福島特別プロジェクトの取り組み 福島特別PJ代表 井上 正
 【講演】(2)食品中の放射性物質検査結果から福島県を考える 農林水産省 吉岡 修
      (3)食品中の放射性物質に関するリスコミとその経験からの報告 消費者庁 石川 一
      (4)原子力事故による風評と闘う福島の農業の今・そして未来 JAふくしま 菅野 孝志
      (5)福島の農林水産物の流通拡大に向けた取組事例 復興庁 木原栄治
      (6)首都圏に住む消費者として 消費生活アドバイザー 浅田 浄江
              −以上−

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