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zoom RSS 放射線安全管理講習会に参加

<<   作成日時 : 2017/03/19 10:40   >>

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 放射線安全管理講習会(2/24)に参加した。

 私は第一種放射線取扱主任者の資格を持っている。

 資格を持っていたって、実務に携わる機会はもうほとんどないから、チャンスがあればそれを利用して磨きをかけないと錆び付いてしまう。

 そんな時、昨年の暮れ(12/27)に学会から放射線安全管理講習会のメールがきた。
 主催が放射線障害防止中央協議会だが、共催が原子力安全技術センターとなっていた。上記の資格の発行機関である。
 内容も放射線障害防止関係の法令改正に向けた動きや看護師の放射線教育等となっていた。

 東京会場で来年(2017年)2月24日、大阪会場で3月3日開催となっていた。
 すぐに申し込もうと思って募集要項をよく見ると、受講料1万円(テキスト代を含む)となっていた。
 ちょっと考えてしまった。通常は多くて3千円くらいまでで、1万円はなあ、やめようか、とちらっと思ったが、ブラッシュアップの機会と思い直し、FAXで翌日申し込みした。
 多分1日、間を置いたということはちょっと迷ったからだと思う。

 2月24日は晴れていたと思う。
 会場は文京区春日の文京シビックホールで都営三田線の春日駅の真上にあった。

 受付で1万円払い、資料を受け取った。
 プログラムは末尾に添付する。

 最初の松本氏は最近の放射線安全行政の動向ということで、最近の事故・トラブル事例や立入検査等について説明した。
 資料にはJ-PARCの漏えい事故もあったが、新聞報道もあったためか、あまり説明しなかった。
 大学関係での放射線サンプル持ち出しとか漏えいが多かった。
 立入検査については年間約300事業所とのことで毎日1事業所を立入検査していることになる。
 事業者に求められる取組として、何かおかしい、このままでよいのか、何が危険かという予測や見極めができる感覚を養うことが肝心とした。ちょっと原子力安全文化のようだと思った。
 放射線取扱主任者は放射線管理をするために選任されていると勘違いしている人も多いが、実際は監督であるべきなのである。
 小規模事業所であると、人数の関係で放射線管理をすべて行っているところも多いが、本来は別にあるべき、とした。
 今後の立入検査については、法令の条文にとらわれないあり方、としていたが、新聞報道などでは抜き打ち検査の導入等が採用されるようであった。
 法令改正については、まだ固まっていないようで、大阪会場の方ではできるらしかった。
 関心のある人は原子力規制庁のHPをみればいいらしい。
 主な変更としては防護措置の強化がある。
 核セキュリティも観点から、原子力施設への侵入防止や本人確認などの立入制限や規制等がある。また、事業所には防護管理者を置くことが義務付けられるらしい。

 質疑応答の時間に、私は、放射線の障害ばかりに目が向けられているが、障害からの復旧ということは検討されないのか聞いた。
 要するに、栄養をしっかり摂れば、多少の放射線障害で損傷した遺伝子は回復するのである。
 しかし、松本氏はそうしたことは全く予想していなかったようで、あまり今回の話には関係ない、というように答えたと思う。

 次の二ツ川氏はRI事業者がなすべきことについて説明した。
 絶対安全とは何か。危険リスクゼロのことである。
 リスクゼロにするには家から出なければ交通事故のリスクはほぼゼロになる。
 以前はそうであったが、最近高齢者の事故を見ると、家に突っ込んでくる高齢者運転の車がありそうな気がするから全くゼロということはない。
 品質保証制度のためにPDCAサイクルということが言われた。
 このPDCAサイクルはPlan→Do→Check→Actionであり、「計画して」「やってみて」「評価して」「まずかったら改善」、ということの繰り返し、ということである。
 また、原子力安全文化の醸成を説明した。
 これは国際原子力機関(IAEA)が言い始めたことで、チェルノブイリ原発事故報告が発端である。
 後は事業者へのアンケート結果の説明が延々と続いた。
 選任主任者数は3割の事業所が1人である。安全文化の浸透度は半数以上が実感しているらしい。

 3番目の加藤女史は看護職の放射線教育について説明した。
 看護職約150万人の内訳として、看護師・准看護師約140万人、保健師約5万人、助産師約3万人である。
 病院で行われる放射線診療はCT等の放射線診断、ライナック等の放射線治療、IVR(X線装置等を使ったカテーテル治療等)等が行われている。
 原子力・放射線災害時には汚染のチェック、汚染除去、内部被ばくの測定・評価、被災者への対応、看護師自身の防護という項目で、後ろの2つの項目が期待されているが、現状はできていないらしい。
 特に福島では住民が抱いている健康に対する不安、子どもへの影響、母乳・ミルクへの不安、離乳食・食物への不安、水への不安、外出・外遊び等があるが、これらの対処には問題があるらしい。
 原発立地県における原子力防災の意識は高いが、放射線の知識の不安が大きいらしい。
 看護職への放射線教育は基礎教育の段階での教育が不可欠だが、教育できる教員が少ないらしい。
 ただ、放射線教育の標準化ということで、テキストを作り、5か所で始めているとのことである。
 霧箱を使って放射線の可視化等を行っているが、シーベルト、ベクレル等の単位の理解が難しいらしい。

 私は質問で、放射線は紫外線と同じようなもので、エネルギーが1万倍くらいなものだから、紫外線での日焼けとかそういうものと同じと説明してはどうか、と聞いた。
 そういうことができればいいとの回答だった。

 最後の小野氏は放射線ガン治療で最近脚光を浴びている中性子捕捉療法(BNCT)について説明した。
 資料のタイトルの何か所かは「捕捉」を「補足」と誤記されていて妙に気になった。
 内容としては、中性子をホウ素B-10に照射すると、そこからアルファ線が出てきて、それがガンに当たり、ガンが死滅する。方程式風に書くと、B-10(n,α)Li-7である。
 このB-10を薬剤に混ぜて、うまく患部に集結させられるかどうかが肝心なところである。
 また、空気中の窒素を使って、これに中性子を当てて陽子を出す方法も併用される。これを書くと、N-14(n,p)C-14で、ここで出てくる陽子pもガンを死滅させる。
 この2つの両方の併用で、ガン治療の効果が高まってきたようである。
 ホウ素化合物としては、BSHとBPAの2つがあり、これらを使い、ガンの抑制を行い、ガン患者の延命率が2倍くらいになった、との説明だった。
 しかし、ガンの根治というわけではなく、あくまで延命というところが欠点であると私は思う。

 以上で、この講習会は終了した。

 第一種放射線取扱主任者の資格を持っているだけでは、ただの飾りと一緒である。
 日々進歩する技術や改正される法令等について注意を払い、新たな知見を得ることは、私自身の原子力安全文化の醸成に寄与するものと思っている。
 この安全文化の醸成を基に、福島事故対策等に取り組んでいきたいと思っている。

 これからもこうした講習会があれば参加して、自分の技術向上に励みたいと思う。


<平成28年度 放射線安全管理講習会>
1.開催日時・場所
 2017年(平成29年)2月24日(金)10:00〜16:30
      文京シビックホール(小ホール)
2.主催:放射線障害防止中央協議会
 共催:(公財)原子力安全技術センター
3.プログラム内容
 10:05〜12:00 放射線障害防止法関係の最近の動向(拡大講演)
           〜法令改正の検討状況〜 
           講師 松本武彦 氏(原子力規制庁)

 13:00〜14:00 「法令改正に向けてRI事業者がなすべきこと」
           〜RI事業者実態調査から見えてきたもの〜
           講師 二ッ川 章二 先生(日本アイソトープ協会)

 14:15〜15:15 「看護職に対する放射線教育」
           講師 加藤 知子 先生(東京医療保健大学)

 15:30〜16:30 特別講演 がん放射線治療に新たな地平を拓く中性子
           捕捉療法「BNCT」
           講師 小野 公二 先生(京都大学)
                                 −以上−

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