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zoom RSS 放射線被ばくした時の身体の回復について

<<   作成日時 : 2016/11/20 09:29   >>

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 久しぶりに原子力学会誌から引用してみたい。

 引用するのは、放射線や他の要因(日常生活での紫外線、タバコ、酒等)によって、DNAが壊れた場合の回復の方法である。
(引用文献:香川靖雄、「人体の遺伝子保護・修復による放射線障害の防御」日本原子力学会誌Vol.58,No.11(2016))

 結論から先に言っておく。

 DNAは自然放射線や他の要因で壊れてもこれは完全に回復(専門用語では修復という)されるので、生物は生存できる。この回復のために、DNAに栄養ある食品を食べていれば大丈夫だということである。

 次に放射線が身体に当たった時に身体の中でどういうことが起きるかを説明する。

 以下は延々と上記の論文の説明及び私的な解説となるので、全部読むのが面倒という人は一番最後のみ読めばよいと思う。

 放射線の基となる放射性物質の体内への取り込みは食物で摂取するか呼吸による吸入かである。(まれに皮膚から傷口を通して侵入等)
 この人体への取り込みにより内部被ばくが起きてくる。
 その他に外部から放射線として飛んでくるものがある。これが外部被ばくとなる。
 外部被ばくはここではおいておく。
 内部被ばくは人体に取り込んだ放射性物質から出る放射線で起きる。この放射性物質は身体の代謝機能によって便、おしっこ、または汗等によって人体外部に出ていく。
 この放射性物質が出ていくまでに、人体に直接または間接的に悪い作用をする。
 直接的には、直接放射線がDNAに当たって、DNAが壊れる場合である。
 また、間接的には放射線が体内の水分に当たってこれが水分子を電離して、人体に有害な作用を起こす活性酸素を発生する。この活性酸素がDNAを壊すのである。
 これらの作用で壊れたDNAは回復のために体内の機能が働く。この機能のためにはおそらく通常より多めの栄養が必要となると思う。

 次に放射線が当たる状況になった場合について考える。
 放射線が当たる状況というのは例えば福島原発事故のような放射性物質が飛散した場合である。
 今、原発は原子力規制委員会の新規制基準に沿って、非常用発電機やベント設置等で事故が万一発生しても、放射能が外部に放出されなように対策をしているので、普通は大丈夫なはずであるが、福島原発事故も起きないと思われていたのに起きてしまった。
 人知はまだまだ自然災害を完全に押さえ込めるほど成熟していない。
 だから、万一放射能の放出するような事故を想定しておく必要がある。

 放射能飛散が起きた場合の放射線防御を以下の5段階で止めることが考えられる。
 第1は摂取阻止、第2は摂取後の排出、第3は体内の活性酸素除去、第4は損傷DNAの回復、第5はガン化阻止の5段階である。
 以下、その順に説明する。

<第1段階:摂取阻止>
 気道や消化管からの放射性同位元素の吸入防止、ペクチン(*1)等による吸収阻止のことである。
 私の理解では、活性炭入りのマスク(活性炭はヨウ素をよく吸着する)をしたり、ワカメ等ヨウ素の多い海藻等を食べたりして、最初からヨウ素の入り込みをブロックすることである。
 マスクは微粒子のセシウム等を呼吸で取り込まない意味である。
 また、汚染した飲食物を取らないで体内に放射性物質を入れないことであるが、緊急事態において汚染した飲食物しかない場合は餓死するよりそれらを摂取して、後で第2段階以降の行動を取れば、身体の損傷はかなり抑えることができる。

<第2段階:摂取後の排出>
 体内での類似安定同位元素による競合排出があり、セシウムには野菜などのカリウム(セシウムやナトリウムと同族なので物理的・化学的性質がよく似ている)がよく、ヨウ素には海藻類等のヨウ素の多いものを食べるとよい。
 第1段階と原理は同じで、事前に摂取するか、事後に摂取するかの違いである。ヨウ素剤もこの段階のものである。

<第3段階:活性酸素除去>
 セシウムのガンマ線等の電離性の放射線が体内の水分子を電離して生じた活性酸素による間接作用の阻止で、この間接作用はDNA損傷の60〜70%を占める。
 この活性酸素を除去するのはビタミンCとEであり、減少させるのはポリフェノール(*2)、カロテン(*3)、また硫黄化合物(*4)であり、放射線防護食に用いられる。

<第4段階:損傷DNAの回復>
 上記の電離性の放射線が生体分子を電離破壊する直接作用による損傷DNAの修復(回復)である。
 DNA修復に必要な栄養素は葉酸(*5)とそれを助けるビタミンB6、B12(*6)等である。

<第5段階:ガン化阻止>
 障害細胞のガン抑制遺伝子による細胞死誘導等でガン発生は抑制される。
 私の理解では、DNAが損傷してガン化しても増殖しないで死滅すればガンになることはないということである。トマトのリコペンや上記の葉酸、ビタミンC,E等でDNA損傷の修復等が行われる。

 意味がわかりにくいものについては下記の注釈をつけておく。
(*1 ペクチン:レモンやライム等の柑橘類に多く含まれる多糖類のことで、製品としてはジャム等がある。
*2 ポリフェノール:赤ワインやコーヒーに多く含まれる成分であり、植物すべての中にある成分である。また緑茶にも多い。
*3 カロテン:ニンジンを初めとした果物・野菜に多く含まれる橙色の成分でサツマイモやマスクメロンにも多い。
*4 硫黄化合物:ニンニク、ネギ、ニラ等に含まれる刺激性のある硫黄分、または大根等の辛み成分がよい。
*5 葉酸:水溶性ビタミンのことで、ビタミンM、B9、プテロイルグルタミン酸等である。ほうれん草から発見されたのでこの名がついた。葉酸を多く含む食品はレバー、緑黄色野菜、果物である。
*6 ビタミンB6、B12:B6はニンニク、レバー、唐辛子等に多く含まれる。豚肉やイワシなどもよい。魚類が全体的に多い。B12はしじみ、ハマグリ、赤貝等貝類が多い。さんま、牡蠣(カキ)、海苔(ノリ)等も多い。)

 これらの栄養学的な管理は放射線を地上より多く浴びる宇宙ステーションの宇宙飛行士の管理にも適用されている。
 また、広島・長崎の被爆者も野菜・果物の大量摂取によってガン発症が減っているようである。

 また、同論文では2015年のノーベル化学賞についても、DNA修復機構の解明ということで紹介している。
 DNA修復は3つの方法がある。放射線等でDNAに異常が発生した時、これを除去して正常なDNAに戻す機能がある。この方法に2通りあって、元通りのDNAにする方法と、異常箇所を切り取って、別の正常なDNAを作るものである。
 また、DNAのコピー(複製)を作る時に異常なDNAをコピーした時に酵素で検出し、正しいDNAコピーを作る。これらのDNA修復作業には葉酸等の栄養素が不可欠なのである。
 私は化学ポータルサイトでこれらの受賞理由を読んでみたが、よくわからなかった。最後のDNA修復には栄養素が不可欠ということは理解できた。

 結論としては、万一原発事故等で放射能飛散した場合でも、野菜や果物等のDNA修復や体外排出するのに役立つものを多く摂取するように心がければよい。
 そうすれば放射能汚染による体内の損傷もかなり抑えられるので、放射能はあまり怖くないのではないかと思う。
  −以上−

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