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zoom RSS 放射線教育フォーラムに参加

<<   作成日時 : 2016/12/04 10:55   >>

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 この前放射線教育フォーラムに参加した。

 そもそも私は学生時代に教師になろうかと思い、教育実習も受けたのである。だから、教育に関しては関心がある。
 福島原発事故を踏まえて、中学校の放射線教育がどのように変化していくかを見ていきたいと思い、参加した。

 主催のNPO法人によると、中学校の先生が頑張り、それをこのNPOが支援する、というスタンスである、とのことであった。
 私が中学の頃は放射線に関する授業は一切受けていない。でも最近の学習指導要領ではそれを教えるようになっているらしい。

 最初の文科省の清原氏は、中学校の教育指導要領の変遷を説明し、平成20年から、エネルギーの項目で放射線の性質と利用にも触れること、との一文が入り、これによって全国の中学校で放射線教育が行われることになったらしい。
 この教育のためにscience windowという雑誌で、その手助けをする内容が紹介されたようである。
 福島原発事故から5年が経ち、子どもたちの中の放射線に対する関心が薄れているので、どのように放射線教育を進めればよいか、ということを説明していた。
 私は質問で宇宙線を端緒にすればいいのではないか、宇宙から飛来する宇宙線はいつでもあるし、また最近宇宙から飛来するミューオンによる原子炉の透視等もあるから、とりつき易いのではないか、と聞いたが、はっきりした回答はなかったと思う。

 @の栃木県の島田先生は親子揃って実験授業の風景写真を見せてくれた。
 放射線を教える先生の放射線の意識を調べるためにアンケートを実施した。
 放射線という言葉は知っていてもその内容となると、霧箱観察や放射線量測定等の実験的な部分の不足がはっきりわかった。
 島田先生の授業では放射線測定器の「はかるくん」を用いて、距離と放射線の関係を実験した。また霧箱を使って放射線の観察をしていた。

 Aの福島県の坂本先生の学校は文部省のスーパー食育スクール指定校ということで忙しい学校らしい。また、4つの学校が統合した新設校なので地域から期待が大きいらしい。
 放射線教育のハードルとして、ほとんどが門外漢、社会からの要請が多い、系統的な指導体制が未整備ということで四苦八苦している姿が見えた。
 坂本先生の構想としては、誰でも実践できること、見せるための授業はしない(失敗したらごめんなさい、でいい)ことである。
 2、3年生で教えるのは修学旅行等でスケジュール的に難しいので、1年生に集中して教えたらしい。
 自ら課題を見つける、学び方を学ぶ、稚拙でも自分たちでまとめ発表する、ということを実践したらしい。

 Bの熊本県の小林先生は熊本地震のことを話すかと思いきや、確かに最初は一番被害の多い益城町の様子を見せたが、内容としては水俣病と原発事故の比較から入った。
 ハンセン病の偏見と同じく、水俣病、熊本地震、福島原発事故も、風評被害が問題とした。
 霧箱で放射線等を見たり、校内の放射線を「はかるくん」で測定したりした。
 私は質問で、一部の場所で測定した値が0.2μSvとなっていて、一般の0.03μSv/hと比較して10倍近い線量は火山灰の影響かと質問したが、はっきりした答えはできなかった。

 Cの東京都の青木先生はやはり教える側の先生のアンケートを説明した。自分たちの知識がないのに、教科書に書いていることを教えないといけないことに戸惑いがあるらしい。
 この青木先生は全国中学理科教育研究会に所属しており、持続可能な教育(ESD:Education for Sustainable Development)という大きな視点で考えており、青木先生ならできる、ではなく、誰でもできるようにしたい、とのことであった。
 使う器具としては「はかるくん」や霧箱である。
 持続可能な、というのはいい響きの言葉であるが、具体的な方法としては難しいものがある。

 Dの宮川氏は青森県の放射線の出前授業のアンケートを紹介した。
 8年間で8800名の中学生から答えをもらった。
 自然放射線は宇宙、大地、食物、土中のラドンから、と知っているのは4人に1人らしい。
 エックス線検査を受けた中学生の3人に1人はそれを放射線と思っていないらしい。
 放射線や放射能のネガティブイメージが強いらしい。
 提案として、1年生、2年生、3年生向けのモデル授業を示していた。
 その基本的な考え方として、自然事象への関心・理解、科学的な思考、観察・実験の技術ということらしい。
 大阪府中学校理科教育研究会の指導例を紹介していた。
 使う器具として、はかるくん、霧箱の他にクルックス管(放電)やプリズムを使用すること等が目新しいものかもしれない。

 本当はこの後にパネル討論があったのであるが、子どもたちと夕食を食べる約束があり、そのためパネル討論に参加していると間に合わないので、途中で退席した。

 ただ、こうしたフォーラムは関心があるので、今後も同じようなものがあれば、参加して放射線教育に関する進展を見ていき、できれば何らかの貢献ができればよいと思う。

<公開パネル討論「今やる 放射線教育 W」>
― 中学校3年間につけたい力 ―
1.日時 :2016年(平成28年)11月13日(日)13:00〜17:30
2.会場 :東京慈恵会医科大学高木2号館南講堂 (都営地下鉄三田線の御成門駅から徒歩3分)
3.参加費:資料代として1,000円(小・中・高校の教職員は無料) 
4.主催 :NPO法人放射線教育フォーラム
5.プログラム
 13:00〜13:05 開会挨拶          NPO法人放射線教育フォーラム理事長 長谷川圀彦 
 13:05〜14:00 基調講演 授業の評価規準について 文部科学省初等中等教育局 清原 洋一
 14:00〜15:30 実践報告(4件)
  @放射線に関する授業実践で生徒から私が学んだこと 栃木県絹中学校 島田 雅人
  A放射線を題材にした授業実践〜無理なく継続できる教育課程を目指して〜福島県三春中学校 坂本晴生
  B熊本地震と放射線教育 熊本県西合志南中学校 小林 信一
  C放射線教育の今後を考える〜新学習指導要領を見据えて〜 東京都千歳中学校 青木久美子
15:30〜15:50 (休憩)
15:50〜16:20
  D提案 中学校の放射線授業の評価規準について NPO法人放射線教育フォーラム 宮川俊晴
16:20〜16:30 (休憩)
16:30〜17:30 パネル討論 コーディネータ: 立教新座中学校・高等学校 渡部 智博
17:30  閉会

【講演要旨】
@実践報告1 放射線に関する授業実践で生徒から私が学んだこと:島田雅人
 平成20年の新指導要領から8年が経過しましたが、放射線に関する授業実践に関して積極的に放
射線の授業を行っている教員とそうでない教員との間に温度差が大きいと感じています。実際に、私
の勤めている地区で東京電力福島第一原子力発電所の視察を計画しましたが、上司の許可が出ないこ
とや、配偶者から止められたという理由から、参加を断念された方がいます。自分が理科の教員であ
るにもかかわらず、科学的な根拠を示せないという残念な現状がここにあります。
 私の理科教育の目標は、生徒達に科学的リテラシーを身に付けさせることにあります。科学的な根
拠をもとに、目の前にある現状を自らの手で判断していくことは本当の意味での生きる力といえるの
ではないでしょうか。当日は授業実践を通して私自身が学んだ事についてお話したいと思います。

A実践報告2 放射線を題材にした授業実践 〜無理なく継続できる教育課程を目指して〜: 坂本晴生
 福島県内の諸学校における放射線教育の必要性は,言うまでもありません。しかしながら様々な事
情で思うように広がっていないようです。このような中,本校は昨年度より福島県教育委員会から放
射線教育実践協力校の指定を受け,他校の参考になるような放射線教育を探っています。今回,これ
までの経緯と今後の見通しについて報告させていただきます。

B実践報告3 熊本地震と放射線教育: 小林信一
 今年2016年4月に震度7を二度記録した熊本地震。自然災害の恐ろしさを目の当たりにしたと同時
に原子力発電所と放射線に対する人々の不安が根強いことを知らされました。これまで中学校3カ年
間を見通したエネルギー環境教育に取り組んできた実践を踏まえながら、今後より多くの先生方と連
携を図るために何が必要なのか考えていきたいと思っています。

C実践報告4 放射線教育の今後を考える 〜新学習指導要領を見据えて〜 :青木久美子 
学習指導要領では、中学校の3年生で放射線に関する学習項目があります。次の学習指導要領での
放射線に関する学習は、中学校3年間でどのようになるでしょうか。中学校の3年間を見通した学習
計画について、資料をもとに提案したいと考えています。

D提案 中学校の放射線授業の評価規準について :宮川俊晴
平成28年度からの中学校理科の新教科書による放射線教育について1年生(光)、2年生(電流)
などの関連する単元で発展的に学習し、3年生(エネルギー資源)で理解を深める授業内容を提案す
るとともに、継続的に授業の改善を図るための授業の評価規準を提案し、中学校の段階で放射線に関
して「つけたい力」を、皆さんでご討論をお願いしたい。
        −以上−

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