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zoom RSS 原子力学会参加その2−学会発表内容等の説明

<<   作成日時 : 2017/04/05 16:56   >>

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 原子力学会・春の年会に参加した。その2は学会で発表された内容等の説明を行う。

 期間は2017年3/27(月)〜3/29(水)の3日間で、東海大学湘南キャンパスで開催された。

今回も福島事故関連を主としたA会場(以下Aと略、会場はM会場まであった。)を中心にして聴講した。
聴講スケジュールは以下の通りである。

 3/27(月) AM1  AM2     PM1       PM2      PM3        PM4 
   A福島関連 A福島関連 F女性の活躍  A福島関連   E原子力防災   −
 3/28(火)
   E光核反応 A福島関連 I核セキュリティ C人材育成 C放射線教育  B線量計測
 3/29(水)
   Fもんじゅ  L核種分離 L福島環境    −       −         −

 AM1は9:30−10:45くらいにある発表、AM2は10:45−12:00くらいにある発表、PM1は13:00−14:30にある特別セッション、PM2は14:45-16:00くらいにある発表、PM3は16:00-17:30 、PM4は17:30-18:30くらいにある発表時間帯である。

 今思い返して、テーマについて整理してみる。
 第一には、福島事故関連の情報収集である。
 第二のものとして、女性の活躍、原子力防災、人材育成、と関心のあるテーマの会場に行った。
 第三には、私の研究テーマの光核反応の会場に行った。
 ミーハー的な興味として、もんじゅと東芝・ウェスチングハウス(WH)の作った新型原子炉AP1000のセッションにも行った。
 ミーハー的なことについて簡単に説明しておくと、高速増殖炉・もんじゅは廃炉が決定していて、その廃炉でどんな研究発表があるか、という関心である。
 東芝・WHのことは主に毎日新聞HPの東芝特集を基に書くが、一部私の感想も入っている。
 東芝・WHの新型炉AP1000は米原子力規制委員会が既に承認している新しいタイプの原子炉で、安全上の構造で重力落下で冷却水注入、自然循環による崩壊熱除去というシステムを取り入れているPWR型原子炉である。
 ただ屋上に冷却水タンクをおいた構造は地震の多い日本では難しい、ということが指摘されている。
 そもそもWH購入の際に3,000億円の価値しかないと言われていたのに、東芝はその倍の6,000億円で購入した。 多分将来の柱として育てよう、そのために東芝はBWRメーカーだったのに、世界のシェアの70%を占めるPWRの主要メーカーだったWHを手に入れたかったのであろう。
 一種のバクチだったのであるが、福島原発事故で、それまでの原子力ルネサンスの雰囲気が一転して、原子力発電の退潮、また、既存の原発や新規の原発にも安全上の装備を相当設置しないといけない情勢になって、原発コストは上昇してしまった。
 国内の会計処理不正疑惑問題の一端もこの問題が影を落としている可能性もある。
 舵取りを誤った企業としての典型と言えると思う。
 その東芝・WHの新型PWR炉のAP1000でどんな発表があるか、と思ったのである。

 以下に聴講順にメモ程度に書き留めていく。
 長々と見たくない人は末尾にまとめを書いておくので、それだけみればいいかもしれない。

 第1日目の最初はA会場のA1でSPEEDIをめぐる論争に関する発表で、東京電機大の寿楽氏が説明した。
 SPEEDIは放射能拡散予測システムで、福島事故関連で議論を巻き起こしたものである。
 放射能予測していたのに、公開しなかったために余分な被ばくをした、と批判された。
 これは元々放射能量をERSSというシステムから入手して放射能計算をするはずであったが、このERSSのデータが得られなかった。確か停電のせいと記憶している。
 このため、正確な分析といえず、参考値という位置づけだったと思う。
 放射能量はわからなくとも、その分布は後から考えても相対的ではあるが正確な値を示しており、これが公開されていれば、無駄な被ばくを防げた、と非難された。
 その後、原子力規制委員会はこのSPEEDIを使うことに関して否定的であり、一方、自治体関係は利用すべきとしていた。
 私は質問で、避難計画などで、問題点のあぶり出しに使うべき、と言ったら、フランスは今その方向で動いている、との答えだった。
 フランスは発電での原発依存率が70%(日本は福島事故前で30%)と異常に高いため、必要な措置かもしれない。

 A2はこのSPEEDIの世界版WSPEEDIに関するもので、あまり関心はなかった。
 A3は福島事故直後のヨウ素(I-131)等短半減期核種に関する評価で、寄与率は15%とのことであった。
 A4は六ケ所再処理施設のアクティブ試験(ホット試験)でのI-129の排出に関するものであった。
 A5はマイクロ波放電によるヨウ化セシウムCsIの捕捉に関する模擬コールド試験であった。
 私はマスバランスのことを聞いてみたが、まだ始まったばかりで、そこまでの検討はしていないようであった。

 午後1番のセッションはF会場の男女共同参画委員会による「多世代ロールモデルで描くキャリアプラン」に参加した。
 以前の教育シンポジウムで、女性の職場に子どもを連れていくことについて提案してみたことを聞いてみたくなった。
 パネラーは東京都市大の多治見女史、JAEAの筒井女史、東芝の渡辺女史、元日本原子力発電の小川女史というメンバーで、大学生1名、20歳代の社会人2名、定年前後の女性1名の4名であった。
 各自の経験談が主で、女子トイレに苦労、着替え室がない、ロールモデルがない、等の話をしていた。
 私は質問で、子育てのノウハウを持っていそうな看護師と連携シンポはどうか、子育てのために職場に子どもを連れていくのはどうか、等を聞いたが、今回のテーマとずれている、とのことで、却下された。

 その後に再びA会場に戻った。
 A6は三朝温泉のラドン吸入に関する研究で、放射線ホルミシス(放射線を浴びても、それが少量であれば健康のためには良いのではないかという説)に近い研究であった。
 以前にも発表があったもので、多少興味はあるものの、今回の内容はちょっと不可解と感じた。
 A7は放射線を利用した医療機器に関するものであまり関心はなかった。
 A8は原子力防災に関するもので、多少注目すべきと思ったが、避難のシミュレーションに関するもので、ちょっとがっかりした。
 A9は放射線防護剤としてルチンというものを使った研究であり、防護剤としては安定ヨウ素剤があるが、それ以外のものがあまり開発されていないので多少の関心はあるが、まだ進展はあまりしていない印象であった。

 次にE会場の原子力防災のテーマのところに行った。
 ただここでは原子力防災とコミュニケーションということで、原子力防災そのものではなく、原子力防災に係るリスクコミュニケーション(リスコミ)に関する発表が主であった。
 E14は関西圏での原子力防災に関するアンケートで原子力に不安を持っている人は7割くらいいるということであった。
 E15とE16は原発30q圏にかかっている滋賀県の1,000人弱の人のリスコミに関する発表であった。
 滋賀県は原発災害の影響は福井県より小さいものの、前知事と現知事の両方ともに原子力防災に関する関心が高いようであった。
 ただ、この発表に関してはあまり印象はないものであった。
 でも質問で、この発表の中で行われたとするリスクコミュニケーション研修を福井県と合同でやったかどうか聞いた時、合同で実施というような回答だったと思う。
 
 第2日目の最初はE会場の光核反応のテーマに参加した。
 光核反応とは、原子核にガンマ線を照射して核反応を起こさせ、中性子が1個飛び出して、別の原子核になるというものである。
 通常この反応では10Mev以上の高いエネルギーが必要というのが常識であり、私はその常識に挑戦した仮説(メスバウアー効果という前処理を行って原子核を励起させ、その状態から光核反応を起こさせれば、10Mev未満で可能とするものである。)を提案している。
 今はまだ仮説にすぎない。

 E1からE4まではあまりヒントになるような発表ではなかったが、E5の早川氏の発表については、科学技術振興機構(JST)の推進するImPACT(革新的研究開発推進プログラム)のテーマの中の1つで、同位体分離を伴わないものでZr-93等の長半減期の核種を10Mev近辺のガンマ線を照射するというものであった。
 しかし、副次反応を抑制するためのものであり、私の仮説とは違ったアプローチであった。
 私は質問で、メスバウアー効果の寄与を考えてみてはどうか、と言った。
 彼は一瞬戸惑ったようで、その後、ガンマ線のエネルギーからメスバウアー効果分のエネルギーを差し引いた効果しかない、と回答した。
 ちょっと違った解釈をされたが、それ以上の質問はしなかった。

 その後、A会場に戻った。
 A7では、福島大の青山氏が黒潮から沖縄方面、その後に日本海側にぐるっと回り込む海水中のCs-137の分析を行っていた。
 ただ、その分析が数Bq/Lという微量成分だった。
 私は質問で、微量成分の測定時間を聞いたが、青山氏は溶媒抽出で数Lのサンプルから抽出、という抽出に重点をおいた回答をして、測定時間のことは回答してくれなかった。
 A8とA9はCs-137の沈着モデルとNaIスペクトルによる放射能推定で、あまり関心はなかった。

 午後の最初の特別セッションは核セキュリティのI会場に行った。
 京大の中島氏は文部科学省の核セキュリティの作業部会に参加している人らしい。だから、内容は作業部会の発表に限られたもので、迫力不足であった。
 しかし、大学の先生であるし、こうした部会に出席すること自体が重荷となっているように感じた。
 最後の方で技術俯瞰図というような、この分野の技術をまとめたようなマップを作るということがわかった程度である。
 あまり、技術的なことも控えるように釘を刺されているのではないか、と思った。
 質問では他の人から、官庁間の連携とか、日本国内の体制とかの質問も出たが、あまりはっきりした回答はなかった。
 要するに、微妙な質問はセキュリティ上、答えられないようであった。
 次の原子力施設へのサイバーセキュリティ対策ということで、民間の研究所の名和氏が講演した。
 彼は中島氏のように秘密保持には縛られないようで、いろいろなことを説明してくれた。
 そうじのおばちゃんのスマホから、その施設のネットワーク環境が外部に発信されて情報漏れがあったとか、ドイツの原発でマルウェアが発見されたとかを説明した。
 中国製品にはバックドアとかの不良ソフトがくっついていることが多いらしかった。
 最近の報道で、アメリカ大統領選挙でロシアのサイバー攻撃関与が疑われたりしているが、現実的にはもっと進んだサイバー攻撃があちこちで行われている様子がうかがえた。
 外国製品であれば、どういう機器を買えば安全なのか、との他の人の質問では、日本国内の製品や永世中立国の製品が安全、とのことだった。
 情報漏洩に関して危険な人の兆候は何か、と問われ(他の人)て、借金が多い人や配偶者が外国人の場合はそうした情報漏洩の危険が多い、との回答だった。

 次にC会場の人材育成のところに行った。
 C9では福島拠点において、JAEAが高専の学生に対して、レーザー技術、ロボット技術、センシング技術等を教えるものであった。
 ただ、この募集には3名の応募しかなく、講師の数の方が多い結果だったようで、宝の持ち腐れ状態らしかった。
 やはり福島で実施というところに問題があったかもしれない。
 C10では廃炉創造ロボコンによる人材育成、というもので、これはNHKが放映していたから私も知っていた。
 高専の学生や大学生がロボコン参加というのは最近よく放映されていて、それの廃炉版というところである。
 私は質問でスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の生徒も参加可能なヒント、例えばHPにロボット作りのノウハウ等を載せて参加しやすくすることは可能か聞いた。
 予備知識がないと難しいかもしれない、高専だと先輩などから教わることができるが、SSH等では難しいかもしれない、とのことだった。
 C11は東北大学における放射線との共生教育活動ということで、量子フォーラムというグループを編成してオープン量子スクールを開いている、とのことであった。
 女川や青森・六ケ所村に活動拠点を設けているらしかった。
 C12では福島高専の鈴木氏が地域の環境回復の観点から発表した。
 原子力規制庁の支援を受けており、環境安全学なるものの講義を受けさせていたりした。
 この活動の中で、英国セラフィールド再処理工場やJAEA幌延の最終処分研究施設に行ったりと、行動的な活動をしているらしかった。
 C13−C15では、以前のNHKの「白熱教室」を模擬した福島と横浜の中高生による東工大での議論のことを澤田氏等が発表した。
 福島高校の生徒3人と横浜の生徒17人で、甲状腺検査について議論したらしい。
 この発表については、議論した当日の夜のNHKで放映されていて反響もあったらしい。
 私も確か見ていた記憶がある。8:45PMのニュースだった気がする。
 シナジー効果というか、3人寄れば文殊の知恵、というような感想を参加者の一人が述べていたのが印象に残った。
 C16のJSTの尾崎氏はちょっと違って、普通のおじさんみたいな人がGM管とパソコンをつないで、波高分析をしていたようで、昔の理科実験の延長線のようであった。
 C17では大阪府立大学の秋吉氏が放射線厚さ計などを作った発表であったが、私は彼が以前に作ったというペルチェ冷却式霧箱の方に興味を持った。
 私はペルチェ素子に関する特許を申請中であり、この霧箱との連動ができればいいと思った。
 一応秋吉氏のHPを覗いてみて、ペルチェ冷却式霧箱の状況を見てみた。この霧箱はいろいろな応用が考えられ、一度この装置の研究をしてみたいと思う。

 その後、B会場の線量計測のところに行った。
 B19は新潟大の自動走行サーベイシステムASURAの発表であった。
 自動走行サーベイシステムとしては、京大のKURAMAシステムが福島で測定されているが、これは全方位型である。
 このASURAは前後左右・上の5つの方向のガンマ線を別々の検出器で計測し、その間に鉛ブロックを置いているので、重量感もあるが、手軽にサーベイというわけにはいかない。
 今回の発表では福島の道路を14回繰り返し測定し、その繰り返し精度の十分なことを説明していたが、インパクトは弱いものであった。
 B20-B22はコンプトンカメラの開発に関するもので、JAEAの佐藤氏等が発表した。
 最終的には福島原発内の場所のホットスポットの可視化であり、そのために予備段階として、福島の道路のホットスポットで実験していた。
 私は質問で、このガンマカメラを用いたホールボディカウンター(WBC)はできないか、と聞いた。
 でも今のところ、ホットスポットの可視化に絞っているらしく、あまり関心はなさそうだった。
 福島事故での被災者はCs-137しか測定できないから、あまり普通のWBCの測定と違わないが、チェルノブイリ原発事故の被災者はCs-137以外の核種をかなり体内に蓄積している可能性があると思った。
 彼らは事故直後に食物摂取制限を受けていないであろう。だから、事故直後の食物摂取により、Cs-137以外の放射性核種を摂取・蓄積していると思う。これをガンマカメラ型WBCで測定すると、体内のどの部分にどんな核種が蓄積しているかわかり、ガンとの関連、遺伝に関する研究に寄与できると思うが、残念ながら、そのような発想を持っている人がいないようである。
 これは広島・長崎でも同じであるが、こちらは70年の年月が経過しているから、被災者の生存者の体内を測定しても、新陳代謝でほとんど測定できないであろうと思う。
 また、被災者自体のサンプル数が少なくなっていることが残念である。
 もっと早くこうした放射性物質の体内蓄積の研究(被災者の死後に体内の臓器等のα、β、γ核種の蓄積のデータと被災者の生前の病気や子孫の遺伝状況等を研究すること)ができていれば、放射線被ばくの研究は数段進んでいたと思う。

 第3日目の最初はF会場のもんじゅの発表のところに行った。
 もちろんミーハー的興味で行ったのである。
 タイトルは「もんじゅのデータを活用したマイナーアクチニド核変換の研究」のシリーズ発表であった。
 もんじゅは廃炉になるが、このもんじゅでのデータを使って、長期に環境に悪影響を与えるマイナーアクチニド(MA)を核変換によって無害なものに変える新型原子炉の研究なのである。
 炉心の構造、中性子スペクトルの研究、核分裂断面積等に関する専門的な研究が発表されていたが、あまり関心は持てなかった。
 フランスのASTRID炉に関する言及もあった。でもこのフランスの炉は核変換タイプの原子炉で、もんじゅのような燃料増殖を目的としていないから、今の日本の核燃料サイクルとは異質なものである。
 しかし、日本の政治家はその辺をあまり理解しないで、もんじゅ廃炉、ASTRID炉への協力体制を決めてしまったみたいである。
 原子力学会も学会誌で「もんじゅ特集」を組んでいたりしたが、いかんせん政治力に及ぼす影響はほとんどなかったみたいである。

 次にL会場の核種分離のところに行った。
 L5ではレーザーを使った白金族元素の分離であった。
 昔、ネプツニウムNpの5価イオンをレーザーで4価イオンにする研究があったが、それの見直しのようであった。廃棄物が発生しない利点はあるが、反応効率やエネルギー効率はどうか、等の疑問点があるが、質問しなかった。
 L6はイオン液体を使ったセシウムCsの分離ということで、関心を持っていたのだが、イオン液体中のCsを電解して回収、ということで、道は遠い、と思った。

 次にG会場の東芝・WHの持つ新型原子炉AP1000の発表を聞いた。
 このAP1000は中国の原発として採用されており、その静的炉心冷却と静的格納容器冷却についての発表であった。
 会場から、福島事故の影響はあったのか、等の質問が出たが、どう答えたかは覚えていない。

 午後からのセッションはL会場の福島事故後の汚染廃棄物の管理のところに行った。
 1番目は国立環境研の遠藤氏が廃棄物の総合管理で、福島県以外の管理について話した。
 32万m3の汚染土壌があり、2万5千か所で保管している、とのことだった。
 2番目は再生利用を目指したセシウムCsの吸・脱着機構解明、ということでJAEAの矢板氏が話した。
 実験室のデータが現場で使えるのか、との指摘もあったらしい。風化した黒雲母を使うことを提案していた。
 私は質問で、海水利用したCsの土壌からの分離はできないか、と聞いたが、あまりはっきりした答えはなかった。
 この海水によるCs分離はJAEAが過去の学会で発表していたことである。
 この海水による汚染土壌からのCs分離と、津波で海水汚染した土壌に、高炉スラグのカルシウムで塩害を抑え込むことを組み合わせれば、汚染土壌の再生利用ができるかもしれない、と、この質問後に思った。
 3番目の環境省の金子氏は中間貯蔵汚染土壌の再生利用技術ということで、2,200万m3の除去汚染土壌は東京ドーム18個分あり、大半が10万Bq/kg以下であり、減衰して将来は防潮堤等に利用したい、と説明した。
 私は質問で、この再生利用は東日本の被災した地域のみか、または全国に適用するのか聞いた。
 全国で適用、とすると、今の中間貯蔵で発生している問題が全国で起こる可能性がある。
 全国で適用したい、そのために十分な説明をしていきたい、とのことだった。
 4番目はJAEAの澤口氏で除去土壌の安全評価であった。
 放射性廃棄物として取り扱う必要のないクリアランスレベルを適用して安全評価を行うらしかった。
 5番目のJAEAの仲田氏は廃棄物の処分費用であった。
 トレンチ型の廃棄物管理の事業所を仮定し、約6万円/m3とすると、1つの事業所で12万m3を管理すると約2億円、との試算であった。
 これを汚染土壌2,200万m3に適用すると、約400億円でいいことになる。
 実際にはこんな簡単にはいかないだろうが、一つの提案ではある。

 以上で今回の学会の聴講は終了した。 

 今回の結果を私なりにまとめておく。
 第一の福島事故関連の情報収集では、汚染土壌の再生利用を進めている状況がある。
 この過程においては中間貯蔵や風評被害と同じような問題が発生することが予想される。
 この他、汚染土壌について、海水で洗い、Cs-137を分離し、その後に高炉スラグのカルシウムを使って塩害防止を図るシステムを思いついたことが一つの成果である。ただ、海水によるCs除去は効率がよくないことも予想されるのでもう少し掘り下げた検討が必要である。
 また、ペルチェ冷却式霧箱という面白い放射線可視化機器の情報を得たので、この研究もできれば進めてみたい。
 第二のテーマとして、「女性の活躍」については原子力に従事している女性研究者の生の声は聞けたが、では彼女らのこれからの活躍の未来は想像できるか、といえば、疑問である。
 ここは私の提案である「看護師との共同シンポ」を開き、子育てと仕事の両立に一番実績がある看護師の話を聞くのがいいように思う。
 原子力防災に関しては、リスクコミュニケーションに関する発表に力点が置かれ、本来の防災技術や避難計画等の話はあまりなかった。
 SPEEDIによる避難計画の検討等の提案はしてみた。フランスではそれなりの活動はあるが、日本ではまだないように感じた。担当する機関がないのである。原子力学会に期待しても、片手間ではお手上げである。
 また原子力防災分野でのサイバーセキュリティに関しては、かなり危うい現状が認識できた。
 このサイバーセキュリティに関して、もっと人とお金を投入して人材育成をしないと、年金機構のデータ流出等のような事例の防止が難しいと思った。
 福島事故に関連しての人材育成については、廃炉ロボコン等が面白い企画であるが、一般の高校生や大学生も参加できるシステムやロボット研究を将来自分の仕事として結び付けていけるか、等の課題があると思う。
 第三の私の研究テーマの光核反応については、私の研究に近い研究はあったが、ちょっと考え方が別の方向に解釈されて、結果としては成果はなかった。

 今後もこうした学会に極力参加して、福島関係の情報収集・問題点の解決策を探るとともに、私が考えた種々のシステム等についても幅広く検討していき、採用可能なレベルまでもっていきたいと思う。
                              −以上−

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